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中医学 の記事一覧

寒さに負けるな!塩味と冷えと「腎」のお話。

こんにちは、櫻井です。今日は朝から身に染みるような寒さで、午後には降り出す雨が夕方にはみぞれや雪にかわるかもっという予報ですが、どうなることやら。雪国出身の私には、雪国以外の地域での雪への弱さに大変驚かされることが多くあります。少し雪が降っただけで、交通事故は急増し、電車は止まり、学校も休みになったりするところもあるようですね。確かに普段無いものに備えるには、莫大な維持費も設備投資もかかるので当たり前のことなんですが、初めのころはとにかくびっくりしました。そういえば、雨が非常に少ないカリフォルニア州のサンディエゴに居たころに、珍しく雨が大量に降った翌日は道路のあちこちに陥没がみられ、交通事故も一晩で数千の増加というニュースもあったことを思い出しました。自然の前で文明の利器はとても非力ですね。
 


 
今日は「寒い日には適度な塩分をとることが大事」というお話をしたいと思います。「なぜ寒い日に塩分?」と思われた方も多いと思います。「そっか!だから東北地方や北海道は味が濃いんだ」と思い立った方はご名答。このお話を詳しくする前に、まずは冷えと関係の深い「腎」のお話をしましょう。
 

 「腎」は尿をつくるだけの器官ではない

中医学で「腎」は、加齢や衰えと密接に関係していると考えます。そして、いつまでも若々しくいるためには、「腎」を大切にせよと言われています。西洋医学で腎臓はただの尿をつくる器官ですが、中医学でいう「腎」は生長・発育・生殖と深い関係をもつ「生命の源」ともいえる臓腑です。
「腎」は、視床下部から副腎系に至る内分泌系全般の機能や、水分の濾過と再吸収、生長と発育及び知能・知覚・運動系の発達と維持、耳、膀胱、骨、そして二陰と言って、排尿と排泄にも影響を持っているとされ、その状態は髪に現れると言われています。感情面では、恐れや不安、驚きとの関係が深いとされており、人間の活動の根幹に影響を及ぼす臓腑です。
「腎」が衰えてくると冷えやすくなり、耳が遠くなり、おしっこが近くなり、骨がもろくなり、記憶力や判断力が低下し、必要以上に心配性になったり、漠然とした不安を感じるようになったり、髪は乾燥しがちになり艶を失うと言われています。要するに、「老化」という状態です。そして、腰は腎の器と言われ、腰が曲がったり、腰痛を感じるのは、腎が弱っているためと言われています。そのほか、すぐに座りたくなったり、けつまずいたりするのも「腎の弱り」と言われています。
女性は7の倍数で身体が変化し、男性は8の倍数の年齢で変化が訪れるというのは、この頃良く耳にする言葉ですが、あれはこの腎の成長と衰退のことを言っています。腎は、女性では、28歳をピークに衰えはじめ、35歳ごろから下り坂に差し掛かると言われており、男性では、24歳から40歳がピークでその後は下降線をたどると言われています。
 

 

「腎」を護る鹹味(かんみ)

齢を重ねることはステキなことですが、誰しも体の衰えはうれしいものではありません。体の衰えから身を護るためには、「腎を護り、補う」ことが大切です。食養生では、黒いもの、粘りのあるもの、そして自然の塩味のあるものが「腎」に良いとされ、黒豆、黒ゴマ、山芋、わかめ、ヒジキなどのがその代表です。
「腎」は自然界に存在する五つの味、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛味)の中でも、鹹味(かんみ)といって塩辛い味を好むと言われています。昨今では健康維持のために減塩が声高に叫ばれていますが、適度な塩分は身体の調子を整え、冷えを治すことにもつながります。東北地方や北海道など、寒い地域では塩分の摂取量が高く、塩分をとることで体温を維持してきました。高い塩分摂取は、高血圧などの風土病を作り出してしまいました。しかし反動による極端な減塩から生まれる低体温が蔓延しているという報告もあります。
肝・心・脾・肺・腎の五臓はそれぞれ対応する五つの味、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛味)と繋がりがあると言われおり、自然なそれらの味は、対応する蔵を滋養し、養います。気をつけなくてはいけないのは、これらの味は自然なものであることが重要です。特に鹹味や甘味は人工のもの、精製されたものが一般的に使われており、自然のものは多くありません。精製された砂糖や食塩はまさにそれにあたるので、それら人口のものの使用は最小限にとどめ、極力質の良い、ミネラル分をたっぷり含んだ岩塩や黒砂糖、キビ砂糖などを使うようにしましょう。醤油やみそも、簡易的に作られたものでなく、一年以上熟成させたものを使うようにした方がよいですね。お値段は張りますが、それなりの価値があります。
鹹味は簡単に言うと塩味のことですが、それに加えて、ミネラルの味や旨味も鹹味に含まれます。鹹味の代表はなんといっても海産物です。シジミ、アワビ、ホタテ、あさり、カニ、エビ、牡蠣、くらげ、イカ、アナゴ、スズキ、たら、サバ、昆布、のり、ひじきなどなどあげればきりがありません。それら海産物に含まれるミネラル分や、出汁のもとになる旨味成分が腎を護り、補ってくれます。熟成された味噌で作ったアサリやホタテの稚貝の味噌汁なんていうのは最高の「補腎」食ですね。
 

