今日のテーマは「アスパラガス」です。正直言って昔はそれほど好きではありませんでした。なぜかはわかりませんが、さっきちょの部分の見た目が苦手だったような気がします。でも今は大好きな野菜の一つです!
アスパラの旬は春。4月から5月。北海道は6月ぐらいがおいしい時期だそうです。土に埋めて日に当たらないように柔らかく育てたホワイトアスパラもありますが、栄養価はグリーンの方が高いようです。
アスパラは、ヨーロッパの南のほうからロシア南部にかけて自生しているそうです。日本では、北海道が産地として有名なところをみても、涼しいところ好む植物であることがわかりますね。
アスパラの栄養
アスパラは、古くから疲労回復効果の高い野菜として知られていたようです。理由としては、豊富なたんぱく質です。その中でもアスパラギン酸が多く含まれているためです。アスパラギン酸はアスパラギンというアミノ酸から出来るんですが、アスパラギンは、その名の通り、アスパラガスの汁から単離されたものです。
アスパラギン酸は、タンパク合成に必要な物質で、尿の合成を促進する作用もあり、毒性のアンモニアを体外に排出し、中枢神経を守る働きもあります。また、筋肉にミネラルを運び、疲労に対する抵抗力を高めたり、スタミナ強化にも良いことがわかっています。
カリウムも多く含まれ、高血圧やむくみの改善も期待できます。上記のアスパラギン酸はカリウムと合体して、アスパラギン酸カリウムとなり、糖質の代謝を促進して、疲労が蓄積するのを防ぎます。ビタミンCやビタミンB群も多いので、血管の老化を防いだり、お肌を若々しく保つのにも適しています。タンパクやDNAの合成、赤血球をつくり、細胞の分裂や発育を促進している葉酸も含まれています。鉄分や赤血球を増加させるコバルトもほかの野菜に比べて多いので、貧血予防にはとってもおすすめの食材です。
Asparagus / Mike Licht, NotionsCapital.com
美味しいアスパラの選び方と保存方法
太くまっすぐ伸びているもの、繊維の筋が入っていないもの、穂先が締まっていて開いていないもの、切り口が白く変色していないものがおいしいアスパラです。保存するときは水分が失われないようにラップして、冷蔵庫の野菜室に立ておくことでアミノ酸などの減少を防ぐことができます。
Roasted Asparagus / bongo vongo
中医学から見たアスパラガス
アスパラの性質は、手元にある資料では、平性、微涼性、寒性、と三つとも異なっていますのが、効能と比べると、若干湯冷ましのように冷ましてくれる程度と捉えておいて良いとおもいます。味は苦味と甘味。帰経は肺。中医学的効能では、肺を潤し咳や喉の炎症を鎮め、利尿作用と便通作用あり、潤いの分泌を促進し、喉の渇きを収めるとされています。
Asparagus and Morels / Laurel Fan
アスパラはちょうど今から6月ごろまでがおいしい季節です。北海道では冬場は雪に埋もれて育ち、春になると雪解け水をたっぷりとすって育つので、瑞々しくてとても甘くなるそうですよ~。さっとゆでるだけでしゃきしゃきとした触感と甘み旨味が際立つとてもおいしいものです。水溶性ビタミンが多くふくまれているので、ゆで時間は少な目にしましょう。太い方を先にお湯に10秒ほどつけてから全体を湯の中に入れるのがおいしく茹でるコツです。
カロチンやビタミン類、食物繊維、タンパク質にミネラルと栄養価に富んだアスパラは、昔から疲労回復の食材とされたほか、高血圧や心臓、動脈効果の症状緩和、湿疹や便秘の改善など様々な症状の改善に民間でも使われてきました。近年では、抗がん作用もあるという報告もあるようです。春は陽気が上に上りやすく、のぼせやイライラを感じやすい季節。そんな時余分な熱をとり、潤いを補ってくれるアスパラはピッタリの食材です。かんきつ類などの気の巡りを改善する食材などと合わせるとさらに良いですね。