習慣性流産とは
今回の不妊症のテーマは「習慣性流産」です。流産とは主に妊娠22週以内に妊娠を維持できなくなることで、それが3回以上になると習慣性流産とされます。原因としては、
・子宮に器質的な疾患がある
・ホルモン分泌に異常がある
・感染症がある
・免疫異常がある
・染色体異常があるなど、
1つではなく色々な要因があり、未だに解明されていない部分も数多くあります。
西洋医学では自然流産回数が増加するにつれ、その後の妊娠の流産率が増える傾向にあるので、そのような妊婦さんは流産となる原因がその度ごとに増えてしまうと考えることが多いようです。
習慣性流産を中医学的に考えると
漢方では元気な赤ちゃんが育つにはどうしたらよいか?ということを考えます。漢方では胎児を維持することを「安胎」 (あんたい) といいます。五臓でいえば主に「腎」が深く関わってきます。例えば黄体機能不全の方の多くはホルモン分泌が少なく、漢方では「腎虚」と捉えることができます。卵を作る過程においてなかなか質の良い卵を作る事ができないのです。よって良い受精卵もできにくい→着床しにくい→妊娠を維持しにくいと言うことに繋がります。また、妊娠や出産などが直接「腎」と深く関わりますので「腎虚」ではやはり妊娠を維持しにくいと言えます。
次に「血」 ( けつ) も妊娠維持に関わってきます。血は解剖学的な「血液」とは多少異なり、もっと広い範囲の意味を持っています。身体の潤いや栄養である「血」は妊娠において「養胎」 ( ようたい) として働きます。胎児を養うという意味です。元気な赤ちゃんが育つにはなんといっても栄養が必要ですし、この栄養は卵を作る時の栄養でもありますので「血」は非常に大事なのです。
「気」 ( き) もまた妊娠には欠かせないものとなっています。「気」はエネルギーのことと考えて頂いて構いません。「気」には「固摂」 ( こせつ) といって「気」や「血」、そして胎児が身体の外に出ないように保つ働きがあります。そのため、この固摂作用が弱い方(気虚)はやはり妊娠を維持することは難しいと考えます。
体質改善がベスト!
いかがですか?妊娠を維持するには様々な要素が関係していることがおわかりいただけましたか?先程の通り腎虚、血虚、気虚がある方は妊娠を維持しにくいことが最初から予想できますので、元気な赤ちゃんが生まれ易いお身体に整えていくことが必要です。是非お気軽にご相談くださいね。
習慣性流産,