 冬は『腎』に負担がかかる

特に冬は腎にとって負担のかかる季節です。補腎のために温かい食材を選ぶことの他、適度な塩分摂取もお忘れなく。その他「腎」に負担がかかる原因としては、夜更かしや疲労、偏った食生活に食分けて過度の房事(セックスのし過ぎ)というものもあります。腎の衰えが老化に繋がるのは前途の通りですが、更年期を早めること、そして若い方でも気を付けていただきたいのは、腎の弱りは不妊につながるということもあるということです。最近よく耳にするようになった、「卵子の老化」や、「草食系」と言われるはまさに「腎」の弱りでしょう。
腎を護るには、防寒と適度な塩分の他に歩くというのも重要な要素です。歩くことは、腎に刺激を与え、筋力を鍛え、血流を促進します。冷えにももちろん効果があるのは、いわずものかな。中医学の古典「黄帝内経」に書かれている冬場の養生は、「早寝遅起き」そして「運動や情志活動を控え、身も心も穏やかに保つ」というものですが、汗をかかない程度の運動や散歩はとても大切ですよ。冷えから体を守るためにも、そしていつまでも若々しくいるのためにも、「腎」を護りましょう。
 

2013/12/18

正常な月経・異常な月経のお話

こんにちは、櫻井です。今日はまたうちのパンダちゃんが吹き飛ばされてしまうぐらいの突風が吹いていますが、みなさんお怪我は有りませんか?こんなに寒くなってくると、冷えや痛みのご相談も増えてきます。冬場になると生理痛が酷くなるという方もいらっしゃいます。冷えは血の巡りを悪くします。流れが滞ると痛みの原因になるので、冷えは関節痛や頭痛、腰痛などを引き起こす原因になります。日ごろからしっかり防寒対策をして、温かいものをだけを食べるようにしましょう。

 

 
今日のブログでは、またまたツイッターにお寄せいただいたご質問にお答えしたいと思います。ツイッターでのご質問は「月経量の事で質問ですが、最近月経が2日間でほぼなくなってしまいます。元々、陰虚血虚です。ここは無難に当帰芍薬散でしょうか?年齢は40です。」という物でした。このご質問にお答えするには、まずは月経についていろいろお話しなくてはいけません。まずはそこから初めてみたいと思います。 
 
「月経」とは生理のことです。生理は女性の健康のバロメーターです。女性は一生のうちに約35年間生理とのお付き合いがあるとされています。「正しい生理の状態」を知ることで、自信の健康を管理することが出来ます。子宮は経血をめぐらせる場所です。妊娠の準備をするため、子宮は古い血を捨てて新しい血に交換し ようとします。この古い血液を排出しようとする作用が「月経」です。
 

