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この症状って?

月経前症候群とは?症状・原因や治療法など

月経、妊娠は、女性特有のからだのメカニズムから起こります。 複雑なメカニズムから起こるからだの変化にともなって、時として悩みや不安、不快感も味わいます。特に月経が近づくと、訳もなくイライラして、 体調がすぐれないというようなことがありませんか?これが月経前症候群です。

月経のおとずれる1週間前くらいから症状があらわれます。 たとえば、怒りっぽくなって恋人とけんかしたり、ヒステリックに子どもに当たってしまうなどの行為は、この月経前のイライラの時期に重なっていることも多いようです。

ほかにも、頭痛がしたり、眠くなったり、 全身がむくんで体重が増えたりもします。 少しイライラしてきたら「生理が始まるのね」というくらいの、軽い気持ちで余裕を持って対応したいものですね。

この記事では、月経前症候群についての概要から、症状、原因、そして治療効果について詳しくご紹介します。

生理前・生理中の女性の症状 イラスト

月経前症候群とは?


月経前症候群(Premenstrual Syndrome, PMS)とは、多くの女性が生理の数日前から経験する、身体的および心理的、そして社会的な症状の総称です。月経が始まると症状が和らいだり、無くなるのが特徴です。月経のある70~80%の女性が経験します。月経前症候群は、身体的な症状と心理的な症状、社会的な症状に大きく分けられます。

人それぞれ症状や強さが異なります。ホルモンの影響によるもので、むくみや、骨盤内の充血による便秘や下痢、その他に、精神症状や乳房症状などが認められます。症状が強いときは婦人科医の指導を受けましょう。

月経前症候群の症状


月経10日前か数日前から腰痛、腹痛、乳房痛、食欲不振、頭痛、動悸、精神不穏、うつ症状、むくみなどの症状を訴えますが、月経の開始とともに症状が消退していくものをいいます。月経前の症候群の症状は、身体的なものと心理的、社会的なものに分けられます。

身体的症状


身体的な症状は、次のようなものがあります。

  1. むくみ: 月経前に体の特に手や足がむくんでしまうことがあります。

  2. 頭痛: 頭痛や片頭痛が起こることがあり、生活に支障をきたすことがあります。

  3. 不快な体調:下腹痛、胸の張り、 乳房痛、腰痛、食欲増加、にきびができやすい、怠い、眠くなる、のぼせやすい、疲れやすい、気持ち悪い、便秘、頭が重い、肩がこるなどの不快な体調が現れます。


心理的症状


心理的な症状は、次のようなものがあります。特に多くの女性が 訴えるのは「イライラ」です。

  1. 気分の変動: 憂鬱、怒りっぽさ、不安感などの気分の変動があります。

  2. ホルモンによる影響: ホルモンの変化により、イライラや落ち込みが増加することがあります。

  3. 精神的な症状:不眠症、集中力の低下、ストレス感、攻撃的になるなどの症状が増加します。



社会的症状


一人でいたい、 物事が面倒くさい、いつもの通り仕事ができない、月経がいやになる、他人と口論する、家族への暴言、家に引きこもるなどの症状が現れることもあります。

月経前症候群の原因


月経前症候群の原因は複雑で、特定の原因によって引き起こされているわけではありません。しかし、主な原因としてホルモンの変動や、神経伝達物質の影響が 大きいと考えられています。

  1. ホルモンの変動: 月経周期中にエストロゲンとプロゲステロンといった女性ホルモンの変動が起こり、これが症状の一因とされています。

  2. 神経伝達物質の影響: プロゲステロンは排卵直後から分泌量が増え、月経開始の1週間くらい前から減り始めます。プロゲステロンが減ると、「ガンマアミノ酪酸(GABA)」や「セロトニン」といった、気分を落ち着かせたり、不安感を取り除いたりする神経伝達物質がうまく働かなくなります。



