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『食』 給食から見る日本の『食』の変容について

こんにちは。店長の櫻井です。 【全国学校給食週間(1月30日まで)】だそうです。給食週間なるものがあることを初めて知りました。せっかくなので、給食と食文化について書いてみたいと思います。
 


Heiwa elementary school 平和小学校 _16 / ajari



/ chris_harber


 
日本の学校給食の起源は1889年山形の私立忠愛小学校で無料で食事を配ったのがルーツとされる(wiki参照)だそうです。その後欠食児童対策として、パンが一部の学校で配られるようになり、1930年代に臨時の学校給食臨時施設法が制定されたことにより、一部で学校給食が始まります。当時は、給食といってもおにぎりと漬物と、今から考えると簡素なものでしたが、当時ではそれが一般的な昼食としてのメニューでもありました。その後、戦中戦後の食糧事情から一時中断されますが、1945年以降、アメリカの〝援助″により復活しました。しかし、このアメリカによる援助が和食から洋食へと日本の食卓事情を大きく変える転機となったことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。学校給食には、米に変わってパンや脱脂粉乳が導入され、民間にはパンに合うこってりとした味付けの洋食を広めるため、「キッチンカー」がアメリカ政府の全面支援の元、日本全国を駆け巡ります。
食の欧米化は、欧米人との体格差を目の当たりにした当時の日本人たちの焦りともかさなり、和食・伝統食の否定による洋食の肯定へとつながっていったようです。「米を食べると馬鹿になる」とか「米食いは早死にする」とまで言われていたようですね。
戦後間もない昭和31年、日本人の1日当たり肉食量はなんと2g。もちろんこれは食べるものが全くない時代なので、当たり前の数字ですが、35年になると、18.7gとなり、4年間で実に9倍にも増えています。その後も肉食は右肩上がりに増え続け、40年には29.5g、50年には一気に倍以上になり64gとなり、平成14年には77g、平成22年には80.7gまで増加しています。それに伴うように、牛乳の消費も増え続け、昭和35年では1人当たり1日32.9gだったものが、平成14年では168.51gまで増加しています。(厚生労働省の調査を参照)
 


meat or death II / procsilas



おちち / "KIUKO"


上記を踏まえたうえで、下の表を見てみてください。これも同じく厚生労働省が出している死因別にみた死亡率の年次推移です。
 

主な死因別にみた死亡率の年次推移



厚生労働省 平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況 より


関係があるかないかというのは皆さんのご判断にお任せしますが、日本の食卓に洋食が広がり、小麦や肉類、乳類の消費が増えた、昭和50年代頃から、癌や心疾患での死亡率は急上昇しています。一概にすべて食事のせいとは言い切れるはずもありませんが、様々な影響の一つに食事が大きく関与していることは十分に考えられることだと思います。


中医学の観点から考えても、食と言うのは健康と一体のものです。健康のためにはまず良い食事をとらなくてはいけません。そしてその「食」はあくまでも日本人の体質に合った、そして日本の気候風土(高温多湿)に合ったものでなければなりません。日本の伝統的な和食、すなわち旬の野菜を中心にした食事をもう一度見直すべきだと考えます。


「食」という基礎がしっかりしていれば、胃腸が元気になり、内臓も精神も安定し、脳も活性化します。そうなればたとえ病気になっても、薬は良く効き、病状も酷くならず、早く治るようになるでしょう。「食」とは「命を養う源」です。食を軽視し、粗末にすることは命を軽視し、粗末にすることになるのではないでしょうか。


 


Heiwa elementary school 平和小学校 _24 / ajari


 
学校給食法第2条で学校給食の目標が以下のように制定されています。

  1. 適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。

  2. 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。

  3. 学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。

  4. 食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。

  5. 食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。

  6. 我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。

  7. 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。



2003_0224_123825AA / Hanenosuke


学校給食は、伝統的な食文化への理解を深めることや、適切で健全な食生活と食習慣を重要視したもののはずです。学校で出されるものが、子供の人気や偏った知識によるものでなく、本当に大切な「食」と「健康」と「伝統」を伝えるものであることを願ってやみません。

現在22億円もの給食費の滞納が問題になっています。未納の原因としては、「保護者の責任感や規範意識の問題」と半数以上の学校からの回答があったそうです。滞納した世帯の子どもに対し、給食の提供を停止する動きも出ています。もしこのようなことが続けば健全な身体の発育への影響だけでなく、心の問題にも大きく影響してくるでしょう。世界でも数少ない、給食という制度を継続させていくためにも、そして、流通や消費、勤労や伝統文化への理解を深める機会を失わないようにしてほしいものです。


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2014/01/24

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