 
正常な生理の目安をまずは見ていきましょう。(パンフレット「生理痛はないのがあたりまえ!」より)
初経発来: 10~14歳  
生理周期: 25~38日  生理周期とは、生理初日から次の整理の前日までの日数です。一般的に排卵を伴う生理周期のことを指しています。この期間より短かったり、長かったりする場合は注意が必要です。ちなみに初潮後数年間は安定せず不順になることもあります。
生理持続期間: 3~7日 生理持続期間は経血が出始めてから終わるまでです。一般的に初めは多く徐々に少なくなります。年齢によっても違いますが、一般的にこの期間内であれば正常と言えます。この範囲未満、もしくはこの範囲を超える出血がある場合は注意が必要です。
経血の量: 約50ml~100ml(総量) 一般的に2日目が多く徐々に少なくなります。日中、昼用ナプキンを使用していて、1時間ほどで経血があふれるような状態が続くようであれば注意が必要です。
経血の色: 赤~暗紅色 月経中ずっと黒っぽい場合や、鮮やかな赤の場合は注意が必要。
経血の質: さらさらとした液状 血の塊、レバー状の塊、薄く水っぽい場合は注意が必要です。
生理痛: 痛みはほとんど無い
もちろんこれらの目安には個人差があり、その時の体調によっても変化しますが、目安として正常な状態を知ることで、体調の管理がしやすくなります。婦人のご相談の場合は、生理の状況を詳しく聞くことが大切です。特に生理の量、色、質、生理周期の4つを詳しくお伺いします。初潮年齢、初潮から2~3年後の状況と現在との比較も大切です。もう一点、オリモノの状態も体の中の状態を知るうえで大きな目安になります。健康なオリモノは、排卵期ごろに粘り気のある透明なオリモノが3日以上あることです。
 

 
次に月経周期から体の不調を見てみましょう。
 
月経周期が短いタイプ(25日以下)
・経血量は少なく、塊も少ないが、腰が痛いしだるいのは、「陰虚」(いんきょ)といって潤い不足である可能性があります。喉の乾き、目の渇き、寝汗、ふらつき、めまい、ほてり、手足のほてり、午後からの微熱などがみられることもあります。潤いは血の元なので、体に必要な血の量が少なく、経血が足りない状態です。陰の根本は腰にある「腎」という臓器にあり、腰が痛いのは腎の力が落ちていることを表しています。
・経血量が多く、色が鮮やかな赤、または深紅ならば、「血熱」(けつねつ)といって、血が熱を盛った状態を疑います。赤ら顔や唇の乾燥、のどの渇き、便秘など同時にみられることがあります。舌は紅い状態です。苔は黄色くなっている場合もあります。血が熱を持ち、暴れて出血している状態です。
・経血量が多く、色が薄い、腹部の張りなどがみられる場合は、脾(胃腸系)のエネルギー低下を疑います。症状はその他、オリモノが多い、むくみやすい、顔色は白または黄色っぽい、身体の重だるさ、手足のだるさ、便が柔らかい、または下痢なども見られることがあります。舌は全体的にむくんで大きくなり、歯形が付いていることもあります。苔は白く厚くなっている場合もありますし、一部はがれていることもあります。脾は血を体内にとどめる力があるので、それが低下して、漏れ出ている状態です。
・経血の量が多かったり少なかったりして、色は紫赤、もしくは暗い色。レバー状の塊や小さい塊があり、出血期間が短い場合は、「肝鬱化火」(かんうつかか)といって、気の巡りが悪くなり、熱を盛った状態を疑います。イライラ、抑うつ、乳房やわき腹の張りや痛み、下腹部の張りなども見られることがあります。自律神経系のコントロールがうまくいっていない状態です。
 
