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季節の薬膳・養生法 の記事一覧

胃腸によし 喉によし 「蓮根」のお話

先週までのぐずぐずお天気が嘘のように週末から秋晴れが続いていますね。お天気がよいとさぁ何しよう??と前向きに物事を考えやすくなる単純な店長櫻井です。どうもこんにちは。お天気は良いのですが、空気の乾燥が一段と増してきましたね。さっそく喉の奥がひっつく感じがあり、板藍茶、板藍のど飴が欠かせません。
 

 
今日は「蓮根」のお話をしたいと思います。蓮根は根と書きますが、あれは根ではなく、蓮の地下茎で茎です。ちなみにジャガイモも茎なんです。
蓮根の旬は10月から3月ぐらいまでのまさに今。新蓮根は8~9月頃だそうです。蓮根は寒性なので、8~9月なら暑気払いにもよいですね。蓮根料理と言えば、私の中では『からし蓮根』が真っ先に思い出されます。あれを初めて食べた時の衝撃ったらなかったです。蓮根の穴にお肉を詰めたりするのは想像がついて、すんなり受け入れられましたが、まさか「からし」を詰めるとは考えもつきませんでした。しかもこれがおいしい。初めて食べたのは友人の熊本土産だったんですが、その発想力にびっくりしたのを覚えています。その味が忘れられなくて都内で散々探しましたが見つかりません。そこでずいぶんとたってから、たまたま会合で呼ばれたとある熊本料理屋さんで発見してやっと食べられると喜んで注文しました。すると熊本弁バリバリの女将さんが、「うちのはほんとに辛いよ。たくさん頼んで大丈夫?」とおっしゃるじゃありませんか。それでも「好きなんで大丈夫です!」と人数分だしてもらったんですが、これがほんっっとに食べられないぐらい辛いからしが使われていて、涙を流しながらがんばって食べた記憶があります。でも味はやっぱりおいしかったです。もし「からし蓮根」未体験でしたら、是非食べてみてくださいね。郷土料理ですので、和からし、白みそ、小麦粉があれば手間はかかりそうですがつくれそうです(たぶん)。
 


芥子蓮根 / ttanabe

蓮根を中医学で考えると

先ほども書きましたが、蓮根寒性です。味はで、脾胃(胃腸系)と、に主に影響します。生津止渇、清熱潤肺、涼血行瘀、健脾開胃、止瀉固精の力があり、肺にこもった熱をとったり、潤いを生んで乾燥をいやしたり、乾燥や「血」にこもった熱などによる肌トラブル、下痢や便秘、胃腸のトラブルに良いとされます。尚、「寒性」は、「涼性」よりも強く体の余分な熱を冷ましてくれる力があるので、発熱時や喉の乾燥、顔が赤い、喉が痛い、便秘などの時に多く食べると良いでしょう。皮にも有効成分がたっぷり含まれるので、この時期の喉の乾燥からくる痛みなどには、皮ごとすりおろしたしぼり汁を飲むのをお勧めします。蓮根はすぐ色が変わってしまいますが、その色をかえる成分の「タンニン」はポリフェノールの一種なので、抗酸化作用があります抗酸化物質には、血圧を下げたり、炎症を抑える力があるとされています。最近の研究ではアレルギー症状の緩和に良いそうで、花粉症対策にも一役買ってくれそうですね。
蓮根は寒性なので、もし生のままたくさん食べると冷えてしまいます。なのでこの時期には火を通して食べるか、熱性のものと一緒に食べる事をお勧めします。先ほどの「からし蓮根」は、蓮根の寒性がからしの熱の力で緩和されるので、まさに理にかなった食べ方と言えますね。ちょっと唐辛子を足したり、胡麻を足したりする「蓮根のきんぴら」も「からし蓮根」同じく胡麻や唐辛子の熱の力で寒性が緩和され寒い季節にも優しい食べ方ですね。
 


蓮根のきんぴら / [puamelia]


辛し蓮根 / Koji Horaguchi

蓮根は、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、胃もたれ、便秘改善に向いています。ほかにも高血圧予防によいとされるカリウムや、便秘改善に効果的な食物繊維も含まれていますので、胃腸の調子が悪い、乾燥からから、便通がいまいちよくないという方にもおすすめです。身体を冷やす性質があるので、生で食べるときは注意してくださいね。脾を通して温めて食べたり、胡麻やからし、唐辛子など温めるものと一緒に摂ればこの時期でもおすすめです。蓮根を選ぶときにはふっくらとして艶があり、変色のないもの、穴が小さくて肉厚のものが良いですよ。蓮根、ぜひお試しくださいね。
 

