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生理のお話

月経から判断できる体質チェック(2)

「月経」は女性特有のものです。通常、月に一回生理があるので「月経」と呼ばれています。この月経の状態を細かく分析することによって、子宮内膜や卵子の状態、ひいては体質までを判断することができるのです。
前回ご紹介した通り、月経の状態を中医学的には

1.「期」(月経周期と出血期間)
2.「量」(出血量)
3.「色」(月経血の色)
4.「質」(血塊がある、サラサラorネバネバ)

の4つのポイントから分析していきます。
今回は残り3つのポイント“量・色・質”についてご説明します。
それぞれの中医学用語と症状は、「月経から判断できる体質チェック(1)」を参照してください。

 

「量」


「量」とは月経中に排泄される血液の量のことで、ある程度の排泄量は決まっていますが個人差があります。周期によっても、少ない・多いなど周期によってばらつきはありますが、過去に比べて明らかに量の増減がある場合は病的な可能性が高いですので、一度検査を受けてみるのもよいかもしれませんね。

「量」は「期(出血期間)」と併せて分析する必要があります。出血期間のうち、2日目が一番多いのが正常なパターンです。「初日が特に多い」「終わり頃に量が増える」場合はいずれも異常ととらえます。

 

<量が多い人>


量が多い場合は一般的に“血”の病症があり、月経先期と似たようなものと考えます。 主な原因は「血熱(けつねつ)」と「血瘀(けつお)」に分けられます。「血熱」の場合は鮮血色、「血瘀」の場合はどす黒い血色になります。

一般的に子宮筋腫や子宮内膜症の方は経血量が多くなりますが、これらは中医学的にいうと“血”に原因があり、「血熱」や「血瘀」があると考えて良いでしょう。

血熱:中医学でいう七情(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)の高ぶりや甘いもの・辛いものなどの取り過ぎなどは、体内に余分な熱を溜めやすくなります。その熱が血液に停滞している状態のことを血熱といいます。

経血の量が多い・色が鮮血以外にも、のぼせや鼻血、便秘などの症状も伴います。このような状態に漢方薬では、イスクラ清営顆粒など血熱を冷ます方向性の漢方薬が使われます。

血瘀:冷えやストレス、運動不足などにより血流が悪くなった状態。

肩こりや頭痛、末端冷え症、子宮筋腫などのしこりや子宮内膜症、生理痛、経血に塊が混ざるなどの症状が現れます。漢方薬では、イスクラ冠元顆粒や爽月宝など血の巡りの改善が期待できるものが良いでしょう。

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<量が少ない人>


量が少ない場合は月経後期と深い関わりがあります。 主な原因は「血虚」ですが、「気滞血瘀」、「血寒」も大きな要因です。原因によって漢方薬の種類も変わってきますので、見極めは大切です。

血虚:良質な血液の不足、または原料の不足は月経血の量が少ないだけではなく、冷えや二枚爪、貧血、髪や皮膚のパサツキ、集中力低下なども引き起こします。

漢方薬では、補血作用のあるイスクラ婦宝当帰膠などがおすすめです。

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気滞血瘀:気血の巡りが悪くなった状態。ストレス、や七情の乱れなどにより気の巡りが滞ると、血液をうまく流せず血行不良の原因になります。

イライラしやすい、怒りっぽい、生理前に胸が張る、お腹が張る、ガスが溜まりやすい、肩こりなどの症状も出ます。漢方薬ではイスクラ冠元顆粒やイスクラ開気丸、イスクラ逍遙顆粒など気血の巡りを良くする漢方薬がおすすめです。

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血寒:冷房や冷たいものの取り過ぎ、血行不良などにより冷えが血液に入った状態。

月経血の量が少ない以外にも冷え、寒気、冷えるとお腹が痛くなる、しもやけ、生理痛、基礎体温が低いなどの症状がでます。漢方薬では、温経湯、イスクラ婦宝当帰膠など温めるタイプのものを服用すると良いでしょう。

 

「色」


「色」とは排出された経血の色の事を指します。病症的には「色が深い」「色が淡い」の2つに分けられます。色の状態は次の表の通りです。(月経量が多い2~3日目の血色を判断基準とします。)

❒どす黒い⇒血寒・血瘀
寒さやストレスなどにより血の巡りが悪くなった状態

❒赤紫(暗紅)⇒気滞血瘀
気・血の巡りが悪くなった状態

❒真っ赤⇒血熱内盛
体の中に熱がこもった状態

❒薄ピンク色⇒茶褐色:気虚・脾虚
胃腸虚弱・気血が不足している状態
この中で、一般的に血色が「どす黒い」場合は「冷え・血行不良」によることが多く、「真っ赤」な場合は、体の中に「熱」があると考えます。

