イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

ブログ日記BLOG

【自然と病気のつながり】のお話。「寒い日や風が強い日に体調が悪い」そんな方必見です。

みなさまこんにちは。イスクラ薬局六本木店店長櫻井です。
昨日4月6日は、『寒の戻り特異日』だったそうです。
※【寒の戻りの特異日】 
 寒の戻りが起こる確率の高い日。
 寒の戻りとは、春になって気温が上がる時期に突然やって来る寒さのことで、
 大陸からの寒波・北東気流による冷え込み・移動性高気圧による夜間の冷え込み等によって起こる。
ぴったりあたってましたね。天気なんて毎日違うもんだと思ってましたけど、繰り返されているんですね。確かに昨日は風が強くとっても寒い一日でした。冬かと思うぐらい寒かったですね。おかげで鼻水が止まりませんでした。頭もじゃっかんボーっとしてましたね。左後頭部に鈍痛も感じていました。特に思い当たる節は無いのに、昨日はいろんな症状が出ていて、調子悪かったです。
昨日のように風が強くて寒い日なんかは、悪寒や冷え、鼻水、くしゃみ、ふらつき、頭痛、そしてイライラや落ち込みなど気分症状も出やすいお天気なんです。ということで今日は、寒さや風なども病気の原因になる!というお話をしたいと思います。中医学から見た「自然と病気のつながり」のお話です。
 



中医学的 病気の要因


中医学には、気象の状態も『外因(がいいん)』と言って、病気を引き起こす一つの原因であるという考え方があります。自然界には、気象の変動を左右する風(ふう)、寒(かん)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)、火(か:あるいは熱)の六つの現象があり、これらを「六気(ろっき)」と呼んでいます。この六気が病気の発生原因となる場合には「六淫(ろくいん)」と呼ばれ、人体を外から侵す因子、「外邪(がいじゃ)」になり、それぞれ、風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、火邪(かじゃ)または熱邪(ねつじゃ)と呼ばれています。
これら外因が原因で発生する病気を「外感病(がいかんびょう)」と呼びます。外感病は、一般的に季節性があり春は風病、夏は暑病(火と湿の邪気が重なりおこされる暑気あたりのこと)、秋は燥病、冬には寒病が多いとされていますが、最近では、夏場のエアコンや冷たいもの摂りすぎなどによる寒病や、冬場の暖房器具による乾燥などによる燥病など、人口的な環境による外感病も存在します。
これら六因の外邪は、毛穴や喉、鼻の粘膜から入り込み、奥へ奥へと侵入していきます。その際、人体の抵抗力からの攻撃を受けつつ、戦いながら進んでいきます。その抵抗の結果が熱だったり、炎症だったりなどの症状となります。抵抗力が強いと、身体の表面部分で追い出すことが出来ますが、弱いと、外邪は内臓まですすみ、体調を大きく狂わる原因となります。
六因の邪気は、熱邪、寒邪など単体で人体を襲うよりも、風と熱、風と寒など複数の邪気が合わさって人体を襲うことが多く、さらに病状が進むことで、初めは寒気や冷えなどの寒邪の症状(寒証)がみられていたものが、徐々に発熱、強い悪寒など熱邪の症状(熱証)に変わることも多々あります。
体内の陰陽や気血水(津液)のバランスの崩れ、臓腑の機能低下等を起こすことによって、外邪に侵されたときと同じような症状が現れることがあります。これらは、内風、内寒、内湿、内熱と呼ばれています。
 


秋冬は乾燥に注意


春は風邪(ふうじゃ)に注意


「風」は春を代表する六気。それが体内に侵入し悪さを働くと、風邪(ふうじゃ)に変貌します。風邪は風に似た性質を持ち、風邪に侵されると、変化の激しい症状、流行性(流行って、無くなる)、症状がでる範囲が広く種類も多い、病変部痿が変化する・移動するなどの特徴があります。また、風邪はほかの邪気を伴いやすいという特徴もあり、中医学の古典、黄帝内経にも「風為百病之長(風は百病の長となる)」記されています。
風邪の主なタイプには、傷風、風寒、風熱、風痺(ふうひ)、内風の5つがあります。
傷風とは、風が単独で引き起こした疾病で、風にあたるのを嫌い、厚着したがる「悪風」、発熱、何もしないのに汗が流れ出る「自汗」、頭痛、鼻づまり、くしゃみ、咳、喉の痛みなど、軽いカゼを引いたような症状がみられます。
風寒は、風邪に寒邪がくっついて人体に侵入し、悪さをしているもの。初期は悪寒が強く発熱は少なく、頭痛、筋肉痛、鼻づまり、咳などがみられます。汗も通常は無く、出ていても少しです。
風熱は、風邪に熱邪がくっついて人体に侵入し、悪さをしているもの。熱寒が強く、寒気は少ないのが特徴。喉の腫れて痛み、咳なども出ることがあります。
風痺は、遊走性の関節痛が特徴です。遊走性とは、発症部位が固定せず移動性を伴っているものです。風痺は、風、寒、湿が合わさって人体を襲い、関節や筋肉の痛みを引き起こす痺証(ひしょう)の一つで、風邪の影響が強いものを指します。寒くて雨の降っている春の風の強い日には関節痛や頭痛などが起こるというのが、風痺です。
内風は、臓腑の機能失調や、気血水のバランス異常、ストレスなどによる、高血圧、めまい、イライラ、脳卒中、痙攣やひきつけなどを指します。原因としては、五臓の肝の陰(栄養分に富んだ潤い成分や血液)が発熱や目の使い過ぎ、出血、月経過多、睡眠不足、飲食の不摂などにより過度に消耗され、肝の陽気(エネルギー)を安定させることが出来ず過度に亢進した状態を作り出した結果、陽気が体上部に向かって昇ることで起こされる「風」です。これが原因でめまいや痙攣、脳卒中、熱性痙攣などがみられるようになります。
春には、私たちを取り巻く自然も、草木は芽吹き、動物たちも目を覚ます季節で、陽気が高まる季節です。それだけに風が吹きやすく、また、内風傾向の人は外の「風」の影響を受けやすい季節なので、風が強くなる春にはめまいや頭痛、気分障害などの症状が出やすくなります。
 

