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季節の薬膳・養生法 の記事一覧

春節:春へ向けての養生

新年好!在新的一年里也请多多关照!愿新的一年有新气象!

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年も良い年でありますように。


Grrr [Yokohama China Town] / d’n’c

今日は旧暦のお正月、春節です。

中国では暦通りの新年ではなく、旧暦のこの春節を祝います。中国のお正月は日本の厳かな静かなものとは違い、爆竹が鳴り響きとても賑やかなものです。これは日本の豆まきと同じ意味合いで、鬼を祓うためと言われています。日本では年越しにお蕎麦を食べますが、中国では餃子を食べるところもあるようです。この餃子は、天に一年の報告に行っていた竈(かまど)の神様が帰ってくる日である春節に、神様を迎えるためのお供えものとして造られます。餃子には新と旧が入れ替わる「更歳交子」という意味もあるそうです。


A street Scene of Beijing / INABA Tomoaki

春節は一年の始まりで、文字通り春の訪れを祝う儀式です。春節を過ぎると次は立春。外はまだまだ寒く、冬まっただ中ですが、暦の上ではこれから春が始まります。中国古来の哲学である、「陰陽学」では、冬は陰が極まる季節。陰とは静と動でいうと静。春からは徐々に陽気が高まり、陰から陽に転化していく季節です。陽は活動のエネルギーなので、植物は芽を出し、動物は動き出します。自然の一部である人間も陽気を取り込み、活動的になっていきます。
しかし、まだまだ寒さもたくさん残っています。今日の様に不意に暖かくなったかと思えば、次の日は一気に真冬日に戻ったりします。そうなると、体の調節が追い付かず、体と自然をつないでいる穴(腠理・そうり:一般的には毛穴のことと捉えられています)の開閉のコントロールがうまくいかなくなり、取り込んだり、発散したりさせないといけない陽気が体内に閉じ込められてしまいます。陽気は活動のエネルギーなので、体内に閉じ込めるのは良いのではないか?と思ってしまいますが、陽気とは常に動き、巡るもので、一か所に閉じ込めておくものではありません。
閉じ込めてしまうと、陽気が強くなり、熱を帯びるようになり、喉が痛い、喉が渇く、咳が止まらない、血圧が高くなる、イライラする、気分が滅入るなどの症状が起きることもあります。熱の鬱積がひどい場合は火を起こします。火が起きると熱は上に向かい、風を起こします。そうなるとフラフラとめまいがしたりするようにもなります。そうならないためにも陽気はうまく発散させることが大切です。そんな時は、少し汗ばむ程度の運動をするか、足湯などをして少しだけ汗をかくのも良いですね。余りやりすぎると潤いを消耗してしまうので、ほどほどにしましょう。


Rose, Harunomai, バラ, 春の舞, / T.Kiya

春は、春一番という言葉からもわかる通り、風の季節です。外に吹く風は身体にも影響を及ぼします。この時期のイライラ、不安、頭に血が上りやすい、めまい、肌トラブル、出ては消える痛みなどというのは、この風の影響によるものといえます。風の3大特徴は、「突然起こる」、「体の上の方に症状が現れやすい」、「変化しやすい」の3つ。先ほどのめまい、イライラ、血が上りやすい、皮膚トラブル、出ては消える痛みなどというのもこの特徴に当てはまりますね。
風の影響を受けやすい臓腑は「肝」。肝は感情では「怒」とつながりがありますので、これまたイライラ、カーッとなるといった症状が出やすくなる季節というのを裏付けます。中医学での「肝」は西洋医学で考える肝臓としての機能、解毒や血や糖の貯蔵の他、自律神経の調整もしています。春はこの肝が影響を受けやすい季節なので、ストレスなどによる自律神経のアンバランスを引き起こしやすい季節です。
そんな春の養生法は、香りのよい食材を取り入れて、気をしっかり巡らせ肝の状態を良くすること。みかんの皮を干すだけで作れる陳皮もおすすめですよ。その他、アサリ、シジミ、百合根、レバー、発芽玄米、ミント茶、ラベンダー茶、ジャスミン茶なども良いでしょう。春のお花を部屋に飾るのもよいですね。
もう一つ、陽気が強まってくるときには、あらかじめ陰を補っておくことも大切です。「秋冬養陰」というのは、この季節の養生の基本です。陰とは身体にとっての潤いのことです。陰を補う食材は、豚肉、カモ肉、鶏肉、すっぽん、ハマグリ、アワビ、黒豆、豆乳、豆腐、レンコン、キュウリ、トマト、百合根、胡麻、白きくらげ、レモン、メロン、ミント茶、緑茶などです。
 


