イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

ブログ日記BLOG

中医学 の記事一覧

『食』 給食から見る日本の『食』の変容について

こんにちは。店長の櫻井です。 【全国学校給食週間(1月30日まで)】だそうです。給食週間なるものがあることを初めて知りました。せっかくなので、給食と食文化について書いてみたいと思います。
 


Heiwa elementary school 平和小学校 _16 / ajari


/ chris_harber

 
日本の学校給食の起源は1889年山形の私立忠愛小学校で無料で食事を配ったのがルーツとされる(wiki参照)だそうです。その後欠食児童対策として、パンが一部の学校で配られるようになり、1930年代に臨時の学校給食臨時施設法が制定されたことにより、一部で学校給食が始まります。当時は、給食といってもおにぎりと漬物と、今から考えると簡素なものでしたが、当時ではそれが一般的な昼食としてのメニューでもありました。その後、戦中戦後の食糧事情から一時中断されますが、1945年以降、アメリカの〝援助″により復活しました。しかし、このアメリカによる援助が和食から洋食へと日本の食卓事情を大きく変える転機となったことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。学校給食には、米に変わってパンや脱脂粉乳が導入され、民間にはパンに合うこってりとした味付けの洋食を広めるため、「キッチンカー」がアメリカ政府の全面支援の元、日本全国を駆け巡ります。
食の欧米化は、欧米人との体格差を目の当たりにした当時の日本人たちの焦りともかさなり、和食・伝統食の否定による洋食の肯定へとつながっていったようです。「米を食べると馬鹿になる」とか「米食いは早死にする」とまで言われていたようですね。
戦後間もない昭和31年、日本人の1日当たり肉食量はなんと2g。もちろんこれは食べるものが全くない時代なので、当たり前の数字ですが、35年になると、18.7gとなり、4年間で実に9倍にも増えています。その後も肉食は右肩上がりに増え続け、40年には29.5g、50年には一気に倍以上になり64gとなり、平成14年には77g、平成22年には80.7gまで増加しています。それに伴うように、牛乳の消費も増え続け、昭和35年では1人当たり1日32.9gだったものが、平成14年では168.51gまで増加しています。(厚生労働省の調査を参照)
 


meat or death II / procsilas


おちち / “KIUKO”

上記を踏まえたうえで、下の表を見てみてください。これも同じく厚生労働省が出している死因別にみた死亡率の年次推移です。
 

主な死因別にみた死亡率の年次推移

厚生労働省 平成23年人口動態統計月報年計(概数)の概況 より

関係があるかないかというのは皆さんのご判断にお任せしますが、日本の食卓に洋食が広がり、小麦や肉類、乳類の消費が増えた、昭和50年代頃から、癌や心疾患での死亡率は急上昇しています。一概にすべて食事のせいとは言い切れるはずもありませんが、様々な影響の一つに食事が大きく関与していることは十分に考えられることだと思います。

中医学の観点から考えても、食と言うのは健康と一体のものです。健康のためにはまず良い食事をとらなくてはいけません。そしてその「食」はあくまでも日本人の体質に合った、そして日本の気候風土(高温多湿)に合ったものでなければなりません。日本の伝統的な和食、すなわち旬の野菜を中心にした食事をもう一度見直すべきだと考えます。

「食」という基礎がしっかりしていれば、胃腸が元気になり、内臓も精神も安定し、脳も活性化します。そうなればたとえ病気になっても、薬は良く効き、病状も酷くならず、早く治るようになるでしょう。「食」とは「命を養う源」です。食を軽視し、粗末にすることは命を軽視し、粗末にすることになるのではないでしょうか。

 


Heiwa elementary school 平和小学校 _24 / ajari

 
学校給食法第2条で学校給食の目標が以下のように制定されています。

  1. 適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
  2. 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
  3. 学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
  4. 食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
  5. 食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
  6. 我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
  7. 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。


2003_0224_123825AA / Hanenosuke

学校給食は、伝統的な食文化への理解を深めることや、適切で健全な食生活と食習慣を重要視したもののはずです。学校で出されるものが、子供の人気や偏った知識によるものでなく、本当に大切な「食」と「健康」と「伝統」を伝えるものであることを願ってやみません。