2013/10/28

美容と健康だけじゃなく、下痢や発熱時にも。今が旬の「リンゴ」のお話


061008_Yoyogi-koen park / yuko_photonote

今日10月21日の誕生果は「シナノスマイル」というリンゴだそうです。ちなみに実言葉は『少女の純潔』。そんな言葉にうっかりドキドキしてしまうおっさん店長櫻井です。こんにちは。
昨日、奥さんの叔母さん(義母の妹)のお誕生会をしようと、みんなでご飯を食べに行ったんですが、そこで出されたケーキを食べすぎて(義母が食べれないというので、二人分食べたんです)お腹を壊してしまい、帰りの電車内で大ピンチを迎えてしまいました。どうにか駅にたどりつき、お手洗いに駆け込んで事なきを得ました。それで家に帰ってテレビなんか見てると、なんだかお腹は空いてきたので、キッチンを物色してると、リンゴがあったので、早速たべることにしました。
そこでふと、小さいころ、熱があった時やお腹を壊した時に、母が、リンゴをすってくれたことを思い出しました。そのころから「リンゴはお腹に優しい。」「カゼの時、熱があるときに食べると良い。」と私の中に刻まれていましたが、そういえば根拠なんて考えたことなかったなっと思い、じゃあ明日のブログはリンゴの話を書こうっと考えていたわけです。
それで調べてみると、今日の誕生果はなんとリンゴじゃないですか!天のお導きを感じながら、ブログを書き始めた次第でした。


apples from Aomori / [puamelia]

リンゴとはバラ属バラ科ナシ亜科リンゴ属の果実のことです。日本の″業界″では一般的に「セイヨウリンゴ」と呼ばれているそうです。これに対して「和リンゴ」と呼ばれるものもあります。セイヨウリンゴは江戸時代に日本に入ってきたようですが、和リンゴはさらに前、平安時代ごろに中国からはいってきたものです。今では市場に出回っているほとんどのリンゴがセイヨウリンゴになりましたが、まだ日本にも少なからず和リンゴは残っているそうです。リンゴの原産地は、カザフスタン南部周辺だそうです。そこからシルクロードをへて日本に持ち込まれたようです。リンゴには沢山品種がありますが、日本だけでも100種類以上、世界的に見ると数千から1万以上の種類があるとされています。その中でも一番生産数の多い品種は日本の青森で作られた、みなさんご存知「ふじ」です。なんとも誇らしいですね。リンゴは9月から11月ごろに収穫される秋の果物で、ちょうど今が旬です。
人類がリンゴを食用としてきた歴史は古く、紀元前6000年前の遺跡から焦げたリンゴが見つかっているそうです。本草綱目にも「林檎」の記載ありますし、アダムとイヴが食べたのもリンゴです。そういえば、リンゴはほかの果実に比べ、いろんなところに登場してきますね。ニュートンが万有引力の法則を見つけたのもリンゴ。ウィリアムテルが息子の頭に載せて射抜いたのもリンゴ。アップル社のロゴもリンゴですね。


この林檎はたべられるのかなあ? / matsubokkuri

リンゴは、ポリフェノール、食物繊維、カリウム等を含む栄養価の高い果物です。ポリフェノールは、最近話題になってお茶にも良く入れられているカテキンよりも強い抗酸化作用が強い「エピカテキン」です。熱にも強いので、ジャムにしても壊れることは有りません。脂肪の蓄積を抑制し、活性酸素を抑制します。その他、がんの予防や美肌にも効果があるとされています。そして、水様性の食物繊維「ペクチン」は、水を含むとゼリーのようになって、腸内の老廃物やコレステロールを包み込んで排出させる解毒の力があり、乳酸菌の餌となって、腸内細菌バランスを整えます。便秘や下痢のときに良いというのはこのためですね。ペクチンは、実よりも皮に多いので、皮をむかずそのまま食べると良いですね。そのほかビタミンC、ミネラル、カリウムも豊富な、とっても栄養価の高い果物です。1日1個のリンゴは医者を遠ざける(An apple a day keeps the doctor away.)という諺にも納得です。


