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季節の薬膳・養生法 の記事一覧

薬膳ガーデニングのすすめ~フェンネル~/金村瑛美

こんにちは、金村です。
自宅のプランターの一角に、今年もフェンネルが生い茂っています。
上に大きく成長したその姿は立派で嬉しくもありますが、とても嵩張ってきたため、植え替えを考えていました。
ですが、フェンネルは植え替えに弱いことを知り、変わらず定位置で3年目を迎えています。

フェンネルは、セリ科の植物で、最も古くから栽培されているハーブの一つです。
日本では「茴香(ウイキョウ)」の名で知られており、中医学では、その果実(種子)は生薬として利用され、胃痛や胃もたれを伴う胃炎に用いられる「安中散」という漢方薬にも配合されています。
フワフワした細くてやわらかい葉は、「フィッシュハーブ」とも呼ばれ、魚の生臭さを消してくれるため、魚料理によく使われています。

フェンネルは、日当たりと水はけがよく、肥沃な土を好み、葉は4月~11月、種は花後の夏〜秋頃に収穫できます。
いくつかの種類があり、多年草で株元が大きくならないスイートフェンネルや寒さに強いブロンズフェンネル、白く肥大している株元を食用とするフローレンスフェンネルです。

 

薬膳的効能
中薬学の教科書には、フェンネルの種は「気の巡りや胃の働きを良くし、寒邪を外へ追い出し、痛みを止める」と記載されています。
また、フェンネルの葉・鱗茎・種子にアネトールという成分が含まれており、咳止めや去痰、胃の働きを高め、胃酸の分泌を促進する効能があるといわれています。

フェンネルのハーブティー
お茶としては、フェンネルシード(種)が有名ですが、今回は葉がたくさん採れたので乾燥させて保存することにしました。
また、生の葉で入れたお茶は、種や乾燥した葉のお茶に比べてフルーティーで飲みやすいので、そちらもおすすめです。

2025/06/06

体に嬉しい発酵ばなし~塩麹~/勝俣薫

こんにちは、勝俣薫です。

若葉が美しい5月がやって来て、夏の気配も感じる頃になりました。植物が伸び伸び育つ今の時期は、発酵する環境としても良い頃だと思います。

そこで今回は、手作り塩麹を紹介します。

塩麹は様々な料理に使えて栄養成分も豊富な万能調味料です。

作る際に、乾燥麹ならば水で戻した麹に塩と水を加え、毎日かき混ぜるだけなので手軽に始められます。

そして、混ぜる時に味見をするので、最初は強い塩味が調和し穏やかになる過程も楽しめます。(分量等、詳細は写真をご参照ください)

塩麹の代表的な栄養素として、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)とアミラーゼ(デンプン分解酵素)2種類の酵素があります。

これは消化促進して胃腸の負担を軽減し、善玉菌のエサとなるオリゴ糖・食物繊維を生み出すので腸活には嬉しい成分です。

その他、健康維持に必要なタンパク質・ミネラル・ビタミンも豊富に含まれているので、梅雨や夏に向けての身体づくりにもオススメの調味料です。

肉の下味・野菜の即席漬けなど、幅広いお料理に使えて便利です。

2025/05/02

薬膳 de おやつ~栄養餅~/三上洋子

こんにちは、三上洋子です。
私はお菓子やパンを作ることが大好きなので、食の養生「薬膳」をとり入れたおやつをご紹介していきたいと思います。

薬膳というと、生薬が入っているお料理を思い浮かべられるかもしれませんが、生薬を全く使わなくても薬膳は作ることができます。「薬食同源」というように、いつも食べている食材にも薬のような効果があります。食材を、体質や環境、体調などに合わせて料理を作ることで立派な薬膳になります。