 
月経周期が長い場合(35日以上)
・量は少なくて、色が暗黒で小さな塊もあり、腹部の鈍痛を感じ、温めると良くなるのは、「陽虚」(ようきょ)というエネルギーの不足状態かもしれません。陽気は温める力があるので、不足すると冷え・寒がり、顔色の暗さなども見られます。陽も腎に蓄えられているエネルギーです。腎は腰にあり、腰痛は腎の弱まりを表しています。
・経血の色が暗い紫色で、大き目の塊があり、痛みは下腹部にあるが、温めると楽で、押したりすると余計に痛む場合は冷えが身体の中に固まっているタイプ。顔色が青白く、暗い。生理中にアイスクリームや氷が入っている飲み物など冷たいものをとる、水泳やスキューバなど水に入る、冬場の防寒対策ができていないなど外的要因により冷やされた場合に多く見られます。
・量は少なく、色が薄い。顔色も蒼白もしくは艶がない、めまいやふらつきがある、動悸が不眠がある、乾燥肌・髪などでは「血虚」(けっきょ)といって、血の不足を疑います。血が足りないので、しっかり出血しません。子宮内膜も薄くなっているかもしれません。血は身体を滋潤しているので、乾燥を感じます。便秘がある人もいらっしゃいます。
・経血の量は多かったり少なったりで、色は褐色っぽい色。生理前に痛みがあり、その他憂鬱寒、イライラ、胸の張りや痛み、下腹部の張り、生理がきて血がでるとすっきりするなどの場合は気の巡りが悪くなった、「肝鬱気滞」(かんうつきたい)状態と考えます。月経周期が短い場合も起こりますが、長い場合はイライラが少なく抑鬱が強く表れることも多いです。
・色が淡く粘っこいのは、「痰湿」(たんしつ)といって身体の中にいらないものが溜まってしまっている状態かもしれません。肥満、食欲不振、偏食、過食、白いオリモノ・黄色のオリモノ、臭いのあるオリモノなども見られることもあります。
その他、短くなったり遅くなったり安定しない不順型や、無月経などこのほか様々あります。

 

 
ではもう一度ご質問を見てみましょう。「月経量の事で質問ですが、最近月経が2日間でほぼなくなってしまいます。元々、陰虚血虚です。ここは無難に当帰芍薬散でしょうか?年齢は40です。」というものでした。冒頭でも触れましたが、婦人のご相談の場合は、生理の状況、特に生理の量、色、質、生理周期の4つの情報と、初潮年齢、初潮から2~3年後の状況と現在との比較、オリモノの状態などの情報が欠かせません。上記の質問をこれらに当てはめると情報が大きく不足していますので、「この薬があっています!」というアドバイスは残念ながら難しいです。
「当帰芍薬散」(とうきしゃくやくさん)についてご説明させていただきます。これはもともと、「婦人の妊娠時の腹痛」にた対してつくられた処方ですが、補血活血(血を補い流す)、健脾利水(胃腸の調子を整え、余分な水分をさばく)、調経止痛(経脈の調子を整え、痛みを和らげる)の力があり、血虚、脾虚湿盛の状態に対するお薬で婦人のみが対象ではありません。症状では、皮膚につやがない、頭がボーっとする、頭痛・手足のしびれ、月経料が少ない、月経が遅れる、月経痛などの血虚の症状。食欲不振、つかれ、顔や手足のむくみ、頭が重い、腰や四肢の冷え、腹痛、泥状~水様便、白いオリモノなど脾虚湿盛をともなうもの(中医処方解説)とあります。これらの症状がある場合には適していると考えられます。
そして、陰虚血虚状態(陰という潤いと血が足りていない状態)ならば、当帰芍薬散だけでは少し足りません。血を補う力が当帰芍薬散にはありますが、陰を足す力がありませんし、やはり包剤の力不足感がいなめません。当帰芍薬散に加えて補腎の薬が必要ですね。40歳という年齢から考えても、腎の機能低下を考え無くてはいけません。その他、血の巡りや気の巡り、各臓腑の機能状態と、何を目的として漢方を飲むのかなども考慮に入れてお薬を選ぶ必要があります。
 
***漢方の服用をお考えの場合は、お会いして、お話をお伺いすることがとても重要です。ネットや本の情報に頼らず専門家がいる薬局・薬店・病院でご相談くださいね。***
 
 
月経は一つの生理現象として考えることが出来ますが、本当は、生殖のための過程であって、目的ではありません。経血 が充満して子宮に注がれることの本来の目的は、子宮 を栄養し、卵子を準備し、妊娠出来る状態にすることです。妊娠している最中には月経がなくなるのはそのためです。妊娠し ていなければ次に妊娠するために古い血を捨て、新しい血と入れかえる、月経が行われるのです。そしてこの一連の働きは、体内の臓腑や気血などのバランスが整って初めて正常に行われます。西洋医学的に見ても、月経は目に見えないような量のホルモンの微妙なバランスの上に奇跡的に成り立っているように見えます。ちょっとしたストレスや寒暖の影響であっという間に崩れてしまいます。月経の状態に注意を向けて、健康維持に役立ててくださいね。

2013/12/13

美容・胃腸に良くって虫歯予防にも??「イチゴ」のお話

昨日は久しぶりの雨で乾燥していた空気が少し保湿され、お昼過ぎ頃はとても心地よかったですが、また一気に冷えましたね。これからどんどん寒くなるようですね。こんにちは、櫻井です。皆様カゼなどひいておりませんか?
 

