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この症状って?

肌の乾燥でかゆみが生じるのはなぜ?原因や対処法を解説

肌の乾燥が気になる季節ですね。乾燥だけでなく痒みも出てしまったら、どうにも気になって仕事も家事も集中できない・・・・

そんなお悩みを抱える方のために、この記事では肌の乾燥で痒みが生じる理由、乾燥の原因、対処法についてご紹介します。

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肌の乾燥でかゆみが生じるのはなぜ?


肌の乾燥によるかゆみは、肌のバリア機能の低下や神経の刺激など、複数のメカニズムが絡み合って引き起こされます。

  1. バリア機能の低下: 皮膚はバリアとして外部刺激から身を守る役割を果たしています。乾燥によってバリア機能が低下すると、外部刺激やアレルギー物質が皮膚に浸透しやすくなります。これにより、かゆみや炎症が引き起こされます。

  2. 神経の刺激: 乾燥した皮膚は神経受容体に刺激を与え、かゆみの感覚を生じさせることがあります。これは、乾燥による角質層の乱れや刺激によって、神経終末が刺激され、かゆみを感じることにつながります。

  3. 炎症性の反応: 乾燥によって皮膚の状態が悪化すると、炎症性の反応が起こることがあります。これにより、かゆみが増幅されたり、炎症が進行したりする可能性があります。


これらのメカニズムが組み合わさり、乾燥によるかゆみが引き起こされます。では、そもそもなぜ肌は乾燥するのでしょうか?


肌が乾燥する主な原因


肌の乾燥もさまざまな要因によって引き起こされます。これらの要因は、皮膚の水分バランスを乱し、肌の保護機能を低下させます。

環境要因


環境要因は、肌の乾燥に大きな影響を与える要因の一つです。乾燥した環境にいることで、肌の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が引き起こされます。

・気候: 冬の乾燥した空気は、肌の水分を奪います。低湿度の環境下では、肌表面の水分が蒸発しやすくなります。

・暖房やエアコン: 暖房やエアコンは室内の空気を乾燥させます。特に冬場は暖房をつけることで室内の湿度が低下し、肌の水分が奪われます。

・日光: 長時間の日光浴や紫外線の影響も肌の乾燥につながります。紫外線は皮膚の保湿バリアを弱め、水分を奪う可能性があります。

・乾燥した風: 強い風は肌の水分を奪い、乾燥を促進します。特に冬の乾燥した風は肌にダメージを与えることがあります。

・温度の変化: 極端な気温の変化や、暑いシャワーやお風呂に入ることで、肌が乾燥することがあります。

過度な洗浄


過度な洗浄は、肌の乾燥や刺激を引き起こす主な原因の一つです。適切な洗浄は肌を清潔に保ちつつ、健康な状態を保つために重要ですが、過剰な洗浄は肌のバリア機能を傷つけ、乾燥を招きます。

・強い洗浄成分の使用: 洗顔料やボディーソープに含まれる強力な洗浄成分(合成界面活性剤や硫酸系成分など)は、皮脂を過剰に取り除きます。これにより、皮膚の保湿バリアが破壊され、水分が奪われます。

・過度な頻度での洗浄: 日々の適切な洗浄は重要ですが、過度な洗顔や頻繁な入浴は皮膚を乾燥させます。特に長風呂や高温のお湯での入浴は、皮膚の水分を奪います。

・間違った洗顔方法: 洗顔時に力を入れてこする、刺激的なスクラブ剤を使用するなど、肌を傷つける洗顔方法は乾燥の原因になります。

・洗顔後の保湿不足: 洗顔後、適切な保湿を怠ると、皮膚の水分が奪われ、乾燥が進みます。

刺激物質


刺激物質は肌の乾燥や過敏な反応を引き起こす可能性がある化学物質や成分です。これらの物質は肌のバリア機能を弱め、乾燥やかゆみ、炎症を引き起こす可能性があります。

・香料: 香水や香料が含まれる製品は、肌に刺激を与えることがあります。特に敏感肌の人々は、香料によって肌が荒れたり、かゆみが生じたりすることがあります。

・合成着色料: 合成着色料は、肌に過敏な反応を引き起こす可能性があります。特に肌のバリア機能が低下している場合、これらの着色料が肌に悪影響を与えることがあります。

