「escala cafe (エスカーラ・カフェ)」に取材していただきました!
イラストレーター:アオノミサコさんの漢方体験の
お手伝いをさせていただきました。
2回シリーズの前半は漢方相談について…
イスクラ薬局(東京)
2012/04/08
啓蟄を過ぎ、だんだんと春らしくなってきました。
さて、今月のテーマは「不眠症」。
不眠大国といわれるほど、
日本は世界の国々の中でも睡眠障害で悩む人が多い国と言われています。
実に、日本人の5人にひとりが抱えている睡眠の悩み。
睡眠障害の主な理由のひとつにストレスがあります。
世界の中でも、日本はストレスフルな国のひとつ。
特に昨年の震災の影響や相次ぐ企業の倒産、就職難、失業、少子高齢化など将来への不安から様々なストレスが生まれます。
このような状況の中、14 人にひとりが西洋薬の睡眠導入剤や安定剤、睡眠改善薬などを服用しているとの報告もあります。
春は肝が乱れて不眠になりやすい季節
芽生えの季節である春は、体の陽気が高まって心身が活発に活動する季節です。
また寒い冬からようやく訪れる春は、陰から陽への転換期でもあります。
中医学の五臓の中で、春は自律神経の働きを調節する“ 肝”と関係しています。
肝のコントロールがうまくいかず体の陽気が一気に高まると、肝の働きも高まって精神が興奮状態になりやすく、イライラしたり脳がいつも覚醒した状態になります。
本来、自然界の変化にあわせて、
人間の体も徐々に陰から陽へ対応していかなくてはなりません。
また、心身の活動が高まる昼は“ 陽(気)”が、
活動を沈め睡眠で体を休める夜は“ 陰(血・水)”が充実するべき時間なのですが、肝のコントロールが乱れやすい春は、この陰陽のバランスが崩れ、寝つきがよくない、夜中に目が覚めて眠れないなどの睡眠トラブルに陥りやすくなります。
不眠に使う薬、西洋薬と漢方薬 どう違うの??
意外に多くの人が利用している睡眠薬。
現在、西洋医学で不眠に用いられている薬には、
①脳のはたらきを直接抑えて眠気を引き出す睡眠導入剤
②人の体内時計を調節し自然な眠りを誘うメラトニンを使った薬
③市販の風邪薬やアレルギー薬に含まれる抗ヒスタミン作用の成分の催眠作用を利用した睡眠改善薬などがあります。
一方、漢方で睡眠の改善に用いるお薬には、
心の不安を和らげながらイライラや焦燥感を緩和する重鎮安神薬をはじめ、眠りのリズムを整えるものなど、体質によって選ぶ漢方薬も様々です。
睡眠導入剤のデメリットである依存性や
反跳性不眠(急に服用を止めることで起こる以前よりも強い眠気)、
睡眠薬の効果が翌朝や日中まで残ることで起こる眠気やだるさ、ふらつき、記憶障害などを心配する必要は殆どありません。
現代人の不眠に 珉好(ミンハオ) 登場!!
ストレス社会の中で頭脳労働する現代人。
心身疲れ果てているに、脳はいつまでもフル回転で横になっても眠れない。
気疲れやよく緊張する方、神経を使う仕事の方、
イライラしやすい、頭に血が上ったように上部が熱くなりやすい方、
受験生などにもオススメなのが“ 珉好”。
重鎮安神の作用がある琥珀(古代の松や楓などの樹脂が長時間地層の中に埋没し化石化したもの)や珍珠母(真珠の母貝の真珠層の部分)などを成分とし、高ぶった神経を抑える鎮静・精神安定のある健康食品です。
さらに、体質や体調によって、気の巡りを整える疎肝理気の漢方薬や心身の疲弊を養う漢方薬、不安感やソワソワした感じ、驚き易いタイプには体の熱や痰などをとる漢方薬などと組み合わせることで質の良い睡眠を得られることが期待できます。
不眠でお困りの方、一度漢方薬で体質部分から改善してみませんか?
