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中医学で考える「血(けつ)」のお話

こんにちは。小食養生を続けております櫻井です。でも昨日は私、誕生日でございまして、昼は寿司、夜は肉とかなり食養生も真っ青なぐらいたべすぎてしまいました。朝の小食はつづけているのですが。。ということで相変わらず胃が重いです。今日からまた、いつものはちみつレモンティーに、ミニトマトをプラスした朝食から一日を初めて行きたいと思います。
 


さてさて、そんな今日は、2月26日。今日は【血液銀行開業記念日】なんだそうです。


※【血液銀行開業記念日】
1951(昭和26)年、日本初の血液銀行・日本ブラッドバンク(後のミドリ十字。
吉富製薬と合併する等して現在は三菱ウェルファーマ)が大阪に設立された。
血液銀行は、献血等により提供者から採取した血液を保存管理して輸血に必要な血液を確保し、
必要に応じて供給する機関で、GHQの指示により設置された。翌1952(昭和27)年に、
日本赤十字社も血液銀行を設立した。(出典: みーちゃんの今日は何の日


輸血に必要な血液を保存管理するj血液銀行ですが、もともとはGHQの指示で設置されたんですね。知りませんでした。血液は動物の主要な体液で、全身の細胞に栄養や酸素を運び、二酸化炭素や老廃物を運び出すための媒体です。中医学でも「血」はほぼ同じ意味合いで語られているんですが、中医学の独特な「血(けつ)」のお話を今日はしたいと思います。



「血」とは


中医学で「血(けつ)」とは、陰に属し、静を主る物質で、「血管中を流れる赤色の液体で、人体を構成し、生命活動を維持するうえで基本的な物質」と言われています。血の主な働きは、「臓腑・組織・器官に栄養を与え生命活動を維持する」ことにあります。(出典:イスクラ中医学入門)


血の生成


 血は脾胃(胃腸)で、飲食から作られた「水穀の清微(すいこくのせいび)」の中の「精気(せいき:水穀精微の気)」もしくは、水穀精微から生まれた「営気(えいき)」と、「津液(しんえき:体内のすべての正常な水分)」が混ざり合い、血管に入ることで、赤く変化し造られます。このことから脾胃は「血の生化之源」とされており、脾胃が弱ってしまうと、血がうまく生成できなくなるので、脾胃の虚弱は血が不足する「血虚(けっきょ)」につながります。そのほか、「腎」に蓄えられている「精気」からも、一定条件のもと、血は造られます。



血の作用


 血は、臓腑・組織・器官を「濡養(なんよう)」・「滋潤(じじゅん)」します。濡養とは、液体によって栄養を授けるという意味で、滋潤とは液体により潤いを与えるという意味です。血によって濡養・滋潤された人体は、本来の生理機能を発揮することが出来ます。『素問・五蔵生成』には、“これにより、肝が血を受ければ視ることができ、足が血を受ければ歩くことができ、手のひらが血を受ければ握ることができ、指が血を受ければ摂することができる”と書かれています。これは、十分な血があれば、目は見えるようになり、足取りもしっかりし、手もしっかりものを掴むことができるという意味です。逆に血が不足してしまうと、手足がしびれたり、つったり、冷えたりするようになります。そのほか、爪がもろくてわれやすくなったり、手足や髪の乾燥感を感じたりするようになります。


 もう一つ血には、「精神意識活動の基礎」を支えている作用があります。血が十分に充足していることで、精神活動は安定し、柔軟性も有することが出来ます。何らかの影響により血が不足したり、血の運行が妨げられると、精神疲労、健忘、不安、不眠、多夢、煩躁、譫妄などの様々な症状が現れることになります。



血の運行


 血の循環は西洋医学では主に心臓の拍動によって行われていますが、中医学では様々な臓腑のエネルギーが複雑に絡み合ってい動かされていると考えています。まず血は陰に属しており、静を主るので、血そのものは動力を持っていません。血は心気による推動作用により押し流されます。押し流された血が血管から漏れ出なくしているのは脾気による統血作用です。脾気は出血を抑制しています。そして、必要な部分に必要な量の血を送るためにも、血を貯蔵しているのが肝です。加えて肝は、血の運行がスムーズにいくようにもしています。