・アルコール: アルコールを含む製品は、肌を乾燥させる可能性があります。特に高濃度のアルコールは肌を刺激し、保湿バリアを傷つけることがあります。

・硬水: 一部の地域では水質が硬水であることがあり、硬水は肌に刺激を与える可能性があります。特に洗顔後のすすぎ残しが肌に影響を与えることがあります。

これらの刺激物質が肌に影響を及ぼすことで、肌のバリア機能が低下し、水分が奪われることがあります。乾燥肌やかゆみを防ぐためには、刺激物質を含まない製品や、肌に優しい成分を選ぶことが大切です。また、敏感肌の人々は特に、刺激物質を含む製品を避けることが重要です。

年齢


年齢と肌の乾燥は密接な関係があります。肌は加齢とともに様々な変化を経験し、これが乾燥の原因となることがあります。

・皮脂分泌の減少: 年齢とともに皮脂分泌が低下します。皮脂は肌を保護し、水分を保持する役割を果たしています。この減少により、肌の保湿機能が低下し乾燥しやすくなります。

・角質層の変化: 加齢に伴い、角質層が厚くなったり、バリア機能が低下することがあります。これにより、水分の蒸発が増加し、乾燥が進むことがあります。

・コラーゲンとエラスチンの減少: コラーゲンやエラスチンなどの肌の弾力性を保つたんぱく質が減少することで、肌の張りやハリが失われ、乾燥しやすくなります。

・環境要因との相互作用: 年齢を重ねると、外部からの環境ストレスによる影響への耐性が低下します。これにより、肌が外部からの乾燥や刺激により敏感に反応する可能性が高まります。

栄養不足


栄養不足は、肌の健康に大きな影響を与える要因の一つです。特定の栄養素の不足は、肌の保湿能力や健康状態に影響を及ぼし、乾燥を引き起こす可能性があります。

・ビタミン不足: ビタミンA、C、Eは、肌の健康に重要です。ビタミンAは肌の再生や保湿に関与し、ビタミンCはコラーゲン生成を促進し、ビタミンEは抗酸化作用を持ち、肌を守ります。これらのビタミンが不足すると、肌の健康が損なわれ乾燥しやすくなります。

・オメガ3脂肪酸不足: オメガ3脂肪酸は、肌の保湿や炎症を抑制する役割があります。不足すると、肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。

・亜鉛不足: 亜鉛は肌の健康維持に必要なミネラルです。亜鉛の不足は、肌の修復や再生を妨げ、乾燥を引き起こす可能性があります。

・タンパク質不足: タンパク質は、肌の構造を形成するたんぱく質であり、肌の健康維持に重要です。不足すると、肌の弾力性や保湿能力が低下します。


肌の乾燥によるかゆみの対処法


では、肌の乾燥による痒みを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

一つずつご紹介します。

適切な保湿


肌の乾燥によるかゆみを和らげるために、適切な保湿が非常に重要です。適切な保湿を行うことで、肌の水分を保ち、かゆみを軽減できます。

・保湿剤の選び方: 保湿剤を選ぶ際には、肌に合ったものを選ぶことが重要です。保湿成分として、グリセリン、ヒアルロン酸、尿素などが効果的です。敏感肌の方は無香料や刺激の少ない製品を選ぶことがポイントです。

・保湿のタイミング: 保湿剤は入浴後や洗顔後、肌が乾燥している時にこまめに使用しましょう。特に水分が蒸発しやすい入浴後や朝晩のスキンケア時に重要です。

・水分を保つ: 保湿剤を塗る前に、肌を濡らしたり湿らせることで、保湿成分がより肌に閉じ込められます。

・重ね付け: 肌が特に乾燥している場合は、薄く重ねて塗ることで効果的に保湿できます。しかし、肌が負担を感じる場合は適度な量で十分です。

・全身の保湿: 顔だけでなく、全身の肌の保湿も重要です。特に乾燥しやすい箇所や季節の変わり目には、全身に保湿ケアを行いましょう。

・加湿: 室内の湿度が低い場合は、加湿器を使って室内の湿度を保つことも効果的です。乾燥した空気は肌の水分を奪いますので、湿度を保つことが重要です。

・自然な保湿: 適切な飲水や水分を多く含む食品の摂取も、肌の保湿に役立ちます。バランスの取れた食事と適切な水分補給は、肌の健康にも重要です。

正しい保湿方法を定期的に行うことで、肌の水分を保ち、乾燥によるかゆみを軽減することができます。しかし、かゆみが継続する場合や症状が悪化する場合は、皮膚科医の診察を受けることをお勧めします。

