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ねこの秘薬は痛みにも良い?「またたび」のお話

今日は昨日までの晴天とは打って変わって朝からどんよりなお天気。せっかくの連休も小雨が降ったりと余りスッキリしないお天気が続きそうです。そんな11月2日は「死者の日」と言われる「万霊節」。先祖の霊を鎮める祈りをおくる日です。
そんなどんよりな日のブログネタ、最近は食べ物の話ばかりだったので、中医学をしっかり載せようかと考えていましたが、ふとした会話で「なぜに猫はあんなにまたたびにまっしぐらなのか?」という話が出てきて、思わず知らべてみると、意外と面白い事実がわかったので、今日のブログは「またたび」について書きたいと思います。
あ、こんにちは、櫻井です。

 



またたび


またたびは山野に自生し、初夏に白い花、秋には扁平な実を付ける蔓性の植物です。ネコが喜ぶまたたびの実は、その果実で、3cmほどの楕円形をしています。またたびの花に「マタタビアブラムシ」が寄生した実は表面が凸凹になります。それを熱湯殺虫して、乾燥させたものが「木天蓼(もくてんりょう)」という生薬になります。正常な果実よりも凸凹の、寄生虫がついた方が薬効が強いとされています。木天蓼はあまり中医学の現場では見かけませんが、中医学の古典にその記載がみられます。


正常な実(右)と虫こぶの実(左)( 画像:蓼科クライネ ユースホステルさんブログより)


 

漢方のしてのまたたび:木天蓼


木天蓼が薬草の古典に初めて記載されたのは唐代の『新修本草』で、「味辛温小毒有り。積聚(臓腑中に気が停滞集結して散らない病態)、風労(感冒による衰弱)、虚冷(虚して冷えること)を主り、苗藤を切って酒に浸すか或いは醸して酒にして服すると大いに効果がある」とあり、薬用酒を造る部位は茎であるとあります。ただまたたびの実に関しては、「大棗のようで定まった形がなく、茄子のような種子をもち、味が辛くて姜や蓼に当てる」と記載があり、生姜などの代用食にされていたようです。味が辛いことから薬用としても「天蓼子は身体を温め、風湿を除くのに使う」と同じ唐代の『薬性論』に茎と良く似た薬効が記載されています。
茎を薬用酒にしたり、煎じたりして、冷えや体力がおちてカゼがなかなか治らないときやリューマチなどの症状改善に使ったようです。果実も身体を温め、血行を良くし、強心や利尿作用があることから、雨の日になると感じられる痛みや、冷えからくる腰痛、リューマチ、神経痛などに使われていたようです。


画像:wikipedia 「またたびの実」


 

ねことまたたび


またたびはネコの万能薬として、元気がない時、食欲低下時、下痢をしたとき、イライラしているときなどに使われます。ネコはまたたびの臭いに反応しています。この「臭い」は、ねこの神経を刺激したり麻痺させたりして、陶酔状態にさせ、ある種の性的快感を与える成分だということがわかってきているようです。でもそれが、どのような作用機序をもって働くのか、そしてなぜネコ科の動物のみに効くのかなど、まだまだ解明されていない謎が多くあります。
マタタビは常習性もなく、持続性も低いので、ネコにとって安全な「お薬」ですが、一気に大量に与えると神経の麻痺が広範囲にわたりすぎてしまい呼吸困難になってしまうこともあるので、一度に1g以上上げないように気を付けてくださいね。またたびが入った袋や保存容器の管理にはお気を付けください。
 

またたびの名前


またたびの名前の由来には諸説ありますが、一番有力と言われているのが、アイヌ語の「マタタムブ」からきたという説です。「マタ」は冬という意味で、「タムブ」は「亀の甲」、もしくは「手土産」という意味だそうです。「旅につかれた旅人がまたたびを食べたら元気になってまた旅にでられた」というのは間違いだそうです。
 

キウイもまたたび


ちなみに「キウイフルーツ」もまたたびの仲間です。というか、キウィはマタタビから作られました。中国の「シナマタタビ」を1906年にヨーロッパ経由でニュージーランドに持ち込まれ、それを改良して食べられるようにしたものが、キウィだからです。キウィは夏のイメージがありますが、耐寒性があるので、-10℃程度の寒いところでも育ちます。



以前 1000flowers で撮ったキウイ、おおきな実になりましたよ。 @hana_no_namae / norio_nomura


 

2013/11/02

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