現在22億円もの給食費の滞納が問題になっています。未納の原因としては、「保護者の責任感や規範意識の問題」と半数以上の学校からの回答があったそうです。滞納した世帯の子どもに対し、給食の提供を停止する動きも出ています。もしこのようなことが続けば健全な身体の発育への影響だけでなく、心の問題にも大きく影響してくるでしょう。世界でも数少ない、給食という制度を継続させていくためにも、そして、流通や消費、勤労や伝統文化への理解を深める機会を失わないようにしてほしいものです。

 ***facebook やってます! 「イスクラ薬局」でご検索いただくか、こちらのリンクをクリックしてぜひ「イイネ」をおしてください!***

2014/01/24

美容に良い!ダイエットに良い!「アーモンド」のお話

こんにちは。櫻井です。今日、1月23日は【アーモンドの日】だそうです。
 


Almonds / HealthAliciousNess

 
※【アーモンドの日】
アーモンドは小さな1粒に10種類以上の良質な栄養素が詰まった天然のサプリメント。
とくに「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEが豊富で、
約23粒で日本人の成人女性に必要な1日の摂取目安量をまかなえる。
「1日23粒のヘルシー・アーモンドライフ」を推奨するカリフォルニア・アーモンド協会が
この「1日23粒」をアピールすることを目的に制定。
日付は1と23で「1日23粒」を表し、
「1,2,3」の掛け声でアーモンドを食べる習慣を始めてもらうことから。
(みーちゃんの今日は何の日 http://ameblo.jp/163cm55kg/ より)
 


Almond Cranberry Munch Candy / Janet Hudson

 
にしても、1日23粒ってそこそこの量だよな。アーモンド。吹き出物出来そう・・・しかも「1,2,3」の掛け声でとか何??って思ってしまって書いてしまったらカリフォルニア・アーモンド協会さんに怒られるかな。
しかし、1粒に10種類錠の良質な栄養素という事実は食養生の観点から見逃せませんので、「アーモンド」、調べてみました。
 


Almonds / Vassilis Online

アーモンド、日本では余り日常的に食べる習慣ってないですよね。チョコに入っていたり、たまにしゃれたレストランのメニューでソースやサラダに使われていたりと、なじみが薄いようで知らない人はいないという食べ物ではないでしょうか。私なんかはアーモンドといえば真っ先に浮かぶのは某社の「アーモンドチョコ」です。平べったいでかい箱のM社やL社のものではなく、長細い、一つ一つ金色の銀紙に包んであったg社の〝あの”アーモンドチョコです。食べてるといつの間にか無くなるんですよね。スライド式なんで、箱の中身全部が見えないから気が付かない。「アレ?あともう一個あったと思ってたのにもう無いわ。さっきのゆっくり食べればよかった。。」なんて思ってた昔の記憶を思い出しました。 笑
まぁ、そんなアーモンドですが、意外や意外、ビタミンEは食品の中でもダントツトップで美容やアンチエイジングにばっちり。そして食物繊維が豊富で、デトックスにもダイエットにも良くって、オレイン酸が豊富で生活習慣病予防にもってこいな、栄養食品だったんです。しかも、想像しているよりもカロリーは低く、ダイエット後のリバウンド予防にも効果があるというから驚きです。
 


Florentines – Toasted almonds / grongar

原産はアジア西南部。最大の生産地はカリフォルニアで、日本では小豆島などで栽培されているそうです。アーモンドには食用にされているスィート種と、ビター種の2種類があるそうです。

 

ビタミンEがたっぷりで美容・アンチエイジングにも

アーモンドはたくさんの有効成分を含んでいます。その代表が、活性酸素による細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用で、老化のスピードを抑えるアンチエイジングビタミンのビタミンEです。さらにガンや生活習慣病の予防にも効果も期待されています。アーモンド100gあたりに含まれるビタミンEは31.0mg。これは食品の中でダントツトップクラスです。ビタミンEは油脂、種実類、魚卵などに多く含まれていますが、イクラではわずか9.0mg、たらこでは7mg程度。しかしこれでも多いと言われているのでアーモンドのビタミンE含有率のダントツさが解りますね。ビタミンEの成人への推奨目安は男性で7mg、女性で6.5mg。アーモンド1粒でビタミンE約0.32mgなので、男性では約22~23粒、女性では約20粒で1日の摂取目安量をカバーできる計算です。