Wind Farm at Upolu
Wind Farm at Upolu / Yinghai


風邪から身を守るには


それぞれに対処法がちがいますが、全般的に言えるのは、肌の露出を少なくすることです。風邪は毛穴や喉、鼻の粘膜から体内に侵入してきます。露出しやすい、首元、足首、手首などはしっかり守りましょう。夏場、汗をかいたままエアコンの前で風に当たると、無防備に開いた毛穴から風邪と寒邪が侵入し、筋肉や関節の痛みを起こさせたり、お腹を壊したり、悪寒・悪風・発熱・咽頭痛などのカゼの症状に苦しむことになったりするので、注意が必要です。
内風に関しては、若干対処が違います。上に書いた通り、内風は肝の血や潤いが失われたことで陽気を抑えらず以上に亢進した状態(一種の緊張・興奮状態と言える)や、肝の機能低下で、正常な状態では滞りなく流れているはずの気の流れが悪くなり、熱を帯びて陽気とともに上昇し、風を生み出したことによるものなどがあります。よって予防法としては、肝の血・陰(潤い)を常日頃しっかりと補充しておくこと、血・陰(潤い)の損傷を最小限にすることなどが第一です。それと同時に、肝の気の巡りを回復させ、気の巡りを低下させるストレスはこまめに発散することも大切です。
肝の状態は爪に現れるため、肝の血が不足すると爪が薄くなったり、ツヤが悪くなったりすることがあります。また、「肝は目につながる」といわれ、目は肝と深いつながりがあると考えます。肝の血が十分蓄えられていれば、 栄養や潤いがいきわたり目も良く見えるようになります。過労や老化などで肝の働きが低下したり、肝の血が不足すると、 目の疲れや目のかすみ、視力の低下、ドライアイなどの目の症状が現れることもあります。


Spring Storm / Hugh Nelson


血を補う食材:鉄分の多いレバー、牡蠣、ほうれんそう、小松菜、赤い色の食材のトマト、小豆、プルーン、ナツメ、ザクロなど。 ミネラルが豊富な黒い色の食材(黒豆や黒ゴマ、黒きくらげ)も補血に役立ちます。
陰を補う食材:豚肉、豆乳、レンコン、白ごま、黒ゴマ、松の実、ハトムギ、菊花茶、白きくらげ、きゅうり、トマト、梨、ハチミツ、サンザシ、クコの実、クワの実、トマト、メロン、レモン、梨、桃等。その他、甘い食べ物と酸っぱい物を組合わせて食べることで陰が作られると考えられています。
 気の巡りの低下におススメの食材:香味野菜(葱、三つ葉、生姜、パセリ、セロリ、春菊、香菜など)、オレンジ、みかん、グレープフルーツ、柚子、レモン、キャベツ、苦瓜、ミント、アサリ、シジミ、イカなど。
上記の食材を毎日の食事に摂りいれるようにしましょう。そして気の巡りが悪くなって、内風が起きやすくなっていると、熱もこもりやすくなっているので、体を過度に温めるもの(羊肉など)や、辛味の強すぎるもの、お酒の飲みすぎは症状をさらに悪化させるので、摂りすぎないようにしましょう。春は陽気が高まるので、発散させ易い香味野菜を出来るだけ取るようにしましょう。春の山菜などは、陽気の高まりによる過剰な熱をとり去り、気を巡らせてくれるものが多いので、積極的に摂るようにしましょう。
そして、働きすぎに気をつけ、陰が補充される時間帯の夜にはちゃんと眠る事や、過剰な性行為、軽い運動は気を巡らせるので、効果的ですが、激しい運動やサウナ、長時間の入浴などによる汗の消費は避けるようにしましょう。


Spring Storm Study / GollyGforce - Living My Worst Nightmare


季節の変化は私たちに四季を感じさせてくれると同時に、気持ちや体の影響をも、もたらしています。うまく順応するためには、日ごろの備えが肝腎です。明日はちょっとまた温かくなるようですので、陽気が高まり、内風が起きやすいともいえます。今日の夜は香味野菜をとって、ぬるめのお湯で長すぎない半身浴をして、しっかりと寝て、明日に備えましょう。心地の良い春を過ごすために、養生してくださいね~。

2014/04/07

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売