Importada Manzana Roja – 3.99 Soles / KG. / kawanet

中医学的に見てみると、まず性質は涼性で体内の余分な熱をさまします興奮を鎮め、潤いを生み、弱った胃腸の働きを整え、食欲を回復させたり、心の働きを調節して、不安や焦りを和らげたりする力もあるとされていて、かなり万能な果物です。高熱時の清熱、潤い補給、食欲不振、喉の乾き、寝汗などに良いですね。そんな時はすって食べるか、ジュースがよいかと思います。冷えからくる下痢には向いていません。冷えが気になる方は、焼き林檎にしたり、ジャムにしてシナモンを足すか、アップルパイなんていかがでしょうか。ジャムは切って煮たものに、はちみつを加えてドロドロになるまで煮詰めるだけ。出来上がったら細かく切ったペパーミントをいれるとさっぱりした風味と香りが広がります。食べるときにシナモンパウダーを振り掛けたり、煮詰める段階でちょこっと入れたりすれば、さらに涼性が緩和され、冷えが気になるこの時期にもおすすめです。アップルジンジャーってのもありますし、温性の生姜やシナモンと相性が良いのは自然のプレゼントという気がします。


焼きリンゴ / yutaka-f


手作り林檎ジャムトースト / norio_nomura

ということで、母は正しかったんですね。下痢や熱が出た時にはリンゴをすったものを食べてください。お子さんにもそういって教えてあげると、大きくなった時にきっと役に立ちますよ。せっかくの機会なので、たまには母に電話でもしてみようかと思います。
 
 

2013/10/21

冬に汗をかく運動は間違い??「中医学的冬の養生」のお話

こんにちは、櫻井です。今日は昨日の慌ただしさとは打って変わって静かな一日です。今日はゆっくりブログがかけます。
今日は、関東地方ではまだちょっと早いですが、北海道ではもう平野部でも初雪が観測されたようなので、「冬の養生」について書いてみたいと思います。
 

冬は『穏やかに、温めて、おとなしくが養生の基本

まずはとにかく冷やさないことが大切です。中医学の古典「素問・四季調心大論」には、「冬の三月を〝閉蔵″と言う。水は凍り、地は避ける・陽気をかき乱してはならない。早寝遅起き、必ず日が昇るのを待って起きる。志は伏せて、静かにしておく。私意のある如く、すでに得るが如き、寒をさりて温め、皮膚より洩らさず、気を奪われてはならない。これが冬に応じること、養蔵の道である。この気に逆らえば、腎を損ない。春に足がしびれる病となり、生を助ける気が少なくなる。」っとあります。わかりやすく言い換えると、「冬は早く寝てゆっくり起きる。気持ちも穏やかに保ち、心身ともにあまり活動的にならず、温かく過ごすことが大事だが、運動などで汗や気を漏らさないようにする」というふうになります。冬場こそ運動して体を温めたほうがよさそうですが、そうではないようです。温存が大事です。
秋には紅葉となり、冬に入る前に葉を落とす植物や、冬の間は冬眠する動物は、この法則をまもり生きています。春に花を咲かせ、元気に活動できるように、人も自然の一部としてその流れに従い、温かく、穏やかに過ごすことが大切です。
 

 

食べ物は、身体を温めるもの・潤いを養うものを

野菜や果物は生のままで食べると体を冷やしてしまうので、熱を加えたり、温める食べ物と一緒に摂りましょう。冬に冷えは大敵です。冷えは男性にももちろん見られますが、女性に多く見られます。特に下腹部付近は、運動量が少なく熱を発生しにくい場所なので、一度冷えるとなかなか温まりません。女性は男性に比べて下腹部の内臓が多く構造が複雑ですので、冷えて血液循環が悪くなりやすいです。冷えてしまうと、老廃物やガスがたまって内臓は異常な動きをしてしまいます。生理痛がひどくなることもあります。体のどこかが冷えている人は、食べるものや普段の服装などに注意が必要です。冷たいドリンクを飲みすぎていませんか?サラダやヨーグルトを毎日食べていませんか?冬場に丈の短いスカートを穿いていませんか?くるぶし・足首を出していませんか?家でも靴下はいてますか?冷え対策には日々の心がけがとっても大切です。
 

身体を温めるには、身体を温める力のある食材を中心に

羊肉、鹿肉、鶏肉、鮭、ドジョウ、エビ、サンマ、カボチャ、クルミ、栗、棗、桃、蓮の実、ギンナン、ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラ、ユリ根、紫蘇、生姜、山椒、胡椒、シナモン、トウガラシ、黒砂糖、イモ類、根菜類なども火を通してたっぷり食べると良いでしょう。
 

 

中医学で冬は「腎」の季節

腎は身体を温める臓器、いわば体のストーブです。寒い冬は腎が弱りやすい季節でもあります。腎にはその他、生長発育、生殖、水分の調節などの機能があります。そして、髪、骨、歯、耳、脳なども腎と深く関係があります。腎を守るためには、上記の食べ物に加えて、しっかり保温すること。腰周りを冷やさないことが大切です。腎が弱ると、腰痛や冷え、そして耳が遠くなり、骨が弱くなり、頻尿、記憶力の低下、ホルモンの低下による精力減退、下半身の脱力感、脱毛・白髪、肌の乾燥などなど様々な老化現象が起こりやすくなります。もちろん妊娠にも男女ともに悪影響があるのは言うまでもありません。
 