ダイエットにもおススメ

カロリーは、20粒で大体120Kcalとそれほど高いというわけではありません。それに、アメリカハーバード大学の研究によると、栄養に気遣った食事とアーモンドを使ったダイエットで体重の減少だけでなく、リバウンドが少ないダイエットが可能であるということもわかっています。それに、アーモンドには脂肪燃焼に必要不可欠なビタミンB2を多く含まれているので、脂質の燃焼も助けてくれます。
 


Dark Almond Patties / Svadilfari

血液サラサラ

アーモンドには約55%の脂質が含まれていますが、実にその7割が、血中の悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やす働きのあるオレイン酸でできています。アーモンドは血液をサラサラにしてくれる効果もあるんです。そのため、アーモンドには動脈硬化や心疾患のリスクを軽減してくれる効果もあります。さらに、ごぼうの約2倍、サツマイモの約4倍といわれる食物繊維を含み、余分な油分を吸収してくれ、食欲を抑制し、便秘や高血圧の改善にも役立ちます。そして、鉄分も豊富で貧血予防にもなります。
アーモンドはデトックス効果・便秘解消効果、老化防止効果、若返り効果、血液サラサラ効果、ダイエット効果と何とも様々なうれしい効果が満載のとっても優れた健康食品だったんです。


almonds / :: nany mata.

中医学的にみると

アーモンドは平性で寒熱の偏りがなく毎日食べられます。薬膳の中では、肌を潤す食材、若返らせる食材として扱われています。血を巡らせや気の巡りの改善し心を落ち着かせる働きや、便秘の改善、二日酔いを防ぐ効果があるとされています。
 


Almonds / DesheBoard

美味しいアーモンドの選び方・食べ方・保存法

傷がなく、色が鮮やかなものを選びましょう。保存する際は密閉容器に入れて、野菜室へ入れましょう。古くなったものは、参加して味も香りも効果もおちてしまうので、早めに食べるようにしましょう。ベストは殻つきのまま購入し、できればローストしないで生のまま食べる方が効果的です。さらにアーモンドの皮には、ポリフェノールなどの抗酸化成分が含まれているので、皮ごと食べてくださいね。
 


Almonds in shell / avlxyz

 
おススメはアーモンドのふりかけ。無塩のローストしたアーモンドを15粒程度をつぶして鰹節と青のりと適当に混ぜ、塩であじを整えれば出来上がり。ご飯に、納豆に、お味噌汁にとなんにでもあいますのでお試しあれ。後アメリカでも大人気なのが、アーモンドミルク水に浸したアーモンドをミキサーなどで砕き、水を加えてガーゼなどでかすを漉したもので、ミルクが足されているわけではありません。とってもヘルシーで、アーモンドの抗酸化作用も、ダイエット作用も、デトックス作用も一気に取れちゃいます。しかもおいしいので、アメリカでもバカ売れらしいですよ~
 


Home made Almond Milk / AmazingAlmonds

***facebook やってます! 「イスクラ薬局」でご検索いただくか、こちらのリンクをクリックしてぜひ「イイネ」をおしてください!***

2014/01/23

葉酸たっぷり!抗がん作用も!?今が旬【ブロッコリー】

冬は寒い!とはわかっていても、毎日寒い寒いと言ってしまっています。みなさん、養生してらっしゃいますか?こんにちは。店長の櫻井です。
最近はスーパーに行くたびに、どんな食品を今はよく見かけるんだろ?とか、みんなどんな食べ物に興味があるんだろ?とかなどと、主婦とはちょっと違った目線でブログネタを探しております。そんな中でも今日は先日食べて思いのほかおいしかったブロッコリーのお話をしたいと思います。
 

 

 
ブロッコリーがおいしくなる時期は、11月から3月でまさに今が旬の野菜です。ブロッコリーと良く似た野菜にカリフラワーがありますが、ブロッコリーはカリフラワーの変種で、カリフラワーの方が原種に近いそうです。さらにそのルーツをたどると、キャベツに行きつくそうで、ブロッコリーはキャベツの遠い親戚です。


BROCCOLI / whologwhy

ブロッコリーやカリフラワーは「はなやさい」と言われ、私たちが食べているところはブロッコリーの花のつぼみです。収穫されずそのままにしておくとクリーム色や黄色の花が咲きます。つぼみの部分は確かに柔らかくておいしいですが、茎や葉の部分にも栄養がたっぷり含まれているので是非食べていただきたいです。茎はちょっと堅くて食べにくいので敬遠されがちですが、厚めに皮をそいで食べれば柔らかく食べられます。そして普段は捨ててしまっている葉の部分も栄養価が高いので、できれば一緒に食べるようにしてください。葉の部分は茎のように堅くなく、おいしく食べられるはずです。


Broccoli / Linda N.