千鳥ヶ淵の春 / slash__

小さな自然である人間は、大きな自然の影響を受け、四季が変化するように、刻一刻と変化し続けています。万物は常に流転しており、変わらないものなどありません。そして、変わることで変化に適応できているのです。新しい一年の始まりです。今年も変化に備え、健康な体を維持しましょう!
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2014/01/31

発症する人/しない人 『五行草』のお話

こんにちは。店長の櫻井です。ノロウィルスの感染者が続出しておりますね。しかもその殆どが仕出しや給食などによるものとあっちゃあ、これはもう防ぎようがないように感じられます。しかし、みんな同じものを食べたはずなのに、症状を発症する人もいれば、そうでない人もいたはずです。これはどういうことでしょうか。
同じ環境に置かれても、同じウィルスに侵されても、症状が発症する人とそうでない人がいます。簡単に言ってしまうと「体力の差」なんですが、ではその「体力」とはどういうことでしょう。
ウィルスや病原菌が体内に入ってくるのは主に、口や鼻など、外とつながっている場所から体内に侵入してきます。インフルエンザやカゼ、ノロウィルスなどの「ウィルス」は主に、口や鼻、喉などの粘膜、消化管の粘膜を通して人体に侵入してきます。感染者のくしゃみや鼻水、吐しゃ物・便などから空気中に散布されたウィルスが体内に侵入するもの。飛沫感染・空気感染というやつです。その他、ウィルスに侵された飲食物を食べることによる食中毒などもあります。
インフルエンザ等は主に鼻やのどなど呼吸器系の粘膜から体内に侵入し、ノロウィルスは主に消化器系(十二指腸)の粘膜から侵入すると言われていますが、ウィルスは少量でも空気から呼吸などで体内に侵入し、集団感染を引き起こすので厄介です。体には免疫と呼ばれるこれらのウィルスなどを駆逐する機能が備わっています。ここでいう『体力の有り無し』とは、まさにこの『免疫力の強弱』といえます。
 

発症する人しない人

では、どうすれば症状の『発症しない人』になれるのかを中医学的に考えていきたいと思います。「体力の有り無し」を中医学で言い換えると、「気が充実しているか否か」ということになります。中医学の古典『黄帝内経』には、「正気、内に存せば、邪、侵すことあたわず」という言葉があります。これは、「正気が充実していれば、邪気に侵されることはない」という意味です。『正気』とは身体を動かすためのエネルギーのことで、『邪気』とは身体に悪影響を与え、病菌のものになるエネルギーのことです。つまり、正気が十分に体を満たしておれば病気にならないというわけで、正気には、西洋医学でいう「免疫」という意味合いが含まれています
 

正気を充実させる

中医学で正気は、呼吸によって取り込んだきれいな空気と、新鮮な栄養たっぷりの食べ物を食べるから生まれます。この二つを管轄する『肺』(呼吸器系)と『脾胃』(消化器系)が元気であることも、正気を充実させる条件です。よって中医学で「体力をつける」というのは、肺や脾胃を健康な状態に保ち、綺麗な空気を吸って、栄養バランスの取れた食事をすることが基本になります。たばこを沢山吸ったり、ファストフードや加工食品、甘いもの、塩辛いもの、脂っこいもの、冷たいものなどを沢山摂っていると、体力が落ちる原因を自ら作り出してしまうことになります。もちろん、十分な休息をとってこその体力ですので、質の良い睡眠もとても大切です。正気を補うには、長芋、豆類、うなぎ、栗、ネギ、もち米、鶏肉、鶏卵、しいたけ、りんご、えびなどがおすすめです。
 

