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不妊症について

周期療法の本場 南京中医薬大学を訪ねて

不妊症・周期療法の本場、南京へ…




19日朝、8時前に成田空港に集合し、成田空港から空路2時間半ほどで上海へ到着。そこから南京まで約300kmをバスに乗り換え移動することに。



通常は高速道路で3時間半のはずが、当日の雨の影響と運悪く事故が重なり 大渋滞に巻き込まれる。5時に南京着の予定が大幅に狂う。バスに揺られる事5時間半、ようやく 夜7時南京に到着。高速道路を降り、市内へ向かうと大きな城壁が見えてきた。南京は古くから栄えた都市で、外部の攻撃から街を守るため城壁が続いており、城門をくぐると、そこからは大きなプラ タナスの並木道が続いていてとても雰囲気のある近代的な街並み。中国では「緑が一番きれいな街」とされているそうだ。翌日から3日間、ハードな研修が始まる…

 

 

南京中医薬大学に到着




江蘇省中医医院・南京中医薬大学付属病院は中国でも1、2を争う大きな 病院で職員数1400名、ベット数は1000床で外来は1日5000人を越えるマンモス病院。この病院の「高級専家」との特別室で診療されている夏桂成先生は中国でも指折りの婦人科の「老中医」(72歳)で、中国全土や時にはヨーロッパなどからも患者さんが毎日押し寄せている。飛行機や夜行バスに長時間揺られ、泊まりがけでくる方もたくさんいる。1日60人ほど診察するが、その順番を取るため早朝や前日から順番待ちをしているらしい。

中国での診療は、診察を受けている人のすぐ後ろに次の人が順番を待っているといったスタイル。日本ではプライバシーの問題もあり到底考えられない状況ですが、みんなお構いなしのようでした。おおらかなのでしょうか・・・

 

夏先生の不妊治療


上段・左から3番目=夏桂成先生

朝8時より2班に分かれて先生の臨床と院内を見学させて頂く。世界一人口が多い国・中国でも不妊症で悩んでいる方は多く、ホルモン治療で体調を崩した方、黄体機能不全や子宮内膜症・卵巣嚢腫・多嚢胞性卵巣・卵管閉塞・高プロラクチン血症・卵巣早衰などなど、さまざまな疾患を抱えている。現状は日本と変わらない。

印象的な症例を一つ。36才女性。西洋医で10年間不妊治療の後、夏先生の薬を服用し4ヶ月で妊娠が判明。その場で妊娠が分かったので、我々一同拍手で喜んだのも束の間、女性の脈を取っていた先生が「この脈は流産する可能があるので、即入院」とその場に緊張感が走った場面も…。

 

 

不妊症周期療法「3・5・7」律の不思議




午前中まるまる4時間の勉強を終え、昼食としばしの休息の後、午後3時より3時間ミッチリと講義。夏桂成先生のご経験に基づいたお話をご教授頂く。



夏桂成先生は中国における周期療法の第一人者であり、私たちに熱っぽくそして分かりやすく説明してくださる。先生の長年の経験から修得された「3・5・7」律法。女性の月経リズムは3・5・7の奇数律に支配されていると考えられている(例えば、月経期間が5日間なら、排卵期も5日間)。排卵期には排卵期独特(錦絲状)のおりものがある事を理想としている。透明で光沢があり、指に付けて引き伸ばすと10cm以上にのびるという。


これが“排卵の時期”や“卵子の質”の目安になり、体調が整ってくると次第にこのような状態になる(排卵誘発剤を使うとおりものが減るので中医的な判断は難しいこともある)。月経周期の各期の過ごし方や気を付ける事を下記に簡単にまとめると・・・



 

多嚢胞性卵巣症候群の講義


翌日は、多嚢胞性卵巣症候群についての講義があった。中国でも発病率が上がってきており、よく見られる症状して「月経が遅れる・稀発月経(数ヶ月に1回)・無排卵・無月経・不正出血」などがある。確実に診断されたら治療には半年以上かかるが、ホルモン治療でも根治は出来ないので中国の西洋医の先生も漢方医に紹介するそうだ。

夏先生の所には西洋医学でさじを投げられた人もたくさん受診されている。抗精子抗体陽性(免疫性不妊)の患者さんの「抗体を陰性にする事は出来るか?」との質問に、「出来ますよ!」との力強い言葉。これこそ先生の長年の経験に裏打ちされた自信からくる言葉だろう。ただただ目からウロコ!である。


談勇先生

3日目は夏先生の弟子でもある談勇先生と夏先生の最終講義。 談勇先生は北海道・旭川に6年間留学されており日本語もペラペラ。パソコンを駆使し、通訳なしで約2時間ご教授頂く。 「不妊症と心理的な素因」のお話がとても印象的だった。 「不妊症は夫婦二人の問題。二人で受診して欲しい。また、焦ったり 緊張や憂うつ感は禁物。それだけでも不妊の原因になります」と。先生は中西結合治療(中医学と西洋医学の融合)をされており、妊娠しやすい体を作るのは漢方薬、スピードを求める人にはホルモン剤や人工授精・体外受精を併用するように勧めているとのこと。

 

その後、夏先生より高プロラクチン血症の治療法と「安胎法」(流産防止)のお話を頂く。高プロラクチン血症は精神状態と深い関係がある。ストレスをためイライラしやすい人、 忙しい人などによく見られる症状だ(胸が脹る、乳汁が出るなど)。 服薬と同時に情緒の安定を心がけるように…。不妊にとって“ストレスは大敵!”である。また、不妊症の人は黄体機能不全の人が多い。妊娠しても流産する危険性も高いと言う事。 妊娠後も3・5・7律に基づき50日、70日、90日(3×30)と流産しやすい時期(三関)があるそうだ。安定した妊娠を継続させる為には「“腎”と血液を補い、情緒を安定させる事・胃腸の機能を高めるように」と教えて頂いた。


南京研修旅行団と南京中医学大学の先生


周期療法,

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