日本にブロッコリーが入ってきたの明治の初期頃。しかし当時は余り普及しませんでした。近年になってその栄養価の高さに注目され、需要が高まってきた野菜です。きっとそあの鮮やかな緑色も好まれる要因でしょうね。
 


ブロッコリー茹で上がり #dinner / is_kyoto_jp

ビタミンC、βカロチンが豊富な美容食品

ブロッコリーはとっても栄養価が高い食品です。生のブロッコリーに含まれるビタミンCはなんとレモンの約2倍!キャベツと比べると約3~5倍も含まれています。その他、βカロチン、ビタミンB1、B2、カリウム、リン、食物繊維なども豊富に含む、栄養満点の野菜です。
ビタミンCの効果は数えきれないほど沢山ありますが、今回その中でも注目したいのは、免疫力の強化と、シミやそばかすの予防効果。ビタミンCは非常に色素沈着予防効果が高いビタミンで、某化粧品会社さんのシミ対策化粧品の中身は、濃度の濃いビタミンCだというのを聞いたことがあります。美白化粧品として使用できるほど、ビタミンCの色素沈着予防の力は高いのです。
そしてこちらもブロッコリーには多分に含まれるβカロチン。粘膜を強化し、カゼなどの感染を予防する働きがあります。空気が乾燥し、カゼが流行るこの時期にはうってつけですし、粘膜を保護するということは、もちろんお肌にも良いので、ブロッコリーも先日の小松菜と同じく、食べる美容サプリといえます。
 


ブロッコリー / penpenpen

抗がん作用にも注目!

近年ブロッコリーのもつ抗がん作用が注目されています。ビタミンCなどによる活性酸素の除去はもちろんですが、ブロッコリーには、癌を引き起こす原因となる突然変異を抑える物質、メチルメタンチオスルホネート(MMTS)という物質が含まれているそうです。しかしこの、MMTSはゆでて食べるだけでは簡単に摂取できないそうで、細かく刻んだり、水と一緒にすり粒ことで初めて生まれる物質なんだそうです。抗がん作用を狙うなら、ブロッコリーをミキサーにかけてジュースにして摂るというのがおススメですね。注意いただきたいのは、時間がたつと変質してしまうので、ジュースにしたら新鮮な間に素早く飲むようにししましょう。ブロッコリーはその他にも、スルホラファンという発がん性物質の作用を抑え、ピロリ菌抑制効果もある物質を含んでおり、健康管理のためには最高の野菜の一つといえます。
さらにさらに、葉酸の含有率がとっても高い食材でもあります。葉酸は、細胞が増えていく時や赤血球が増えるときに必要不可欠なビタミンで、貧血の予防や動脈硬化の予防に効果があるほか、妊娠中やべビ待ちの方にも必ず取ってほしいビタミンですし、離乳食としてもおすすめです。
 


Fresh Broccoli / mallydally

中医学的にみると

ブロッコリーは平性なので、毎日食べても冷えたり火照ったりすることがありません。中医学的効能では、五臓を養い調整し、関節を強く丈夫にして、気を巡らせ、動きを滑らかにするとあります。また、虚弱体質を改善し、胃腸を元気にして、身体に元気を与える食材で、胃腸機能低下時やお年寄りにもおすすめの食材です。中医学でもガンを抑制する「制癌」という力を認めている食材でもあります。潤し、便通を良くする作用があるので、お腹が冷える、または下痢気味の場合は食べ過ぎないようにしましょう。
 


ブロッコリーが丸ごとすぎる。 / TAKA@P.P.R.S

日本では茹でてから、マヨネーズなどと一緒に食べられることも多いですが、ヨーロッパではそのまま生をサラダで食べるところもあるそうです。ブロッコリーは長く茹でてしまうと、せっかくたくさん含まれているビタミンCが損なわれてしまうので、若干堅め、歯ごたえが残るぐらいに、ざっとゆでるのがおススメです。アメリカでは、子供のころにお母さんから無理やり食べさせられる野菜の代表ですが、大人になってからはとってもおいしいことに気が付く野菜の一つではないでしょうか。ゆですぎると変な甘さもでて、おいしくなくなるので、固めでゆでてお食べくださいね。そして茎も葉も是非食べてください。
***facebook やってます! 「イスクラ薬局」でご検索いただくか、こちらのリンクをクリックしてぜひ「イイネ」をおしてください!***