刺激物質を避ける


肌の乾燥によるかゆみを軽減するためには、刺激物質を避けることが重要です。刺激物質は肌を刺激し、かゆみや炎症を引き起こす可能性があります。そのため、肌が敏感な人や乾燥肌の人は、以下の刺激物質を避けることが役立ちます。

・香料: 香水や香料が含まれる製品は、肌に刺激を与えることがあります。香料が含まれている化粧品や洗剤、ボディローションなどを避けると良いでしょう。

・アルコール: 高濃度のアルコールは肌を乾燥させ、刺激を与えることがあります。刺激の強いアルコールを含む製品を避けるか、肌に優しい製品を選ぶことが大切です。

・合成着色料: 合成着色料は、肌に刺激を与える可能性があります。無着色や天然由来の着色料が含まれていない製品を選ぶことが望ましいです。

強い界面活性剤: 界面活性剤は、洗浄力を持つものですが、強力なものは肌を刺激する可能性があります。刺激の少ない、肌に優しい製品を選ぶことが大切です。

・アレルギー反応を起こす成分: 個人によって異なりますが、特定の成分にアレルギー反応を起こすことがある場合は、その成分を避けることが必要です。自分の肌に合わない成分に注意を払いましょう。

製品を選ぶ際には、無香料や刺激の少ない製品を選ぶことが有効です。また、パッチテストを行い、肌に合うかどうかを確認することも重要です。敏感肌や乾燥肌の方は、刺激物質を避けつつ、肌に優しい製品を使用することで、かゆみを軽減することができます。

適切な洗浄


肌の乾燥によるかゆみを軽減するためには、適切な洗浄方法を実践することが重要です。洗顔や入浴時の方法や使用する製品に注意することで、肌の乾燥を和らげることができます。

・穏やかな洗浄: 強力な洗浄力を持つ洗顔料や石鹸は、肌を乾燥させる原因となります。刺激の少ない、pHバランスが合った製品を選びましょう。

・温水の使用: 熱すぎるお湯や水を使った洗顔は肌の水分を奪います。適温の温水を使い、肌を乾燥させないようにしましょう。

洗浄時間の短縮: 過剰な洗浄は肌を乾燥させる要因になります。洗顔や入浴は長すぎず、必要以上にこすらず、優しく洗うことが大切です。

・タオルの使い方: タオルで肌をこすらず、優しく水分を吸収させるようにしましょう。摩擦を避けるためにも、柔らかいタオルを使用することが重要です。

・入浴時の注意: 入浴時には長時間の浸かりすぎや、強力な洗浄効果のある製品の使用は避け、肌に負担をかけないようにしましょう。また、入浴後は速やかに保湿剤を塗布することで、肌の水分を保つことができます。

適切な洗浄方法を実践することで、肌の乾燥やかゆみを軽減することができます。肌タイプや状態に合った製品の選択と、優しくて丁寧な洗浄方法を心掛けることが大切です。

加湿器の利用


加湿器は、室内の湿度を上げることで乾燥を緩和し、肌のかゆみを和らげるのに役立ちます。特に乾燥した気候や暖房を多用する季節において、加湿器は有益です。

・湿度の維持: 加湿器を使うことで、室内の湿度を一定に保ちます。一般的に、室内の湿度は40〜60%が理想的です。特に冬季や乾燥した季節に、加湿器を使用して湿度を維持することが重要です。

・快適な睡眠環境: 加湿器を寝室に置くことで、乾燥した空気による喉の痛みや鼻づまりを緩和し、より快適な睡眠環境を作ることができます。

・保湿ケアと併用: 加湿器の利用と同時に、肌の保湿ケアも重要です。入浴後や洗顔後に保湿剤を使用するなど、肌の水分を補給することで効果が高まります。

・清潔な状態の維持: 加湿器は定期的に清掃し、清潔な状態を保つことが重要です。湿気の環境は微生物の繁殖を促すため、清潔さを保つことで健康を守ります。

冷却グッズの利用


冷却グッズの使用は、一時的に肌のかゆみや炎症を和らげる効果があります。以下にその利用方法や効果について詳しく解説します。

・冷却効果の利用: 冷たいタオルや冷水を使って、かゆみや炎症のある部分を冷やすことによって、かゆみが一時的に軽減されます。

・冷却パックの利用: 冷却パックは、冷たいジェルや凍ったゲルを含んだ袋で、直接肌に当てることで冷却効果を得られます。かゆみのある部分に冷却パックを当て、数分間程度置くことでかゆみを和らげることができます。

