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ほてりやイライラを鎮め、便秘を改善してお肌もつるつる「わらび」のお話

こんにちは、櫻井です。今日はまた寒いですね。昨日は暑ささえも感じるぐらいの陽気だったのに、今日は一転して冬に逆戻り。これだけ寒暖の差が激しいと、体調を崩す方も多いでしょうね。
今日もまた、この時期に美味しい旬の山菜のお話を。今日は「わらび」のお話です。わらびは、春の訪れを知らせるこれもまた美味しい山菜ですよね。日本全国で採れますが、本州はこれから、ゴールデンウィークあたりから初夏にかけてが旬と言われてます。和え物にしても、お浸しにしても、卵でとじても、おこわにしても、とっても美味しいですよね。しかも根の部分からはわらびもちの原料のわらび粉が造られます。そんな素敵な山菜なんですが、実は毒性もあったりして、十分にあく抜きしてから食べることが鉄則です。
 

わらび Bracken
わらび Bracken / "KIUKO"


わらび


「やまねぐさ」と言われ、古くから春の季語となっているわらび、万葉集や源氏物語にもその名前が出てくるほど、日本での馴染みが深い山菜です。春ごろに新芽をだし、若芽は褐色のうぶげで覆われていて、草原などに群生し、大きさは30cmぐらいにまで成長するシダ植物です。天然ものの旬は九州地方では2~4月頃、本州では今頃からゴールデンウィークにかけてがちょうど美味しい頃です。東北地方はこの後6月ぐらいまで旬が続くようです。最近では栽培したものも売られています。


わらび
わらび / onohiroki



わらびもち


わらびの地下茎をほぐして洗い出して精製したでんぷんは、わらび粉といわれ、わらびもちの原料になります。このように、地下茎からわらび粉を作る方法は縄文時代にはすでにあったと言われています。今でもパプアニューギニアあたりでは、サゴヤシという木の繊維をほぐして精製して作ったでんぷんで、パンの様なものをつくり、主食にしているところもありますが、その昔は沖縄や南日本でもソテツからとれるでんぷんでパンをつくって食べられていたようです。稲が導入される以前は、木や植物の根からとれるでんぷんから作られたパンが主食であったのかもしれませんね。

その昔、奈良で発明されたこの和菓子は、当時から高級品として知られています。昨今では小麦粉からつくられた透明のエセわらびもちが安価で売られていますが、本物のわらび粉を入れたわらびもちは色が茶色ぽいのが特徴です。わらび粉100%のものになると真っ黒です。本物は一味も二味も違いますので、是非機会があればご賞味ください。



わらび餅@山中
わらび餅@山中 / dreamcat115



わらびの栄養


わらびに含まれる栄養成分は、カロチン、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、食物繊維など。干したわらびはビタミンCが失われてしまいますが、その分カロチンがアップします。
カロチンは体内でビタミンAに変化して、目の網膜や口、鼻などの粘膜、肌や爪や髪などの機能を保つ重要な栄養素です。さらにカロチンには、抗酸化作用もあるので、体内で細胞の酸化を防ぎ、肌や組織などを若々しく保つだけでなく、ガンの予防、ストレスの軽減にも役立っています。細胞の老化を防ぐ抗酸化作用はビタミンAのほか、ビタミンE、ビタミンCなどにもあります。
多量に含まれる食物繊維は便秘を解消する働きをし、カリウムは余分な塩分を体外に排出して、動脈硬化や高血圧を防いでくれます若返りのビタミンと呼ばれているビタミンEも豊富です。ビタミンB2は皮膚や髪の毛の再生を促しますビタミンCはシミやそばかすを予防して、コラーゲンの生成を助ける働きもあるため、お肌を若々しく保ってくれます。また、赤血球や細胞の増殖に不可欠な葉酸もたっぷり含まれているので、貧血予防にも是非お勧めしたい食材です。



中医学から見たわらび


わらびは寒性で、肝、胃、大腸に良く、余分な熱や湿気を取り除く力や、気を降ろし痰を取り除く力があるとされ、止血する効果もあります。むくみや渋り腹、下痢、出血性の下痢や血便などに良いとされています。胃や大腸に熱がある状態は、熱で水分が奪われ、便秘になりがち。さらに、尿の水分を奪い濃縮し色を濃い黄色にします。わらびはそんな胃腸や膀胱など下腹部の熱状態を改善してくれたり、おしっこを出やすくしてくれます。また、春に身体の上部へと登りがちな気を降ろし、ほてりやイライラを鎮めてくれる働きもあります。

わらび干し
わらび干し / kinumi.


 

灰汁を抜く


わらびには毒性があるため、そのまま食べるとひどい中毒を起こしてしまいます。牛や馬などの家畜が間違って食べてしまって中毒症状を起こした報告があるそうですが、しっかり灰汁を抜いて食べればまったく問題ありません。灰汁抜きには、熱湯1リットルに対して重層小さじ1を入れたものでわらびを茹でて、そのまま冷ましてから水にさらします。もしくは沸騰したお湯1Lに重層小さじ一杯を入れてわらびを入れてもう一度沸騰させ、そのまま1晩おいても灰汁は抜けます。食べる前に水ですすぐのをお忘れなく。灰汁は日に日に強くなるので、入手したらすぐにあく抜きをすることが大切です。あと、重層を入れすぎたり、煮すぎると、わらびがとけてドロドロになってしまうのでご注意を。

わらび
わらび / onohiroki


 

美味しいわらびの選び方と保存


うぶげがいっぱいついていて、茎が太く短くて、張りがあり、葉がしっかりと閉じていて、茎の部分に変色がないもの。栽培ものなら30cmぐらいのものが美味しいそうですよ。保存には、あく抜きした後、水につけて冷蔵庫へ。水を毎日取り換えれば1週間は持つそうです。

秋田に住む親戚からいただいた「みずの実とわらび」の漬物。とても美味しくご飯が進む。みずの実は福島以北にしか自生してないのだとか。
/ beve4


わらびは、お肌に良いビタミンCやB、そしてガンや生活習慣病、高血圧を予防してくれるビタミンEやカロチン、カリウム、便秘を改善してくれる食物繊維も豊富です。中医学的に見ても、春に高まりがちな陽気を鎮めてくれ、いらいらやほてりなどを緩和してくれます。また胃腸の熱をとってくれて、便秘や渋り腹、尿量の減少などにも効果的です。
そのまま食べると中毒を起こしてしまいますが、あく抜きをすれば問題ありません。すでにあく抜きされて水漬けになったものや塩漬けになったものも出回ってます。加工技術の進歩から、一年中食べられるようになりましたが、本来は春の山菜ですので、今是非食べたい食材です。自然がもたらす食べ物には、その時その時に、私たちが必要とする力をもっているものが多くあり、旬のものを食べる事は季節の不調を予防でき、さらに次の季節へ体調不良を残さないためにも、とても重要です。なんでも手に入り、いつでも食べられる今だからこそ、大事にしたいことですね。今が旬のわらび、是非食べてみてくださいね。

2014/04/18

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