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中医学 の記事一覧

暑い日の食と養生法

こんにちは。六本木店店長櫻井です。 最近、どうもやる気が出ずブログの更新が滞っております。「あ!これが世間に言われる五月病なのか!?」と思い漢方をせっせと飲んでおります。でも五月病って、新入社員や新学生や、転職や移動など新しい環境に適応できないための適応障害っていうのが定義なので、まったく移動も転職も何もしていない私は、ただの怠け病なのか。。。いやいや、きっと何かあるはずです。漢方を飲みます。
気象庁の発表では、今年はエルニーニョ現象が起こり、冷夏の可能性が高くなっているようですが、もうムシムシと暑い日が出てきますね。暑さにめっぽう強い方もおり、寒いより全然暑い方が良いという意見もありますが、私を含め、たいていの方は暑いの苦手ですよね。過ぎる暑さは、中医学では『暑邪(しょじゃ)』といって、高熱や大量発汗、口渇など激しい熱症状による悪影響を及ぼす自然変化として注意を促しています。

Summer Fun
Summer Fun / gfpeck

夏は暑邪に注意!

湿邪のブログでもお話したように、自然界には風邪(ふうじゃ)・暑邪(しょじゃ)・湿邪(しつじゃ)・燥邪(そうじゃ)・寒邪(かんじゃ)・熱邪(ねつじゃ)という六淫邪気(ろくいんじゃき)という6つの病気の原因になりうる環境変化があります。この邪気が口や鼻、そして毛穴などから体内に入り込むことで体内のバランスを崩し、様々な症状を発生させます。
暑邪とは、熱の邪気です。気温の上昇に伴い身体も熱されて体温が上がります。中医学的にいえば、「陽気を高める」と言います。陽気は、気分を高揚させ、熱を生み、身体を一種の興奮状態に持っていくエネルギーなので、活動時には必要ですが、これがずっと昂ったまま、もしくは必要以上に昂ってしまうと、顔の赤みやほてり、喉の渇き、多汗など不快な症状となって現れます。さらにこの熱を逃がそうと汗をかき過ぎると、その汗とともに潤いとエネルギーが奪われ、不眠、寝汗、だるさ、疲れ、吐き気、動悸、いらいら、怒りっぽくなるなどの症状も見られるようになってきます。
 

Remember summer
Remember summer / pouchin

夏の邪気対策

暑邪の襲撃をかわして夏を乗り切るためには、日ごろの養生が大切です。夏は身体の余分な熱を奪う食材たちが旬を迎えるので、トマト、ニガウリ、胡瓜、ナス、トウモロコシ、スイカなどを食べましょう。また暑いからと言って冷たいものを沢山摂ることは避けましょう。冷えた内臓を温めるために熱が発生するので、実は逆効果です。さらに冷たいものは胃腸機能を低下させ、エネルギーを生み出す力を低下させるので、夏バテの原因になります。詳しくは『湿気の多い日の養生法』をご参照ください。
また、暑い夏はどうしても冷たいものを摂りがち。現代ではクーラーがどこ行ってもかかっており、さらに自販機、コンビニなど冷たいものがどこでも手に入る環境にもあるため、暑邪のほか、寒邪にも気をつけなくてはいけません。夏場は普段よりも冷たいものを避けるようにしましょう。

Summer breeeeeeeeeeze.
Summer breeeeeeeeeeze. / skyseeker

殺菌作用のあるものを

夏場はいろんなものが腐りやすい季節です。殺菌作用や胃腸機能を改善する作用のあるミョウガ、ねぎ、わさび、にんにく、生姜、山椒、シソなども積極的に摂りましょう。これらは気を巡らせる作用もあるので、イライラや食欲低下時にもおすすめです。

100_1172
100_1172 / misawakatsutoshi

酸味を摂りましょう。

酸っぱいものを取るのも効果的です。酸味には収斂作用といって、汗のかきすぎをおさえる力があります。必要な潤いを汗で流してしまわないためにも酸味を適量摂りましょう。また酸味には食欲増進の作用もありるので、酢の物、梅干し、ラッキョウなどを適量摂りましょう。
また酸味は甘味と合わさると潤いを生むので(『酸甘化陰(さんかんかいん)』といいます)、是非一緒に食べてみ下さい。酸味と甘味は例えば、梅干しとご飯などです。夏場の朝、お粥に梅干しはミネラルとエネルギーと水分を同時補え、さらに胃腸に優しい最適の朝食といえます。
 

Umeboshi 梅干し
Umeboshi 梅干し / geraldford

冷たいものをひかえましょう。

夏場はどうしても冷たいものを摂りがちです。しかし、胃腸は冷たいものに弱く、さらに水分に弱いので、摂りすぎていると、胃腸機能を低下させ、だるさや気力の低下、食欲の低下、軟便・下痢など夏場バテの原因となります。美味しいですが、冷たいビール、かき氷、アイスクリーム、サラダ、お刺身は控えめに。詳しくは『湿気の高い日の養生法』をご覧ください。
 

かき氷
かき氷 / emrank

 

