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神様のお供え物?体に良いから?『初潮の「赤飯」』のお話 

こんにちは、櫻井です。今では知っている方も少ないと思いますが、昔は「女子が初潮を迎えると赤飯を炊く」という習わしがありました。私が小さいころでも見かけることはありませんでしたが、父や母の時代ではあったようです。先日たまたまスタッフとそんなことを話していて、ふと疑問になったのが、この「初潮に赤飯」の由来です。ということで今日は「赤飯」のお話です。
 


 
赤色は邪気を祓う
古代から赤い色には邪気を祓う力があるとされていました。神社の鳥居や神殿が赤いのも、墓室や壁画に赤が多用されているのもそのためなようです。赤い色は太陽や血の色、火の色と関連され、人を高揚させる色として認識されきたと同時に、神聖な色としても扱われてきました。陰陽五行説でも、赤色は火の色で、「五臓六腑の主」とされ、人体の一切の生命活動を統帥している「心」の色とされています。
縄文時代ごろに日本に初めて伝わってきたお米は、赤みを帯びたお米でした。日本では自然信仰があり、様々なものに神様が宿るというのが土着の信仰ですが、その神様にお供え物するときにこの米が使われていたようです。お祈りの時、お祝いをするとき、蒸した赤い米を供え、お供えした後に自分らで食べていたのが、「吉行事に赤飯」の始まりと考えられています。今では白い米やもち米に小豆で色を付けたもので代用していますが、昔は米そのものが赤かったようです。


 
赤飯を中医学的に見てみると
もち米は昔から元気のでる食材として体力回復や母乳の出を良くするのに良いとされてきました。もち米は温性で、身体を暖めます。古代の薬物書物『本草綱目(ほんぞうこうもく)』にも、餅は「益気暖中(えっきだんちゅう)」とあり、胃腸を温めて元気をつけるとされています。力うどんや力そばなどには餅は欠かせませんよね。
日本で小豆が食用とされていた歴史は古く、なんと縄文遺跡からもその痕跡が発掘されてるほか、「古事記」にも記述があるそうです。小豆には、強い利尿作用と、解毒の力があります。小豆は水の代謝を助け、むくみを改善する代表生薬です。炭水化物の他、良質の植物性たんぱく質やミネラルが含まれ、薬膳には欠かせない食品です。ビタミンA、ビタミンB1、抗酸化作用を持つポリフェノールやビタミンC、コレステロールを低下させ血液をさらさらにしてくれるサポニンなどが含まれる栄養食品です。その他、血圧降下、疲労回復、便秘改善、むくみの改善にも役立つとされています。
 
赤飯を中医学的に見てみると、もち米で温め、元気をつけて、母乳を出やすくし、小豆で水分代謝を良くし、栄養補給ができるので、初潮を迎えた成長期の女性にはなんともぴったりな食品となります。初潮の赤飯は、あながち「赤色→邪を払う」という宗教的観念だけで出来上がった風習ではないかもしれません。
 



 
私の地元、北海道では、赤飯に甘納豆を入れる習慣があります。子供のころ、近くの神社の行事かなにかで赤飯をいただくとき、甘納豆か小豆かを選ばせてもらえた思い出があります。もちろん小さかった私は甘納豆を選んでいました。といっても今でも甘いもの大好きなので甘納豆の赤飯を選ぶと思います。まぁ、そんなことだから健康診断ではLDLコレステロールが高い!という警告をうけるのでしょうが^^;そうそう、赤飯に胡麻をかけるのは、白い米を赤くしているのをゴマかすためだそうです 笑。
古い文化や風習というのは、やはり良い意味があって、良い経験があって受け継がれ、伝えられてきたものです。もし私に娘が生まれたら伝えていきたいと思います。でも父親に言われるのは、年頃の娘としては嫌なものかもしれませんね~
 

2013/12/20

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