2012/03/21
蟻のパワーで花粉症の辛い症状を撃退!
食用蟻の健康食品“ イーパオ(益宝)”には、免疫調整のはたらきがあると言われています。
免疫力が低下している場合は増強し、逆に免疫が過剰の場合には抑制するすぐれもの。
免疫過剰が原因で発症する花粉症をはじめとしたアレルギー症状にも実際に効果を実感して頂いています!!
●症例 花粉症歴2 0 年 52 歳男性の妻より
日々の健康管理と疲労対策に2 月初めより主人にイーパオを勧めてみました。
花粉症にも良いとの報告もありましたが、本人には伝えず。
ストレス対策の漢方薬と合わせて服用してもらい、
1、2週間した頃・・・
気がつくと毎朝必ず出る大きなくしゃみが出ていないことに気付きびっくり!!!
もしやイーパオ!?それ以降、花粉症の症状中心に観察してみると、
くしゃみ・鼻水が全く出ていません。ぴーす! !
2012/03/14
Q1包先生のご経歴を教えてください。
A 1 1 9 7 6 年中国の内モンゴル医科大学を卒業しました。その後、1 9 9 1 年に来日し、東京医科歯科大学メンタルヘルス科で研修後、98 年同大学大学院医学博士課程修了。同年より日本中薬学研究会専任講師として現在も活動しています。登録販売員の資格も持っております。
Q2来日した目的は?
A 2 日本がどういう国か知りたかったからです。
(日本好きのお母様の影響もあるようです)
Q3先生のご専門は?
A 3 中国では精神科、不妊、婦人科の症状を主に診ていました。
日本の薬局でも不妊や婦人科トラブルで悩む女性のメンタル面のケアもしています。
Q4ご出身は中国のどちらですか?
A4 内モンゴル自治区です。中国の北部、国境を挟んですぐ北はロシアです。
草原地帯ではパオ(移動式の住居)での生活でした。
私がモンゴルにいた頃、買い物や映画を見に行くには馬で!
だから乗馬はとっても得意ですよ!!
モンゴルの人の顔立ちは、寅さん(映画“ 男はつらいよ”の)に似ていると、日本に来てから思いました。
Q5日本の好きなところは?好きな芸能人とかいますか?
A5好きなところはいっぱいあります。綺麗で、何でもやりやすい、夢があれば実現できる、頑張れば成る国、ルールがしっかり決まっている、サービスは世界一・・・
逆に、目標ないことが私は好きではありません。
日本で出来ないのは自分のせいと思って何事も頑張ることが大切だと思っています。
好きな芸能人は久本雅美さん。
面白いだけではなく、誰にでも優しく、気遣いが細やかで何しろ礼儀正しいところが好きです!(一度お会いしたことがあるそうです)
Q6体調のことで悩んでいる皆様にアドバイスをお願いします。
A 6 日本でも中国でも、ご自分の体調について詳しく話を来てくれる所がまだまだ少ないのが現状だと思います。
女性も男性も、メンタル面の相談はとても大切です。
不妊症や婦人科疾患で悩む女性の中には、誰にも打ち明けられずひとりで辛い思いをしている方も多いと思います。
薬局にいらっしゃるお客様のお悩みをお伺いして終わるのではなく、気持ちを理解してお客様との信頼関係をしっかりと築くことが大切だと思っています。
特に若い方には、誇りを持って頑張って欲しいですね。
また、何かお体のことでお悩みを抱えている方、漢方薬でフォローできることは沢山あるので、ぜひ薬局の場を利用して悩みを打ち明けてください。
いっぱいお話を聞いて、全力でフォローいたしますので。
最後に、不妊症でお悩みの方、妊娠できても、それが叶わなくても、一人の人間として不妊治療を頑張った自分を、常に褒めてあげてください。
これが私から皆様へのアドバイスです。
お忙しいスケジュールの合間でも、丁寧にひとつひとつの質問に答えてくださった包先生。
優しく、お母さんのような雰囲気と同時に、熱心で、常に努力を惜しまない先生のお人柄、本当に素敵です。
包先生に、あなたのお悩みを打ち明けてみませんか!!