水分補給はこまめに、早めに

喉が乾いた状態はもうすでに細胞は脱水状態にあります。平常時ならそれからの水分補給でも良いですが、暑く、汗を大量にかく夏場はそれでは遅すぎます。夏場の給水は「こまめ、早め」を忘れずに。その際は、出来るだけ常温で、砂糖入りや炭酸飲料ではなく、お茶やミネラル入りのお水を飲みましょう。
緑茶には、水分補給の他、余分な熱をとり去ってくれる効果もあり、おすすめです。また、夏の果物(野菜?)の代表ともいえるスイカは、余分な熱を奪い潤いを補ってくれるので是非とも摂っておきたいですね。スイカに塩をかけるのは、甘味が増すだけでなく、発汗によって失われたミネラルの補給にもなります。また、塩味の「鹹味(かんみ)」は体内の水分調節をしている「腎」へと導く作用があるので、潤いを補給してくれるスイカに少量の塩は、中医学的にみてもとても理に適っています。


mornig green tea
mornig green tea / Kanko*

西瓜
西瓜 / y_katsuuu

中医学的養生法

夏場の3か月を中医学では、草木が成長して茂り、陽気が最高潮に達する時期で、人のエネルギーも大気に放出することが大切と考えます。この時期は早寝早起きが重要で、日中は運動して1日1回は陽気を発散させるために汗をかくように心がけることが大切と言われています。 しかし、真夏の昼間に運動をすることは避けたほうが良いでしょう。できれば午前中、もしくは太陽が沈んでからにしましょう。
夏は気が盛んに発生し、汗が出て毛穴が開きます。そうするとそこから外邪が体内に侵入してきます。夏は四季の中でも一番養生に気を遣わなくてはいけない季節です。夏は暑さが体の中にこもってしまわないように注意が必要です。暑さがこもるのは、毛穴を閉じさせるようなことをすること。汗をかかないことなどです。そのためには、冷水をつかうのを避けましょう。顔を洗ったり、水風呂に入ったり、冷たいものを飲んだりするのを避け、温かいものを口にして、適度に汗をかきましょう。
 

Sunrise jogger
Sunrise jogger / Cirrus Sky

 

夏の暑さ、あなたは?

夏の暑さに弱い方とそうでない方がいます。これは体内に熱と潤いがどれだけあるかの違いといえます。もし普段から火照りがちで、汗をかきやすく、口や喉の乾きが強かったり、不眠、いらいら、寝汗などを感じている方は、夏の暑さも堪えることでしょう。反対に肌が白く、ぽっちゃりしていたり、冷えが強い方には、夏の暑さは心地よくはなくとも冬の寒さよりはましと感じられるでしょう。

中医学では、冬に悪化する病気や冬の慢性病は、夏にしっかり養生することによって回復しやすいと考えられています。これを「冬病夏治(とうびょうかち)」といいます。冬は冷えにともない乾燥でも体調を崩すので、乾燥に弱い呼吸器系の疾患である慢性気管支炎や喘息は夏に対処することが良いでしょう。冷えがつらいかたも、必然的に陽気が高くなる夏は養生や漢方の効果が出やすいです。     

Bubbles_00013
Bubbles_00013 / ajari

 
暑邪のピークは夏真っ盛りの7・8・9月ですが、これからくる梅雨も湿度が高くなり汗をかきづらいので、体に熱がこもりやすくなります。適度な運動と、余分な熱や湿を排出してくれる夏野菜を適度に摂って対策しましょう。
夏は秋や冬を健康に乗り切るための養生の場と考え、冷たいものを控えて、野菜をしっかり食べて、早寝早起きを心がけ、身体を作っておきましょう。汗も適度にかくのも大切ですよ。冬に体調が悪くなる方は、夏こそ改善する機会です。「未病先防」をお忘れなく。

2014/05/28

美容とダイエットに「もずく」はいかが?

昨日の六本木はすごい豪雨でした。晴れ間が広がり止んだと思ったら急に辺りが暗くなり雷が鳴り、一気に滝のような雨です。まさにゲリラ豪雨でした。まだ5月なのに、今年の夏は大丈夫なんでしょうか。閉店後、お店の軒先で雨宿りされている方がいらっしゃったので、店内へお招きしたんですが、もうちょっと早く気付くべきでしたね。多分大分濡れてしまっていたでしょう。昨日の方々、申し訳なかったです。
 
さてさて、まだ梅雨も始まっていないのに、急激な雷雨にやられていますが、そんなことも一時の間。これが過ぎれば夏です。夏と言えばやっぱり気になるのは、ダイエットでしょうか。痩せすぎも困ったものですが、肥満もやはりいろんな病気の原因であると考えられています。最近のアメリカの研究では、特定の食べ物がガン発生リスクを軽減するとは言えないが、やっぱり肥満をコントロールすることはガンの抑制に効果があることは確実と考えらているようですよ。
ということで今日は、ぽっちゃりお腹が気になる方から、美容と健康意識の高い方も、今食べておきたい旬のスーパー健康食材、「モズク」のお話をしたいと思います。