2014/01/16

食べるスーパー美容サプリ【小松菜・こまつな】

おはようございます。櫻井です。今日は雨または雪の予報だった関東地方ですが、雪の気配は今のところございません。雪も降らない、ただただ寒いだけの日は、なんかもうやり場のない気持ちでいっぱいです。せめて雪でも降ってくれ。
でも寒いだけの冬にも良いことはあります。こと野菜に関していえば、軟らかく甘くなっておいしくなる時期でもあります。オーガニック農園をやっている友達が「冬場は野菜自体が凍らないように自分で糖度を上げるから甘いんだよ」と教えてくれました。確かにその時食べたキャベツの芯はびっくりするぐらい甘かったのを覚えております。
冬の野菜と言えば、私は真っ先に白菜が思い浮かびますが、もう一つ忘れてはいけない冬野菜の代表に小松菜があげられると思います。この小松菜、調べてみるととっても栄養豊富で、しかも肌にもすっご良い見逃せない野菜だったんです。
 


Komatsuna / 305 Seahill

小松菜の歴史

小松菜は江戸時代に武蔵郡小松川村(現代の東京都江戸川区小松川付近)で多く栽培されていたことにちなんで名づけられたと言われる冬を代表する葉野菜です。元は中国から渡ったかぶの一種祖先の一つにもつ、野沢菜や青梗菜などと同じアブラナ科の植物です。小松菜の名がつく前までは、「葛西菜」と呼ばれていたそうです。葛西菜が小松菜と名を変えた由来は諸説ありますが、一説では、時の将軍吉宗の鷹狩の際に献上され、ひどく気に入られたことから、小松菜の名を授かったと言われています。もう一節は、〝江戸市中の糞尿を持ち帰って下肥とし、野菜を江戸に運んだ葛西船(かさいぶね)の存在を挙げる向きもある。葛西船の異称として単に葛西と呼ばれていた。当時のイメージとして屎尿臭を連想させる葛西の語を嫌って、めでたい常盤の松にあやかった小松の名を採ったとする。”(wikipedia)というものもあるようです。
小松菜は当時から庶民の貴重な冬の葉野菜で、お江戸の雑煮に小松菜は外せない食材だったようです。収穫時期によってその呼び名がかわり、冬には「冬菜」や「雪菜」、春先に出回るものは「鶯菜(うぐいすな)」などと呼ばれ、親しまれてきたようです。小松菜は一年中とれる野菜ですが、寒さに強く、2、3度の雪や霜をくぐったものの方が繊維が柔らかくなり、甘くおいしくなるそうです。どんな環境にも適応し育つので、今でも関東近郊の広い範囲で栽培されています。
 


雑煮 / nori_n

 

小松菜は【食べる美容サプリ】

小松菜は、カルシウム、ビタミンA、ビタミンC、鉄、カリウム、食物繊維を沢山含んでいます。ほうれんそうと栄養価は似ていますが、鉄分はほうれんそうより若干少ないですが、カルシウムはなんと5倍で、野菜の中でもトップクラス。生長盛りのお子さんや骨粗しょう症の予防には勿論のこと、イライラを鎮める力もカルシウムにはあります。さらに細胞内の保水成分を働かせているのもカルシウムです。カルシウムが不足するとシワや乾燥の原因となるので、透明感とはりのある肌を作るにはカルシウムは欠かせません。しかも小松菜には、コーラゲンの主原料である「プロリン」というアミノ酸が豊富に含まれており、しっかり食べることでお肌ぷるぷる効果も期待できます。さらにビタミンAとビタミンCは小松菜100gを食べると一日の必要量を補えるほどたっぷりと含まれています。ビタミンCは天然の美白成分としても有名ですよね。こうしてみると、栄養豊富な小松菜は食べる美肌マルチサプリといえます。食物繊維も豊富で、便通を良くし、高血圧の予防や、大腸がんのリスク軽減など、優れた解毒効果も発揮します。βカロチンも多く含んでいるので、抗酸化作用、カゼ予防、美容効果や老化防止などにも好影響です。


