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陳先生インタビュー

Q. 日本語がお上手ですが、勉強されたのですか?
A.  中医大学の時、 中医学の研究や東洋医学が日本で盛んに研究されていることを知り、これから中医学の分野で日本との交流が多くなると思ったので、 大学の授業で日本語を選択し、 2年間勉強しました。「あいうえお」から勉強しましたが卒業時にはほとんど忘れていましたけど…(笑)
Q. 日本に来てからどのくらいですか?きっかけは?
A. 今年の9月で16年目です。93年「日中医学協会」 の招きで研修のため来日しました。 1年間研修後、「日本で学位を取りたい」と思い、広島大学へ。生命薬学科というところで、 薬の実験などをやっていました。 そこで薬学博士を取りました。
Q. 日本の生活はどうですか? 
A.  便利ですね。食べ物は、最初から問題はなかったけど、 納豆がちょっと苦手です。 刺身は大好き!お寿司も大丈夫です。もずく・なまこも美味しいですね。
Q. ご出身は?
A.  江蘇省 揚子江の海への注ぎ口 南通(なんとん) の海門という所なので、 気候は温かく、日本に似ています。梅雨もありますし、四季があります。
Q. 中国にいらっしゃったときのご専門は?
A.  中医温病学です。
Q. なぜ 「温病学」を専攻されたのですか? 
A.  半分は訳が分からずでしたが、臨床が好きなので、 基礎と臨床の間に位置する学科である「温病学」を専攻しました。大学に入った時の「温病学」の研究室が、全国で一番有名で「重点化学」 と言われ国から投資を受けて発展させるという時期だったので、それに憧れて温病の研究をしようと思いました。
Q. 日本では?
A.  中国では温病中心でしたが、日本の臨床では外感病、 特に呼吸器系の疾患がメインでした。東京医科大学の呼吸器系内科で研修もしました。
Q. 日本の漢方についてはどうおもわれますか?
A.  ある大学病院の漢方外来では、 あるお薬が効くと知ったらそれを特効薬として多用されますが、それはとても疑問に感じました。
日本に「中医学」はまだまだ浸透していないと思いました。漢方薬を使うにはやはり「弁証論治」 が必要です。 個人の体質により効くお薬は異なってきます。漢方薬の使い方を病院の医師や患者さんに伝えました。
Q. なぜ、中医学を志したのですか? 
A.  私は子供の時からあまり体が丈夫ではなかったし、 母も病気がちでした。たまたま、親戚が、軍隊の病院で働いておりました。診察している所を見ていた時、 煎じ薬で非常に効果があったのが印象的でした。
小さな都市では、中薬を煎じて飲む場合は 病気が重い場合か、難病しか無かった。それに接し、「医者になりたい」と思い、 医学部を受験しようと思いましたが、それまでは、中医学でも、西洋医学でもどちらでも良かった。入学当初は、中医学の勉強が難しくて、 「こういう勉強は面白くないな」などと思っていました。当時学校で、専門教育に根ざした人を作ろうと中医学の先生に説得されて中医の道へ。
本当に興味が出たのは、臨床に入ってからです。実際に臨床見学などをして、『患者さんが薬を飲んで元気になった』そういう光景を見て、 やりがい・ 勉強の価値があると感じました。
Q. それからやっとやる気になったんですね(^-^)。
A.  そこまでは「やらされている」 といった方があっているでしょうか。中医学は難しい! 「黄帝内経」とか「傷寒論」など 古い漢文を読まなければいけないのは大変ですね。
Q. 中国の人が 中国語を読むのも大変なんですね。(^^;) 日本人のお客様に漢方の説明をするのは大変ですか? 違いなどはありますか? 
A. まず違うのは、日本と中国のサービス業界全体の違い。 これは大きな社会的背景ですね。 (^^;あと、日本の方は病気に対して、西洋医学や養生の知識が高い。 そこでいきなり中医学の話をしても訳が分からないので、西洋医学と中医学をミックスしてわかりやすく説明することを心がけています。
具合の悪い原因が、 "気"の巡りが悪い事によって起きている病気でも、日本の方には「気」の概念がないので、「気のせい?」 と思われるようです。文化の違いですね。(^-^)
Q. 実際に臨床で診ている患者さんはどういった方が多いですか?
A.  さまざまですが、高齢者の養生のため 難病、 西洋医学ではさじを投げられたような方々…リウマチなどの免疫性疾患や、喘息など。おそらく日本の社会的な構造からだと思いますが、 ストレスから起きる憂うつや不眠、自律神経失調。あと、不妊症の方なども多いです。
日本では不満があってもけんかしないから、よけいストレスが溜まってしまう。中国でしたら不満があったらその場でけんかしてしまうので、 解決してしまうんです。肝鬱はいろんな病気を引き起こす原因だったり、かねている場合が多いです。喘息や、 不妊症などいろんな疾患はストレスも絡んでいますね。
Q. 日本人はストレスを感じやすい、繊細というか、細かいというか・・ですね。
A.  どの病気を考えても、 ストレスは切っても切れないものですね。中医学的にいえば 「気滞血オ」を引き起こします。 日本の社会と生活習慣で血液の流れが悪くなっている人は実際多いですね。
Q. 先生の好きな分野は?
A.  不妊症です。日本は人口出生率が低いし、 近い将来大きな社会問題にもなるかもしれません。 それと、不妊症の補助治療(体外受精など)も進んでいますが、成功率は三割程度です。 中医学をミックスすることによって、中医中薬の威力・持ち味を出せると思います。
中国でも現在は西洋医学・中医学を結合させた治療をやっています。不妊症は女性だけではなく男性にも原因があります。中国では婦人科・ 男性科がともにあるんですよ。双方の体調を整える事が大事です。
Q. ありがとうございました。ほんとに流暢な日本語でお話される陳先生。 不妊症の講議などで地方に行く事も多いそうです。御活躍を期待しております。最後に、お休みはどんな過ごし方をしていますか?
A.  もっぱら子供と遊んでいますね。(^-^) あとは、 テレビを見たり・・・ 主にニュースやドキュメンタリーみたいなものをよく見ます。  動物番組も好きでよく子供と見てます。

2013/01/01

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売