2品目:もずく
2品目:もずく / JaggyBoss

 
モズクは、漢字では、水雲、海蘊 、藻付、海雲と色々な書き方があるようですが、どれも長さ数十センチ、幅1~数ミリの枝分かれしていて、ぬめぬめとした同じ海藻の事を指しています。正しい漢字は「藻付」。これはほかの海藻に付着し成長することからそういう名前が付いたそうです。日本では沖縄がおもな出産地で、海外ではなんと、トンガが有名だそうです。ちなみにトンガはポリネシアに属し、フィジーやサモアの近くにある島々です。
モズクの歴史はその記述がなく詳しくはわかっていませんが、大昔から食べられていたと考えられています。昔は天然のモノを主に食べていたようですが、消費が拡大した現代では、そのほとんどが養殖ものだそうです。

茎若布ともずくの酢の物うまい
茎若布ともずくの酢の物うまい / sabamiso

モズクパワー

モズクは、他の海藻と同じように、生体組織の構成や、生理機能の維持・調節に必要なカルシウムやマグネシウム、ナトリウムといったミネラルが豊富で、抗酸化作用の高いセレンも豊富ですが、なんといっても注目したいのは食物繊維です。
人間は牛などの草食動物と違い食物繊維を消化する酵素を持っていないので、食物繊維は消化されて吸収されることは有りません。したがって食物繊維をたくさん食べても栄養になるわけではありません。しかし!この食物繊維が健康と美容とダイエットの大きなカギを握っています
 

食物繊維は、

食物繊維は繊維なので、布が水を含むように、周りの水分を吸収します。吸収して、お腹の中で膨張します。すると腸内を刺激して鈍くなっている腸の動きを活発にしてくれます。

さらに消化されない食物繊維は、腸内を移動するあいだに不要物を絡め取り、きれいに掃除してくれます。そして最終的には腸内細菌の働きにより分解され、腸を刺激して排便を促進してくれることで、便秘の改善を手助けしてくれます。
・便秘を改善してくれる手助けをしてくれます。便秘は、肌荒れ、肥満など様々な悩みの元凶です。
・お腹の中で膨れて消化しにくい⇒ダイエットに向いています。満腹感を得やすく、さらに腹持ちが良い。素晴らしいダイエット食品です。
・悪玉コレステロールを包み込み体外に排出してくれる⇒生活習慣病、メタボの改善にもとってもおススメ。
 

ヌメヌメや茶色も効果が有る!

さらに注目されているのは、あのヌメヌメの成分、フコイダン。テレビの通販CMなどで聞いたことがあるかもしれませんが、フコイダンは、昆布やわかめなど海藻類のヌメヌメに含まれる成分です。抗酸化作用やガン細胞の自滅誘導作用、抗菌作用、ピロリ菌から胃を護り、潰瘍を早く治してくれる作用、コレステロール低下作用、傷の修復作用などが基礎実験で認められています。
また、モズクのあの茶色い色はフコキサンチンという色素成分で、これには、脂肪を分解して燃焼を助ける作用があるようです。(某テレビCMではないですが)脂肪は分解して燃焼させることが大事なんです。

もずくおろしそば #lunch
もずくおろしそば #lunch / is_kyoto_jp

より効果的にモズクを食べる

モズクはもずく酢で食べられることが多いと思いますが、このお酢がまた体に良いんですね。お酢の酢酸は、体内でクエン酸に変化し、抗酸化作用があり、いらいらを鎮めたり、筋肉の疲労を回復してくれる力があるとされています。お酢にはまた、タンパク質やカルシウム、鉄分の吸収を促進する働きがあるので、モズクとの相性はとても良いです。

モズクは食前に食べることで脂肪の吸収を抑えてくれる効果があるので、ダイエット目的の場合は是非食事前に食べてください。さらに、加熱すると上記のフコイダンの吸収効率がよくなるので、味噌汁やスープに入れても良いですね。お酢との愛称がよいので、酸辣湯にモズクをいれるのは最適といえます。
モズクはあのヌメヌメが大事なんです。洗いすぎてヌメヌメをとってしまわないよう注意しましょう。

もずく酢
もずく酢 / is_kyoto_jp

中医学で見るモズク、、

涼性で鹹味なので、腎に働き、余分な熱を取る力があるとされています。手元の資料には、中医学的効能などは載っていませんでしたが、昆布やわかめ、海苔などの海藻類は一般的に、尿を排出したり、便を出しやすくしたり、脂質の代謝異常を改善し、免疫力を強める力があるとされています。また、鹹味には硬いものを柔らかくする力があるとされ、メタボや便秘には特におススメの食材です。