免疫を助ける漢方のお話

では、同じ中医学でも、今度は薬学の面から考えていきましょう。今度は免疫を助ける漢方のお話です。
体をウィルスなどの邪気から護るためには様々なアプローチが考えられます。胃腸系が弱い方には、胃腸を強めつつエネルギーを補える漢方薬を。呼吸器系が弱い人には、呼吸器系を強化しつつ、エネルギーを補える漢方薬を。そして、体内に入ってきたウィルスを直接撃退する力を持つ生薬を摂ることも、その一つです。ここでは、そんなウィルスを撃退する力を持つ生薬「五行草(ごぎょうそう)」を紹介します。
 

 

五行草・馬歯莧・スベリヒユ

五行草の名前の由来は、葉が緑で茎が赤色、鼻が黄色で、根が白、そして種が黒と、五行説のそれぞれの色をもっているで、『五行草』と呼ばれいます。生薬名は「馬歯莧(ばしけん)」と呼ばれています。馬歯莧とは葉が馬の葉の形の様だからだそうです。日本では、ゆでると独特のぬめりがでることから、「スベリヒユ」と呼ばれ、あぜ道や畑など日当たりのよいところに生える雑草の一つで、抜いても抜いても生えてきて、とても生命力が強く、畑の作物の育成を邪魔するので、嫌われているところもあるようですが、地方によっては食用のために畑作されており、おひたしや和え物にして食べるところもあるそうです。日本では、古くから食用とされてきた歴史があり、平安時代の 「和名抄」という文献にに「ウマヒユ」とうい名で食材として登場しています。 茎を干すと干しぜんまいのようになり、ヨーロッパなどでは、サラダとしても食されているそうです。
 

スベリヒユ(画像wikipedia)

 

下痢・炎症を抑え、抗ウィルスの力もある

五行草は、日本でも昔から民間薬として解熱、解毒、虫刺されに使われてきました。中医学では乾燥した全草を煮出すことでその作用を強め、発熱を伴う細菌性の下痢の特効薬として使われてきたほか、皮膚の炎症、腫れ、痒み、ジュクジュクを改善する薬としても使われています。
五行草は寒性で、炎症や感染による熱をとり去り、腫れや痛みを緩和し、解毒し下痢をとめる力があるとされています。まさに下痢や嘔吐などから身を護るためにぴったりの生薬といえます。そして、昨今の研究から五行草は大腸菌、赤痢菌、黄色ブドウ球菌などに対して、優れた抗細菌作用を持ち、さらに、ウィルスを撃退する力があることが明らかになっています。
 
五行草は、生を絞った液体をそのまま飲んでも良いですし、上記のようにお浸しや和え物にして、日々の食事の一皿として加えるのも良いでしょう。乾燥させた草をそのまま飲んでも良いです。当店では、五行草エキスを飲みやすい粉状にしたものをご用意しております。お湯にさっと溶けて、クセもなく飲みやすいですよ。

 
インフルエンザやノロウィルスから身を護るためには、しっかり睡眠をとり、毎朝窓を開けて、きれいな空気を体内に取り込み、バランスの取れた良い食事を心がけて、体内の正気を充実させることがなによりも大切です。それに加えて、五行草などでしっかり防御することもお忘れなく。
 
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2014/01/27

『食』 給食から見る日本の『食』の変容について

こんにちは。店長の櫻井です。 【全国学校給食週間(1月30日まで)】だそうです。給食週間なるものがあることを初めて知りました。せっかくなので、給食と食文化について書いてみたいと思います。
 


