厚生省が発表している調査結果によると花粉症の罹患率は『全国平均では15.6%で地域別の有病率では東北13.7%、北関東21.0%、南関東23.6%、東海28.7%、北陸17.4%、甲信越19.1%、近畿17.4%、四国16.9%、中国16.4%、九州12.8%で北海道、沖縄はごく少ない有病率』ということですので、都心ほど花粉症に悩んでいる方が多いという結果が出ています。これは田舎に比べ都会は花粉が吸着できる土が少ないことが大きな原因と考えられています。マスク、めがねは確かに有効ですが、ほかにも普段の生活上で出来ることもあるんです。
【花粉症に負けない強い粘膜を作る!】
花粉症は、スギ、ヒノキ、イネ科の植物、キク科の植物の花粉を原因として発症します。主な原因は粘膜の免疫の異常反応で、花粉などが粘膜に付くと、アレルギー反応として、脂肪細胞(マスト細胞)からヒスタミンが遊離され、花粉症の諸症状を引き起こします。
では粘膜の異常反応を減らすためには何ができるでしょうか。
それには大事なことが二つあります。
人の身体にとって冷えは大敵。とくに胃腸の冷えは免疫機能を狂わせる大きな原因に。そのためには冷たいもの、冷やすものを飲まない、食べないことが大切です。真冬に氷が入った水や、つめたいビール、また胃を冷やすといわれている刺身、生野菜のサラダなどを摂ることは、免疫のバランスを欠く大きな原因となります。
防寒に対して関心が薄いことも身体を冷やしてしまっている要因でしょう。家の中でも靴下を履く、腹巻をするなど普段の薄着を改善することが大切です。衣類で効果的に体を温めるポイントは、“3つの首”。手首、足首、首を寒さからしっかりガードしましょう。特に女性にとって冷えは大敵。不妊や月経のトラブルなどの原因になりやすいので、防寒対策を常に意識しましょう。
第二に『動物性たんぱく質を減らすこと』が上げられます。
くしゃみや鼻水などのアレルギー反応は、脂肪細胞から遊離したヒスタミンによって起こされるというのは前に述べましたが、魚介類以外の動物性たんぱく質には脂肪細胞からヒスタミンを遊離させる作用があることをご存知の方は少ないのではないでしょうか。なので、動物性たんぱく質を極力さけることが大切です。動物性たんぱく質は全般的に消化に時間がかかります。消化に時間がかかるということはそれだけ胃腸への負担になるということです。この面だけから考えても、胃腸を弱らせ、免疫機能の失調を招くことは容易に想像できます。動物性たんぱく質で見落としがちなのは、乳製品や卵の存在です。牛乳や卵、チーズなどにも動物性たんぱく質が沢山含まれています。特に牛乳、ヨーグルト等は冷たい状態で摂ることが多いため、ここでも胃腸へのダメージ、花粉症への悪影響が懸念されます。牛乳や卵の量にも気をつけましょう。さらに体内に入った動物性たんぱく質は身体が『異物』として捕らえるため、免疫反応を起こすきっかけとなり、同じ免疫反応で起こる花粉症症状を悪化させる原因になってしまいます。
漢方では…
漢方では花粉症や弱った粘膜の改善に「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」という漢方が使われてきました。玉とは高級な、品質の高いという意味で、屏は屏風(びょうぶ)のことで、外敵から守るという意味です。よって「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」とは質の高い屏風で風などの邪気(じゃき・ウィルスや花粉などの外敵)から身を守るという意味の漢方です。使われている生薬をみても黄耆(おうぎ)、防風(ぼうふう)、白朮(びゃくじゅつ)といった3つの生薬から出来たとってもシンプルな処方です。黄耆には胃腸機能を高めつつ防御機能を回復する力があり、防風はその名の通り風から身をまもります。白朮は湿気をとりながら胃腸機能を改善する生薬です。花粉症の代表漢方薬が胃腸機能を重視していることをみても、花粉症の対策、免疫機能の回復には胃腸が大切ということがご理解いただけますでしょうか。
『玉屏風散』は皮膚や鼻から、肺、口、腸までのすべての粘膜にバリアをはりウィルスなどから守る効果があります。『玉屏風散』をイスクラでは『衛益顆粒(えいえきかりゅう)』という名前で販売しております。
漢方の花粉症対策は早目が肝心
粘膜を含めすべての肌が新しく入れ替わるのには、年齢によりばらつきがありますが、平均して約2ヶ月。よって強く新しい粘膜を作るのにも大体2ヶ月ほどの時間を必要とします。早めは早めの対策が肝腎なのです。
花粉症状がもう出てしまってるときは?
ここまでは予防に重点をおいてお話してきましたが、花粉症状がもう出ている場合も、基本的な対策は同じで、冷やさない、動物性たんぱく質をひかえ