もずくのあえもの
もずくのあえもの / Lucy Takakura

 
ダイエットと美肌、そして健康を保つ鍵は、便通を良くすることです。便が溜まっていると、いつも腐った生ごみを抱えて歩いているようなもの。腸内には血管が張り巡らされており、腸を通過する血液は全身に回っています。便が溜まっていることが良い結果を生むはずはありません。食べたものは、しっかり出すことが大事です。そのためには日々の食事、とりわけ食物繊維を沢山摂ることが大切です。ファーストフードやお菓子をやめて、食物繊維たっぷりの食事をちゃんと食べましょう。それでも毎日が忙しいという方は、モズク酢を一杯、またはモズク入りの味噌汁を毎日のお食事に加えてみてください。
このブログを書いていて当店スタッフに、「モズクって体に良いようだよ」と話すと、「結局自然のもので身体に悪いものなんてないんだよね」という、目からうろこな言葉が返ってきました。そうですね。その通りです。自然が作り出してくれたものを素直に受け取っていれば、それだけで健康に過ごせるんですね。人の手を加えてしまえばしまうほど、加工すればするほど、本来の自然の力が失われて、時には毒にもなってしまうんですね。
利尿の力があり、余分な熱を取ってくれて、便通を良くしてくれるモズクはまさに暑くなるこれからが旬です。自然から与えられたそのままの形で、是非モズクも食べてみてくださいね。

2014/05/23

むくみ、頭重、胃腸トラブル・・・ 湿気が多い日の養生法

こんにちは、六本木店店長の櫻井です。昨日はあんなにも晴れ渡って暑かったのに、今日は雨で肌寒い一日となりました。中医学では、雨など、大気に水っ気が増えた状態を「湿(しつ)」と呼びます。そしてこの湿が増えると体に悪さをする「湿邪(しつじゃ)」となるので注意を促しています。特に体の中にも余分な水分(=湿)がある方だと、その影響は強くあらわれやすくなります。
今日は普段あまり耳にしないこの「湿」という中医学の独特な考え方のお話です。

Rain rain rain rain rain...
Rain rain rain rain rain… / GreyHobbit

 

重い・だるい・胃腸が不快、は「湿」のせい!

さわやかな春が終わり、夏の日差しが感じられるような日が続くと、ぽつぽつと雨の日が増えてきます。するとそろそろ梅雨の季節です。毎日毎日降り続く雨、洗濯物も乾きにくく、カビも生えやすく、気温も日を追うごとに上昇するので、大気は蒸せて熱いうっとおしい季節です。
そんな毎日が少しずつ私たちの体に悪影響を及ぼしていきます。湿気と暑さの影響で食欲も低下し、寝苦しさは体力を低下させ疲労がたまります。日中はいつもだるくて眠く、お腹もなんだかぐずぐずして、吐き気をもよおしたりします。中医学ではこのように体に悪影響を及ぼす自然の変化を「邪気(じゃき)」と呼び警戒します。梅雨から夏にかけては湿気が悪影響を及ぼすので、「湿邪(しつじゃ)」と呼んでいます。湿邪は特に胃腸系に悪影響を及ぼし、食欲の低下や軟便、下痢などを引き起こし、続くと外の湿だけでなく、体内にも湿邪が溜まってしまい、むくみなどが現れます。もし舌を見て表面にびっしりと白い苔がついていたり、黄色く粘つくような状態になっているような方は湿が溜まっているので要注意です。
 

Rain & Bike
Rain & Bike / Pietro Zuco

不調をもたらす「湿邪(しつじゃ)」とは、、、

自然界には風邪(ふうじゃ)・暑邪(しょじゃ)・湿邪(しつじゃ)・燥邪(そうじゃ)・寒邪(かんじゃ)・熱邪(ねつじゃ)という六淫邪気(ろくいんじゃき)という6つの病気の原因になりうる環境変化があります。この邪気が口や鼻、そして毛穴などから体内に入り込むことで体内のバランスを崩し、様々な症状を発生させます。
梅雨から夏にかけては、「湿邪(しつじゃ)」が強くなります。湿邪は脾胃の機能を低下させ、重く濁り、粘着して停滞し、下降しやすく体の下部に症状が出やすいことから、胸やお腹がすっきりしない、残便・残尿感、腹水、下痢、浮腫、頭・手足・体の重だるさ、関節の痛み、尿の濁り、オリモノが増える、食欲不振、目やに、痰、鼻水などがみられることが考えられます。
湿を理解するには、スポンジを想像してみてください。スポンジが水を吸うと重たくなります。水を含んだスポンジは冷たくなります。これが湿の影響です。体が重たくなり、冷えやすくなります。そして体にとって不必要な水分である「湿」は、気血の流れを邪魔して痛みを生じさせたり、溜まってむくんだりします。湿は下に沈む性質があるので、むくみは足に出やすいのですが、たまにその他の部位にも出ます。もし頭がむくんでしまうと、圧迫されて頭痛がおきますし、関節でおきると関節痛が生じます。
そとの湿気にくわえて、体内でも湿邪は発生します。湿邪は体内では、肺、脾胃などの内臓機能の低下によって生まれますが、この大きな原因は【飲食の不摂生】です。冷たい麦茶などや、氷の入った飲み物、冷たいビール、冷蔵庫で冷えたフルーツやサラダ、刺身、アイスクリームなど、特に冷たいものの摂りすぎや、水分の摂りすぎがにより、脾胃(消化器系)の機能が低下してしまうと、脾胃が持っている水分の吸収と運搬機能が低下し、水分代謝が低下して、むくみや体の重さ、下痢や消化不良などの症状になって現れます。
湿邪に侵されている人の舌は、苔が分厚く、舌自体が大きく膨らみ、縁に歯形が付いている方が多いです。そして、体の中に湿が溜まっている人は、外の湿の影響を受けやすいと言われており、中医学ではこれを「内湿が外湿を呼ぶ」といいます。むくみ、頭重などがあり内湿が溜まっている人は、外の湿度が上がる夏場や梅雨時期、台風時期などに影響を受けやすく、湿邪由来の症状(重い、だるい、めまい、胃腸の不快感など)が出やすいと考えられます。

