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中医学 の記事一覧

甘い・辛い・苦い・酸っぱい・塩っぱい! 食物が持つ『五味』のお話。

大雪のち雨で、歩道が大きな水たまりになっていて、出勤するだけで靴下びちょびちょです。こんにちは、食養生、肌養生、子宝相談どんとこい!漢方のイスクラ薬局六本木店 櫻井です。ほんとに都内は酷い有様です。目の前の道路も水深10cmオーバーでございます。外出時は長靴必須です。お店は予想通り暇でございます。予約もキャンセルが相次いでおります。店舗経営はこんな暇な時こそ何をやるかにかかっていると言われますが、どうも相談しないとスィッチが入りません。それでもがんばって事務作業やPOPづくり、DM作成を頑張ります。

 

 
今日は、春一番の日だそうです。
気象庁の定義によると春一番とは、「立春から春分までの間で、日本海で低気圧が発達し、初めて南よりの強風が吹き、気温が上昇する現象」だそうです。まさに日本海の低気圧の発達で、台風並みの大雪、大雨に見舞われた春一番の日となりました。この春一番、もともとは壱岐や瀬戸内海の漁師言葉だったようですね。春一番が吹くともう春もそこまで来ています。と言っても大雪、さらに今週水曜日頃も雪の予報となっており、どうもまだまだ春は近くはないようです。しかし、春は確実にやってくるので、季節の変化による体調不良には注意しなくてはいけません。
 
このブログでも再三にわたって注意を促しておりますが、春は風の季節で、自律神経や情緒トラブルを起こしやすい季節です。ご相談も、イライラや、不安、抑うつなどのご相談が増える季節でもあります。「春になると変なひとが・・・」というのは昔から良く耳にしますが、これもまた春の風のせいでしょうか。春は春一番のような、外の風も吹きますが、体内でも風が起こります。これを内風と言います。これが自律神経や情緒トラブルの原因となります。「内風」が吹く理由は、こちらのブログをご参照ください→【春は風に注意】。風への対処法、養生法などなどいろいろ載せてありますので、是非ご覧になってください。
 
さらにその風は花粉も運んできて、体内に入り込もうとします。この結果が花粉症です。となると、外からくる風からも身を守らなくてはいけません。そのためには体表を護っているエネルギー、「衛気(えき)」を強化するのが大切です。中医学には、玉屏風散(ぎょくへいふうさん)という処方があります。「玉」とは、宝石のことで、高級なとか素晴らしいという意味、そして屏風は屏風。風を防ぐ衝立。玉でできた屏風で身体を護るという素敵な処方です。イスクラでは「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」という名前で商品化しております。味も甘くて飲みやすい処方です。

 

 
 

 味から見る中医学

漢方薬で、解毒や体から熱や湿などいらないものを排泄させる処方というのは、一般的に苦くて飲みづらく、身体を元気にする処方は甘くて飲みやすい傾向にあります。中医学で味は『五味』と言う、甘味、苦味、酸味、鹹味(塩辛い)、辛味の五つの味があり、それぞれに薬効があると考えています。
酸味には、正常な体液を体内にとどめる作用。出過ぎるものを止める作用。肝に導き、自律神経の働きを整え、ストレスを解消する作用。
甘味には、胃腸の働きを助け、力をつける作用。痛みや緊張を緩和させる作用。
辛味には、肺や呼吸器を強め、発汗を促進する作用、気や血を巡らせ、体の中にある寒けや熱、湿気を発散させる作用。
鹹味(塩からい味)には、硬いものを柔らかくする作用や通便作用があり、腎の働きをよくします。
苦味には、心や循環器を強化し、身体に溜まった余分な熱を冷まし、排泄作用や体内の余分な水分や老廃物を取り除く作用、神経を鎮静させる作用。
 

 