Heiwa elementary school 平和小学校 _16 / ajari


/ chris_harber

 
日本の学校給食の起源は1889年山形の私立忠愛小学校で無料で食事を配ったのがルーツとされる(wiki参照)だそうです。その後欠食児童対策として、パンが一部の学校で配られるようになり、1930年代に臨時の学校給食臨時施設法が制定されたことにより、一部で学校給食が始まります。当時は、給食といってもおにぎりと漬物と、今から考えると簡素なものでしたが、当時ではそれが一般的な昼食としてのメニューでもありました。その後、戦中戦後の食糧事情から一時中断されますが、1945年以降、アメリカの〝援助″により復活しました。しかし、このアメリカによる援助が和食から洋食へと日本の食卓事情を大きく変える転機となったことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。学校給食には、米に変わってパンや脱脂粉乳が導入され、民間にはパンに合うこってりとした味付けの洋食を広めるため、「キッチンカー」がアメリカ政府の全面支援の元、日本全国を駆け巡ります。
食の欧米化は、欧米人との体格差を目の当たりにした当時の日本人たちの焦りともかさなり、和食・伝統食の否定による洋食の肯定へとつながっていったようです。「米を食べると馬鹿になる」とか「米食いは早死にする」とまで言われていたようですね。
戦後間もない昭和31年、日本人の1日当たり肉食量はなんと2g。もちろんこれは食べるものが全くない時代なので、当たり前の数字ですが、35年になると、18.7gとなり、4年間で実に9倍にも増えています。その後も肉食は右肩上がりに増え続け、40年には29.5g、50年には一気に倍以上になり64gとなり、平成14年には77g、平成22年には80.7gまで増加しています。それに伴うように、牛乳の消費も増え続け、昭和35年では1人当たり1日32.9gだったものが、平成14年では168.51gまで増加しています。(厚生労働省の調査を参照)
 


meat or death II / procsilas


おちち / “KIUKO”

上記を踏まえたうえで、下の表を見てみてください。これも同じく厚生労働省が出している死因別にみた死亡率の年次推移です。
 

主な死因別にみた死亡率の年次推移

厚生労働省 平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況 より

関係があるかないかというのは皆さんのご判断にお任せしますが、日本の食卓に洋食が広がり、小麦や肉類、乳類の消費が増えた、昭和50年代頃から、癌や心疾患での死亡率は急上昇しています。一概にすべて食事のせいとは言い切れるはずもありませんが、様々な影響の一つに食事が大きく関与していることは十分に考えられることだと思います。

中医学の観点から考えても、食と言うのは健康と一体のものです。健康のためにはまず良い食事をとらなくてはいけません。そしてその「食」はあくまでも日本人の体質に合った、そして日本の気候風土(高温多湿)に合ったものでなければなりません。日本の伝統的な和食、すなわち旬の野菜を中心にした食事をもう一度見直すべきだと考えます。

「食」という基礎がしっかりしていれば、胃腸が元気になり、内臓も精神も安定し、脳も活性化します。そうなればたとえ病気になっても、薬は良く効き、病状も酷くならず、早く治るようになるでしょう。「食」とは「命を養う源」です。食を軽視し、粗末にすることは命を軽視し、粗末にすることになるのではないでしょうか。

 


Heiwa elementary school 平和小学校 _24 / ajari

 
学校給食法第2条で学校給食の目標が以下のように制定されています。

  1. 適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
  2. 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
  3. 学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
  4. 食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
  5. 食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
  6. 我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
  7. 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。


2003_0224_123825AA / Hanenosuke

学校給食は、伝統的な食文化への理解を深めることや、適切で健全な食生活と食習慣を重要視したもののはずです。学校で出されるものが、子供の人気や偏った知識によるものでなく、本当に大切な「食」と「健康」と「伝統」を伝えるものであることを願ってやみません。

現在22億円もの給食費の滞納が問題になっています。未納の原因としては、「保護者の責任感や規範意識の問題」と半数以上の学校からの回答があったそうです。滞納した世帯の子どもに対し、給食の提供を停止する動きも出ています。もしこのようなことが続けば健全な身体の発育への影響だけでなく、心の問題にも大きく影響してくるでしょう。世界でも数少ない、給食という制度を継続させていくためにも、そして、流通や消費、勤労や伝統文化への理解を深める機会を失わないようにしてほしいものです。

