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夏に負けるな!肌食養生のお話 その②お肌に良い食べ物のお話

その①では、いかに紫外線がお肌にダメージを与える仕組みや、中医学的に食べると肌トラブルを起こしやすくなる食べ物のお話をしました。後半では、肌の疲れを癒し、秋冬にも肌の疲れを残さないための肌に良い食べ物のお話をしたいと思います。
 


苦瓜(にがうり)


苦瓜は和名、「蔓茘枝(つるれいし)」といって、完熟すると仮種皮が甘くなることや、いぼいぼの外観などが、茘枝(レイシ・ライチのこと)に似ているから、「蔓になる茘枝」ということで「蔓茘枝」という名前が付いたそうです。ちなみに中国語では「苦瓜」と書きます。体にこもった熱をさまして夏バテを解消する夏の代表的な野菜です。暑さで悪化する肌トラブルにも良い食材です。元々は熟れて甘くなった果実を食べるものだったそうですが未成熟の皮が野菜としてもおいしいと言うことで食べられるようになり、ニガウリと呼ばれるようになったんではないでしょうか。 完熟したゴーヤは黄色くなり、その実は真っ赤なんですが、甘くておいしいそうです。見た目は予想を上回るインパクトです。写真を載せたかったのですが見つからなかったので、Googleさんの画像検索リンクを載せておきます。完熟ゴーヤの実⇒http://goo.gl/EX3Fhy
 
 
苦瓜には、大量のビタミンCが含まれており、さらに苦瓜のビタミンCは野菜の中で唯一熱に強いビタミンCなので、脂溶性のビタミンEやβカロチンをしっかり吸収できるように、少量の油でいためて食べるのがおすすめです。その点、ゴーヤチャンプルーは最適ですね。
ビタミンCは言わずと知れた美白ビタミンです。某化粧品会社さんの、シミやそばかすが薄くなると評判の高級美白美容液の主成分は高濃度のビタミンCだそうです。ビタミンCには抗酸化作用による細胞の老化防止作用、シミやそばかすの原因となるメラニン色素を薄くする作用、ぷるぷるお肌を保つコラーゲン合成作用、ニキビやニキビ痕を綺麗にしてくれる抗炎症作用などが確認されています。 ビタミンCの他、ビタミンB1、B2やβカロチン、ビタミンEなどの「食べる日焼け止め」をしっかり含んでいます。また、細胞を元気にしてくれる葉酸、抗酸化酵素など、酵素の活性に重要な必須ミネラルの銅、カリウム、カルシウム、鉄も含まれ、腸を綺麗にしてくれる食物繊維も豊富で、総合的に見ても夏のお肌に是非摂りたい食材です。

Lunch @ 06.10.30 ゴーヤチャンプルー(ちゃんぷるぅ家)


Lunch @ 06.10.30 ゴーヤチャンプルー(ちゃんぷるぅ家) / jetalone


 

中医学的苦瓜


苦瓜は寒性で苦・微甘、心、肺、脾、胃、肝に通じます。中医学的効能は、体にこもった熱を取り暑気あたりを解消してくれて、腫れや毒をなくしてくれ、イライラによる火を消す力を持つとされています。中医学的に見ても、苦瓜には炎症を抑えたり、解毒したり、腫れをなくす作用があるとされており、肌に良い食品であることがうかがえます。注意したいのは、流産、早産を引き起こしやすい食材とされているので妊婦の方は余り多く食べないようにしましょう。

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枝豆(えだまめ)


枝豆は未成熟の大豆です。なんといっても畑の肉ともいわれる大豆ですから、良質なタンパク質が豊富です。さらに糖質や脂質、そしてカルシウム鉄分、疲労回復やお肌をきれいにしてくれるビタミンB1、B2、そして大豆には含まれていないビタミンCも豊富なのも特筆すべき特徴でしょう。ビタミンCとタンパク質はコラーゲンの元を作ってくれるので、他のビタミンとも相まって、枝豆単体で美肌効果も期待できます。葉酸も豊富なので、貧血の気味のかたや妊婦のかたも摂っておきたい食材ですね。 イソフラボンという大豆に含まれているポリフェノールの一種や、そのイソフラボンの一種のダイゼンには、女性ホルモン様作用があるので、更年期特有ののぼせの緩和や、お肌をきれいに保つ作用、骨粗しょう症の予防や改善、そして、がんの抑制作用、免疫機能を高める作用がなどが確認されており、今後の研究に期待です。

