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季節の薬膳・養生法 の記事一覧

わんこと暮らしの養生 #3/矢留 江里子

わんこの食事を腸から考えてみる

前回、犬はほぼ肉食に近い雑食というお話しました。
ヒトと犬では消化の仕方にも違いがあります。
肉食動物は口の中でゆっくり味わうことなく獲物(えさ)を素早く効率的に丸呑みするために、消化もシンプルで短い構造になっています。

の腸の長さは自分の体長の7~10倍(7~10m)なのに対して、
の腸の長さは5~6倍(約3.5m)
肉食傾向の強い猫は3~4倍、(2m)ライオン(7m)
牛などの草食動物の牛は20倍(50m)といわれます。

草食動物ほど腸は長く、咀嚼をしてゆっくり時間をかけ、消化しずらい植物を腸内で循環させ、細菌発酵し栄養吸収する仕組みになっています。
祖先が自然界で狩りをし、獲物を生のまま食してきた犬の消化器官は、生の肉や骨を消化しやすい、ということになります。

ということは、新鮮な生肉が本来犬の消化器官には負担がかからない、ということがわかりますね。
しかも新鮮な生肉には、ビタミン、ミネラル、タンパク質が豊富に含まれています
生肉なら、熱に弱いビタミン類も栄養を損なわずに摂取ができるのは、わんこにとって好都合です。良質なタンパク質を摂ることで、毛艶も良くなり、元気になりそうですね。

そして野生の肉食動物は、消化酵素がたっぷり含まれた草食動物の内臓を食べることにより植物の栄養もしっかり吸収し、バランスをとっています。

フードやおやつ類は、穀物なども多く含まれ、高温加工処理されています。
消化するためには体内の消化酵素を大量に消費してしまいます。
消費される消化酵素をサポートするのは食物酵素で、生の食品をはじめ、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品にも多く含まれます。

毎日のわんこの食事をスーパーのパックされた生肉だけにしてしまうと栄養が偏ってしまいます。
抽出した「一部」ではなく、皮や骨、内蔵などを含む、「全体」ホールフードで、
加工、高温処理でない、新鮮なリアルフードを与えていきたいものです。

理想のわんこの食事に近づけるため、市販のフードも上手に利用しながら
愛するわんこと共に、いつまでも健やかに過ごせますように☆

2021/11/27

「寒露 菊花開く」薬枕のはなし / 車田 光穂

こんにちは。車田です。

旧暦の9月9日(今年は10月14日)は重陽の節句。平安時代の初めに中国より伝わったとされています。
古来中国では奇数は「陽数」、偶数は「陰数」と考えられており、「9」は陽数の最大値であり、9月9日を9が重なる「重陽」と呼んで、節句の一つとしました。

今年の重陽である10月14日の頃は、菊が美しく咲く時期です。菊は「仙境に咲く霊薬」として、邪気を払い、長寿の効能があると信じられていました。
習わしとしては、菊の香りを移したお酒を移した「菊酒」を飲んで邪気を払い、無病息災、長寿を願います。

先日、太田記念美術館で行われている「歌川国芳展」を観に行ったのですが、「菊角力 巣鴨植木屋四郎兵衛」という観菊(これも重陽の習わしの一つ)の様子が描かれたものがありました。時代は江戸です。百種接分菊というらしいです。植木職人の技術はすごいものがありますね。

さて、菊枕ですが、重陽の日の夜は眠りの中まで、菊づくし。乾燥させた菊の花を枕に忍ばせて、その香りにより邪気を払うということです。生薬でもある菊花は、中国では杭州のものが一番質が良いとされています。薬枕などとも呼ばれ、菊花だけでなく、川芎、牡丹皮、白芷などを一緒に入れて、まるで包剤を作る感覚で枕にしているようで、状態に合わせて様々な菊花ベースの薬枕が販売されています。

秋は過ごしやすくなる分、ついつい夜ふかしして布団の中でスマホいじってしまう方もいらっしゃるかと思いますが、この薬枕があれば大丈夫かも…?菊花はほてりを冷ましてくれるので、目の使い過ぎにはおすすめです。
お茶として売られている菊花と玫瑰花を少量をガーゼに入れて、普段使う枕に忍ばせて、オリジナルの薬枕を色々作ってみても面白いかもしれません。

2021/10/09

迎える秋。「肺」を乾燥から守る / 鮎澤 婦佐江

秋の味覚、“梨”が店頭に並んでいます。
様々な品種がそのシャリ感を競い合い、果汁が喉を潤してくれます。

中国原産の梨は2.000年以上昔から中国の人々に愛されていました。
たっぷりの果汁は、

・身体を潤す

・咳を止める

・便秘を改善する・・・

などの効果があります。

秋は、乾燥の季節。身体の中から潤い爽やか美人に‼ デザートに梨をどうぞ。

迎える秋冬、雨の多かったこの夏。高温多湿の環境は、体内に「湿(身体に溜まった余分な水分や汚れ)」をつくり、脾胃(消化器系)の働きを低下させます。食欲不振、疲労感、下利軟便などの症状が回復できずにいると、「脾胃」と深い関係にある「肺」の機能にも影響を及ぼします。
肺は、肺の呼吸によって取り込まれる精気(生命活動のエネルギー)を生み出すし、邪気(ウイルス・細菌・・)の侵入を防ぐ働きがあります。