月経前症候群の治療法


月経前症候群の治療法は、症状の程度や個人の健康状態によって異なります。以下は一般的な治療法です。

1.生活スタイルの変更

健康的な食事、適度な運動、ストレス管理などの生活スタイルの改善が症状の緩和に考えられます。月経前のイライラ対策では、まず食生活に気を配りましょう。 月経前は、ホルモンのバランスが少しくずれて体内の水分が増加します。そこで、食事は塩分のなるべく薄いものにします。

コーヒーやお茶、清涼飲料水などはあまりとり過ぎないようにしましょう。 アルコールは少量であれば、血液の循環をよくするのでOK。スポーツも、適度に汗を流せば、むくみなどの症状を軽くすることができます。

とくに気を配りたいのが、精神面です。ストレスをためないように、何か楽しい計画を たてることをおすすめします。 また、「月経前だからいらつくのね」と自覚症状を持てば、自分でコントロールできるようになるので、少しも心配いりません。

ふさぎ込むとよけいに症状をひどく感じるものですから、“心”をコントロールして、いつもよりオシャレをしてみたり、気分転換をはかるよう心がけ、できるだけ、気分が紛れる過ごし方をはかりましょう。

2.薬による治療

【排卵抑制療法(排卵を抑える治療法)】
排卵が起こり女性ホルモンの大きな変動があることが原因なので、排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が軽快します。低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は少ないホルモン量で排卵を止めます。これらの薬は副作用が少なく、服用している期間だけ一時的に排卵を止めるものなので、服用を止めるとすぐに排卵が回復します。

【症状に対する治療法】
痛みに対しては鎮痛剤、むくみなどの水分貯留症状に対しては利尿剤や抗アルドステロン療法(尿量を増やす治療法)、精神神経症状や自律神経症状に対しては精神安定剤やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬物療法・脳内の活性物質セロトニンを維持する治療法)を使用します。

【漢方薬】
加味逍遥散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、抑肝散(よくかんさん)などがよく用いられますが、これらは漢方薬の中のほんの一部です。

3.栄養補助食品

ビタミンB6,亜鉛は女性ホルモンを活性化する働きがあります。ビタミンB6は、サンマ、カツオ、マグロ、サバ、イワシなどの魚やレバー類に多く含まれます。 また、亜鉛は、貝類、赤身の肉、レバー類などから摂取できます。

PMSのイライラ・情緒不安定は、カルシウムとマグネシウムを摂ることで解消しましょう。  カルシウムとマグネシウムは、大豆製品や緑の野菜にも豊富です。 特に大豆製品は、女性ホルモンのバランスを整える大豆イソフラボンが含まれているのでおすすめです。

月経前症候群でお悩みの方へ


月経前症候群は多くの女性が経験する問題でありますが、症状の程度は個人によって異なります。QOL(生活の質)を下げる症状の一つですので、我慢をせず、生活習慣を改善したり、専門家に相談して改善を図りましょう。漢方薬を服用するのも対策の一つです。

上記に漢方薬の一例をご紹介しましたが、ご体質ご体調に合わせた漢方薬を服用することが大切です。月経前症候群のお悩み、どうぞイスクラ薬局にもお気軽にご相談くださいませ♡まずはメール相談をご希望でしたらお試しプレ相談、ご予約でしたらお電話もしくはご予約フォームから承ります♡
監修
佐藤薫
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上海外国語大学留学中に中医薬膳に出会い、帰国後北京中医薬大学日本校に入学。中医薬膳専科で中医薬膳学、中医中薬専攻科で中医学を学ぶ。現在、イスクラ薬局日本橋店での漢方相談のみならず、日本中医食養学会講師、北京中医薬大学日本校で中医中薬専攻科での通訳を務める。体の基礎を作る食事からしっかり指導できる学会認定不妊カウンセラー。

「食養生は、中医養生法の礎となるものです。漢方同様、お一人お一人の体質体調に合った食養生法をご提案します。」

*不妊、二人目不妊、子宮筋腫、卵巣嚢腫、月経痛、更年期

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