Asakusa Rain wtmk
Asakusa Rain wtmk / Live Action Hero / Michele Marcolin

 

湿邪に侵されていませんか?

食欲不振、体や手足が重だるい、頭重・頭痛・関節痛、胃もたれがする、便がべっとりしてスッキリできらない、むくみ、口の中のべたつき、口臭がある、生理の量が多いまたは、止まりにくい、オリモノが多い、皮膚の色が黄色っぽい。これらは胃腸機能の低下や湿をはらう臓腑の機能低下により、湿邪(=余分な水分)が体内に発生していることが考えられます。
 

食べ物で湿邪対策

・生姜やネギ、三つ葉やセリなどの香味野菜かんきつ類は、その香りで、胃腸の働きを活発にし、体内の余分な水分である湿の排出を助けてくれます。冷やして食べると湿を生む原因ともなりかねないので、かんきつ類などは冷蔵庫に入れずに、常温で食べるようにしましょう。
しそ、葱、ショウガ、柚子、三つ葉、山椒、唐辛子、ニンニク、にら、柚子、レモンなど。
 
・キュウリやスイカなど、利水作用のある食材もおすすめです。気を付けたいのは、トマトやキュウリ、冬瓜など、これらの食材の中には、利水作用と同時に、身体の余分な熱も奪うものもあるので、冷え気味の方は常温または火を通して摂るようにしましょう。
春雨、黒豆、西瓜、メロン、蛤、白菜、アスパラガス、きゅうり、グリーンピース、高菜、とうもろこしのひげ、インゲンマメなどの豆類、ハトムギ、とうもろこし、冬瓜、スイカ、セロリなど。
 
・米や棗などが持つ自然の甘味は、脾胃の働きを助け、弱った機能を元気にしてくれます。
米、棗、山芋、キャベツ、サツマイモ、かぼちゃ、人参など
 
・唐辛子や生姜など辛いもは汗をかかせ余分な水分を発散させてくれます
とうがらし、ショウガ、香辛料など。ただ市販のルーを使ったカレーは脂肪が多いので要注意です。
 

Rain Drops
Rain Drops / Douglas R Witt

 
脾胃は、食べたものからエネルギーをつくり出す源なので、脾胃が弱ると、体内でエネルギーが十分に作られず、ついついすぐエネルギーになる甘いものに手が行きます。しかし食べ過ぎてしまい、肥満になってしまうこともあります。砂糖の甘さは、その時は良いですが、少しすると喉が渇き、水分がほしくなります。水分を摂ることで、胃腸はまた弱ってしまい、さらに湿邪が生まれる原因をつくってしまいます。甘いもの・水分はほどほどにしましょう。
冷たいもの、水分はとにかく摂りすぎ注意です。特に外が暑くなってくると冷たいものを欲してしまいますが、冷たいものや水分は胃腸機能を低下させてしまうことを覚えておきましょう。養生法では「井戸水より冷たいものは摂るな」と言われています。冷たいものが増える夏こそ温かいものを摂りたいものです。同じ理由から野菜も生で食べるより、火を通して食べるほうがおすすめです。
湿の影響を最小限にするためには、食べるものも、飲むものも、生のまま、冷たい状態で摂らず、加熱して摂るようにしましょう。そして辛いものを少し摂り、汗をかいて余分な水分を発散するようにしましょう。
一年を通して考えると、夏というのは厳しい冬を乗り切るためにしっかりと栄養を蓄え、身体を整える大切な季節です。梅雨の影響を残さず、気持ちよく夏を迎え、その後の秋・冬に備えるためにも、今から日ごろの養生が大切です。「そんな先のことなんて」と油断して暑さにかまけて冷たいものばかり摂っていると、夏バテしてしまい美味しく食べられず疲労がたまり、冬場も体調を崩してしまい、忙しい年末を乗り切ることが出来ません。
中医学が言う「未病を治す」というのはこうした先を見越した養生法で、日々の生活の心がけです。そしてこの時期にすべきことは、冷たいものを控えることです。身体を労わり、いつまでも健康でありましょう。