そのため、夏バテなどの影響で肺の機能が低下すると秋に入り、風邪をひき易い、咳・喘息など呼吸器系の症状が出やすいそして、肺は、皮膚との関わりもあるため、乾燥による皮膚のトラブルも多くなります。

「肺」は、免疫力とも深く関わっています。脾胃の働きを整え、十分な栄養を摂り、肺の働きを強くして、しっかり呼吸する事が大切です。

ポイントは、「潤い」を保つこと (^_-)-☆

★水分をたくさん摂り過ぎ、浮腫を招く事ではありません。

肺の疲れの主な症状

・風邪をひき易い

・息切れ

・咳や痰が出る

・喉の乾燥

・皮膚の乾燥

・息切れ

・汗が多い

・身体が冷えやすい

・苔 薄く乾きやすい・・・

食養生

潤い食材 ・ゆり根・梨・きのこ類・白きくらげ・はちみつ

・クコの実・レンコン・・

風邪対策
・葛湯・生姜湯・ネギ・シナモン・・・

2021/10/06

中医学から養生~秋の養生~/ 加藤 百合子

こんにちは 加藤百合子です。
朝晩、涼しい風になり、秋を感じるようになりました。魚好きの私は、香ばしい塩焼きのさんま(秋刀魚)が食べたくなります。

今回は秋刀魚について少しお話します。

秋刀魚は細長い銀白色の魚です。細い・狭いの発音から“さんま”と呼ばれ、秋に捕れる刀のような魚から“秋刀魚”と書かれたそうです。夏の間に成長し、寒流にのって、東北、関東、九州と太平洋を下り、産卵をします。秋に、日本でたくさん捕獲できる理由ですね。
東京では8月終わり、TVで捕獲量の話が放送されますが、日本のこの時期のおいしい魚と、1854年に伝わってから、海外の方にも人気ものです。

江戸の庶民の間で、秋に好まれた事が落語にも残されています。みなさんも聞いた事がある「目黒のさんま」です。知らない方のために、少し紹介します。

目黒に出かけた殿様が、空腹に耐えられず、農家で薪でじかに焼いた秋刀魚を、初めて召し上がって、そのおいしさを忘れられなくなってしまいます。当時、秋刀魚は庶民の魚のため、殿様は食べれないのです。食べたい殿様は、親戚の食事会に秋刀魚の所望がかないます。しかし、料理係は大変です。殿様の体を考え、秋刀魚を日本橋まで買いに行き、焼いた魚の油をとり、小骨を取り。。。(聞くだけでおいしくなさそうですね)。

殿様は変わり果てた秋刀魚とその味に、言われた一言が、『日本橋ではなく、目黒の秋刀魚が一番だ!!』

目黒で捕れないことを殿様が知らないことがユニークですが、庶民と殿様で、お互いにおいしさを知らない環境であったことを気の毒に思います。

刀のようにピンとして、眼が澄んだもの秋刀魚は鮮度がよくおいしいですので、ぜひ、季節の魚を召し上がって、冬に向けて脾胃を養って下さいませ。

2021/10/02

日本のお月見。十五夜と十三夜。/ 車田 光穂

こんにちは。車田です。今回は、中国と日本の文化についてのお話です。

9月は空気が澄んできますね。天高く馬肥ゆる秋。夜の暑さも落ち着き始め、晴れ渡った気持ちの良い夜空を望むことができます。そして美しい月も。

中国では中秋節という、唐の時代から続く習わしがあります。旧暦8/15(今年は9/21)つまり日本の十五夜が中秋節です。古くは商の時代、月を祀る風俗から始まったと言われています。団欒説とも言われ、この時期は実家に帰り、家族で円卓を囲みながら食事をすることが幸福を運んでくると考えられています。

日本では、平安時代にこの中国の中秋節が伝わって貴族たちの間で広まり、その後農民たちが行っている作物の収穫祭と結びついていきます。そうして、豊かな実りの象徴として十五夜を鑑賞し、お供え物をして感謝や祈りを捧げる習わしとなっていきました。

さて、ここからは日本独自の文化になりますが、十五夜と同じくらい大切にされているのが十三夜です。
十五夜を祀る習慣は中国をはじめ、台湾、韓国、ベトナムでも見られますが、この十三夜は日本だけのもの。始まりについては諸説ありますが、後醍醐天皇のお月見説が主流のようです。

十三夜が生まれた背景には、十五夜の時期の日本の気候にあるようで、この時期に多い台風などの影響により十五夜を望めない事が多く、「中秋の名月、10年に9年は見えず」ということばがあるくらいです。10月に入ってからのほうが晴れて、月を望める確率が高いため、「十三夜に曇りなし」といわれ、日本ではこの2つの月を片方しか見ないことを「片見月」といい縁起が悪いとされました。

今年の十三夜は10/18。まんまるの完璧な十五夜の月と、少し欠けていて不完全だけれど、そこに赴きを見出した日本独特の美意識がある十三夜。今年は、どちらの月も楽しめるとよいですね。

2021/09/18

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本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売