
月経が始まる1週間前頃から、 なぜかいつもよりイライラしたり、理由なく落ち込んだり、 ニキビが出来たり、便秘になったり、むくんだり…月経がくると不思議とこれらの症状がなくなります。これは「月経前症候群」といい、「PMS」と表します。中医学では主に「肝気鬱結」の状態、 からだの中の気の流れの滞りとしてとらえます。改善するには主に「疏肝理気」 という気の流れを整える方法を使います。
症状と原因
代表的な症状は「イライラする」「怒りっぽくなる」「憂鬱になる」「集中力がなくなる」などの精神症状や、「頭痛」「めまい」「疲れやすい」「不眠」などの神経症状。「便秘」「胸が張る」「むくむ」「ニキビができる」などの身体的症状など。黄体ホルモンの働きが活発で、細胞内に水分を貯留したり、皮脂腺の分泌が活発になったりすることによると考えます。ホルモンのバランスの崩れにより自律神経も影響をうけるため、精神的症状も多くでます。中医学では主に「気滞」(きたい)と呼び、体内の気の循環が停滞したと考えます。
素因
ストレスが多い、感情を抑える性格、仕事が忙しい、不規則な生活リズムなど。これらにより、体内の気血のバランスがくずれやすくなっています。
中医学から見たPMSのタイプ
1.肝郁気滞タイプ
ストレスで気の流れが滞っている状態。ひどくなるとさらに熱に変わる。
症状: イライラ、怒りっぽい、胸・脇が脹る、不眠、頭痛、食欲が増す、涙もろい
2.気血両虚タイプ
体の気(生命エネルギー)と血(潤い栄養)どちらも不足している状態。
症状: 疲れやすい、めまい、不眠、朝起きづらい、食欲不振
3.陽気不足タイプ
体を温め、活性化する陽気が不足している状態。
症状: 疲れやすい、むくみ、冷え、体温低い、生理痛、頭痛
4.瘀血タイプ
血の巡りが滞っている状態。
症状: 生理痛、頭痛、肩こり、経血の塊
5.瘀熱タイプ
血の滞りが長期化して熱が発生している状態。
症状: ニキビ、湿疹、肌荒れ、辛いもの、油こいもの、甘いものを多食
6.痰湿タイプ
余分な水分が体内に停滞している状態。
症状: 頭や体が重い、体(特に足)が浮腫む、下り物が多い
【よく使う漢方薬】
逍遥顆粒、頂調顆粒、芎帰調血飲第一加減、婦宝当帰膠など。ご体質とご症状によって、おすすめの漢方は異なりますので、詳細はお近くの漢方薬局でぜひご相談くださいね。
【おすすめアロマテラピー】
☆イライラに・・・心を落ち着かせてくれるもの
ラベンダー、カモミールローマン、グレープフルーツ、サイプレス、ベルガモット、パチュリなど
☆憂うつに・ ・・心のバランスを取り元気にしてくれるもの
ベルガモット、スイートオレンジ、グレープフルーツ、 ローズウッド、レモン、ゼラニウムなど
☆寝られない時に・・・こころを穏やかにして心地よい眠りを誘うもの
ラベンダー、サンダルウッド、スイートオレンジ、カモミールローマンなど
☆頭痛に・・ ・痛みを止め、心を落ち着かせたり、頭をスッキリさせてくれるもの
ラベンダー、カモミールジャーマン、 ペパーミント、ローズマリーなど
☆むくみに・ ・血行や水分代謝を促してくれるもの
ゼラニウム、ジュニパーベリー、サイプレス、グレープフルーツなどで足浴やマッサージ
☆便秘に・・ ・胃腸の働き・動きをよくするもの
ジンジャー、スイートマージョラム、ベルガモット、ブラックペッパーなど
※芳香浴や足浴などもありますが、アロマバスはかなりオススメです。香りだけではなく皮膚からも有効成分が吸収され、リラックス効果もあって月経前の症状を落ち着かせます。
PMS,月経前緊張症
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