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季節の薬膳・養生法 の記事一覧

カカオを中医学する/車田 光穂

バレンタインシーズンがやってまいりました。
今回は、バレンタインにちなんで、可可(ココア・カカオ)を中医学してみようと思います。以下、薬膳素材辞典からの抜粋です。

【科目】アオギリ科
【別名】ココア カカオ、可可(中国)Cocoa(英)
【原産地】南アメリカ、メキシコ
【日本の産地】特になし
【収穫時期】産地のより異なるが、乾期と雨期の年2回
【属する部分】果実から採れる種子
【性味/帰経】平、甘、苦/肺、心、大腸、胃
【働き】
1.補気益心 動悸、疲労、居眠りしやすい
2.利尿通淋 尿少、尿の出が悪い

■応用例
口内炎:ココアの粉末に蜂蜜を適量入れてよく練って糊状にし、患部に毎日塗る

【禁忌・使用上の注意】
肝陽上亢(ストレスで頭に血が登っているような状態)、胃腸虚弱、不眠の者、小児、妊婦は慎むこと
【栄養成分】
たんぱく質、脂肪、リン、カルシウム、食物繊維、フェニルチアミン、パントテン酸、テオブロミン(カフェインに似た成分)

その他、動脈硬化の予防、整腸作用、抗ストレス作用があると言われています。また、ココアに多く含まれるプリフェノールには強い抗酸化作用があり、ガンを抑制すると言われています。

ただし、砂糖たっぷりのチョコレートは話が違って参りますのでお気をつけください。その場合は、ただの湿を溜める食材となってしまいます。
もしチョコレートでカカオの摂取をされたければ、濃度70%以上のものをお選びください。今年はぜひ健康的なバレンタインデーをお過ごしくださいませ。

2022/02/14

屠蘇散(とそさん)の歴史 / 車田 光穂

明けましておめでとうございます。
本年も、皆さまにとって健やかなる一年となりますように。

お正月といえばお屠蘇です。元旦から正月三が日は神社でもお屠蘇を配っているところがいくつかありますよね。正月にお屠蘇を飲む習慣は、そもそも中国から伝わった文化です。

屠蘇とは「邪気を屠(ほふ)り、心身を蘇(よみがえ)らせる」ところから名付けられたそうです。
「悪鬼・疫病を治し、邪気・毒気を払うとされて、一人でこれを飲めば一家に疫なく、一家でこれを飲めば一里に疫なし、元旦にこれを飲めば一年間病気にかからない」と信じられてきました。

一般的な処方内容は、

・オケラの根(白朮/びゃくじゅつ)
・サンショウの実(蜀椒/しょくしょう)
・ボウフウの根(防風/ぼうふう)
・キキョウの根(桔梗/ききょう)
・ニッケイの樹皮(桂皮/けいひ)
・ミカンの皮(陳皮/ちんぴ)

など、身体を温めたり、胃腸の働きを助けたり、風邪の予防に効果的といわれる生薬を含んでいます。

もともと、薬のトリカブトの根(烏頭)や下剤のダイオウ(大黄)なども加えていたようですが、現在の処方には激しい作用の生薬は含まれていません。

相変わらずコロナが続いておりますが、この新しい年は皆さまが健康に過ごせますよう、スタッフ一同精一杯お手伝いさせていただきます。健康で元気な一年となりますように★

2022/01/01

クリスマスのリンゴ「平安果 ピンアングウオ」/鮎澤 婦佐江

紅玉・サンフジ・ジョナゴールドと旬を迎えるリンゴ。中国では、美味しく香りも良く、姿も美しいことから「水果之冠 果物の王様」と呼ばれています。

リンゴの主な効能は、

・身体を潤す

・胃腸や肺の働きを整える

・便秘や下痢の改善

・咳の緩和

・成人病(肥満、高血圧など)の予防

などがあげられます。

風邪の症状が治まりかけるとつい油断しがち‼
この時期は、咳も長引くことが多く、再度症状のぶり返しや悪化してしまう事も。

養生の基本は、「気 エネルギー」や「潤い」を養うこと (^_-)-☆
ダメージで弱った身体を回復し、乾燥しがちな「肺」を潤す。

●ダメージで体力消耗⇒「気」や「潤い」を養う

・倦怠感が残る

・体重減少

・無力感

・息切れ

・顔色に艶がない

・汗が出やすい・・・

【食の養生】

・大豆製品・キャベツ・カボチャ・山芋・卵・鶏肉・はちみつ・白きくらげ

潤いの多い食材

・ゆり根・大根・みかん・梨・杏仁・銀杏

●邪気が残っている時⇒弱った肺や脾胃(消化器系)を整える

・微熱

・長引く咳、空咳

・痰がからむ

・胸のつまり感、息切れ

・食欲不振

・軟便、便秘気味

・口が乾きやすい・・

【食の養生】

・ゆり根・白菜・大根・梨・レンコン・シソ・ミカンの皮

十分な睡眠は、不可欠です。

 