 まとめると、脾胃で造られた血は肝に貯蔵され、心により押し出されています。この時スムーズに運行できるように肝が調節し、脾が出血しないようにコントロールしています。



血に関連する症状


 血が不足したり、流れが滞ったり、熱性の興奮が加わると、病的な症状が現れます。


 「血虚(けっきょ)」とは、血が不足した状態です。栄養や潤いが体の各部に届かないので、乾燥や栄養不足をもとにした症状がみられます。物忘れ、不眠、視力減退、目や肌・髪・爪の乾燥、手足のしびれ、皮膚のかさつきや痒み、めまいや立ちくらみ、月経前後の頭痛、冷え、閉経、貧血、便秘などが症状として現れるようになります。


血虚には、血を増やす力のある、レバー・豚肉・鳥骨鶏もしくは地鶏の肉や卵牡蠣・なまこ・太刀魚・うずらの卵・黒米・ほうれん草にんじん・トマト・小松菜金針菜・ピーマン・黒ごま・白ごま・黒豆小豆・黒きくらげ・プルーン・竜眼肉・なつめ・くこの実・レーズン・ざくろ・・ぶどう・ブルーベリー・いちご・桑の実・ほうじ茶・紅茶・くこ茶等がおすすめです。


 「血瘀(けつお)」とは、全身、または一部の血の流れが滞った状態です。血は、健康な状態では、体内を駆け巡り、臓腑や組織、器官に栄養と潤いを与える物質ですが、時と場合によっては、健康を妨げたり、ひどい場合は命を奪うこともあります。このような状態になった血を「瘀血(おけつ)」と言います。瘀血は粘度が増し、固まりやすくなった血液、または内出血や血栓、腫瘤なども含んでいます。血瘀が状態で、瘀血が流れが悪くなった血そのものです。血瘀によって引き起こされる病気や不調は、肩こりや冷えのぼせなど軽度なものから、頭痛、生理痛、痔、静脈瘤、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など重度なものまで、様々です。


血瘀には、血の巡りを良くする、いわし・さんま・さば・あじ・かにどじょう・玄米・玉ねぎにんにく・にんにくの芽・らっきょう・にらねぎ・しょうが・みょうが・なす・くわい・そば・黒豆・黒きくらげ・山椒・花椒・シナモン・紅花・サフラン・バラ・うこんさんざし・桃・さくらんぼ・黒酢・ほうじ茶・ウーロン茶等がおすすめです。


 「血熱(けつねつ)」とは、血に炎症や発熱など興奮性の生理作用が影響して起こるもので、充血や出血を起こす原因となります。アトピーやニキビ、乾癬など肌のトラブルにも血熱は大きく関与しています。


血熱には、余分な熱をとる食材の、にがうり・トマト・れんこん・白菜・セロリ・きゅうり・水菜・バナナ・すいか・柿などがおすすめです。


*赤字は温める作用のある食材です。



血は血管内を流れる赤色の液体で、生命活動を維持する基礎物質で、臓腑・組織・器官を濡養(なんよう)・滋潤(じじゅん)しています。血は主に脾胃の働きによって得られた水穀の清微の気や営気、そして津液からつくられますが、ある一定の条件下では、腎の精気からも造られます。血は肝に蓄えられ、心により押し動かされ、また肝によりスムーズに流れています。そして流れださないように、出血しないように、脾胃にコントロールされています。


血はとにもかくにも、十分にあることが大切です。そのために胃腸を良い状態に保っておくこと、弱らせないことがとても重要です。胃腸を元気に保つには、1に小食、2に温食です。温かく、消化によいものを、少量食べるのが胃腸を元気に保つコツですよ。過去のブログもご参考くださいね。


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2014/02/26

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