太田です。10月の上旬に中国の雲南省・昆明市にある雲南省中医医院へ行って参りました。
その時のレポートを2回に分けてお伝えしております。1回目のブログはコチラ。
研修内容は、外来での診察と入院病棟での治療を見て学ぶこと。
まず、外来では葉副院長先生と欧先生の診察の様子を見せていただきました。
ニキビや乾癬、白癜などでお悩みの方が雲南省中医医院の先生を頼り、遠くから診察を受けにいらしていました。
その先生の傍で日本語での解説を聞きながら、先生の診断される内容、処方される煎じ薬の内容を学びました。
次に、入院病棟では主に外用薬の使用方法について学びました。
写真は湿布に使用する薬液。湯気が出ているのがお分かりになりますでしょうか。
ホッカホカの外用の薬液をタオルやガーゼに浸し、患部に湿布していきます。
10分程度しっかり湿布し、その後再度薬液を直接タオルやガーゼの上から注射器で注ぎ足し、再度10分程度おいて、その後軟膏(生薬が主成分です)を塗布して終了です。
他にも、患者さんのご協力もあり、火で熱した針で直接患部をさして治療する方法(火鍼)、
梅花鍼(ばいかしん)を使用する治療、吸い玉で瀉血する方法を見せていただきました。
すごい…すごいです、中医医院。
中医学の素晴らしさを身をもって体感して学んで来ました。
この充実した研修、少しでも皆様のお役に立てるよう、日々精進して参ります。
余談1
雲南省、昆明市は海抜1892m。
高地のため、研修に行く1週間ほど前から漢方薬を飲んで体調を整えていました。
そのせいか、おかげさまで体調を崩すこともなく無事に帰ってくることができました。
恐るべし、中医学の知恵、です。
余談2
今回、見たかった植物を見ることが出来ました。それがこちら。
小さくて黄色いツブツブ、見えますでしょうか。
実はコレ、沙棘(サージ)です。もっと大きな実を想像していましたが、余りの小ささにびっくり。
とても貴重な植物だなあと改めて実感したのでした。
ブログ日記BLOG
雲南省へ研修に行ってきました その2
2015/10/31
雲南省へ研修に行ってきました その1
こんにちは、太田です。
気が付けば、10月も間もなく終わろうとしていますね。
私は10月11日から16日まで、中国の雲南省・昆明(こんめい)へ皮膚科の病院へ研修に行ってきました。
少し間が空いてしまいましたが、2回に分けて研修の様子をお伝えしたいと思います。
実は私にとって中国は初めて。
成田空港から上海まで約3時間のフライト、のち、トランジットをして中国国内便で更に約3時間、やっと雲南省の省都である昆明の飛行場に到着しました。
私たちの研修を受け入れてくださったのは雲南省中医医院の皮膚科の先生方。
正門は大通りに面していて、建物の様子は日本の病院とはまた異なった雰囲気です。
この入り口を入ると、煎じ薬などを渡す受付がありました。驚くほど多くの患者さんで賑わっています。
ここから更に奥に進むと患者さんの待合室があり、その待合室の上部には中国で語り継がれている故事が書かれています。
この様な感じで書かれていると、待っている間に退屈しない上に、何度も来ていると内容を覚えてしまいますね。面白いなあと思います。
下の写真の物語は、当帰にまつわるお話。
そして皮膚科の病棟がこちら。
入り口は裏通りに面しており、近々新しい病棟へ移転予定とのことでした。
こちらは生薬を煎じる機械が置いてあり、生薬の香りが漂ってきます。
金銭草の香りに似ているような、甘くて懐かしい香り。
それもそのはず…。運ばれる煎じ薬と大量の生薬…。すごいですね。
あわてて撮ったのでぶれておりますが、雰囲気を感じて頂ければ嬉しいです。
その2へつづく…。
2015/10/31
風邪(ふうじゃ)除けお守りカンポウ、はじめました。
こんにちは、太田です。
明日9月20日からは彼岸入り。「暑さ寒さも彼岸まで」、とは言いますが、最近の気温差には疲れますよね。
季節が夏から秋に変化し、気温が下がって空気が乾燥し始める事、これはカゼのウイルスが繁殖しやすい環境になっていく、と言うことです。最近も薬局の店頭でもおカゼを召された方のご相談が増え始めているなあ、という印象があります。
そんなわけで、漢方にご興味のある皆さんには是非、カゼをひいてしまう前の対策をしていただきたい!と思い、六本木店限定で「風邪(ふうじゃ)除けお守り」を作ってみました。それがこちら。
二色作っていますが中身は同じで、カゼ予防にお馴染みのお茶、板藍茶(ばんらんちゃ)と、身体に潤いを補ってくれる生薬、百合(びゃくごう)が入っている百潤露(ひゃくじゅんろ)が各3包ずつ入って、税別500円。板藍茶と百潤露、一緒にお湯に溶かして飲むと美味しいのです。詳しくはこちら。
この良く見るお守りの結び方、「二重叶(にじゅうかのう)結び」といって、表は口、裏は十の結び目になっているところから叶結びというらしいです。スタッフで頑張って習得しています。
今年は皆でカゼをひかずに乗り切りましょう!
