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中神(ぴーてん)の自然と身体はつながってるお話(寒邪の話)

こんにちは!中神です!

春並みに暖かい正月からの冬らしい気候。寒さで身体が不調となる人もチラホラいらっしゃいます。皆様は体調崩されていませんでしょうか?

毎年1月に風邪の有病率はピークとなります。ウイルスは基本的に高温多湿を嫌うので、1月の低気温、低湿度の環境を好んで増えることが原因と考えられています。

冷たい風が吹けば、身体がブルっと震え、くしゃみ鼻水がでる、なんてことがありますよね。そのくしゃみ鼻水の発生原因はウイルスかもしれませんが、今回は中医学のお話。

中医学は【自然と人間の身体のつながり】を重視した学問です。そんな自然と中医学のつながりについてお話しさせていただきます。

 

《自然界の気候について》


まず、自然界にはどのような気候があるのでしょうか?中医学では風(ふう)寒(かん)暑(しょ)湿(しつ)燥(そう)火(か)の6つの気候があると考えており、これらを六気(ろっき)と呼びました。この六気が過度に人体へ影響を与えれば体調不良になります。また、影響が少なすぎても体調不良になります。

 

例えば寒い季節に外出して過度に身体を冷やせば、月経痛がひどくなる、元気がなくなる等の症状が発生するでしょう。これは六気の「寒」が過度に身体を冷やしたことによって発生した症状です。冷やすと暖める力が失われ、そして体内の【気、血】の動きはスローになります。血がスローになり渋滞を起こせば痛みが発生し、気がスローになれば元気がなくなります。

 

また寒い季節…のはずが、寒くない。という日もあります。そもそも身体は冷えに備えて温めようと代謝量を増やしているのですが、寒くないので身体が温まりすぎて体調不良が発生するということもあります。

 

六気の影響が過剰でも不足してもダメだ!ということです。

 

その他に、季節に相応しくない気候、言い換えたら狂った六気に身体がついていけず病気になる(例 夏なのに寒い等)パターンや、身体が虚弱で気候の変化についていけず病気になるパターンもあります。

六気という言葉を用いると、複雑な話に見えるかもしれません。

でも、六気を【自然界の気候】と言い換えれば、特別な話ではなく日常生活に溶け込んでいる話かと思います。

 

でも中医学の面白いところはここから!(だと思う)

 

中医学ではよくあることですが、同じ事柄でも振る舞いが変われば名前が変わるということです。

 

先程までは六気についてのお話をしました。ですが、例えで述べたように六気が身体を犯す場合があります。その場合は六淫(ろくいん)といいます。

 

六淫は「六気が外邪として身体に侵入(ホントは侵淫)」するので、その名が付きました。

ここで出てきた外邪(がいじゃ)は「外から来た悪いやつ」との意味があります。現在で言えばウイルスや菌などが外邪にあたるでしょう。

 

六淫は六気と同じく六匹(?)います。

風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の六匹です。

今回は寒邪の特性に焦点を当ててお話します。



※バイソン、めっちゃかっこよくないですか?(*´∀`)

 

《寒邪について》


寒邪は気温が比較的低い冬や気温が急激に下降した時に、寒さと共に身体に侵入してきます。「さむっ」と感じた時には寒邪が皮膚にくっついている、とイメージでよいです。

世の中の全てのものは陰陽どちらかに分けられるのですが、寒邪は「陰」の性質があります。したがって、陰と相対をなす「陽」を傷つけます。陽は暖める作用があるので、傷つけられれば暖める力が弱くなります。

寒邪は身体のどこの陽を傷つけるかで傷寒(しょうかん)と中寒(ちゅうかん)の2つに分類されます。

【傷寒(しょうかん)】

身体の表面に寒邪が影響すると、身体を暖める力と外敵から防御する力が低下します。身体の表面には陽気が広がっています。陽気は身体を温め、外敵から防御をしているのですが、陽なので、陰の性質のある寒邪にとても弱いからです。寒邪に陽が傷つけられれば、陽は動きがスローになります。そして、暖める防御することができなくなり、悪寒(おかん)、悪風(おふう)といった症状が発生します。

このような場合に麻黄湯や葛根湯や桂枝湯などの漢方薬を使用します。

【中寒(ちゅうかん)】

身体の内部に寒邪が影響すると、体内の自覚的な冷えと臓腑の機能低下が発生します。体内の臓腑は陽の力で動いています。寒邪が陽を傷つければ臓腑の動きがスローになり、機能低下が発生します。特に心の機能(心陽)低下からやる気減退、胃腸の機能(脾陽)低下から下痢や腹部の張り、泌尿器や生殖器の機能(腎陽)低下から頻尿や生殖機能の低下などが発生しやすくなります。

このような場合は人参湯などの漢方薬を使用します。

 

《寒邪から身体を守ろう》


では日頃からどのようなケアをすれば寒邪に侵入されないのでしょうか。

結論からいえば【身体を冷やさない】ことです。当然ですよね( ´ ▽ ` )ノ

特に足首の三陰交(さんいんこう)というツボ周辺と、首周りの缺盆(けつぼん)は冷やさないようしっかりとガードしましょう。





 

また身体を温める食材はクルミ、羊肉、鹿肉、鶏肉、エビ、ナマコ、鯵、黒砂糖などを適宜摂取することがオススメです。オススメのスパイスは五香粉やジンジャーパウダーです。温めて豆乳や牛乳に前述のスパイスをいれると、チャイっぽくなり美味しいです。ただし、温める食材は体質によって摂取しないほうが良い人もいます。具体的には炎症性の疾患を発症している、かゆみがある、のぼせ、身体が火照るなどの症状がある人は専門家に相談して食していただくと良いです。

 

以上です。

それではまた( ´ ▽ ` )ノ

 

中神(ぴーてん)の過去の記事はこちら

中神(ぴーてん)の食べすぎについてのお話

中神(ぴーてん)の冬季うつ病について

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2020/01/16

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