小松菜とソーセージとしめじのバター醤油炒め / Kakei.R

中医学・栄養学的に見る「小松菜」

小松菜平性で寒熱の偏りがなく、たくさん食べても冷えたり火照ったりすることがないため、毎日たべていただきたい食材です。小松菜は気を巡らせ、ストレスを和らげ、胃腸を良く動かし、余分な熱をとり、潤いを補ってくれます。

おススメレシピは気を巡らせる春菊と、潤いを補う胡麻とあえた【小松菜と春菊の胡麻和え】。ストレスにも便秘にも、お肌にも良いスーパー小鉢です。小松菜は灰汁が少なく、さっとゆでるだけで食べられます。下ゆでも、水にさらす必要もなく、生のままでも食べられます。βカロチンは油と相性が良いので、炒め物にもおすすめですが、ビタミンCは熱に弱いので、できるだけ調理は短時間で行いましょう。


小松菜と春菊の胡麻和え / Kakei.R

 

美味しい小松菜の選び方・保存法

葉が小さいものの方が柔らかく、おいしいそうです。葉が厚く、緑が濃く、ピンと張ったものを選びましょう。茎も余り太いものより、若干細めで、根は長いものの方が良いです。さっと洗うか、霧吹きで適度に湿らせてから、濡らした新聞紙にくるんでポリ袋に入れて、出来れば立てて冷蔵庫の野菜室へ。痛みやすいので2~3日で使い切るのが良いでしょう。ゆでて絞ったものを冷凍する場合は、食べやすい大きさに切ってラップに包んで保存しましょう。
 

 
 
冬は乾燥や寒さからお肌にはとっても負担がかかる時期です。小松菜のしっかり栄養補給して、透明感とはりのあるお肌を保ちましょう。さらに冬場は、身体はいろんなものを溜めこもうとする時期です。解毒効果の高い小松菜はそんな体のデトックスにも有効ですよ。せっかくの自然の恵みを十分に満喫しましょう。
 
 
***facebook やってます! 「イスクラ薬局」でご検索いただくか、こちらのリンクをクリックしてぜひ「イイネ」をおしてください!***
 

2014/01/15

年末年始で疲れた胃腸に優しい「食」のお話

今日は1月11日。鏡開きの日です。鏡開きの説明はこちらに→任せるとして、新年も11日になると、もう普段通りの生活に戻られているころでしょうか。こんにちは、櫻井です。
新年あけてからのご相談内容で一番多いのは、1位はやっぱりカゼにまつわるご相談です。咳や鼻水、妊娠中に飲めるかぜ薬など様々な症状でご相談にいらっしゃいます。その次は、冷え。これは冬の間ずっとある相談ですが、寒い今年はいつもにも増して多いような気がします。その次は、胃腸のトラブル。年末年始で食べ過ぎ、飲みすぎが重なったせいか、食欲がない、胃もたれ、胃痛、便秘、下痢など様々な問題を抱えてご相談にいらっしゃいます。新年会もある事ですし、胃腸の養生しっかりしておきたいですね。今から胃腸の調子を整えておくことは、春の花粉症予防にもつながりますよ!
 

食のトラブル

食欲がない、食が細い、疲れやすい、そんなご相談はこの時期とても多いです。体も寒さに耐えるために食べようとしますし、じめっとした湿気もなく、本来冬は比較的食欲が増加する傾向にある季節なもに、どうも食べられない。高齢者の方にもこうした方は数多くいらっしゃいます。食は健康の基本なので、しっかり食べて元気を養い、健やかに毎日を過ごしたいものです。
【医食同源】という言葉は良く耳にしますが、これは中医学の【薬食同源】から発想を得て、近年に日本で作られた造語です。【薬食同源】とは、「日々の食事こそ良薬」という意味です。食材にはそれぞれに味*(酸・苦・甘・辛・鹹)と性質*(温・熱・寒・涼・平)があり、それが身体に作用して自然と調子を整えてくれます。そのため、しっかりと食事をとることが出来れば、健やかな体を作ることが出来きるはずなんですが、胃腸の調子をおかしくして、食欲もなく、食べてもしっかり消化できていなければ、体力は低下し、臓腑もきちんと仕事が出来なくなります。その結果は、様々な症状となって出てくるようになります。
* 味と性質はこちらをご参考ください→【元気に食べるための脾胃と食のお話
 

