秋の味覚といえば、栗、梨、秋刀魚、マツタケ、などなど、思い出されるものは多々あるとは思いますが、私はどうしても「サツマイモ」が外せません。焼き芋屋さんのあの、「いしやぁ~~きいもぉ~~~~」っという声には心踊らされます。「たかがイモ!」と思って勇んで買いに走ると、これが結構イイお値段するんですよね。かわいい娘さんなら焼き芋屋のおっちゃんもおまけしてくれそうなもんですが、私のようなむさくるしいおっさんが行ったところで別段得なことはございません・・・。なので、サツマイモを買ってきて自分で焼きます。たき火が出来たり、薪ストーブがあればベストですが、マンションですのでそんなテンションの上がるものはございません。家で焼くにはオーブンが良いようですが、我が家には残念ながら小さなトースターしかありません。炊飯器でもできるようですが、それだと焼き芋というよりは蒸イモになってしまい、ぱさぱさして、どうも狙った通りの「ねっとり感」が出せません。
そこで色々調べてみると、なんと魚焼きグリルで焼く方法があるではないですか!これならしっかり「焼き芋」ができそうなので、早速試してみました。うちのグリルはそんなにでかくないので、まるっこくて太いのは入りません。細身のイモをそのままでもいいのですが、濡らしたペーパータオルでくるんで、その上からアルミホイルでくるみます。こうするとふっくら焼きあがる気がします。そして魚焼きグリルにぶち込んで弱火で待つこと、、、40分。。。長い。。長いですが、サツマイモの甘味は、熱ででんぷんが糖に変わることで生まれる(60度で長時間が理想)ので、じっくりしっかり焼いた方が甘くねっとり焼きあがります。串がスーッと入ればOKです。大きさや火加減によって焼き時間はかわるので、時々串をさしてみてくださいね。
サツマイモ
サツマイモは中南米原産とされ、ポルトガル人あるいはスペイン人によって東南アジアに導入され、フィリピンから中国をへて、沖縄の宮古島にもたらされ、17世紀の初めごろに九州へ、そして本州へと広がったとされています。
サツマイモは荒地でも育ち、繁殖力も高いことから、飢饉のたびに民を救ってきたようです。江戸時代、薩摩藩はサツマイモを門外不出として、保護していました。農業技術が低い当時においても、薩摩藩は一人の餓死者も出さなかったと言われています。時は太平の世といわれた時代であっても、食量の確保は、国力に大きく影響する大切なものだったので、荒れ地でも育ち、初心者でも失敗しにくいサツマイモは、厳重に保護されていました。そんなサツマイモが各地に伝わった裏には、座礁した薩摩藩の船を救助したことのお礼として伝わったり、密使を送り、文字通り命を張って厳しい監視をかいくぐり持ち帰ったりと、数々の物語があったようです。
サツマイモを中医学的に見てみる
サツマイモを中医学的に見てみると、平性で身体を温めたり、冷やしたりする作用がなく、どんな人にもおすすめです。胃腸を丈夫にし、元気を補います。ビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富なので、美肌づくりや、便秘、高血圧が気になる方にもおすすめです。元気がない、食欲がない時には、おかゆにサツマイモを入れても良いですね。おかゆもさつまいもも、胃腸の調子を整え、元気にしてくれます。炊飯器に切ったサツマイモを入れて炊くとサツマイモご飯が簡単に出来上がりますよ。おかゆがつくれる炊飯器なら、サツマイモ粥も入れっぱなしでスイッチ入れるだけで完了です。一点注意したいのは、胃腸を元気にするサツマイモには、食欲を高める成分が含まれていますので、ダイエット中の方や、太り気味の方はお気を付けくださいね。
では早速今日の帰りにサツマイモ、買って帰りたいと思います。焼き芋を造ったらまたご報告します。