 
冬場に素足をさらしている人や、アイスクリームを食べている人、氷の入った飲み物を当たり前のように飲んでいる人を見かけると、とっても心配になってしまいます。若い人は意識は無いでしょうが、将来冷えや不妊で苦しみはしないだろうか、、などとほんと余計なお世話ですが、気になってしまいます。中国から来た先生は、日本のお年寄りが冬場に薄着にサンダル一つで屋外にでてゴミ捨てなどをしているのを見てびっくりされたようです。勿論日本の家屋が温かいので部屋では薄着をされている方も多いのでしょうが、日本ではたしかに「冷え」に対する心構えは老若男女問わず低い気がしますね。
これからますます寒くなってきますので、しっかり防寒し、温かいものを食べて、なるべく穏やかに過ごして厳しい寒さを乗り切ってくださいね。
 
 

2013/10/19

血を巡らせ温める「栗」のお話

私の出勤日は毎日書こうと勝手に決めていたこのブログでしたが、昨日は残念ながら台風の影響で出社が遅れ、休み中に溜まっていた業務やお客様の対応をしていたらブログを書く時間がなくなってしまい、1日穴が開いてしまいました。ま、過ぎたるは及ばざるがごとし、覆水盆に返らずっということで、今日からまた毎日書き続けたいと思います。

ということで今日は、何の話をしようかといろいろ考えて過去ブログなども見ていたところ、以外にも「栗」のお話が抜けていました。秋の名物、栗が抜けてるなんて自分でもびっくりです。しかも今日の誕生果は運よく(?)「栗」じゃありませんか。これは栗ブログを書かずにはいられないですね。今日の誕生果、まぁ栗が「果」って言われるのは何となく違和感ありますが、それはおいといて、今日の誕生果は栗は栗でも「とげなし栗」だそうです。棘がないだけにその実言葉(?)は「社交性」。おもわず納得です。
ところでいったい「とげなし栗」なんてそんなものがあるのだろうかとGoogle先生に聞いてみたわけです。すると、まぁびっくりするぐらい棘がない栗があるじゃありませんか。画像は残念ながら許可が必要なものしか見当たらなかったので、こちらの画像リンクをクリックしてください。びっくりしますよ。
みましたか?びっくりですね~~ こんな栗があるなんて世の中まだまだ知らないことがいっぱいです。
 

こっちは普通のとげとげ和栗です。


thorns are safe for flick motion / coniferconifer

 

中医学的に見ると「栗」は、

胃腸を元気にして気を増やす力があるとされています。さらに血の巡りを良くして身体を温めてくれる温性の食べ物です。栗や松の実、クルミなどのような堅い実は腎によい食べ物としても知られています。老化による腰痛や筋肉の弱りにも良いとされています。
栗はとてもバランスよく栄養素を含んでいますが、その中でもカリウムとビタミンB1を豊富に含んでいます。ビタミンB1は、主に炭水化物の代謝を助けエネルギーをを作り出す、「疲労回復ビタミン」です。豊富に含まれたカリウムは、ナトリウムの排泄を促進し、高血圧や動脈効果によい効果が期待できます。そのほか、妊婦の味方「葉酸」も含まれ造血作用もあります。その他、便秘によい食物繊維やお肌によいビタミンC、細胞の成長を促進し、老化予防によいビタミンB2、アミノ酸合成や代謝を助けるビタミンB6と、栗は栄養価の高い食べ物です。栗に含まれるビタミンCはでんぷん質にくるまれているため、加熱に強く、熱による損傷が少ないので、摂取しやすいです。その他、渋皮にはタンニンという強力な抗酸化作用を持つ成分が含まれているので、老化防止やがん予防などにもおすすめです。
栗を食べるにはやっぱりこの抗酸化物質がいっぱいの渋皮も一緒に食べたいですね。ちょっと手間がかかりますが、栗の渋皮煮なんてデザートに最高だと思います。リンク先にレシピがありますクリックしてください。


