今日はそんなおいしい果物の一つ、グレープフルーツのお話をしたいと思います。
tale of two grapefruit / woodleywonderworks
1個で1日に必要なビタミンCをまかなえる
グレープフルーツと聞くとフロリダのイメージがとても強いですが、実は西インド諸島あたりが原産だそうです。しかも元々は、文旦とオレンジが混ざってできた種だそうですよ。文旦を祖先に持つなんて、なんだか一気にグレープフルーツが身近に感じられます。たっぷりの果汁に程よい酸味と、若干の苦味。グレープフルーツは、そのまま食べるほか、ジュースやお酒、ゼリーにシャーベットなど様々な加工食品としても、私たちの生活に入り込んでいます。芳香剤や入浴剤、ボディーソープやシャンプーなどにも、グレープフルーツの香りというのは多いですよね。
そんなアジア出身のかんきつ類、グレープフルーツですが、ビタミンCの含有量が他のかんきつ類に比べても高く、1個で1日に必要な量が大体賄えてしまいます。レモン一個より断然美味しく食べられますね。ビタミンCは、肝臓の働きを助け、活性酸素を除去して、疲労を回復し、ガンを予防し、血管を護り歯ぐきの出血を防ぎ、お肌にハリを与え、コレステロールも正常にしてくれます。人体にとってビタミンCはとにかく有益です。
グレープフルーツの苦味に含まれるリモニンという成分は、発がん物質を体外への排出を促進する作用が認められています。さらに動脈硬化の予防や、肝機能の強化、肝臓に脂肪が蓄積されないようにする作用を持ったイノシトールなども豊富に含まれています。
最近は紅いルビーレッドと言われる種類も見かけるようになりましたね。ルビーレッドには、リコピンやβカロチンが豊富で、これらも抗酸化作用が強く、血管を護ったり、ストレスを改善したり、睡眠を良くしたりと様々な効能を持っています。味は若干ルビー種の方が甘いでしょうか。味が好みであれば、ルビーの方がおすすめです。
中医学的に見てみると
グレープフルーツは、寒性で、余分な熱をとってくれる力があります。味は甘味と酸味。胃腸を元気にして、潤いを生む効果があります。潤しそして降ろす性質があるので、熱っぽくのぼせるようなかた、高血圧なかた、イライラして胃腸の調子も悪いような場合にはおすすめですが、反対に冷え症、体力低下時、老人では、食べ過ぎると胃腸が冷えてしまって働きが低下する恐れもあるため、注意が必要です。その他、中医学的効能は、気を巡らせ胃の機能を回復させるほか、酒の分解を促進し二日酔いを解消させたり、痰を取り除く効果もあるとされています。 グレープフルーツのあの独特なかぐわしい香りには、気を巡らせる効果があるとされ、ストレスが停滞しやすい方にお勧めです。
グレープフルーツの皮には、消化不良を改善する作用がありますが、日本に出回っているほとんどのグレープフルーツには防腐剤がかけられており、そのまま口に入れることは好ましくありません。皮を使うときは、防腐剤が残っていないものを探すようにし、それ以外は使わないようにしましょう。
高血圧薬を飲んでいる方は注意
グレープフルーツを食べるうえで一つ注意したいのが、高血圧の薬、カルシウム拮抗剤を飲まれている方は、一緒に摂ると血圧を下げすぎてしまい、頭痛、めまい、顔のほてりといった副作用を起こす恐れがあるので、避けなくてはいけないということです。これはグレープフルーツジュースでも同じですし、八朔、文旦(ザボン)、スウィーティーなどにもそういった可能性があるそうです。グレープフルーツを食べて10時間後に薬を服用した場合でも影響が出たという報告があるので、高血圧の薬を飲んでいる方は、グレープフルーツは避けたほうが良いですよ。ちなみにオレンジは大丈夫なそうですので、かんきつ類が食べたくなったらオレンジを食べましょう。
グレープフルーツの瑞々しい果汁は、体の渇きだけでなく、心の渇きも癒してくれるというのは大げさでしょうか。しかしあの鋭い酸味と柔らかな甘み、そして舌の奥に広がるほのかな苦味が心の棘をとるように穏やかにしてくれる気がします。
体を潤し、消化を助け、ストレスの停滞を改善してくれるグレープフルーツ。このブログを書いているだけで、お腹が減ってきた気がします。
エネルギッシュで、肉や脂ものの食事が多い方、ほてりや微熱、イライラが気になる方にはおすすめですが、冷え症や虚弱体質の方には不向きです。グレープフルーツは冷蔵庫で保存すると酸味が強くなるそうですので、冷たいものが良ければ、常温で保存して、食べる前に冷やして食べてくださいね。料理にくわえても良いですね。その時はショウガや体を温めるものと一緒に摂ることで、寒性が緩和されますよ。
美味しいグレープフルーツを選ぶには、皮が鮮やかな色をしていて、大きいものを。持った時に見た目以上の重量感があるものを選んだ方が果汁たっぷりです。傷や痣があるもの、表面の張りがなくなり柔らかくなっているものは避けましょう。
グレープフルーツがおいしくなるのは、4~6月。ちょうどこれからが旬で、一年の内で一番おいしくなる時期です。どうも最近イライラしている、脂もの、肉類が多い、顔がほてるなどを感じている方はグレープフルーツ、試してみてはいかがでしょうか。