五味の根拠

この五味、様々な食物に対してその「味」が決められているのですが(豚は鹹味、山芋は甘味など)、その根拠というのには、3つあると言われています。
一つ目はその食物の自然属性、いわゆる食べた時に感じる味により定められるということ。例えば、棗は甘く、スモモは酸っぱい、ネギは辛いなどがそうです。
二つ目は、五行学説によって定められるもの、北京中医薬大学日本校の韓先生によると、それは例えば、「豚の色は黒く、五行の中では水に対応し、水が鹹味に対応し、ゆえに豚は鹹味に帰属する」というもの。牛なら、うちは黄色く(ホルスタインでなく、昔から中国にいる牛)、五行の中では土に対応し、土は甘味に対応するので、牛肉は甘味に帰属するというものです。
三つ目は、長期間の生活実践の中で、その食物の働きを経験することで定められたもの。食べると元気になるから甘味だとか、便通がよくなるから苦味だとかそういうことです。そして食を薬として考える食養生では、この五味がすべての基本となります。

 
 

五味は五臓を養います

五味は五臓に帰属しています。五臓とは肝、心、脾、肺、腎の五つの臓器のこと。どの味がどの臓器に入るというのは、飲食物の本性、味の特徴がそれぞれに対応する場所があるということです。『素問 宣明五気』には、酸味は肝に、辛味が肺に、苦味は心に、鹹味は腎に、甘味は脾にはいり、これを五入という と書かれています。中医学の 酸味は肝を補充し、苦味が心を補充、甘味が脾を補充し、辛味が肺を補充するというこれら味の五臓への帰属の理論は、食養生理論の要といえます。
 

五味は過ぎると五臓を傷つけます(損じる)

酸味のものを多食すると、肝気が大いに盛んになり、脾気は衰竭する。鹹味のものを多食すると、大骨は損なわれ、肌肉は委縮し、心気は抑鬱します。甘味のものを多食すると、心気は煩悶し、安定せず、顔は黒ずみ、腎気は平衡が取れなくなります。苦味のものを多食すると、脾気は潤沢ではなくなり、消化は悪く、胃部は膨張します。辛味のものを多食すると、筋脈は緩み、精神も同時に損なわれると、『素問』には書かれています。
 
春は肝の陽気が強まる季節です。肝を働きを強めようと、酸っぱいものを沢山食べると、肝の気が強くなりすぎ、脾(消化器系)を傷つけ、食欲を減退させます。そうなっては、これから来る夏場にも食欲低下などをおこし、夏バテになってしまいます。胃腸をまもるためにも、春は酸っぱいものを減らして甘いものを少し増やしましょう。春に肝の陽気を暴れさせないためには、冬場に陰を養っておく必要があります。『秋冬養陰』が大切です。言い換えてみれば、夏バテの養生は、冬に陰をしっかり補っておくことから始まっているのです。陰とは『潤い』のことです。陰を補う食材は、豚肉、カモ肉、鶏肉、すっぽん、ハマグリ、アワビ、豆乳、豆腐、レンコン、百合根、白きくらげ、レモン、緑茶など。まだまだ寒いので温めて食べてくださいね。

 

 
食べ物は、私たちの体を作り、心を元気にしてくれます。食物の五味に気を付け、穀物、肉類、果物、野菜をまんべんなく食べることで、健康を維持でき、長寿を全うできると、古代中国医学の知恵は教えてくれています。大雨、大雪、春の風、乾燥どんな時も、強い体と心を持っていれば、対応できます。偏食・過食をせず、五味に気をつけ、丈夫な体を作ることで、健康な毎日を過ごしましょう。
 
 
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2014/02/15

健康トラブルに要注意のチョコは、恋愛成就の鍵だった!?

こんにちは。櫻井です。今日は念願かなって雪!となりましたが、今度は無事に帰れるだろうか?という不安に駆られています。人生に悩みは尽きません。
 
今日はバレンタインデーですね。学生のころはチョコを何個もらえるか、はたししてもらえるのか、戦々恐々だった日だったのを思い出します。義理チョコなんて文化まで生み出してしまって、なんとまぁ、企業の販売促進力というはすごいものです。

元々は、恋人たちがメッセージを送り合う行事だったのですが、日本ではいつのまにやら「女性が意中の男性に告白する日」となっていますね。勿論、メッセージとチョコレートをくっつけたのは製菓会社の販促の結果です。とまぁ、そんなことをいうやつは無粋と言われてしまいます。こういうのは、わかっていても乗っかるほうが粋ってもんです。