2015/09/19
雨ばかりの時は、ハトムギスープを
こんにちは、太田です。
今回の台風は9日に温帯低気圧に変わったものの、東京もひどく雨が降ったり止んだり、を繰り返しています。こんな時は身体もスッキリしたいですね。今日はそんな時にお勧めしたいハトムギスープをご紹介します。
すぐにスープを召し上がりたい方は、まずは良く洗ったハトムギを水につけておき、下ゆでしてからスープに入れてください。茹でたハトムギは冷凍保存も可能です。
ずぼらな私は、
良く洗ったハトムギ(一日分約20gが目安)
玉ねぎ丸ごと(小ぶりで火の通り易そうなもの)
出汁・お塩・ローリエを厚手のお鍋に入れて蓋をしてグツグツ。
玉ねぎに火が通ったのを確認し、味を調整しながら適宜お水や出汁を追加して再度加熱、ぐつぐつと言いはじめたら火を止め蓋をして一晩放置。
すると翌朝にはぷっくりと膨らんだハトムギと、芯まで火の通った美味しい玉ねぎスープができあがり。
ハトムギ(薏苡仁)の性質は涼で、胃腸を整え体の余分な水分を出してくれるはたらきが期待できます。
この長雨で、身体がだるい、むくみが気になる方は是非ハトムギをお食事にとりいれてみてはいかがでしょう。
ハトムギを使った、おいしいレシピが出来たら是非教えてください。
2015/09/10
不妊症スクーリング(ファティリティクリニック小田原先生ご講演)
こんにちは 木梨です。
先日年一回行われる日本中医薬研究会の不妊症スクーリングで学んでまいりました。
全国から200名ほど集まる中イスクラ薬局のスタッフもほぼ全員参加で熱心に一日お勉強でした。
午前中は不妊症専門で現在日本橋店、新宿店でカウンセリングをしている中医学講師3名から
体外受精の効率をあげる中医学的方法、卵巣刺激周期に合わせた漢方薬の使い方、そして体外受精がうまくいかないときの原因とその対策などみっちり3時間半の講義を受けました。
その資料の中に正常な子宮内膜と過排卵刺激を受け異常をきたした内膜の画像がありその様子の違いには驚きました。
正常なものはよくフワフワベットに喩えられますがひとつひとつの細胞がきれいに並びつるんぷるんとしてますが
過排卵刺激を受けたものは棘や岩が隆起したようにゴツゴツして血色悪く、さすがにこんなところには着地できないと思いました。
さて昼食で満腹になった午後は、「不妊治療の最前線 成功率を高めるための取組み」と題して
不妊治療で有名な恵比寿のファティリティクリニック東京院長小田原靖先生のご講演でした。
現場の実状と治療成績を上げるための取り組みをお話し頂き、また鍼灸、漢方、サプリメントなどの併用を推奨しておられることは私たちにとっても有り難いことと感じました。
さらに今回初めて知ったことですが、JISARTといって不妊治療を専門とするクリニックによって結成された団体があり診療の連携を持っているそうです。
全国27施設が加盟しそのうち東京のファティリティクリニック東京(渋谷区)、梅ヶ丘産婦人科(世田谷区)、東京HARTクリニック(港区)ではたとえば地震、停電等の影響で採卵できない場合他施設で採卵を行うことができる(全胚凍結となり、凍結胚を移送しかかりつけクリニックにて移植)とのことです。
クリニック同士で診療連携があるのは心強いですね。
貴重なご講演を聞き漏らさないよう集中と気合十分だったのですが優しい語り口と難しい内容でsuimaの波が襲ってくる・・
それを先生もご承知か、スライドの合間に先生ご自身のサーフィン姿や若者しり目に大会で優勝した誇らしげな雄姿の写真がちょこちょこ入り、そのおかげで気分もほぐれsuimaに打ち勝てました。
教えて頂いたことを正確にかつ丁寧にお客様にお伝えできるよう私たちも頑張ります!
2015/09/01