“今月は生理が終わってすぐに、不正出血があって、痛みもありました。大丈夫でしょうか”
というご相談を受けます。
不正出血の中でも、いろいろなパターンがあり、考え方が異なります。
今回は、月経から14日前後、排卵期の不正出血についてお話します。
ー 中間期出血 ー
月経と月経の間、ちょうど排卵期の頃の出血を中間期出血と言います。
排卵期とは、育った卵を排出する時です。
排卵をするためにはLHというホルモンが上昇するのですが、
それに伴い、その少し前から増量していたエストロゲンも最大まで増量し、
排卵するとともに急に減少します。
このエストロゲン分泌の急な変化に、つられて子宮粘膜が少しはがれることで、
出血がおこる事が、中間期出血です。
ですので、病気ということではありません。
ー 経間期出血 ー
月経と月経の中間期出血は、中医学では経間期出血と言います。
排卵期は絪縕期と言います。
月経終了から排卵期までの変化は、中医学的に特徴的な考え方です。
月経終了後、月経で空になった血海が血(陰精)を次第に満たし、陰が充実するようになります。
陰が充実すると、その機能ができるようになり、器官の原動力である陽気が動き、
絪縕期を向かえ、排卵になります。

しかし、この排卵前において、陰の充足ができず、不足の状態が続いていたり、
陰の充足後に陽気の動きが激しくなるなど、排卵する条件が悪くなると、血が少量漏れて出てしまうようです。
病気ではありませんが、次の月経に向けての器官の準備の条件や状態が悪い場合に
経間期出血が起こると捉えますので、
その要因である体の変化、バランスがとても重要になります。
仕事が忙しすぎたり、
とても疲れていたり、
家庭の中での心配事が多かったりなど、
気持ちのあり方や物事のとらえ方が、平常と異なることは、
七情内傷という感情による体内の変化を起こし、体の動きを悪くすることになります。
七情内傷は、陽気の動きを悪くして、経間期出血が起こります。

月経も排卵も1ヶ月に1度が正常であり、また、女性の仕事でもあります。
なるべく、リラックスした状態でその時期に入れることが望ましいのでしょう。