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2014/01/24

葉酸たっぷり!抗がん作用も!?今が旬【ブロッコリー】

冬は寒い!とはわかっていても、毎日寒い寒いと言ってしまっています。みなさん、養生してらっしゃいますか?こんにちは。店長の櫻井です。
最近はスーパーに行くたびに、どんな食品を今はよく見かけるんだろ?とか、みんなどんな食べ物に興味があるんだろ?とかなどと、主婦とはちょっと違った目線でブログネタを探しております。そんな中でも今日は先日食べて思いのほかおいしかったブロッコリーのお話をしたいと思います。
 

 

 
ブロッコリーがおいしくなる時期は、11月から3月でまさに今が旬の野菜です。ブロッコリーと良く似た野菜にカリフラワーがありますが、ブロッコリーはカリフラワーの変種で、カリフラワーの方が原種に近いそうです。さらにそのルーツをたどると、キャベツに行きつくそうで、ブロッコリーはキャベツの遠い親戚です。


BROCCOLI / whologwhy

ブロッコリーやカリフラワーは「はなやさい」と言われ、私たちが食べているところはブロッコリーの花のつぼみです。収穫されずそのままにしておくとクリーム色や黄色の花が咲きます。つぼみの部分は確かに柔らかくておいしいですが、茎や葉の部分にも栄養がたっぷり含まれているので是非食べていただきたいです。茎はちょっと堅くて食べにくいので敬遠されがちですが、厚めに皮をそいで食べれば柔らかく食べられます。そして普段は捨ててしまっている葉の部分も栄養価が高いので、できれば一緒に食べるようにしてください。葉の部分は茎のように堅くなく、おいしく食べられるはずです。


Broccoli / Linda N.

日本にブロッコリーが入ってきたの明治の初期頃。しかし当時は余り普及しませんでした。近年になってその栄養価の高さに注目され、需要が高まってきた野菜です。きっとそあの鮮やかな緑色も好まれる要因でしょうね。
 


ブロッコリー茹で上がり #dinner / is_kyoto_jp

ビタミンC、βカロチンが豊富な美容食品

ブロッコリーはとっても栄養価が高い食品です。生のブロッコリーに含まれるビタミンCはなんとレモンの約2倍!キャベツと比べると約3~5倍も含まれています。その他、βカロチン、ビタミンB1、B2、カリウム、リン、食物繊維なども豊富に含む、栄養満点の野菜です。
ビタミンCの効果は数えきれないほど沢山ありますが、今回その中でも注目したいのは、免疫力の強化と、シミやそばかすの予防効果。ビタミンCは非常に色素沈着予防効果が高いビタミンで、某化粧品会社さんのシミ対策化粧品の中身は、濃度の濃いビタミンCだというのを聞いたことがあります。美白化粧品として使用できるほど、ビタミンCの色素沈着予防の力は高いのです。
そしてこちらもブロッコリーには多分に含まれるβカロチン。粘膜を強化し、カゼなどの感染を予防する働きがあります。空気が乾燥し、カゼが流行るこの時期にはうってつけですし、粘膜を保護するということは、もちろんお肌にも良いので、ブロッコリーも先日の小松菜と同じく、食べる美容サプリといえます。
 


ブロッコリー / penpenpen

抗がん作用にも注目!

近年ブロッコリーのもつ抗がん作用が注目されています。ビタミンCなどによる活性酸素の除去はもちろんですが、ブロッコリーには、癌を引き起こす原因となる突然変異を抑える物質、メチルメタンチオスルホネート(MMTS)という物質が含まれているそうです。しかしこの、MMTSはゆでて食べるだけでは簡単に摂取できないそうで、細かく刻んだり、水と一緒にすり粒ことで初めて生まれる物質なんだそうです。抗がん作用を狙うなら、ブロッコリーをミキサーにかけてジュースにして摂るというのがおススメですね。注意いただきたいのは、時間がたつと変質してしまうので、ジュースにしたら新鮮な間に素早く飲むようにししましょう。ブロッコリーはその他にも、スルホラファンという発がん性物質の作用を抑え、ピロリ菌抑制効果もある物質を含んでおり、健康管理のためには最高の野菜の一つといえます。
さらにさらに、葉酸の含有率がとっても高い食材でもあります。葉酸は、細胞が増えていく時や赤血球が増えるときに必要不可欠なビタミンで、貧血の予防や動脈硬化の予防に効果があるほか、妊娠中やべビ待ちの方にも必ず取ってほしいビタミンですし、離乳食としてもおすすめです。
 