先日は最近気に入っている韓国のお菓子、栄養餅(ヨンヤンチャルトック)を作りました。韓国には日本のお餅のようなお菓子がたくさんありますが、栄養餅は、黒豆、棗、かぼちゃなどの具材がのっていて、その名の通り、栄養たっぷり軽食にもなるお餅です。今回は、黒豆、黒胡麻、小豆、かぼちゃ、さつまいも、棗、松の実、ひまわりの種をのせました。餅米は、胃腸を健康にする、元気を補う、胃腸が冷えて下痢をしている時の改善につながります。

餅と言ってもいろいろあり、日本のものとは随分違います。韓国は稲と雑穀をともに耕作し、豆、小豆、そばなどを利用して餅を作り、その作り方や材料により、餅の種類が多様です。一方日本は米で作った多様な餅が発達し、四季の趣きが美しい形と色があります。

韓国にも古代中国の医学を基礎に韓国の風土や気候、体質などに合わせて発展した韓医学があるので、食文化を学ぶのも楽しいです。お店などで見かけることがあれば、是非お試しください。

<食材の主な作用>

黒豆: 平/甘 老化防止、貧血予防食材の主な作用
黒豆: 平/甘 老化防止、貧血予防
黒胡麻: 平/甘 滋養強壮,老化防止
小豆: 微寒/甘酸 デトックス、便秘改善、
かぼちゃ: 温/甘 疲労回復、風邪予防
さつまいも: 平/甘 便秘改善、疲労回復
棗: 温/甘 滋養強壮、精神安定
松の実:温/甘  便秘改善、滋養強壮
ひまわりの種: 平/甘 便秘改善、老化防止

2025/03/10

中医学から養生~立春~/加藤百合子

こんにちは 加藤百合子です。

花粉症はつらくはありませんか?1ヶ月前倒しで季節の病が動いているようで、1月より花粉症が始まりました。早く、桜の春が待ち遠しい限りです。

冬になると、私の楽しみにしている食材に“わかさぎ”があります。小さい頃は、釣れる産地に行かないと食べれないものでした。おいしく感じるこの時期が好きです。

わかさぎ(若鷺)は、全長15-17cmくらいですので、小さいとか若いというイメージがあり、鷺が捕食する魚であったことから名前の由来があるようです。また、公魚という書き方でわかさぎとも読みます。

これは、公儀御用魚であったことから当てられた名前で、茨城の藩主が徳川家へ年貢にしていたことから由来しています。

寒い氷の湖に穴をあけて釣るのが特徴で、淡水魚と思われるのですが、もとはキュウリのようなにおいがする、鮎やししゃもと同じキュウリウオ科の魚類です。産卵で河川を上りますが、成長とともに海に戻るものと、環境の影響で湖や河川に留まるものがあり、湖に一生生存できることから、食用魚として湖に放流して育てるようになりました。

漁獲量は多い順に、秋田、青森、北海道、滋賀、茨城(2021年)で、茨城は霞ヶ浦です。3年前くらいでしょうか、東京のスーパーマーケットで夏にワカサギのお惣菜を見て、冬の食べ物では?と不思議に思いました。それから、毎年7月以降にスーパーマッケットで見かけます。

漁猟時期は、いろいろな理由で違っていました。秋田(八郎潟)は9月に解禁し翌3月まで、北海道(網走湖をはじめ道内の湖と川)は9-10月と1-3月、青森(小川原湖)は4-6月と9月-翌3月、滋賀(琵琶湖)は11月-翌1月、茨城(霞ヶ浦)は7月-12月と、場所で少しずつ漁猟時期が異なります。

どこも寒い時期より少し前に漁猟が始まっています。これは、栄養価が時期によって異なっていたことがわかったからです。霞ヶ浦を例にしますと、7月はワカナツと呼ばれ、まだまだ若いのですが魚油(EPA・DHA)がとても多く、脂ののったおいしさだそうです。翌年の2月頃には、成長にともないカルシウム、タンパク質や炭水化物が多くなるようです。体の成長とともにうまみと食べごたえがあるので、それを私たちは旬と感じていたのかもしれません。また、栄養価では、時期を問わずに、カリウム・ビタミン(中でもビタミンAとビタミンB12)・鉄が多いようです。