Chocolate / peter pearson

 
社会人になったら、女性スタッフの皆様からおいしいチョコをいただける素敵なイベントになったので全然かまわないんですが。ちなみに私はのような口が貧相な輩は、高級チョコよりも、ビックリマンチョコがお似合いです。というかビックリマンチョコが大好きです。当時シールだけとって、チョコを捨てるちびっこがいるなんてニュースにもなっていましたが、私には考えられないことでした。でも、そんな私がはじめてロイズの生チョコとであった時のあの感動ったらなかったですね。世の中にこんなおいしいものが存在したのか!なんて思ったものです。やっぱり高級なものもおいしいです。(いや、ロイズはそんなに高級ではないのか・・)
とまぁ、私の話はさておき、せっかくなので、今日はチョコレートで中医学、そして心理学もしてみましょう。
 


Chocolate / Moyan_Brenn

 


Chocolate / oskay

中医学的チョコレート

中医学では、体内に余分な「熱」が存在すると、ニキビや吹き出物が出たり、肌が荒れたりすると考えています。この熱と同時に悪さをするのが、「湿」です。たとえば砂糖はほおっておくと湿気をすってドロドロになりますよね。あのように体内でもどろどろとした水分に変わってしまうのです。詳しく書くと、多すぎる糖分は胃腸機能を低下させ消化吸収能力を低下させ、ドロドロとした物体を生み出してしまうんです。それが「湿」です。この湿に脂肪分などによる「熱」が加わると、「湿熱」という、もっとやっかいなものに変化します。それらは、「痰」という病理産物へとさらに変化します。「痰」とは、喉につまる痰や、鼻水などのドロドロしたものも、もちろんそうですが、コレステロールや中性脂肪など血中のドロドロ成分も含まれます。
 
これらの「湿」や「熱」、そして「痰」が血の流れを悪くし、消化管にへばりついて、消化吸収能力を低下させ、肌トラブルから、肩こり、頭痛、生理痛から、高血圧、そしてむくみや下痢などありとあらゆる悪影響を作り出します。チョコレートは、胃腸が弱い人、むくみやすい人、肌トラブルを抱えている人、血流が悪い人にとって要注意な食べ物なんです。
 
さらに板チョコ1枚のカロリーは約400kcal、ごはん約1杯半ぶんぐらいのカロリーです。食べ過ぎはもちろん肥満の原因になりますね。砂糖がたくさん含まれているので、沢山食べると急激に血糖値を上げるので、血糖値を下げるために多量のインスリンを必要とします。これが続くと、体内のインスリン製造工場は疲弊してしまい、メタボや糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを増大させる結果となります。
 


Ethel’s Chocolate / lindseywb

チョコレートの良いところ

しかし!チョコレートにだっていいことはあります。原料に使われるカカオ豆ですが、これ自体には熱がありません。熱がないどころか、虫歯を防いだり(!)、ガンの予防になったり、ストレス抵抗力を上げたり、アレルギー症状を改善したり、集中力を記憶力を上げるといわれるカカオポリフェノールを含んでいます。チョコレート自体は、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛なども含んだ意外と栄養価の高い食べ物だったりします。問題は、砂糖と脂肪と、そして一番コントロールの難しい「量」です。チョコを食べると、脳内で快楽物質が出されるので、その快楽欲しさについつい食べ過ぎてしまいます。さらにカフェインも微量ながら含まれているので、一瞬疲れが飛ぶような感覚になります。これもチョコの依存性を上げることへつながります。
 


Chocolate Marshmallows / L.Cheryl

チョコレートで心理学:食べさせてから告白!

チョコを食べると、脳内では快楽を司る物質の一つ「エンドルフィン」が放出されます。さらにチョコレートを食べると、それが口の中で溶け出した瞬間から、恋人と「情熱的に」キスをする2倍以上の心拍数の増加と脳内活動がみられたという研究報告もあります。となれば、チョコを食べることで恋愛は成就しやすくなるのではないでしょうか??
心理学に「吊り橋理論」というものがあります。TVで良く紹介されているのでご存知の方も多いと思いますが、吊り橋理論とは、揺れるつり橋を渡った時のドキドキを、一緒につり橋を渡った相手へのドキドキだと勘違いし、恋愛感情だと思い込んでしまう効果のことです。もしチョコを食べたことで心拍数が上がり、脳内が興奮状態となるなら、チョコを食べてドキドキしている間に告白すると、恋愛感情によるものと思い込んでしまう可能性もあります。さらにエンドルフィンの効果も相まって、告白が成就する可能性を上げることが出来るでしょう。
ポイントは、ドキドキする場所でチョコを渡し、その場で食べてもらい、それから告白することです。