Edamame
Edamame / Will Merydith


中医学的枝豆


枝豆は甘味で平性寒熱の偏りがなく、どんな方でも食べられます胃腸の働きを助けて、腸を整え、血やエネルギーを与えてくれて、必要なだけ胃腸を潤し、余分な水分は排出してくれて、膿を排除して毒を消してくれます。中医学的にみても、夏バテや食あたり、下痢やむくみによいなど、とにかく夏にぴったりの食材です。

green soybeans / 枝豆


green soybeans / 枝豆 / Kanko*


モロヘイヤ


エジプトなど高温乾燥地帯でも育つ、生命力の強い野菜。クレオパトラも好んで食べたとか、王様の病気を回復させたとか、何とも頼もしい野菜。「モロヘイヤ」という名前もアラビア語で「王様の食べる野菜」という意味だそうです。 数ある青菜の中でもずば抜けて栄養価が高くβカロチンはホウレンソウの3倍、カルシウムはなんと8倍、お肌によりビタミンB2もレバーよりも豊富に含まれ、ビタミンCもビタミンEも豊富と、紫外線対策もしっかり期待できます。鉄分も豊富で貧血気味の方にもおススメ。冷房で乾燥がちなお肌や喉には是非摂りたい食材です。
 

中医学的モロヘイヤ


モロヘイヤは残念ながら新しい食材のため、中医学的効能効果は私の手元に資料にはありません。ネットを検索すると、その性質は涼性で、甘味、肝・脾・胃に入り、余分な熱をとって暑気あたりを改善し、潤いを生み、消化を助け、血流も良くしてくれるという記述があります。暑いところ、そして乾燥地帯の食べ物なので、熱を取り、潤いを生むという力を持っていることは十分に考えられます。 モロヘイヤはまた、食物繊維が豊富なので便秘の改善には良いですが、冷え症や下痢気味の場合は、葱やニンニクと炒めたり、お味噌汁の具にするなどして食べるようにしましょう。


ベランダのモロヘイヤでスープでも


ベランダのモロヘイヤでスープでも / akiraak2


トマト


トマトの持つあの赤い色素は「リコピン」と呼ばれ、紫外線によって生み出される毒性の強い活性酸素を消去してくれる働きがあります。リコピンの抗酸化作用はβカロチンよりも強力で、紫外線による皮膚がんを強力に抑えこむ力があると考えられています。 その他もちろん、βカロチンやビタミンC、ビタミンEも豊富です。珍しいのがビタミンPと呼ばれる物質で、これはビタミンCの働きを助けて、コーラゲンの合成や毛細血管を丈夫にするなどの力があるとされています。トマトにはこのビタミンPが野菜の中でも最も多く含まれています。

Tomatoes
Tomatoes / The Ewan


中医学的トマト


トマトは微寒で、甘味と酸味を持ち合わせ、胃に通じ、潤いを生んで渇きを収め、胃腸を元気にして消化を促進し、身体にこもった余分な熱を収めて暑気をはらい、毒を解消します。夏バテや熱中症対策にはぜひともとりたい食材ですし、熱が原因の炎症性の肌トラブルにも是非ともとりたい食材です。

Tomatoes


Tomatoes / DeSegura89


鮭(さけ)


鮭の身は赤いですが、実際には白身魚に分類されます。あの赤い色はエサの甲殻類の色素が要因のようで、フラミンゴと同じ原理です。卵が赤いのも赤い餌を食べているからだそうです。この色素はアスタキサンチンといって、某化粧品に配合されていることで有名ですが、強力な抗酸化力をもっておりシミやシワなど肌の老化の原因である紫外線によって発生する酵素からお肌を強力に守ってくれます。さらに鮭にはDHAやEPAなどの脂肪酸が多く含まれています。これらの脂肪酸は動脈硬化、心筋梗塞・脳梗塞、糖尿病などに予防効果が高いと言われ、生活習慣病予防にはもちろん、血流の良さがとても重要なお肌にとっても嬉しい食材です。そのほか、栄養の代謝を促すビタミンB群、骨を強化するビタミンDとカルシウム、抗酸化力の高いビタミンEなども豊富で、亜鉛や銅などの微量ミネラルも含んでいます。

Salmon face


Salmon face / izik


中医学的鮭


鮭は温性で、主に胃腸を温めてくれます。水はけを良くして、むくみを改善したり、「血」の流れを良くして冷えを改善する力があります。エアコンや冷たいもの摂りすぎで過度に内臓が冷えてしまっている今にもってこいの食材ですコラーゲンが大好きなご婦人方には鮭の皮も一緒に食べることをお勧めします

Altlantic Salmon with Lemon-Caper Sauce
Altlantic Salmon with Lemon-Caper Sauce / naotakem


牡蠣(かき)


