卵管障害とは?

卵管は子宮から左右それぞれの卵巣をつなぐ約10cmの管で、細いところは1cmほどしかありませんが、ここは精子と卵子が出会う大切な場所です。『卵管障害』とは、不妊の原因の約30%と言われ、卵管が『詰まりやすい(閉塞)』・卵管の周囲が『癒着している』ことにより受精できない、受精したとしても卵管で着床してしまう「子宮外妊娠」の可能性が高い状態です。
症状は?
・月経期や排卵期のお腹の脹痛
・帯下(おりもの)の量が多い、または、黄色い
・月経不順
・経間期(月経と月経の間)出血
・経血に塊がある
などがあります。また、自覚症状がないこともあり、卵管造影検査や通気通水検査で造影剤・炭酸ガス・水を流し込んだことで通りがよくなり、軽症の場合は妊娠される方もいます。
西洋医学的要因
○クラミジアなどの性感染症(STD)や、過労・流産などによる大腸菌・ブドウ球菌・連鎖球菌などの感染症
→→→卵管炎(炎症による分泌物で卵管が狭くなり通過障害)
○子宮内膜症や骨盤内手術
→→→腹膜・卵管采・卵巣周囲の癒着
○先天的に卵管が細い卵管形態異常 など
中医学的要因
卵管の詰まりやすさは、
○細菌感染などからの『湿熱(しつねつ)』
○ストレスなどによる『気滞血瘀(きたいけつお)』
などにより、胞脈(子宮に分布する脈絡)の気血の運行が阻まれることによると考えられています。
卵管閉塞…漢方薬では?
○理気活血薬・・・血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)や冠元顆粒(かんげんかりゅう)
○清熱利湿薬・・・瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)
などを使用する場合があります。
また、症状に応じて
○冷え、疲れ・・・補中益気丸(ほちゅうえっきがん)
○月経痛・・・爽月宝(そうげつほう)
○脹痛・・・芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
などを組み合わせることもあります。とりあげた漢方薬は一例ですので、実際に服用される場合はお近くの漢方薬局にてご相談下さい。
【まとめ】
卵管は2本あり、どちらか1本でも通っていれば自然妊娠の可能性はあります。より妊娠しやすい状態としては2本とも通っていることが理想です。もし、卵管障害が重症の場合は手術(卵管形成術など)や体外受精が必要になることもあります。
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