○月経量とは○
月経は子宮内膜がホルモンの急激な低下によって壊死し、内膜が剥がれる周期的な出血です。
量は生理学的に全量20-140mlの間、平均40ml程と言われています。
ご自身で、毎回の生理用ナプキンにたまる量や、トイレ使用時に出る出血を見ている方には、それしかないの?と思われると思います。
量にして、200ml計量カップを基準にすれば、20mlは1割、40mlは2割、140mlは7割なので、平均40mlは少なめにも感じ取れます。
ご自身の月経がどのくらいの出血量か、いかがでしょうか。
ではなぜ、量に範囲があるのでしょうか?
原因はあるようです。
一つは、月経の期間によります。
正常は3~7日間と定義されており、期間がそれ以下もそれ以上も、全月経量に多い少ないが生じることになります。3日間未満は20ml以下となり過少の月経、8日間以上は140ml以上となり過多の月経と考えられています。
一つは、子宮筋層や粘膜など器質的な疾患によって、出血しやすい状態になることがあります。 3~7日間の正常と言われる期間であっても、このような場合は月経量が多くなります。
不思議なことに、月経初日がいつかは忘れていても、量や、期間は、ご自身の記憶の中にある方が多いと思います。それは、20~140mlの中で、月経量を毎回、比較検討しているのです。おそらく生理学的に、ミニ検診を各自身で行っていると私は思います。
また、ミニ検診をしているからこそ、月経量が先月は多くても、今月は以前の量に戻ると、先月のおかしかったことを忘れてしまう方もいらっしゃると思います。前回の月経と今回の月経の間に携わった環境の変化、それに対する考え方の変化も、月経量に関与していると言われています。
このような月経量のパターンの中で、同じ症状が続いていると感じた方は、まず、病院で状態を診て頂くことが重要だと思います。ミニ検診が役立つことになると思います。
○月経量と血○
ご存じの方も多いと思いますが、中医学で体の成分は気、血、津液に大きく分類します。このうちの血が、月経の主成分となります。
どのようにして月経を作っているのでしょう。
生殖機能を発育させている成分があり、その成分が“血”に変化します。また、“気”は血を月経として運ぶという役割があります。気や血を主となって機能させる腎・肝・脾などの五臓、そして五臓を動かす経絡が関与してきます。このように、中医学的ないろいろなアイテムが働いて、最終的に子宮から溢れ出て、月経が生じると考えられています。
月経量は、中医学でも正常範囲の量を基本としています。そして、平常より月経量が多い場合は月経過多、月経量が少なすぎる場合は月経過少と分けられます。
月経過多とは、正常な月経期間内で月経が溢れ過ぎてしまったことになります。
月経ができる過程が上手に機能しないこと、月経自体が増えてしまうこと、月経の通る道を整理する機能が弱いこと、熱がこもると血液の動きが散乱することなどによって、溢れます。
これらは、どのようなことから起こるのでしょう。
子宮の筋層や粘膜に病気がある場合、病気を長く患っていたり、いつも疲れやすい場合、忙しすぎたり、気持ちがイライラしていて、脂ものの多い食事を食べ過ぎたり、辛いスパイス料理を食べ過ぎる場合があります。
月経過少は、月経量が少なすぎるのですが、月経期間が正常範囲でも短くてもなります。
血の作りが弱かったり、子宮への経絡の流れが邪魔されたりすることで、月経量が少なくなってしまいます。
これらは、どのようなことから起こるのでしょう。
もともと体質として血が少ない場合、先天的や奇形がある場合、寒い環境にいる時間が長すぎたり、甘いものや脂ものの食事が多い場合があります。
月経過多も月経過少も起こる原因や環境に気をつけて、予防対策にご活用ください。