・冷えすぎに注意: 長時間冷やしすぎると逆に肌を傷つけることがありますので、冷却する際には、数分程度で交互に休憩を取りながら行うことが大切です。

・冷却後の保湿: 冷却後は、肌をしっかりと保湿することが重要です。冷却することで肌の水分が奪われる可能性があるため、保湿剤を使って肌に水分を補給しましょう。

ただし、冷却パックや冷たい物を肌に直接当てる場合は、敏感な肌や凍傷を引き起こす可能性があるため、長時間の使用や強い冷却は避けるべきです。かゆみが継続する場合や肌が過度に反応する場合は、皮膚科医に相談することをお勧めします。

保湿に役立つ栄養成分の摂取


肌の乾燥によるかゆみを和らげるためには、内側からの保湿も重要です。食事や水分摂取を通じて、体内から肌の保湿をサポートすることができます。

・水分摂取: 十分な水分を摂取することは、肌の保湿に重要です。日常的に適切な量の水を飲むことで、肌の水分量を維持し、乾燥を軽減できます。

・オメガ3脂肪酸: オメガ3脂肪酸は、肌の健康維持に役立ちます。魚油、亜麻仁油、チアシード、くるみなどの食品に多く含まれています。これらを食事に取り入れることで、肌の保湿効果を高めることができます。

・ビタミンと抗酸化物質: ビタミンA、C、Eなどは、肌の健康に重要な役割を果たします。野菜、果物、ナッツ類、種子、オレンジジュースなどに含まれるこれらの栄養素を摂取することで、肌の保湿や健康状態をサポートします。

・亜鉛とタンパク質: 亜鉛は肌の健康に重要であり、タンパク質は肌の再生に必要です。肉、魚、豆類、卵、乳製品などを摂取することで、これらの栄養素を補うことができます。

・肌を潤す食材:棗、杏仁、豆乳、はちみつ、白きくらげ、百合根、クワイ、梨、松の実、落花生、山芋などは肌を潤す作用があります。日常の食事に取り入れてみてはいかがでしょう。

バランスの取れた食事や適切な栄養素を摂取することで、体内の水分や栄養バランスを維持し、肌の保湿力をサポートすることができます。ただし、個々の体質やアレルギー、健康状態に応じて食事内容を調整することが重要です。肌のかゆみが持続する場合は、専門家のアドバイスを受けることがおすすめです。

医師の診断と処方


肌の乾燥によるかゆみが継続する場合や慢性的な症状が見られる場合は、皮膚科医や専門医の診察を受けることをお勧めします。医師の診断と処方は、症状の根本的な原因を特定し、適切な治療法を提供するために非常に重要です。

肌の乾燥によるかゆみでお悩みの方へ


以上、肌の乾燥による痒みがなぜ起こるのか、乾燥の原因、対処法についてご紹介しました。肌のバリア機能や保湿機能向上に、漢方を服用するのも実はお勧めの対策です。

肌の乾燥、痒みのお悩み、どうぞイスクラ薬局にもお気軽にご相談くださいませ♡まずはメール相談をご希望でしたらお試しプレ相談、ご予約でしたらお電話もしくはご予約フォームから承ります♡
監修
佐藤薫
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上海外国語大学留学中に中医薬膳に出会い、帰国後北京中医薬大学日本校に入学。中医薬膳専科で中医薬膳学、中医中薬専攻科で中医学を学ぶ。現在、イスクラ薬局日本橋店での漢方相談のみならず、日本中医食養学会講師、北京中医薬大学日本校で中医中薬専攻科での通訳を務める。体の基礎を作る食事からしっかり指導できる学会認定不妊カウンセラー。

「食養生は、中医養生法の礎となるものです。漢方同様、お一人お一人の体質体調に合った食養生法をご提案します。」

*不妊、二人目不妊、子宮筋腫、卵巣嚢腫、月経痛、更年期

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