2021/12/25

冬至に運盛りを!/ 車田 光穂

こんにちは。車田です。

「冬至の七草」というのをご存知でしょうか?きっとご存じの方も多いと思いますが、内容は…
・南京(な=かぼちゃ)
・蓮根(れ
・人参(に
・銀杏(ぎ
・金柑(き
・寒天(か
・饂飩(う=うどん)

ご覧の通り、「ん」のつくものを食べるのです。この、「ん」は発音すると「運(ぅん)」に聞こえる(…?)ため、食べて運を呼び込もうとしたのだそうです。

ではなぜ、冬至にそれを食べるのでしょうか…。

冬至は、一年で最も昼の時間が短くなります。つまり陰が極まったタイミング。つまり、これからどんどん陽が強まっていく、「上がるしかない」タイミングなのです。これを「一陽来復(いちようらいふく=陰極まって一陽が生ずる)」と言い、悪いことが続いたあと幸運に向かうことを表します。

このことから「ん」がつく食べ物を食べる理由には、先程の発音以外に、「いろはにほへと…」の最後が「ん」なので、また初めに戻る=一陽来復に通じるという謂れもあるそうです。

この自然界において、同じ状態が続くということは物理的に難しく、変化するのは当たり前のことではありますが、少しでも幸先良いスタートとなるように、この上がり始めるときに験を担ごうというわけですね。(ちなみに、今年の冬至は12/22です。)

もともとかぼちゃは夏の野菜ですが、保存がきくため、江戸時代には、冬に食料が不足したときに重宝したそうです。栄養価も高く、優秀な野菜ですね。うどんやほうとうなどと一緒に煮込んで食べれば、寒さで縮こまった体をほぐし、活力を与えてくれることでしょう。お鍋にも◎

「ん」がつけば良いのかと、プッチンプリンとか、ポテチのコンソメパンチ味とかそういうのはお控えくださいね♥

2021/12/18

~逍遥~つれづれ中医学④ 羚羊角/鮎澤 婦佐江

ウシ科 サイガカモシカの角
羚羊角(れいようかく)

国内新型コロナウイルス感染者の減少のニュースに安心しつつも、第6波やブレイクスルー感染情報にパンデミックブルーな気分になります。

人は、戸惑いながら新しい環境に適応し生活をしています。

近年の地球環境保護活動の高まりに伴い、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引)により「羚羊角」は輸出入規制がなされました。

漢方方剤のひとつ「銀翹散 ぎんぎょうさん」は、中国清朝時代にも記述があり、抗炎症作用、抗ウイルス作用があります。

そのため、風邪による喉の痛みや頭痛に効果を表します。
その銀翹散には、「羚羊角 れいようかく」が含まれ、熱をとり、痙攣を抑える効果があります。

歴史ある漢方方剤ですが、サイガカモシカに感謝し、去羚羊角銀翹散も時代に適応した使い方をされていくことでしょう。

急な「のど」の痛み・腫れ

→風熱(ふうねつ)の邪気によって引き起こされます。

中医学では、カゼの症状を引き起こす「風(ふう)」の邪気は、「熱(ねつ)」「寒(かん)」「燥(そう)」などの邪気と一緒に侵入すると考えます。

【気になる症状】

・のどの痛み、赤み、腫れ
・黄色く粘りのある濃い痰や鼻水
・声のかすれ
・発熱
・悪寒
・頭痛
・舌が紅く、苔が黄色い・・・

【食の養生】

・板藍茶・菊花茶・緑茶・梨・キュウリ・大根・ミント・羅漢果

・銀翹散も使います。

こうした症状は、カゼやインフルエンザの初期に多く新型感染症の初期症状と似ています。

不調を感じたら、“外出を控える”ことが大切です。

息苦しさ、高熱、強い倦怠感などの強い症状のある方は早めに保健所や医療機関にご相談ください。

2021/12/04

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売