今日はそろそろ店頭に並びだした「イチゴ」のお話をしたいと思います。イチゴと言えば、もともとは野イチゴのことで、これは石器時代からヨーロッパやアジアで食べられていました。私たちが目にするような一般的なイチゴが栽培され始めたのはおよそ200年ほど前、オランダで開発されたものがそのルーツです。日本には江戸末期にオランダから長崎へと伝えられ、当時イチゴと言えば当時は野イチゴのことだったので、それと区別するために「オランダいちご」と呼ばれていたそうです。しかし、そころにはまだ一般的に定着するようには至っていません。その後明治32年、1899年に福羽博士が新宿御苑で『福羽』という品種を開発してから日本での本格的な栽培が始まりました。


Winter strawberry (Rubus buergeri) / coniferconifer


Strawberry / sigusr0

イチゴの赤い部分は果実じゃない!

私たちが通常食べている部分は実は果実ではなく、あれは「花たく」という花の部分が発達したものであって、本来の果実は表面の粒粒の一つ一つなんです。あの中に小さな種が入っているので、赤い部分は果実のベッドだったんです。甘味があるので、果物と思われていますが、野菜と分類される説もあり、農林水産省も「イチゴは野菜」という判断をしています。イチゴを丸く形よく生長させるには、すべての雌しべを受粉させる必要があり、受粉していない雌しべがあると形がいびつになってしまうそうです。たまに見かける不格好なイチゴはそんな理由からだそうなんです。


Ichigo gari / PYONKO

イチゴの栄養

イチゴはそのほとんど90%ほどが水分で、その他糖質が10%ほど。タンパク質、食物繊維がそれぞれ1%、総カロリーは100gで約35kcalです。イチゴはなんといってもビタミンCが豊富なことで有名ですね。100g中に約80mgと、食品の中でもトップクラスです。7~8粒食べれば一日に必要なビタミンC量(100㎎)をまかなえる計算です。ビタミンCの美容効果はもう説明する必要はありませんね。コラーゲンの生成を助けて、皮膚の張りと潤いを保ちます。これからの時期は、おやつにイチゴを食べるて美肌対策をしていきましょう。ビタミンCには美肌効果だけでなく、抗酸化作用や免疫力を高める力もあるので、美肌だけでなく健康面でもおすすめです。そのほか、βカロチン、カルシウム、カリウム、アントシアニン、ペクチンなども含まれ、興味深いところでは、キシリトールを100g中300㎎も含んでおり、虫歯予防にも効果的と言われています。


Strawberry / t-mizo

イチゴの驚くべき力!
最近の研究では、イチゴエキスがアルコールによる胃粘膜の傷を小さくすることを動物実験で実証したというデータもあります。良く昔は、「お酒を飲む前に牛乳を飲めば胃粘膜を保護してくれる」なんて思われていましたが、あれをイチゴがほんとにやってくれるそうです。まだ実験段階で証明されてたという話ですが、胃の保護のために、「お酒の前にイチゴ」は案外効果的かもしれません。ちなみに、イチゴがアルコールの分解を助けてくれるとかそういう話ではないので、あしからず。
もう一点興味深い研究があります。それは、イチゴには花粉症などのアレルギー症状を抑えてくれる効果があるらしいのです。ネットでも「楽になった!」という声がちらほら見かけられます。イチゴが手軽に入りやすくなるのはちょうど冬から春にかけてなので、体調を整え花粉対策のために身体を準備していくにはぴったりの時期ですね。しかしこのデータが得られたのは、一日15粒から20粒のイチゴを毎日1週間たべた結果だそうで、ひどい時期だけを狙えばそのぐらいは食べれそうですが、毎日となると、なんかほかのところの調子を崩しそうです。

ヘビースモーカーはイチゴをしっかり食べることをお勧めします。とある研究ではたばこ一本につきビタミンCは20mg失われていくというデータもあります。喫煙者にとってビタミンCの補給は必須です。イチゴならおいしく補給できて、ビタミンCがメラニンの発生を抑えてくれるので、シミやそばかす対策にも効果的です。