2014/05/21

頭痛・生理痛・高血圧・不妊、どろどろ血は諸悪の根源。『高血圧とお血』のお話

高血圧 の日だそうです。世界高血圧デーと言われると高血圧が奨励されているみたいに聞こえてしまいますが、勿論そうではありません。高血圧を健康診断などで指摘されていても、毎日の食生活を変更して、運動を取り入れて、早寝早起きして、、って簡単に出来る人はそうそういないですよね。ほとんどの方が結局降圧剤のお世話になっているのではないでしょうか。人によっては何種類もの″血圧の薬″を飲んでいるかたもいらっしゃいますね。

そんな高血圧ですが、いったい高血圧とはなんなんでしょうか。

Medicine 01
Medicine 01 / takacsi75

 

高血圧とは

高血圧とは、(日本高血圧学会の基準によると)収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上のものを「高血圧」と定義しています。高血圧の弊害を考えると、何となく血管に高い圧力がかかって破裂してしまうようなイメージがあるのではないでしょうか。確かにそういったこともあり得ますが、それよりも深刻なのは血管が硬くなってしまう「動脈硬化」です。
 

高血圧が動脈硬化を作る

血圧が上がると血管には高い圧力がかかります。そうすると、血管はその圧力に対応できるよう堅く強いものになります。これが「動脈硬化」です。「堅く強い血管」というとなんだかよいことのように聞こえますが、決してそうではありません。血液はポンプである心臓から送られて全身を巡っているわけですが、心臓一つで約10万キロ(地球2周半!!)もある血管網を巡らせられるわけではなく、血管自体がもつ筋肉のしなやかな動きや、弁の作用によってその流れを助けることで、血液は全身をくまなく巡ったあと、心臓に戻ってくることができます。
血管が硬くなってしまうと、筋肉や弁のしなやかさが失われ、血液はうまく運ばれず血流が低下してしまうというわけです。
 

硬くなった血管はもろい

さらに、血管が硬くなると血管の内側はもろく、崩れやすくなります。これは古くなった鉄パイプをイメージしていただけるとわかりやすいかと思いますが、鉄のパイプも古くなるともろくなり、内側に錆が溜まって、例えばその中に水を流すと、狭くなっているところでは流れは急になり、溜まった錆が剥がれて、流れ出したりします。もしその先に狭くなっているところがあれば、つまったり引っかかってしまいます。動脈硬化が起こっている血管でも同じようなことが起きます。
血管が錆のような老廃物により詰まってしまうことを「梗塞」といいます。これが脳で起これば「脳梗塞」となり、心臓で起これば「心筋梗塞」になります。詰まってしまったところから先は栄養と酸素の供給が絶たれるので、細胞は死んでしまいます。脳梗塞では神経細胞がやられ、言語や運動神経等に障害が出て、しゃべったり、歩いたりするのが困難になります。心臓を動かす筋肉が壊死してしまうと、突然の痛みに襲われたり、ひどい時は心臓が止まってしまいます。
60兆個あると言われるありとあらゆる細胞は、血液から栄養と酸素を供給されて生きています。もし血液の流れが悪くなると、その細胞の機能は低下したり、場合によっては死んでしまい、その機能は二度と戻らなくなってしまいます。細胞の死はすなわち人の死に繋がります。
 

 / omoon

 

中医学から考える高血圧

中医学では高血圧を、質が悪くスムーズに流れない血、「瘀血(おけつ)」が原因だと考えています。血がドロドロと流れなくなった状態が瘀血(おけつ)です。 瘀血の概念を理解するには、指先に輪ゴムをまいてみるとわかりやすいです。血流が止められると、冷えて、紫色になります。そのままゴムを巻いたまま放っておくとしびれてきて、やがて底から先の細胞は壊死してしまいます。これが体内で起こっていると考えると怖いですね。
瘀血の特徴は、黒ずみや紫などの色、こりやしこりと、痛みやしびれです。
頭痛や腰痛、関節痛などの痛みは瘀血が原因と考えられます。その他、女性では生理痛や子宮筋腫、卵巣嚢腫なども瘀血が原因と中医学では考えられています。瘀血は臓腑や組織への栄養の供給と老廃物の回収を低下させるので、様々な機能の低下を招きます。中医学では不妊もこの瘀血が大きな原因の一つと考えています。

瘀血(おけつ)の原因

瘀血(おけつ)が生み出される原因の一つは食べ物です。脂っこいものや味の濃いもの、糖分の多いものなどを好んで食べていると、血が汚れてドロドロになってしまい流れにくくなります。てんぷらや揚げ物、チョコレート、糖分が入った飲み物などを摂取する機会が多い人は注意が必要です。
また、体内の潤いが不足している場合も同じく流れにくくなります。血液は赤血球や白血球などの顆粒状のものと水分が混ざり合った液体です。この水分が減ってしまうと、血はドロドロになります。辛いものが好きな方、寝汗や口の渇きがある方などは注意が必要です。
その他、血の量が少ない状態でも流れが悪くなりますし、血を流すエネルギーが足りなくても瘀血(おけつ)が生まれます。そしてストレスや、睡眠不足、そして過労でも血の流れは悪くなってしまいます。水が冷えると固まってしまうように、血も冷えると流れにくくなります。冷えも瘀血(おけつ)がつくられる原因の一つです。

Blood Flow
Blood Flow / Gellscom

 

瘀血(おけつ)度チェック!