「脾胃」を養う

口から入ってきた食べ物はいったん「胃」に受け止められます。そこで小さく「消化」され、吸収のために「脾」へと運ばれます。吸収された栄養素や潤いは、肺に運ばれた後、全身へと送り出されていきます。脾胃の機能が低下するとこうした栄養や潤いの輸送も低下し、疲れや体の各部の機能低下、乾燥、免疫力の低下なども出てくるようになり、カゼをひきやすくなったり、疲れやすくなったり、髪や肌や粘膜が乾燥するようになってしまいます。
脾胃は温かく、乾燥した状態を好む臓腑です。冷蔵庫から出したばかりの飲み物やアイスクリームなど、日ごろから冷たいものをとる習慣がある方は要注意です。レストラン等で出される氷が入ったお水なども、できれば避けてほしいものです。
 
 

脾胃の養生のポイント

なるべく温かいものをとるようにし、水分を摂りすぎないことです。辛いもの・脂っぽい食事は控えることが良いでしょう。葉野菜を中心に、加熱してたくさん食べることをお勧めします。ストレスは、こまめに発散する方が良いでしょ。偏食はやめましょう。魚も肉も野菜もバランスよく食べることが大切です。家族や友人と一緒に、楽しみながら食事をする工夫をしてみてください。便秘は脾胃を健康に保つための最大の敵です。とにかく脾胃を健康にするためには便秘は禁物。もし便秘薬を飲まないと出ない状態なら、脾胃はかなり疲弊してしまっています。食生活を根本的に見直し、カタカナ食(パン、コーヒー、パスタ)を避けて、和食を中心に、野菜をたっぷり食べてください。なるべく身体を動かし、運動をして、食欲を増進するようにしましょう。運動をする時間をつくれなくても、階段を使う、一駅歩くなど普段の生活に運動を取り入れてください。
 
食べ方のポイントとしては、
暖食:温かく、消化に良いものを食べる
淡食:塩分を控えめに薄味で食べる
暢食:食事は楽しく、気持ち良く食べる
専食:食事に専念する。ながら食べをやめる
少食:腹八分目の量を食べる
慢食:食事はゆっくり時間をかけて食べる
潔食:新鮮で清潔な食材を選ぶ、食べる
を意識してくださいね。
 
その他、味(五味)・性質(五性)を考え、季節や体調に合わせた食べ物をそれぞれバランス良く食べることも大切です。そのへんは前回のブログにまとめてありますので、こちらのリンク→元気に食べるための脾胃と食のお話 をご参考下さい。
 

「おひたし」はかさばってしまう葉物野菜を沢山食べられ、調理も湯がくだけなのでおすすめです。写真は「春菊のおひたし」です。枝の太い部分を先に10秒ほど熱湯につけてから、葉の部分もさっと湯がいて、冷水でしめてから水けを絞り、出汁をかけて、たっぷりの鰹節と柚子を散らしてお召し上がりください。柚子の香りと春菊の香りが気の巡りを改善し、胃腸を動かし食欲をださせてくれますよ。すっごく簡単ですっごくおいしいです。

 
 

 
中医学が考える食の基本は「脾胃」という臓腑です。脾胃とは、消化器系全般の働きを指しており、胃は飲食の受け皿として主に消化を担当し、脾は栄養や水分を吸収して体各部に送る役割をしています。暴飲暴食やストレス、睡眠不足、加齢などによって、脾胃のこうした機能が低下すると、食欲不振や下痢・軟便、疲れ、胃もたれなど様々な症状になって出てきます。
食べるものがなかった大昔ならいざ知らず、「食」があふれかえっている現代では「飽食」にこそ注意を向ける必要があります。食べ過ぎは脾胃に負担をかけ、機能を低下させます。そして偏食や不摂生にも勿論気をつけなくてはいけません。ファストフード、お菓子、炭酸飲料、脂肪分や味付けの濃い食事、冷凍・加工食品などなど、脾胃の力を奪ってしまう「食」は私たちの周りにあふれかえっています。
元気で充実した毎日を送るためにも、おいしく楽しく食べるためにも、脾胃を養い、健やかに保ちましょう。
 

2014/01/11

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売