吊り橋がなければ、ジェットコースターでも構いません。後ろから脅かしてもいいでしょう。それがだめなら一緒にダッシュしてください。とにかく相手の心拍数を上げるて、チョコを食べさせてから、告白することです。そうすれば、ただただ告白するより、断然効果が高い結果を期待できるでしょう。


Chocolate Valentine’s Frames / Chocolate Sculptress


2007-1112 (12) Chocolates / jenniferphoon

 
注意点としては、これらの研究は、上記のカカオポリフェノールがたっぷりと含まれたブラックチョコレートによるものです。ミルクチョコやホワイトチョコ、甘さがメインのチョコレートたちではそうもいかず、どちらかというと、デメリットの方が大きくなりがちなので要注意です。後、上記のエンドルフィンの効果は一時的なので、冷めてしまう前に是非告白しましょう!!!
チョコレート、ほんとうにおいしいですよね。でも食べ過ぎるとニキビになったり、肌荒れしたりします、、っといっても科学的な根拠はないようです。しかし!中医学では、チョコはニキビや肌荒れの原因となる湿熱を生み出すと言われいますので、中医学的には根拠はしっかりとあります。チョコレートと言ってしまうと、語弊がありますが、一般的なチョコレートに含まれる脂肪分や砂糖がいけないですね。
もしこのブログを読むあなたが女性で、意中の男性、またはご主人にこれからチョコを渡すことを考えているのであれば、その方の健康も気遣い、シュガーレスか、カカオの含有量の多い本格チョコを渡してあげてくださいね。
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2014/02/14

痩せるな危険!

こんにちは。店長の櫻井です。 今日も寒いですね。朝家を出てくるときは小雪がちらついていました。私は雪が大好きなので、毎朝カーテンを開けるたびに「吹雪け!」と願っているのですが、そうそう無いですよね。
 
昨日は、日本中医食養生学会の設立20周年記念学術大会にお招きいただき、参加してきました。日本中医食養生学会はCMで某アイドルが受けようとしている「薬膳アドバイザー」やその上級資格である「国際中医薬膳師」や「中医薬膳調理師」の資格認定や育成講座の開催、薬膳講師の派遣、薬膳講座の企画運営などを行っています。詳しくはHPをご覧ください。
 

 
我らが老中医、路京華先生の【温病」における養生】のお話や、北京中医薬大学日本校の韓先生の【黄帝内経における食養生】、中村きよみさんの【季節の和食を性味と栄養学から見る】や、服部幸應氏の【なぜ薬膳が現代の人の心と体をとらえたのか】のお話などとてもとても興味深いものでした。
その中で特に印象に残ったものが、服部氏のお話のなかに出てきた、「日本人の20代女性は痩せすぎている」という話です。
 

食の危険と重要性を訴える服部幸應氏

栄養不良状態

肥満度を知る指数にBMIという体重を身長の二乗で割った数値(165cm、59kgなら59÷(1.65×1.65)=BMI21.67)があるのですが、この指標では、22なら標準、25以上から肥満、18.5未満は低体重・痩せ型と決められています。この数値において、日本の20代の女性は栄養不足状態にあると言われているそうです。なんと日本の20代女性の平均値は標準体重を大きく下回る「18.7」だそうです。これは先進30か国の平均をも大きく下回り、なんと、食糧事情があまり良くないアフリカのザンビアなどの途上国の平均値と同じだそうです。日本の20代の女性は、世界的にもまれな「先進国における栄養不足状態」なんだそうです。毎日1800万トンもの食量が捨てられているここ日本において、栄養不足状態なんてあり得るのかと考えてしまいますが、日本の町中を眺めているだけでも、それは十分にあり得ることであるのが実感できます。
 


Jogging around the reservoir #1 / Ed Yourdon

 