・肩や背中のこり
・傷あとやにきびあとが残りやすい
・目の周りの黒ずみや目の下のクマ
・手足のしびれ
・手・足・腰の冷え
・静脈瘤
・頭痛・めまい・耳鳴りがある
・足が冷えて上半身や顔はほてる
・あざが出来やすい
・舌の裏に静脈が紫色に浮き出ている
・唇や歯ぐきの色が紫っぽい・暗い
・顔色がどす黒い・暗い
・しみやそばかすが多い・増えた
・生理不順や生理痛がある
・生理の血の色が黒っぽい、レバー状の塊が混じる
・子宮筋腫や子宮内膜症がある
一つでも当てはまるものがあれば、あなたの血はドロドロと流れにくくなっています!!
 

Smoke Art - Hearts (red on white)
Smoke Art – Hearts (red on white) / MattysFlicks

瘀血(おけつ)の対策

瘀血(おけつ)の可能性がある方は、まず食事を見直してください。外食・洋食・加工食品・ファーストフード・辛いもの・甘いもの・脂っこいものを好んで食べていませんか?理想的な食事は穀類、野菜の多い和食です。火を通した野菜をたっぷりたべることです。パンやパスタなどカタカナの食材が少なく、米やうどんなど漢字やひらがなの食材が多い食事です。
瘀血(おけつ)におススメな食材は、イワシ、サンマなどの青魚、かに、ドジョウ、玄米、玉ねぎ、にんにく、ラッキョウ、韮、葱、ショウガ、黒きくらげ、黒酢、桃などです。避けたい食材は、脂質、特に肉の脂身、バター、砂糖の多いもの、塩辛いもの、味の濃いもの、冷たい飲み物、アイスなど。
勿論、運動をすれば血流は良くなります。仕事の間座っていることが多い方は特に適度な運動を取り入れるのが効果的です。そして早寝早起き、休息も大切にしましょう。
一度にすべて健康なものに変えるのは難しいので、まずは朝食をパンとコーヒーから米と野菜を入れた味噌汁を飲むことに変える、もしくはおひたしを沢山作って毎食にプラスする、一駅歩く、階段を使うなど日常で出来る事をやってみてください。そしてそれを続けてください。
 

Under A Blood Red Sky
Under A Blood Red Sky / Ian Sane

高血圧も瘀血も、なってから治すのはとても難しいので、予防がとても大切です。体に栄養を供給している血の汚れや流れの低下する瘀血(おけつ)はあらゆる病気の原因となりえます。血液は、きれいでスムーズに流れている状態が良い状態です。これがストレスや疲労、食事や運動不足、冷えなどでドロドロと流れにくくなってしまった状態が続くと、頭痛や、腰痛、関節痛、生理痛などの痛み、そして冷えなどが現れやすくなります。長期に渡れば内臓にもその影響は及びます。もしそれらの症状がすこしでも見られたら、食事を見直し、軽い運動と休息を心がけるようにしてください。
 

2014/05/17

レバーに匹敵する栄養価 今が旬の「鰹」の話

昨日は母の日でしたが、電話で言うのも恥ずかしいので私はメールで感謝の意を伝えたんですが、「まーねー\(@_@)」っとまったくわけのわからない返事と絵文字が返ってきて、昨日から困惑気味な六本木店店長櫻井です。こんにちは。
さてさて、今年はカツオが不漁だそうですね。海水温の低下が原因ではないかと言われているそうですが、脂がすくないさっぱりとした初夏の味、是非堪能したいものです。

鰹の刺身
鰹の刺身 / ayustety

女房 子供を質にいれても 初鰹

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と山口素堂も謡ったように、初夏の訪れを告げる初鰹はまさに今が旬です。鰹は毎年2月から5月頃に黒潮に乗って日本の南から北上してきます。「鎌倉を生きて出けむ初鰹」という芭蕉の句をみてもわかりますが、昔は鎌倉が鰹の出荷地だったようです。2~3月頃に瀬戸内を通って、ちょうど今頃、5月初旬に関東沖合に来た鰹を「初鰹」と言っていたそうですが、現在では航空便で仕入れられるので、2~3月頃に瀬戸内海で獲れ、築地に入荷されたものが『初鰹』と言われています。とはいえ、『初鰹』と言えば初夏の季語、『鰹』は夏の季語です。
日本の文化には「季語」など季節をめでる言葉があるように、日本人は自然から四季を感じ、その季節を味わうことに喜びを感じられる民族といえます。江戸っ子は″女房・子供を質にいれて″も初鰹を食べたかったそうですが、初夏の味を誰よりも先にいち早くいただくことは、せっかちな江戸っ子の気性にぴったりだっただけでなく、自然を感じ、季節を味わうことが「粋」だったんでしょうね。初鰹は脂がのっておらず、血の香りも強くてあまりおいしいというわけではなく、もう少し待った方が脂ものり値段も手ごろになるんですが、そんなものを待つのは野暮というわけです。
そして、「初物」は縁起が良いと信じられてきたことも江戸っ子が初鰹を愛した理由かもしれません。農作物でもその年、初めて収穫されたものを神様にささげるなどの風習がありますし、「初物七十五日」(初物を食べると寿命が75日のびる)なんて言葉もあるぐらいで、昔から初物には精気がみなぎり無病息災、不老長寿のご利益があると信じられていたようです。ちょっと前までは、その年に初めて出荷される商品を「初荷」といって祝っていて、正月明けには「初荷」と書いた旗やのぼりを目にしたものですが、最近ではあまり見ませんね。今では、「初売り」の「福袋」のほうが身近でしょうか。