世界中で元気になる食品として利用され、欧米では紀元前から生で食べられている唯一の水産物が牡蠣です。言わずとしてれた高栄養・高ミネラル・ビタミン食材、牡蠣は天然の栄養サプリメントと言っていいぐらいあらゆるビタミン、ミネラル、アミノ酸などが含まれ、高血圧の予防や肝臓機能を高めてくれるタウリンも豊富に含んでいます。生牡蠣100グラム中には、1日に必要なたんぱく質の2/3、カルシウムは1/3、リンは全量、鉄分、ヨードはなんと1日に必要な量の4倍量含まれるそうです。その割にカロリーは1個約16kcalほどどしかなく、5個でやっと卵一個分だそうです。
その中でも特筆すべきは亜鉛の含有量です。牡蠣はあらゆる食品の中で一番亜鉛の含有量が多い食材です。亜鉛には、細胞分裂や新陳代謝を促進する効果があります。これはもちろんお肌が生まれ変わるときにも、身体の細胞を修復するにも、亜鉛は絶対必要ということ。牡蠣の美肌効果が高いのは亜鉛のおかげかもしれませんね。また、亜鉛は先に述べた通り、活性酸素を分解する酵素を動かす鍵で、亜鉛やその他微量ミネラルが無いと活性酸素分解酵素は働けません。その他、鉄、銅、セレンなども含んでおり、これほど多様な効能を持つ食品はほかにないとも言われており、牡蠣の健康作用を話すだけで、何時間もの講義が出来てしまうぐらいです。
お肌に良い成分は先述の亜鉛、銅、セレン、鉄などのミネラルに加え、豊富なビタミンE、ビタミンB群も含まれています。ビタミンCはちょっと少ないので、レモンをかけて食べると良いですね。
 
亜鉛は様々な酵素やインスリンの構成成分となっており、体にとってとても重要な物質です。そして亜鉛は精子の構成成分の一つでもあるので、男性不妊にもとっても重要です。男性機能というのは、ほかにどれだけ栄養素が豊富にあっても、亜鉛が無くてはダメになってしまいます。しかし日本人の亜鉛摂取量は9mg程度(RDAの推奨量は15mg)と、日本人の多くは潜在的亜鉛欠乏症にあるといわれています。牡蠣の亜鉛含有量は大粒のものだと何と一粒20㎎!低めの吸収率を考えても1個でカバーできてしまう量です。亜鉛はそのままでは吸収しにくいので、クエン酸やビタミンCと一緒に摂ると良いとされています。だから牡蠣に生レモンがおいしいのかもしれません。牡蠣に生レモンは亜鉛に加え、鉄分の吸収率もあげてくれ、おすすめです。

An oyster
An oyster / Bitterjug


中医学的牡蠣


牡蠣の身は温性で、甘味。肝、胆、腎に入り、肌を滋養してきれいにする作用や、血行を良くして身体を温めたり、生理不順や生理痛を改善する作用があると言われている、女性にとってはいいことづくめの食材です。肝機能を強化する効能があり、体力消耗時や疲れにもよいです。


Oysters
Oysters / pelican


いかがでしたでしょうか。お肌によい食材とは余分な熱をこもらせず、ビタミンやミネラルをたっぷり含んだ食材ですが、せっかく良い食材をとっても、それを吸収する胃腸が弱っていては意味がありません。夏場は冷たいものが増えがちですが、胃腸は冷たいものに弱いので、もしアイスクリームやかき氷、冷たいお茶などをとってしまったら、そのあとは熱めのお茶などをとって少しでもバランスを取るように普段から心がけましょう。


肌養生の基本は肌への刺激になる、体に熱がこもる、辛いもの、脂っこいもの、甘いもの、加工食品、ファストフード、スナック菓子などや、胃腸機能を低下させる氷入りの飲み物、アイス、ヨーグルトなどを出来るだけ少なくして、消化に良く、余分な熱をこもらせない、火をとおした野菜たっぷりの和食を基本に食べることです。潤いは飲み物ではなく、食べ物、主に野菜からとることを大事にしてくださいね。


身体をいたわるためには、一にも二にも食養生・生活養生です。体が喜ぶ食事や生活をしましょう。


解毒には野菜が一番です。野菜を、胃腸に負担をかけないように火を通してたっぷり食べましょう
汗をたくさんかく夏は潤いもたくさん消耗します。「潤い」は食べ物を原料にして胃腸でつくられますが、渇くから、暑いからといって冷たいものをたくさん摂りすぎると、胃腸が冷やされてしまい機能低下をおこし、潤いも作られませんし、エネルギーも生まれません。そうすることで秋や冬など乾燥する時期に、身体を自分で守ることができず、呼吸器系のトラブルを起こしたり、肌の乾燥やかゆみがでたりしやすくなります。夏場は温かいものもしっかり食べて、胃腸機能を落とさないことが、一年中潤い、透明感のある肌を保つことに繋がります。

2014/08/25

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売