卵巣機能不全、卵管閉塞と診断され体外受精を8回行いましたが妊娠には至らず、まずは身体づくりをしようと漢方薬を服用。その後10か月目にして待望の妊娠、経過は順調です。
体外受精8回。一つでも良い卵が採れるようになりたい
Kさん30歳。結婚2年目のときからタイミング法で5カ月トライしていましたが妊娠の兆候がなく、病院で検査を受けた結果卵巣機能不全、卵管閉塞と診断され、妊娠するには体外受精しか方法はないと告げられました。そして体外受精を8回行い、うち1回は妊娠したものの5週目で流産。その後排卵誘発剤を使っても採卵できない状態が続き「ひとつでも良い卵子が採れるように体質を改善したい!」と来店されました。
Kさんは冷え症で疲れやすく下肢がむくみやすい体質で、かつて無理なダイエットしていたことがありました。月経周期は23~25日、月経が2日で終わり経血量が少ないことが気になる点でした。さらに卵巣機能予備能の指標とされるAMH(抗ミュラー管ホルモン)値が0.3、46歳以上で1.0ですからほぼ閉経に近い値です。
Kさんの体質を中医学的にみると
身体が冷え疲れやすいそして月経血が少ないということから、活動エネルギーの「気」と全身を巡り栄養と熱を届ける「血」の不足つまり「気血両虚」(きけつりょうきょ)であり下肢のむくみや卵管閉塞は気血の流れが停滞している状態であり、このことを「瘀血」(おけつ)と言います。そして卵巣機能不全ということから、五臓六腑の中で生殖を司る「腎」の力が低下している「腎虚」と考えられます。また若いころの無理なダイエットが気血両虚、お血、腎虚をさらに進めてしまったかもしれません。
クリニックでの不妊治療でほぼ毎周期ごと採卵のため排卵誘発剤のクロミッドを使っていましたが、クロミッドは子宮内膜を薄くする作用があるため、Kさんのように月経の出血期間が短く量が少ないのはクロミッドの影響だと思われます。
Traditional and Modern Medicine / spotreporting
妊娠しやすい身体に整えていくために
気血を補いその流れを良くする婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)と冠元顆粒(かんげんかりゅう)、腎の力を養う杞菊顆粒(こぎくかりゅう)と海精宝(かいせいほう)をお勧めしました。服用し始めて2カ月過ぎた頃、それまで採卵しても空胞だったのが3個採卵できそのうち1個が胚盤胞まで育ちました。当初生理3日目のエストロゲン値0がこの頃には20まで上がってきました。その翌々周期には胚盤胞を2個凍結保存することができました。しかし子宮内膜が4mmと移植できる厚さには至らず、採卵しても受精までいかなくなり足踏み状態。しかし以前より月経量が増えたことを実感していました。
10ヶ月間の体質改善で見事妊娠!
服用し始めて9ヶ月、生理3日目のエストロゲン値が40に上昇、クロミッドを使わずに1個採卵できました。さらに内膜が8.5mmになりようやく胚盤胞の移植へと大きく前進しました。
移植後妊娠の陽性反応を確認、その頃少量の出血と下腹部痛がありましたがなんとか無事に9週目に入り今はとても安定しています。これから出産という大仕事と、産後の授乳をはじめ育児という長丁場にむけて再び漢方薬でパワーを蓄えて赤ちゃんとともに元気に過ごして頂きたいと思います。