今日、10月9日の誕生花は茴香(ういきょう) (フェンネル/Fennel) だそうです。
茴香の花
Foeniculum vulgare / フェンネル / ウイキョウ(茴香) / titanium22
Fennel seeds / zoyachubby
中医学で茴香は
茴香の種子は生薬では、小茴香(しょううぃきょう)と呼ばれていますが、料理などに使うスパイスの「フェンネル」としてご存知の方のほうが多いかもしれません。独特の甘い香りと苦みが特徴のスパイスハーブです。小茴香は昔、『フェンネル(Fennel)』ではなく、『マラトン(Marathron)』とよばれていたそうです(エーゲ海にあるクレタ島では今でもMarathronと呼ばれているそうです)。一説によると、「細く長く成長する」という古代ギリシャの言葉が語源とか、マラソン発祥の地、マラトンに群生していたからだとか言われています。
小茴香は、強壮用のハーブとして、古代ローマではグラディエーター(剣闘士)達に愛用され、今でもスペインでは、闘牛士が牛を倒した後、力の象徴として小茴香の花飾りを頭に飾るそうです。中国には4~5世紀ごろに広まったこの小茴香。漢方では種を胃腸薬として利用してきました。消化不良や下腹部の痛みなどに効果があるとされています。その他、利尿・発汗、脂肪燃焼作用があるとされ、『痩せる草』として珍重されてきた過去もあります。インド料理屋さんのレジの脇などに、つまんで食べるために置いてあることもありますね。漢方処方では『安中散(あんちゅうさん)』という、胃痛、腹痛のお薬に入っています。安中散は温中降気、止痛とあり、お腹を温めて、痛み・吐き気を治めてくれる薬草です。小茴香からとれる精油、茴香精油(fennel)は不眠や不安などにも使われています。
小茴香
【基原】 セリ科UmbeliferaeのウイキョウFoeniculum Vulgare Mill.の成熟果実
【性味】辛、温
【帰経】肝・腎・脾・胃
【効能と応用】
散寒止痛、理気和胃
大茴香もあります
小茴香と似た生薬で『大茴香(だいういきょう)』という生薬があります。
013/366 - Star anise HDR / Arria Belli
効果は小茴香と似ていますが、こちらの方が緩和(“劣る”と表現する場合もある)なので、生薬としてより、香辛料として料理で多く使われています。中華料理では『八角』とよばれ、洋食では『スターアニス』とよばれている八角形の星型をした生薬です。ジンなどのお酒に入っていることもあります。こちらは、インフルエンザの治療薬、『タミフル』の原料としても有名ですね。
根や葉も食べられます
日本では余りなじみが少ないかもしれませんが、茴香の根茎や葉は、野菜としての認知度も高い食材です。スライスしてサラダにしたり、切って炒め物や煮物、スープに使ったりと、洋食や中華では良く使われています。中医薬膳では、葉の部分を使った『茴香餃子』なんていうのもあります。最近ではちょっと高級志向のスーパーなどには、おいてあるところもあるようです。その場合は、『フェンネル』か、『フィノッキオ』と言ったほうが探しやすいと思います。香りがとてもよく、胃腸にもよいので、一度お試しください。