Fresh Broccoli / mallydally

中医学的にみると

ブロッコリーは平性なので、毎日食べても冷えたり火照ったりすることがありません。中医学的効能では、五臓を養い調整し、関節を強く丈夫にして、気を巡らせ、動きを滑らかにするとあります。また、虚弱体質を改善し、胃腸を元気にして、身体に元気を与える食材で、胃腸機能低下時やお年寄りにもおすすめの食材です。中医学でもガンを抑制する「制癌」という力を認めている食材でもあります。潤し、便通を良くする作用があるので、お腹が冷える、または下痢気味の場合は食べ過ぎないようにしましょう。
 


ブロッコリーが丸ごとすぎる。 / TAKA@P.P.R.S

日本では茹でてから、マヨネーズなどと一緒に食べられることも多いですが、ヨーロッパではそのまま生をサラダで食べるところもあるそうです。ブロッコリーは長く茹でてしまうと、せっかくたくさん含まれているビタミンCが損なわれてしまうので、若干堅め、歯ごたえが残るぐらいに、ざっとゆでるのがおススメです。アメリカでは、子供のころにお母さんから無理やり食べさせられる野菜の代表ですが、大人になってからはとってもおいしいことに気が付く野菜の一つではないでしょうか。ゆですぎると変な甘さもでて、おいしくなくなるので、固めでゆでてお食べくださいね。そして茎も葉も是非食べてください。
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2014/01/16

年末年始で疲れた胃腸に優しい「食」のお話

今日は1月11日。鏡開きの日です。鏡開きの説明はこちらに→任せるとして、新年も11日になると、もう普段通りの生活に戻られているころでしょうか。こんにちは、櫻井です。
新年あけてからのご相談内容で一番多いのは、1位はやっぱりカゼにまつわるご相談です。咳や鼻水、妊娠中に飲めるかぜ薬など様々な症状でご相談にいらっしゃいます。その次は、冷え。これは冬の間ずっとある相談ですが、寒い今年はいつもにも増して多いような気がします。その次は、胃腸のトラブル。年末年始で食べ過ぎ、飲みすぎが重なったせいか、食欲がない、胃もたれ、胃痛、便秘、下痢など様々な問題を抱えてご相談にいらっしゃいます。新年会もある事ですし、胃腸の養生しっかりしておきたいですね。今から胃腸の調子を整えておくことは、春の花粉症予防にもつながりますよ!
 

食のトラブル

食欲がない、食が細い、疲れやすい、そんなご相談はこの時期とても多いです。体も寒さに耐えるために食べようとしますし、じめっとした湿気もなく、本来冬は比較的食欲が増加する傾向にある季節なもに、どうも食べられない。高齢者の方にもこうした方は数多くいらっしゃいます。食は健康の基本なので、しっかり食べて元気を養い、健やかに毎日を過ごしたいものです。
【医食同源】という言葉は良く耳にしますが、これは中医学の【薬食同源】から発想を得て、近年に日本で作られた造語です。【薬食同源】とは、「日々の食事こそ良薬」という意味です。食材にはそれぞれに味*(酸・苦・甘・辛・鹹)と性質*(温・熱・寒・涼・平)があり、それが身体に作用して自然と調子を整えてくれます。そのため、しっかりと食事をとることが出来れば、健やかな体を作ることが出来きるはずなんですが、胃腸の調子をおかしくして、食欲もなく、食べてもしっかり消化できていなければ、体力は低下し、臓腑もきちんと仕事が出来なくなります。その結果は、様々な症状となって出てくるようになります。
* 味と性質はこちらをご参考ください→【元気に食べるための脾胃と食のお話
 