2012/02/21
今年もそろそろ花粉症の季節が到来します。
全国的に今年の飛散量は昨年を下回るとの予測もありますが、やはり安心は禁物!!
今からでも遅くない、症状が出る前からの早めの対策を。
季節限定の花粉症? それとも通年性アレルギー?
花粉症は国民病とも言われるくらい、発症数の多い疾患です。
ある統計では日本人の約25% が花粉症といわれています。
さらに、最近では小さな子供の花粉症発症率も高くなっているようです。
大人でも嫌になるくらい辛い症状ですから、子供にとっては耐え難いものです。
花粉症は、季節性アレルギー性鼻炎の代表のひとつです。
原因(アレルゲン)となる花粉が飛散する時期だけ症状が現れます。
春にかけてのこの時期、スギやヒノキ、シラカバなどの植物の花粉が原因となって、
鼻の3大症状“ くしゃみ・鼻水・鼻づまり”だけでなく、目の痒みや充血、喉の痒み、全身の熱っぽさなどの症状が現れます。
一方、ダニやハウスダスト、ペットの毛など、季節を問わず一年中アレルゲンとなるものが原因で発症する通年性アレルギーもあり、症状は一年中現れます。
最近、様々な植物の花粉がアレルゲンとなる人や、花粉症と通年性アレルギーの両方で悩む人が増えています。
① 花粉が鼻や喉から侵入
② 体内のリンパ球が花粉を侵入者(異物)と認識
③ リンパ球は花粉を排除するためのIgE 抗体を産生
④ IgE 抗体は、目や鼻の粘膜にある肥満細胞の表面に結合
⑤ 再び花粉が体内に侵入すると、肥満細胞上のIgE 抗体と花粉がくっつき肥満細胞を刺激
⑥ 肥満細胞から、ヒスタミンなどの化学物質が分泌され、花粉を体外に出そうとする
⑦の反応として、花粉をくしゃみで体外に吹き飛ばす、鼻水・涙で洗い流す、鼻づまりでこれ以上中に入らないよう防御するといった花粉症の症状が出る
免疫漢方 衛益顆粒( えいえきかりゅう)
中医学では、体の免疫力(防御力)を“ 衛気(えき)”といいます。
衛気は、花粉をはじめとするアレルゲンから体を衛る、目には見えないバリア。
免疫力アップとともに、弱った皮膚や粘膜細胞を強化し活性化する働きもあります。
この衛気の力加減で、花粉症などのアレルギーや風邪などになりやすい人、なりにくい人に分かれるのです。本来衛気は、日常生活の中で自然に作られるもの。
つまり、生活の乱れ(睡眠不足、偏った食生活、ストレスや疲労の溜め込み、運動不足など)や、胃腸の働きの低下などが衛気不足(衛気虚)の引き金になるとも言えます。
衛気を養う代表的な漢方薬は、おなじみの衛益顆粒。
日常生活をもう一度振り返った上で、花粉症シーズンの少なくとも1か月前から服用して欲しい体質改善の漢方薬です。
さらに、シーズン中の辛い症状には、症状と体質に合わせた対処療法的な漢方薬を併用します。
ワンシーズンの中でも、体調によっては症状が変わることがありますので、その時々で薬局スタッフにご相談下さいね。
中医学的免疫システムの考え方
【扶正祛邪(ふせいきょじゃ)】
● 生命力・抵抗力=正気(衛気も含まれる)
● 病気をもたらすもの=邪気(花粉)
花粉症は
① 正気の不足
② 邪気が正気よりも強すぎるいずれの場合にも発症
①②どちらかを見極め、正気(免疫力)を高め、祛邪(邪気、花粉などのアレルゲン)を避けることがとても大切
2012/02/01