渋皮煮 / ma_shimaro


栗拾い / Yasuo Kida

栗は大きく分けて4種類あり、天津甘栗でも有名な小ぶりで甘みな「中国栗」、マロングラッセなんかに使われる「ヨーロッパ栗」、日本の「和栗」、そしてめったに見ることはないですが、「アメリカ栗」というものあるそうです。日本のものは原生の芝栗を食用に改良したものが一般的な「栗」だそうです。日本人の栗との関わり合いは古く、縄文時代から食用にされていた形跡が見つかっているどころか、当時の主食だったようです。栗は渋皮を剥く作業がめんどくさいので、昔に比べて「栗離れ」すすでしまっているそうですが、最近では天津甘栗のように渋皮が取れやすい和栗(「ぽろたん」というそうです)も開発されたようなので、一度試してみてくださいね。


sweet roasted chestnuts/Tenshin-amaguri/甘栗 / amo_designare


DSC00142.JPG / enasan_net


マロングラッセ / okano

 
 

2013/10/17

柿が赤くなれば医者が青くなる「柿」のお話。

今日は10月11日です。今日は「鯛の日」だそうですが、なんと「体育の日が今日だったから」という理由で今日になったようですが、体育の日は変わってしまったので、どうなるんでしょうね。ということで、鯛のお話は無しにして、今日の誕生果である『筆柿』から、『柿』のお話をしたいと思います。
ちなみに鯛(真鯛)は、性味が平性・微温で、甘。胃腸を整え、精を補い、乳汁の分泌を促進し、腎を強めます。貧血、インポテンツ、下痢、ダイエット、美肌、血液の汚れを浄化するのに良いと言われています。その他、脂質が少なく、EPA、DHA、アミノ酸のバランスがとても良い優れた食品です。


Oshogatsu -Japanese New Year 23d 2009.JPG / midorisyu


japanese persimmon / 柿 kaki / [puamelia]

秋の代名詞ともいえる「柿」は、弥生時代以降に中国から渡ってきました。奈良時代の遺跡からも発見され、鎌倉時代頃には、果実の収穫を目的に栽培され、今のものに近い「甘柿」が流通し始めたと言われています。甘柿は日本特有のもので、学名に「Kaki」と入っているほどです。英語では「Persimmon(パーシモン)」と言われていますが、これは厳密には、アメリカ東部原生の柿を言っており、食品として流通しているもののほとんどが日本の「柿」と同じ発音の「Kaki」だそうです。 柿の木は折れやすい木ともされていて、放っておくと自重で折れたりもします。確かに小さいころ近所の神社の境内にあった柿木の柿をとろうとして、枝に手をかけたら見た目には頑丈だったのにパキッと簡単におれて、落下して息が出来なくなったのを覚えています。そのあと石を投げたりしてとろうとしましたが、石があたった枝のかけらが降ってきて目に入って大変でした。


Persimmon (柿) / BONGURI

 

「柿が赤くなれば医者が青くなる」

『柿』を中医学で見てみると、性味は寒で、甘渋。心、肺、胃、大腸に入り、清熱潤肺止渇、解毒のちからがあり、咳、吐血、口渇、口内炎、酒毒、血便、熱性の感染性の下痢などに良いとされています。注意したいのは、陽虚体質で冷えが顕著な場合や、産後、便秘の方、血虚、胃腸が弱い場合は避けたほうが良いとされていますが、栄養学的に見ると、栄養豊富で身体は冷やさないとも言われています。柿の渋みは豊富に含まれるタンニンという成分せいで、下痢を緩和する働きがあるとされているので、逆に便秘には不向きです。熟した柿には、アルコールを分解する酵素が含まれており、二日酔い(酒毒)にもおすすめできます。加えてビタミンCも豊富、その他ビタミンK、ビタミンA(カロテン)、B1、B2、ミネラル(特にカリウム)、食物繊維なども豊富、とくれば確かにお医者さんも困ってしまいます。渋柿から作られる柿渋は昔から、防水加工するために船底に塗られたり、強度を上げるために漆の下地や漁網に使ったり、団扇、和傘などにも使われています。干し柿は渋柿から作られていますが、実は糖度そのものは甘柿より渋柿が高いため、甘柿で干し柿をつくっても渋柿のより甘くならないそうです。
柿の葉はビタミンC、KやB群やミネラル、フラボノイドなどを多く含み血管を強化する働きもあるため、昔から民間薬として、お茶にして飲まれてきました。またその高い殺菌効果と日持ちのよさから、押し寿司を柿の葉で包んだ、「柿の葉寿司」も有名ですね。
さらに、乾燥させた柿のへたは『柿蒂(してい)』と呼ばれる生薬で、柿蒂を主薬とした『柿蒂湯』は咳や嘔吐を止める漢方薬として使われているほか、しゃっくりの改善にも使われる、珍しいお薬です。


干し柿 / Go Imai

柿はビタミン、ミネラル、食物繊維が満点で、栄養価が高いですが、身体を冷やしてしまうので、冷え性や産後、胃腸が弱ってる場合は避けてくださいね。

2013/10/11

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売