パンダ とイチゴ #panda / torisan3500

水洗いは手早く。ヘタは食べる寸前にとる。
ビタミンCは熱に弱いので、生でそのまま食べるのが一番です。また、痛みやすく、痛んでしまうと栄養価も落ちてしまうのでなるべく早く食べましょう。ヘタを取って洗うと水っぽくなってしまい、さらにビタミンCも水に溶け出てしまいやすくなります。ヘタは付けたまま手早く洗い、食べるときにとりましょう。ヘタの部分と先端部分では糖度が3度ほども違うので、ヘタの部分からたべると最後までおいしく食べられます。1パックを一人で食べきるのは大変なので、そんな場合は、ラップに包んで野菜室に入れておけば2~3日持ちます。洗って水気を切って、ヘタを取ってから容器に入れてつぶれないようにして冷凍すればもう少し持ちます。
美味しいイチゴを選ぶには、ふっくらとして、粒粒がしっかりしているもの。同じ品種の場合はより濃い色をしているもの。そしてヘタくるんと反り返っているものほど甘みがあるそうです。


Strawberry Forest / Focx Photography

中医学的にイチゴを見る
イチゴは涼性で余分な熱をとる力があり、冷え性の方は食べ過ぎ注意ですが、潤いを補い熱をとる力があるので、熱がこもって火照ってしまう人、血圧高めの人にはおすすめの食材です。その他、胃腸を元気にし、消化を助ける力があるとされているので、慢性的な下痢にもおすすめです。喉を潤してくれるので、のどの痛みを伴う発熱や空咳などにもおススメ。
 


strawberries / seelensturm

今ではハウス栽培が主体となりほぼ通年でイチゴは食べられますが、5-6月の初夏が本来の旬です。果物の少ない春先のビタミン補給にはピッタリだったんですね。自然の時計に狂いはありませんね。クリスマスに向けてイチゴの需要は増えていきますが、一般的に価格も手ごろになってくる1月~2月頃。しっかり自然の恩恵にあずかりましょう!


a900_Merry_Christmas_2008 / orange_kuma

2013/12/11

中医学で考える鼻水・鼻づまりについて

風邪による鼻水、鼻炎、花粉症などのアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、蓄膿症など、鼻水にまつわるトラブルはいろいろありますね。自分の体のどこにこれだけ水分が溜まっているのかとびっくりするぐらいだらだらと流れ出ることもあります。そこで、今日は、なかなかつらい鼻水のお話をしますね。

 

 
鼻水のトラブルを考えるときに一番最初に確認しなくてはいけないものがあります。それは、色です。透明なのか、黄色くなっているか。この鼻水の色の違いは体内の熱の状態を表しています。熱があると鼻水は濃くなり、冷えていると薄く透明になります。透明で水っぽいものは、身体が冷えているので、温めて治します。濃く黄色いものや青いものは熱があるため、熱をとることで治療します。鼻がトラブルを起こす理由は風邪などウィルスの感染によるものや、花粉などのアレルゲンによる防衛反応過剰による炎症のほか、ストレスによるもの、飲食の不摂生によるもの、体のバリア機能が低下によるもの、老化によるものなど原因を分けて考えその対策法を変えています。

 

鼻水・鼻づまりを中医学で考える

 
ウィルスやアレルゲンによるもの
まず風邪のウィルスや花粉などのアレルゲンによる場合は、鼻やのどなどの肺系がやられ、炎症性の熱をもっている状態です。目の充血や、目・鼻・喉・肌のかゆみ、口の渇きを感じ、鼻水は黄色っぽく粘性が高い状態ですは熱をとる漢方を使いますが、水っぽく流れ出るなら温めるお薬をつかいます。炎症をとる漢方を加えると効果的です。
 
バリア機能低下によるもの
上記に似たような症状ですが、体を外敵から守るためのバリア機能が低下している場合も鼻水や鼻づまりなどの症状がみられます。このタイプはざっくりいうと虚弱体質。胃腸機能が弱く、胃もたれ、食欲低下、軟便、下痢などがみられます。カゼをひきやすかったり、つかれやすかったりなども見られます。寒暖の差にやられてて鼻水くしゃみが止まらなくなるものこのタイプ。鼻水対策のお薬に加え、バリア機能を高める漢方を併用します。

