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「こたつでみかん」はほてりに注意!「みかん」のお話

こんにちは。櫻井です。今日はツイッターでリクエストがあった、「みかん」のお話をしたいと思います。
 
私たちが良く知っている「温州ミカン」はその「温州」という名前から、中国のかんきつの名産地「温州」連想されますが、「温州」とは、名産地にあやかってつけられたもので、中国の原産ではなく、400年ほど前に中国から輸入した「橘」もしくは「小みかん」が、突然変異したものと考えられています。「温州みかん」の原産地は「日本の鹿児島」です。みかんの名前の由来は、中国から輸入された「橘」もしくは「小みかん」が、日本に元々あったかんきつ類より甘かったので「蜜柑」とよばれ「みっかん」と言われていたものが変化したそうです。
 


Mikan picking みかん狩り_06 / nAok0


日本で「みかん」として初めに広まったのは種の多い「紀州みかん」です。これは元々、中国から輸入された「小みかん」を日本で栽培したもの。それを15-16世紀ごろに紀州藩が力を入れて一大産業にしたことから、「紀州みかん」と呼ばれるようになったそうです。そのころ温州ミカンは、その「種が少ない」という特徴を、武士の時代では縁起が悪いとされてあまり広まらなかったそうです。江戸時代後期からその利便性や甘味が重宝され、徐々に広まっていきますが、本格的に温州ミカンが紀州みかんにとって代わってくるのは明治27年頃だそうです。温州ミカンには、その収穫時期により、極早生温州(9月から10月)、早生温州(10月から12月)、中生温州(11月から12月)、普通温州(11月下旬から12月)などがあるようです。



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ビタミンCの話


温州みかんはとにかくビタミンCが豊富。ビタミンCの力はみなさんご存知のとおり、コラーゲンを合成し皮膚や粘膜、血管などの弾力保持、抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促進、色素沈着の元、メラニン色素の合成を抑え、シミを抑えるなどの働きをしています。 ちなみにビタミンCの一日の推奨摂取量は100mg(妊婦は+10㎎、授乳中は+40㎎)。これを下回る食事を60~90日続けると、出血性の欠乏症状が出てくるとされています。さらに一日2.5㎎のビタミンC摂取を下回る状態が3年続くと、老化が進行すると言われています。
それにしても1日100㎎って意外と少なく感じてしまいます。大体「レモン何個分!」なんてうたってるものには、1000mgぐらい入ってます。ちなみにレモン1個でビタミンCは約20㎎。100mg摂ろうと思うと、レモン約5個を毎日食べないといけません。その他、イチゴでとるとしたら約10個。ピーマンなら約4個。そしてパセリなら2束必要です。これだけの量を毎日食べるのは、ちょっと難しいですよね。さらにストレスが多い場合や、たばこを吸う方はビタミンCの消費が上がるので、それ以上に食べなくてはいけません。それを見積もると一日大体500㎎程度が適当ではないかと言われています。多く摂ったビタミンCは、尿と一緒に排泄されるので、たくさん食べて溜めることが出来ず、毎日摂取する必要があります。天然のビタミンCが良いか、合成ビタミンCでも良いのか、という論争はビタミンCに限らず様々な栄養素で言われていますが、実際にビタミンCを天然の食品で摂るのはなかなか難しいのでサプリ等をうまく活用してください。
ビタミンCの大量摂取による弊害は、一度に数g単位で食べると下痢を起こすことがあるとされていますが、それいがいは科学的に証明されていません。食物からとる以上、ビタミンCの大量摂取による害はほぼ無いと言えるでしょう。酸っぱい=ビタミンCが多いというわけではありません。セロリやさつまいも、小松菜、ホウレンソウなどにもビタミンCが入っていますが、酸っぱくはないですよね。
ちなみにサプリメントや野菜ジュースなどで摂るより、ビタミンC入りのガムをかんだ方が摂取量もスピードも早いことがわかっています。ストレスが多い方、たばこを吸う方などは、ビタミンC入りのガムをかむのもいいでしょうね。
 


mikan / みかん / Kanko*


大分話がそれましたが、温州ミカンに含まれるビタミンCの量は約32㎎100mg摂るには、4個程度。これで一日に必要な量は満たしていることになります。ストレスが多い時、たばこを吸う人などはもう少し食べてもよいですが、みかんだけに偏らず、ほかの食物からビタミンCをとるようにすることも大切です。温州みかんの果肉を覆ううすい皮には、便秘改善の力がある、水溶性の食物繊維、ペクチンが多く含まれているので、腸内のデトックス、便秘の改善にもおすすめです。さらにその皮と白いスジには、ヘスペリジンが含まれていて、熱からビタミンCをまもり、ビタミンCによるコラーゲンの生成を促進します。そのほか、消化器官や目によい成分や、βクリプトキサンチンという抗がん作用が注目される成分も含まれています。
 
 

中医学的に温州みかんを見てみると


温州みかん温性で、身体を温める力があるので、こたつに入ってのみかんの食べ過ぎはほてりの原因になり要注意です。みかんを中医学では、実だけでなく、タネ、皮、白いスジすべてを使います。特に皮は、洗って乾燥させたものを「陳皮」(ちんぴ)という生薬として使用します。陳皮は気血の巡りを促進し、胃痛・嘔吐・下痢の緩和、胸やけの改善、咳や痰を鎮め、胃を丈夫にする働きがあるとされています。ちなみに古い方が効能がすぐれているとされています。陳皮は温燥性をもっていて、温めて乾かします(その作用で胃を元気にし、痰をとります)ので、熱が強い場合、乾燥(陰虚)がある場合にはむいていません。エネルギーを巡らせる作用があるので、エネルギーの不足(気虚)には、エネルギー補給剤(補気剤)と一緒に使います。
陳皮はご家庭でも簡単に作れますが、残留農薬の心配があるので、無農薬のものを使うか、良く洗って湯通ししてから干してつくってください。
皮の内側の白い部分を橘白(きっぱく)、白い部分をとった皮を橘紅(きっこう)、白いスジを橘絡(きつらく)、種子を橘核(きっかく)、葉を橘葉(きつよう)、成熟前の青いみかんの皮を青皮(せいひ)などを、症状に応じて使い分けます(日本ではそこまで細分化した使い方はあまりされていません)。中医学の世界でみかんは文字通り捨てるところがありません。


温州みかん箱入りキター!さとこさん、ありがとう! / norio_nomura


 
日本でのみかん栽培は、グレープフルーツやオレンジなどの外国勢のかんきつ類がその販売数を伸ばす中、日米貿易摩擦や、後継者問題、かんきつ類の需要の多角化など様々な影響から、生産量は下降線をたどっているそうです。冬の代名詞、「炬燵にみかん」が無くなってしまわないように、日本産のミカンを食べましょう!

2013/11/11

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