献上されてまで江戸時代より好まれてきたわかさぎは、料理として、天ぷらや甘露煮があります。私もほとんど天ぷらでいただきますが、焼いたワカサギを醤油につけて食べるのも美味しいそうで、今年は挑戦してみようと思います。

 

 

2025/02/03

薬膳ガーデニングのすすめ~レモン~/金村瑛美

こんにちは、金村です。

先日、自宅のレモンを収穫しました。3年前にいただいたレモンの木には、レモンと言って良いのか悩む程丸くて大きな実がなります。

柑橘類には、「隔年結果」という一年おきに豊作と不作を繰り返す現象があるそうです。

初めて収穫した昨年は、色味が微妙なものが2個のみでしたが、今年はしっかりとした大きな実が4個でき、一番大きいものでは直径15㎝もありました。(品種はいまだに不明です。)

自宅で収穫したレモンです⇓(通常サイズのレモン3個分に相当します)

 

通年手に入るレモンですが、国産レモンの旬は秋~冬頃です。レモンは、家庭でも育てやすく、私の実家では一つの木(プランターで育てています)から、今年は通常サイズのレモンが30個も収穫できました。

スーパーで無農薬のレモンを買うと結構な値段がするので、自宅で採れたレモンを料理に使う時は、とても得したようで嬉しくなります。

たくさん採れた場合に困るのは保存方法ですが、レモンは一か月程冷凍保存が可能です。丸ごと冷凍もできますし、輪切りやくし切りにして冷凍しても重宝します。

 

レモンの木の害虫

育てやすい植物といっても、やはり害虫はいます。

レモンの木をいただいてからしばらくすると、自宅のテラスでアゲハ蝶を見かけるようになりました。

最初の頃は、美しいアゲハ蝶の訪問を喜んでいましたが、しばらくしてレモンの葉に異変が起こり始めました。

虫食いの葉が多発し、一部茎のみになっている箇所が!

害虫の正体は、レモンに植え付けられた卵から孵化したアゲハの幼虫でした。

葉っぱが食い尽くされないよう、1匹だけを残し、あとは申し訳ないと思いながらも...

それ以降も薬剤などは使わず、水やりの際、毎回新たな幼虫が増えていないか確認し対処しました。

 

薬膳的効能

レモンは、潤いを生み出し、食欲を高め、消化を助けてくれます。

皮の部分は気の巡りを良くし、胃の機能を高めてくれます。

※胃酸過多の方は摂りすぎないようご注意ください。

 

レモンとショウガのはちみつ漬け

今回はレモンの爽やかさを生かしつつ、冬に飲みたいレモンとショウガのはちみつ漬けをご紹介します。

ショウガは温性が強く、胃腸を温めてくれる冬に最適の食材です。

漢方薬にも生姜や乾姜(蒸して乾燥したもの)としてよく使用されています。

ショウガが苦手な方は、ショウガを入れずレモンのはちみつ漬けにしても構いませんが、レモンの性質は涼性のため、冷え性の方やこれからの時期はホットドリンクにするのがおすすめです。

中医学では、酸味のものと甘味のものを合わせて陰(潤い)を生み出すことを「酸甘化陰」といい、レモンの酸味とハチミツの甘味は相性◎です。

<材料>
レモン  通常サイズ3個 輪切り
ショウガ 1個 スライス
はちみつ 200-300g

<作り方>
・レモン→ショウガ→はちみつの順に繰り返し層を重ねます。
・はちみつの量は目安で記載しましたが、レモンとショウガがはちみつに浸っていれ ば問題ありません。
・ショウガの量や皮を剥くか等もお好みで加減ください。
・冷蔵庫で2晩置いたら完成です。

 

 

 

 

前回記事:薬膳ガーデニングのススメ~ミニトマト~

2025/01/09

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