 
ストレスによるもの
ストレスが身体にかかると、気の巡りが悪くなります。流れが悪くなると、ちょうど詰まったポンプでモーターに負荷がかかったように熱を帯びます。熱なので黄色く粘り気のある鼻水・鼻づまりに。口のかなに苦味を感じたり、イライラしたり、口が乾いたり、お腹にガスがたまりやすかったり、便秘や下痢、女性では生理前に胸が張って痛んだりします。鼻水鼻づまり対策の漢方に加え、ストレス対策の漢方も併用すると効果的です。
 
生活習慣・飲食の不摂生によるもの
飲食の不摂生により、胃腸機能が低下し、湿熱病邪(湿熱病邪についてはクリックしてください)が生まれ、それが肺系(鼻・口・器官・肺など)に影響し、鼻づまりや痰などが出るというタイプもあります。ストレスが飲食の不摂生の原因になっている場合もあります。全身のだるさや重さ、倦怠感、頭重感なども見られます。ここでも、黄色っぽい場合は冷ます薬、水っぽい時は温める薬を使います。胃腸を元気して、湿熱病邪をとり去る漢方も併用します。
 
 加齢によるもの
もう一点、加齢に伴ってみられるエネルギー不足による鼻水、鼻づまりもあります。薄く白い痰が多かったり、耳鳴り、健忘、冷え、多尿、スグ座りたくなる、けつまづくなども見られることがあります。冷えや熱に対する鼻水処方に加え、身体の根本的なエネルギーを補う漢方も併用します。
 

 

 
鼻炎の多くの場合は、水っぽい鼻水、水っぽい鼻水と鼻づまり、鼻づまりと3タイプに分かれます。水っぽいのは、「冷え」が原因。温めて直すタイプです。水っぽいのと、詰まった感じががある場合は、併発しているので、温めつつも通りを良くすることを同時にできる漢方を選びます。ずっと詰まっている鼻炎や蓄膿症は熱なので、冷まして炎症をとる漢方を主につかいます。
鼻水、鼻づまりは、まずは色をみます。他の症状と合わせて考え、それが熱なのか、冷えなのかを見定めます。そして、その他の症状から原因を探ります。原因が解ればおのずと処方は決まってきます。鼻水などネバネバした物体は、中医学では「痰」や「痰湿」と呼ばれるものです。多くは飲食の不摂生により作り出されます。胃腸が元気であれば、痰や痰湿は便や尿となって体外に正常に排泄されます。鼻水や鼻づまり、痰などが気になる方は、脂っこいもの、甘いものを控えて、葉野菜多めの和食を腹八分目を意識して食べるようにしてくださいね。詳しくはこちらのブログをご参照ください→【元気になるための食養生】
 
 
 

2013/12/07

「仏滅」「大安」に根拠はない??『暦』のお話

こんにちは。櫻井です。今日は「暦」についてのお話を少し。今日は12月4日水曜日、六曜でいうと「赤口」(しゃっこう)で、「とても良く無い日」と仏滅についで凶とされている日です。ちなみに午前までは吉だそうです。
 
wikipediaによると、

先勝

「先んずれば即ち勝つ」の意味。かつては「速喜」「即吉」とも書かれた。万事に急ぐことが良いとされる。

友引

「凶事に友を引く」の意味。かつては「勝負なき日と知るべし」といわれ、勝負事で何事も引分けになる日、つまり「共引」とされており、現在のような意味はなかった。陰陽道で、ある日ある方向に事を行うと災いが友に及ぶとする「友引日」というものがあり、これが六曜の友引と混同されたものと考えられている。

先負

「先んずれば即ち負ける」の意味。かつては「小吉」「周吉」と書かれ吉日とされていたが、字面に連られて現在のような解釈がされるようになった。万事に平静であることが良いとされ、勝負事や急用は避けるべきとされる。

仏滅

「仏も滅するような大凶日」の意味。元は「空亡」「虚亡」と言っていたが、これを全てが虚しいと解釈して「物滅」と呼ぶようになり、これに近年になって「佛(仏)」の字が当てられたものである。

