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レバーに匹敵する栄養価 今が旬の「鰹」の話

昨日は母の日でしたが、電話で言うのも恥ずかしいので私はメールで感謝の意を伝えたんですが、「まーねー\(@_@)」っとまったくわけのわからない返事と絵文字が返ってきて、昨日から困惑気味な六本木店店長櫻井です。こんにちは。




さてさて、今年はカツオが不漁だそうですね。海水温の低下が原因ではないかと言われているそうですが、脂がすくないさっぱりとした初夏の味、是非堪能したいものです。


鰹の刺身
鰹の刺身 / ayustety



女房 子供を質にいれても 初鰹


「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と山口素堂も謡ったように、初夏の訪れを告げる初鰹はまさに今が旬です。鰹は毎年2月から5月頃に黒潮に乗って日本の南から北上してきます。「鎌倉を生きて出けむ初鰹」という芭蕉の句をみてもわかりますが、昔は鎌倉が鰹の出荷地だったようです。2~3月頃に瀬戸内を通って、ちょうど今頃、5月初旬に関東沖合に来た鰹を「初鰹」と言っていたそうですが、現在では航空便で仕入れられるので、2~3月頃に瀬戸内海で獲れ、築地に入荷されたものが『初鰹』と言われています。とはいえ、『初鰹』と言えば初夏の季語、『鰹』は夏の季語です。


日本の文化には「季語」など季節をめでる言葉があるように、日本人は自然から四季を感じ、その季節を味わうことに喜びを感じられる民族といえます。江戸っ子は″女房・子供を質にいれて″も初鰹を食べたかったそうですが、初夏の味を誰よりも先にいち早くいただくことは、せっかちな江戸っ子の気性にぴったりだっただけでなく、自然を感じ、季節を味わうことが「粋」だったんでしょうね。初鰹は脂がのっておらず、血の香りも強くてあまりおいしいというわけではなく、もう少し待った方が脂ものり値段も手ごろになるんですが、そんなものを待つのは野暮というわけです。


そして、「初物」は縁起が良いと信じられてきたことも江戸っ子が初鰹を愛した理由かもしれません。農作物でもその年、初めて収穫されたものを神様にささげるなどの風習がありますし、「初物七十五日」(初物を食べると寿命が75日のびる)なんて言葉もあるぐらいで、昔から初物には精気がみなぎり無病息災、不老長寿のご利益があると信じられていたようです。ちょっと前までは、その年に初めて出荷される商品を「初荷」といって祝っていて、正月明けには「初荷」と書いた旗やのぼりを目にしたものですが、最近ではあまり見ませんね。今では、「初売り」の「福袋」のほうが身近でしょうか。


bonito
bonito / maaco



栄養価はレバーなみ


そんな縁起の良い鰹ですが、季節のものをその時に食べるというのは、縁起や粋なだけではないようです。
初鰹は秋に南下してくる戻鰹と比べると、脂質が少なく水分が多いヘルシーな食材です。鰹は良質なたんぱく質がたっぷりと含まれており、背骨に近い「血合い」には、ビタミンB12、ナイアシン、鉄、ビタミンD、タウリンなどが豊富で、栄養価の高さはレバー並と言われています。
豊富な鉄分ビタミンB12赤血球の生成を助けてくれるので、貧血予防に効果的。ビタミンB3と言われるナイアシン血行を良くして、心を落ち着かせてくれる栄養素です。某栄養ドリンクで有名なアミノ酸の一つタウリンは、血中コレステロールを抑え、動脈硬化を防いでくれます。さらに肝機能の強化、眼精疲労緩和と作用は多岐にわたります。
前回のブログでもその重要性を書いたビタミンDも、鰹には豊富に含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を促して骨を強くするだけでなく、癌の予防にも効果的な栄養素です。
戻り鰹には、初鰹よりも脂質が多く含まれていますが、その脂質も栄養価が高いEPADHAなどの不飽和脂肪酸で、血液をサラサラにしたり、脳の働きを高めたり、コレステロールを抑え血栓を防ぐ働きがあるので、お腹いっぱい食べてもなんら問題ないでしょう。

その他カリウムもたっぷりなので、余分な塩分や水分を体の外に排出してくれむくみ対策にも効果的です。
これらから鰹は、高血圧、動脈硬化、肝疾患、貧血、発育不全、不妊、ボケなどを予防する食材として、是非食べておきたい初夏の味覚ですね。
 

かつおのたたき
かつおのたたき / sabamiso


中医学でみる『鰹』


鰹は平性で寒熱の偏りがなく、冷え性の方も、ほてりが気になる方もどなたでも食べられます。エネルギーや血を補い、体力低下時や貧血、不眠や心が不安定な場合にもおすすめです。胃腸を元気にして、精をつける力もあり、老若男女問わず食べていただきたい健康食材といえます。
 

カツオのたたきのカルパッチョ
カツオのたたきのカルパッチョ / Dakiny


鰹はやっぱり「たたき」で


鰹は是非「たたき」で食べていただきたいです。というのも、皮に近いところには、必須アミノ酸のリジンが含まれており、タンパク質の合成に必要なだけなく、肝機能を高めたり、カルシウムの吸収を良くしたりなど、とってもいいことづくめなので、是非皮ごと食べる「たたき」で食べてください。
生のカツオの皮よりちょっと内側に串をさして、皮にさっと塩を振り、コンロで炙って、ざっと氷水をくぐらせれば完了です。氷水だと水っぽくなるのが嫌な方は、濡らしたキッチンペーパーで包んで粗熱をとってください。藁で炙ると香ばしい風味がつき、より一層おいしくなります。
つけだれは、市販のポン酢にちょっと醤油と鰹節を足したものを。買ってきたたたきでも、酢橘、柚子、カボスなどをふると生臭さがなくなります。玉ねぎ、にんにく、しょうが、みょうが、大葉など、香味野菜と一緒にいただくとさらにおいしいです。さっぱりとした初鰹に香味野菜がとってもあいます。香味野菜やかんきつ類は、気の巡りを良くしたいこの時期にはおススメですし、たたきにもとても合います。たくさんの野菜と一緒に摂れるのもうれしいですね。さらにそれらは鰹に足りないビタミンCも補ってくれ、より理想的な食材となります。
美味しい鰹を選ぶには身が引き締まっていて、色に深みがあり、ドリップの少ないものを選びましょう。

Bonito
Bonito / pelican






江戸のころは1本10万円の値がつくことも珍しくなかった初鰹。江戸時代の大商人、紀伊国屋文左衛門は、初鰹になんと五十両(現在の値で約150万円)の値段を付けたとも言われています。長屋の家賃が1か月1万円程度だったそうなので、宵越しの銭は持たない江戸っ子にとって初鰹は一生に一度はたべてみたい高嶺の花。もし手に入れられたのなら、娯楽の少ない当時ですからきっと1年は地域の人気者になれたんでしょうね。

今はそんな苦労もなしに、おいしい鰹が食べられます。皆様も是非ご賞味くださいね。

2014/05/12

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