「脾胃」を養う

口から入ってきた食べ物はいったん「胃」に受け止められます。そこで小さく「消化」され、吸収のために「脾」へと運ばれます。吸収された栄養素や潤いは、肺に運ばれた後、全身へと送り出されていきます。脾胃の機能が低下するとこうした栄養や潤いの輸送も低下し、疲れや体の各部の機能低下、乾燥、免疫力の低下なども出てくるようになり、カゼをひきやすくなったり、疲れやすくなったり、髪や肌や粘膜が乾燥するようになってしまいます。
脾胃は温かく、乾燥した状態を好む臓腑です。冷蔵庫から出したばかりの飲み物やアイスクリームなど、日ごろから冷たいものをとる習慣がある方は要注意です。レストラン等で出される氷が入ったお水なども、できれば避けてほしいものです。
 
 

脾胃の養生のポイント

なるべく温かいものをとるようにし、水分を摂りすぎないことです。辛いもの・脂っぽい食事は控えることが良いでしょう。葉野菜を中心に、加熱してたくさん食べることをお勧めします。ストレスは、こまめに発散する方が良いでしょ。偏食はやめましょう。魚も肉も野菜もバランスよく食べることが大切です。家族や友人と一緒に、楽しみながら食事をする工夫をしてみてください。便秘は脾胃を健康に保つための最大の敵です。とにかく脾胃を健康にするためには便秘は禁物。もし便秘薬を飲まないと出ない状態なら、脾胃はかなり疲弊してしまっています。食生活を根本的に見直し、カタカナ食(パン、コーヒー、パスタ)を避けて、和食を中心に、野菜をたっぷり食べてください。なるべく身体を動かし、運動をして、食欲を増進するようにしましょう。運動をする時間をつくれなくても、階段を使う、一駅歩くなど普段の生活に運動を取り入れてください。
 
食べ方のポイントとしては、
暖食:温かく、消化に良いものを食べる
淡食:塩分を控えめに薄味で食べる
暢食:食事は楽しく、気持ち良く食べる
専食:食事に専念する。ながら食べをやめる
少食:腹八分目の量を食べる
慢食:食事はゆっくり時間をかけて食べる
潔食:新鮮で清潔な食材を選ぶ、食べる
を意識してくださいね。
 
その他、味(五味)・性質(五性)を考え、季節や体調に合わせた食べ物をそれぞれバランス良く食べることも大切です。そのへんは前回のブログにまとめてありますので、こちらのリンク→元気に食べるための脾胃と食のお話 をご参考下さい。
 

「おひたし」はかさばってしまう葉物野菜を沢山食べられ、調理も湯がくだけなのでおすすめです。写真は「春菊のおひたし」です。枝の太い部分を先に10秒ほど熱湯につけてから、葉の部分もさっと湯がいて、冷水でしめてから水けを絞り、出汁をかけて、たっぷりの鰹節と柚子を散らしてお召し上がりください。柚子の香りと春菊の香りが気の巡りを改善し、胃腸を動かし食欲をださせてくれますよ。すっごく簡単ですっごくおいしいです。

 
 

 
中医学が考える食の基本は「脾胃」という臓腑です。脾胃とは、消化器系全般の働きを指しており、胃は飲食の受け皿として主に消化を担当し、脾は栄養や水分を吸収して体各部に送る役割をしています。暴飲暴食やストレス、睡眠不足、加齢などによって、脾胃のこうした機能が低下すると、食欲不振や下痢・軟便、疲れ、胃もたれなど様々な症状になって出てきます。
食べるものがなかった大昔ならいざ知らず、「食」があふれかえっている現代では「飽食」にこそ注意を向ける必要があります。食べ過ぎは脾胃に負担をかけ、機能を低下させます。そして偏食や不摂生にも勿論気をつけなくてはいけません。ファストフード、お菓子、炭酸飲料、脂肪分や味付けの濃い食事、冷凍・加工食品などなど、脾胃の力を奪ってしまう「食」は私たちの周りにあふれかえっています。
元気で充実した毎日を送るためにも、おいしく楽しく食べるためにも、脾胃を養い、健やかに保ちましょう。
 

2014/01/11

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売