大安

「大いに安し」の意味。六曜の中で最も吉の日とされる。何事においても吉、成功しないことはない日とされ、特に婚礼は大安の日に行われることが多い。また、内閣組閣も大安の日を選んで行われるという。しかし、本来はこの日に何も行うべきではないとする説もある。この点で、キリスト教やユダヤ教における安息日にほぼ相当するといえる。

赤口

陰陽道の「赤舌日」という凶日に由来する。六曜の中では唯一名称が変わっていない。午の刻(午前11時ごろから午後1時ごろまで)のみ吉で、それ以外は凶とされる。この日は「赤」という字が付くため、火の元、刃物に気をつける。つまり「死」を連想される物に注意する日とされる。
だそうです。

 

 根拠がない!
ところで、この決まり、だれが何を根拠に決めたのでしょうか?ちなみに、六曜とは、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6つのことで、かつては、即吉→共引→周吉→虚亡→泰安→赤口だったそうです。赤口以外はすべて字が変わっていますね。元々の字を見てもわかるように、仏教とは全く関係ありません。それどころか元々仏教では、釈迦を始め、占いの類を禁じています。日本では親鸞も「日の吉凶を選ぶことは良くない」と説いていて、迷信・俗説の類を禁じました。私も知りませんでしたが、行政をはじめ、公共機関が出すカレンダーでは採用されておらず、「根拠のない迷信」として無用な混乱を避けるため、使わないように指導しているところもあるそうです。
 
月火水木金土日と同じく、分けているだけだった
六曜はもともと中国で考えられたとされていますが、だれがいつ考え出したのかはまったくわかっていません。元々は単純に一月を6日ずつ5等分したときに分けるのに使われた、現代の七曜(月・火・水・木・金・土・日)と同じものだったそうです。しかし、それがいつのまにやら意味を持つようになり、吉凶を占うものになったようです。日本には、鎌倉時代に中国から入ってきた考えとされていわれてるところもありますが、これも良くわかっていません。わかっているのは、第二次大戦後に爆発的な人気になったということだけです。とかく日本人は占いが大好きですね。それにしても仏滅も大安も根拠がないっていうのはびっくりですね。これによって金額が大きく違う結婚式場などは、どうしたらいいのでしょう。まぁ、暦に限らず、思い込みにより価格が変わるのなんていうのは世の常ですね。残念ながら。
 


本日届きましたパンダカレンダー / torisan3500 **写真はイメージです。

 
それでも暦は面白い
暦の歴史をひも解くと、とても面白い話がいろいろ隠されています。江戸のころでは、暦は一つではなく、伊勢神宮が出す「伊勢暦」、幕府が公認していた三島大社の「三島暦」、そして朝廷の庇護をうけた京都の大経師が出していた「京暦」など異なる暦を使っていました。そのころではまだ、どの暦を公式な暦日として扱うべきかで熱い議論が交わされていたそうです。というのも、同じ月でも29日と、30日の暦があり、どの暦を採用しているかで、月末と月初がかわってしまい、借金や利息のことから、祭礼や年貢の取り立てに至るまで、様々な影響があったようです。それを避けるためにも幕府は「三島暦」を公認としていたそうですが、混乱はのちの改暦まで続いていたようです。小説「天地明察」に、詳しい話が書かれていますので、ご興味があった方は是非読んでみてくださいね。
これらの暦以外にも、各地で暦は作られ販売されていたようで、今のように薬局や花屋などの広告が載ったものもあったというから驚きです。ということで、ずいぶんと前置きが長くなりましたが、カレンダー届きました!(笑)。壁掛けタイプがやっと届いたので、お知らせいたします^^当店でお買い物をされた方には、前回のパンダ卓上カレンダーか、壁掛けカレンダーをお配りしております。もちろん六曜もばっちり入ってます(笑)。是非毎日の健康増進のお役だてにご活用ください!
 
 

カバーには、中医学の基礎、五行学説と臓腑のお話イラスト入りでわかりやすく書いてあります。

中身は四川パンダセンターの「冠元ちゃん」の写真と、中国の世界遺産が。

各月におすすめ食材とその月の簡単薬膳レシピも掲載されています。

 
 
 
 
 

2013/12/04

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売