経血の色は黒くても淡くても、鮮やかな赤でも正常ではありません。目に見える体のサインです。普段から注意してみてみましょう。

血寒血瘀:冷房や寒い環境に長時間いたり、冷たい物の摂り過ぎなどにより、体が冷え、血管が収縮し血行が悪くなった状態のこと。

月経血の色以外にも、月経量が少ない、経血が黒っぽい、粘稠性がある、基礎体温が低いなどの症状が出やすくなります。

漢方薬では:慢性的に冷えていている場合は参茸補血丸や芎帰調血飲第一加減などがおすすめです。

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気滞血瘀:気血の巡りが悪くなった状態。ストレス、や七情の乱れなどにより気の巡りが滞おると、血液をうまく流せず血行不良の原因になります。イライラしやすい、怒りっぽい、生理前に胸が張る、お腹が張る、ガスが溜まりやすい、肩こりなどの症状も出ます。漢方薬では:気・血の巡りの改善を図るために、イスクラ冠元顆粒やイスクラ開気丸、イスクラ逍遙顆粒などがあります。

血熱内盛:辛い物、甘いものなどの取り過ぎや感情の乱れなどで、熱が溜まった状態。のぼせ、鼻血、不正出血などの出血、口が渇くなどの症状も出やすくなります。このように溜まった熱を取るためにイスクラ清営顆粒などの漢方薬を使います

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脾気虚(ひききょ):体に必要なエネルギー(気)が不足している状態。

中医学では脾からエネルギーが作られると考えています。脾が弱っていると、胃腸が弱い、疲れやすい、もたれやすい、風邪をひきやすいなどの症状も出てきます。

漢方薬では、気を補うタイプのものを使います。イスクラ麦味散顆粒、イスクラ健胃顆粒、イスクラ健脾散などがおすすめです。

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「質」


「質」とは排出された血液の質の事を指します。病症的には「ネバネバしている・塊がある」など粘稠性タイプと、「水のように薄い」サラサラもタイプの2つに分けられます。

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気滞・瘀血・痰湿のように体の巡りが悪く溜まりやすい粘調性タイプと、気虚・血虚など身体に必要とするものが不足しているサラサラタイプに分かれています。

気滞血瘀:気・血の巡りが悪くなった状態。ストレスや七情の乱れなどにより気の巡りが滞ると、血液をうまく流せず血行不良の原因になります。

月経質の異常以外にも、イライラしやすい、怒りっぽい、生理前に胸が張る、お腹が張る、ガスが溜まりやすい、肩こりなどの症状も出ます。漢方薬では:気・血の巡りの改善を図るものにイスクラ冠元顆粒やイスクラ開気丸、イスクラ逍遙顆粒などがあります。

痰湿:体の中に余分な湿気が溜まった状態。脾気虚の場合もこのタイプに入ることがあります。「脾は生痰の源」といって脾の機能が不足していると痰を生み出しやすくなります。

さらにしばらく体内に溜まって熱を伴うこともあります。月経血の質以外にもむくみやすい、だるい、おりものが多い、おりものや汗が臭うなどの症状がでてきます。漢方薬ではイスクラ健脾散、シベリア霊芝、イスクラ瀉火利湿顆粒などで余分な湿気や熱を取ります。

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気血両虚:気の不足と血の不足の両方が同時に現れている状態。

気虚の疲れやすい、風邪をひきやすい、汗が出やすいなどの症状と、血虚のめまい、動悸、不眠、貧血、月経血の量が少ないなどの症状が現れます。漢方薬ではイスクラ心脾顆粒、十全大補湯など気血両方を補うものが使われます。

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2回にわたり月経の状態をご説明しましたが、チェックしてみてあなたはどうでしたか? 「生理痛は誰でもある」と思われている方も多いのではないでしょうか?

答えは「NO!」です。

生理痛が酷い人は、経血の中に血塊があったり血の色がどす黒かったりする事が多いです。

また、チェック項目中に何か引っかかることがあれば、いずれも不妊症の原因になり得ます。現在「赤ちゃんが欲しい!」と思われている方はもちろん、将来出産を考えている方は、 ぜひ一度お近くのパンダマークの薬局でご相談ください。睡眠や食事などの養生も含めアドバイスさせていただいています。

ただし、「原因」「体質」などによって、漢方薬の種類は変わることは少なくありません。自己判断でお薬を選ぶより、漢方薬局でご相談のうえ服用ください。

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