bonito
bonito / maaco

栄養価はレバーなみ

そんな縁起の良い鰹ですが、季節のものをその時に食べるというのは、縁起や粋なだけではないようです。
初鰹は秋に南下してくる戻鰹と比べると、脂質が少なく水分が多いヘルシーな食材です。鰹は良質なたんぱく質がたっぷりと含まれており、背骨に近い「血合い」には、ビタミンB12、ナイアシン、鉄、ビタミンD、タウリンなどが豊富で、栄養価の高さはレバー並と言われています。
豊富な鉄分ビタミンB12赤血球の生成を助けてくれるので、貧血予防に効果的。ビタミンB3と言われるナイアシン血行を良くして、心を落ち着かせてくれる栄養素です。某栄養ドリンクで有名なアミノ酸の一つタウリンは、血中コレステロールを抑え、動脈硬化を防いでくれます。さらに肝機能の強化、眼精疲労緩和と作用は多岐にわたります。
前回のブログでもその重要性を書いたビタミンDも、鰹には豊富に含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を促して骨を強くするだけでなく、癌の予防にも効果的な栄養素です。
戻り鰹には、初鰹よりも脂質が多く含まれていますが、その脂質も栄養価が高いEPADHAなどの不飽和脂肪酸で、血液をサラサラにしたり、脳の働きを高めたり、コレステロールを抑え血栓を防ぐ働きがあるので、お腹いっぱい食べてもなんら問題ないでしょう。

その他カリウムもたっぷりなので、余分な塩分や水分を体の外に排出してくれむくみ対策にも効果的です。
これらから鰹は、高血圧、動脈硬化、肝疾患、貧血、発育不全、不妊、ボケなどを予防する食材として、是非食べておきたい初夏の味覚ですね。
 

かつおのたたき
かつおのたたき / sabamiso

中医学でみる『鰹』

鰹は平性で寒熱の偏りがなく、冷え性の方も、ほてりが気になる方もどなたでも食べられます。エネルギーや血を補い、体力低下時や貧血、不眠や心が不安定な場合にもおすすめです。胃腸を元気にして、精をつける力もあり、老若男女問わず食べていただきたい健康食材といえます。
 

カツオのたたきのカルパッチョ
カツオのたたきのカルパッチョ / Dakiny

鰹はやっぱり「たたき」で

鰹は是非「たたき」で食べていただきたいです。というのも、皮に近いところには、必須アミノ酸のリジンが含まれており、タンパク質の合成に必要なだけなく、肝機能を高めたり、カルシウムの吸収を良くしたりなど、とってもいいことづくめなので、是非皮ごと食べる「たたき」で食べてください。
生のカツオの皮よりちょっと内側に串をさして、皮にさっと塩を振り、コンロで炙って、ざっと氷水をくぐらせれば完了です。氷水だと水っぽくなるのが嫌な方は、濡らしたキッチンペーパーで包んで粗熱をとってください。藁で炙ると香ばしい風味がつき、より一層おいしくなります。
つけだれは、市販のポン酢にちょっと醤油と鰹節を足したものを。買ってきたたたきでも、酢橘、柚子、カボスなどをふると生臭さがなくなります。玉ねぎ、にんにく、しょうが、みょうが、大葉など、香味野菜と一緒にいただくとさらにおいしいです。さっぱりとした初鰹に香味野菜がとってもあいます。香味野菜やかんきつ類は、気の巡りを良くしたいこの時期にはおススメですし、たたきにもとても合います。たくさんの野菜と一緒に摂れるのもうれしいですね。さらにそれらは鰹に足りないビタミンCも補ってくれ、より理想的な食材となります。
美味しい鰹を選ぶには身が引き締まっていて、色に深みがあり、ドリップの少ないものを選びましょう。

Bonito
Bonito / pelican

江戸のころは1本10万円の値がつくことも珍しくなかった初鰹。江戸時代の大商人、紀伊国屋文左衛門は、初鰹になんと五十両(現在の値で約150万円)の値段を付けたとも言われています。長屋の家賃が1か月1万円程度だったそうなので、宵越しの銭は持たない江戸っ子にとって初鰹は一生に一度はたべてみたい高嶺の花。もし手に入れられたのなら、娯楽の少ない当時ですからきっと1年は地域の人気者になれたんでしょうね。
今はそんな苦労もなしに、おいしい鰹が食べられます。皆様も是非ご賞味くださいね。

2014/05/12

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