間違ったメッセージが生む 太る事への恐怖

日本人の痩せ型至上主義への大きな影響の一つに、「美=痩せ形」というメディアからの影響が考えられます。服部氏はミスユニバース日本代表の選考委員だったこともあるそうで、当時、氏が代表を選んだ時の基準の一つにBMI22以上(23だったかも?)という基準を入れていたそうなんです。「女性の美しさというのは、ある程度肉付きが良いことがその条件に含まれる」という事を啓蒙したかったそうなんですが、これが、10年ほど前から大きく変わってしまい、もはやBMI22のというのは、「肥満」とすらみなされるようになり、なんと、「BMI18.5以下」でないと優勝できないようになってしまったとおっしゃっていました。これは、私たち大人が、〝美しいとは痩せていることだ″という間違ったメッセージを世間に送り続けている事象の一つと言えるでしょう。
 


University Festival 2011 / Hiroshima University Campus Scape

過度のダイエット:拒食症の恐ろしさ

過度のダイエットが招く、悲惨な結果に拒食症があります。拒食症とは、「痩せていてもそれを認められない病気」です。拒食症になってしまった人は、極端に食事量の減少してしまい、とくに主食を少なく、副食も肉類や油ものは避け、限られた低カロリーの食品しかとらないようになります。食後に自ら嘔吐したり、下剤を乱用したりする人もいます。拒食症の怖いところは、初期では小食からの体力の低下がみられず、逆に活動的になってしまうところです。その後、体力は徐々に落ちてきますが、そのころには一般的な食事は受け入れられなくなっていることが多く、入院が必要な状態となってしまっています。しかし、本人はその状態を認めたがらず、まだ太っていると考えてしまいます。もちろん危機感も乏しく、病院にかかることも稀です。
心理学では拒食症に陥る大きな原因の一つとして、「間違ったボディーイメージ」をあげています。メディア、コミュニティー、近親者、友人、学校、会社、様々な社会的影響下において、痩せ型=美しい、ひどい場合は肥満は悪というメッセージを受け続けた結果、痩せることへの執着、もしくは、太る事への恐怖が作り出され、それが過度のダイエットへと導いてしまうのです。過度なダイエットを続けると、脳は栄養失調となり、鏡に映った自分を正確に判断できず、もう脂肪なんてどこにもついていないのにもかかわらず、「まだ太っている」と思い続けてしまい、更なるダイエットを続けてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
そんな状態にまでなると、自分の腕や、お腹、太ももが本来の何倍にも見えてしまう〝幻覚″すら見えてくるようになります。脳はもはや正常な判断を下すことはできず、食べ物のを拒み続けることとなり、体はどんどん衰弱し、やがて死に至ります。かの有名なポップスデュオ、カーペンターズの「カレン・カーペンター」がまさにこの状態となり、亡くなってしまった事をご存知の方も多いのではないでしょうか。彼女が拒食症に陥った原因として考えられているのは、兄に「少し太っている」と言われた事、常に人に見られる「芸能人」という職業であった事、ファッションやモデル業界の人々と頻繁に交流があった事、音楽雑誌に「太っちょ」と書かれた事、などがあげられています。彼女は、太っていることに罪悪感を感じ、ダイエットに励み、そして、帰らぬ人となったのです。
 

晩年、いたたまれない姿のカレンカーペンター

 

他人事じゃない

インターネットが現代のように普及する前は、写真など、自らの姿を公開することは、芸能人やモデルなど一部の人々に限られていたと思います。しかし、ソーシャルメディアが発達し、だれもが世界に向けて自分の姿をさらし、そしてその容姿に対して批評を受けかねないこの時代において、私たちの誰もが”カレン”のようになりうる可能性を秘めているといえます。ましてや、若い世代というのは、そういった″批評″の対象になりやすく、大人よりも世間の目が気になってしまう心理状態にあり(” imaginary audience”を参照)、受けてしまった心の傷はその後の人生に大きな影を落とすことになりかねません。
 


tabu on models? / ºNit Soto

 

すこし太り気味の方が健康??

アメリカ疾病対策センターの研究によると、BMIで「過体重」に分類される人々のほうが、標準体型の人より死亡リスクが6%低かったという結果が出ています。これは、世界的に考えられている標準値よりも少しだけぽっちゃりしている人の方が健康である、細いことは不健康なのだという一つの証明です。しかし、過度の肥満も健康リスクを上げてしまうことも、また事実です。同じくアメリカ疾病対策センターの報告によれば、BMI35以上(肥満度3、4)の本格的な肥満体型の人の死亡率は、普通体重に比べて29%も上昇したそうです。


/ healthiermi

摂食障害の根底に

上記の拒食症や、食べた後に吐いたり下剤でだしてしまう「過食症」などの摂食障害に陥る人は、完璧主義で、細かなことに良く気が付く反面、自らも傷つきやすいという傾向がみられます。決して過度なダイエットだけがこの病気を生み出すのではありません。心の優しい人、真面目な人、ちょっとしたことが気になる人、細かな気配りができる人、そして、思春期の葛藤や挫折など様々な心理的葛藤が、体型への葛藤へと置き換えられてしまうのです。痩せることへの願望や、社会的プレッシャー、そして自らが抱える葛藤。これらが複雑に絡み合った結果、摂食障害という病気は体を蝕んでいくのです。
 
摂食障害をただの「ダイエット病」という風に考えないでください。実際に拒食症では、栄養失調や低血糖、嘔吐や下剤の乱用などによる低カリウム血症などで、この病気を患った数パーセントの人が死亡しています。決して軽く考えないでください。
 


Anorexia / schnappischnap(拒食症の人から見ると・・・)

 

摂食障害の危険とどう付き合うか

摂食障害に対する簡単な治療法はありません。本人の治療に対する抵抗が強いことも、回復を妨げている原因です。強制的に治療を受けさせることも難しいので、根気よく付き合っていく必要があります。据食も過食も、本人が一番そのことに罪悪感と、一生続くのではないかという恐怖感を抱えています。拒食症の方はときとしてとても頑固ですが、その頑固さの裏には、むなしさや挫折が潜んでいます。このような気持ちに理解を示しつつ、根気強く、自律を助けるようにしていきます。過食の場合も、過食が一生続く人はいません。必ず治ると伝え、安心させてあげてください。
 

 

 
 

摂食障害にならないために

予防が一番重要です。まずは、一人で食べるのをやめましょう。やめさせましょう。できるだけ誰かと一緒に、みんなで、そして楽しく食べるようにしましょう。できるだけ三食きちんと、リズムを持って食べるようにしましょう。ファストフードや、加工食品などは、栄養バランスを崩し、過度な食欲を引き起こすもとなので、とにかく今日から、和食を食べるように心がけましょう。お肉も十分に食べるようにしてください。前途の服部氏のお話では、タンパク質の一日推奨摂取量76gをとるには、お肉だと300gほど食べないとダメなそうです。脂身の少ない、牛肉、豚肉、鶏肉をちゃんと食べるようにしてください。炭水化物を完全に抜くのも良くありません。一時流行った炭水化物ダイエットを推奨する医師は近頃では随分と減ってきているそうです。服部氏も、炭水化物を完全に抜く食事を3年以上続けると体がぼろぼろになるから決してつづけないようにとおっしゃっていました。いろんな食材をまんべんなく食べましょう。
悩みは打ち明けましょう。そして悩んでる人がいたら、聴いてあげましょう。その時は、「聴く」ことに徹しましょう。けっして批判や指摘は加えないように。そうかそうかと受け入れてあげましょう。思春期はとかく悩みが多い年頃です。そして誰に話していいか、そもそも何に悩んでいるのか、何がつらいのか、どうしたらいいのか、わからないことだらけです。普段の微妙な変化に気付いてあげられるように、目を配り、心を開く訓練を常にお互いでするようにしましょう。
 


goodncrazy kids back of new minivan chrysler town & country / GoodNCrazy

 
私たちが目にするテレビや雑誌の中の「美しい」と言われるモデルさんのような体型の人は、人口のおよそ2%程度だそうです。その他の98%の人は、もともとそういった体型で生まれてきていません。メディアやファッション業界が掲げる「美しい」体型になれるのは、その2%だけなんです。しかし、本当にそれが美しいのでしょうか?美しいとは本当にモデル体型のことをいうのでしょうか。
本来の美しさというのは、【健康であること】だと私は考えます。WHO世界保健機構が制定している健康の定義では、
Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
~健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない~
とあります。健康は単に病気だとか、虚弱であるとかではなく、心地よく暮らしていることが大切なんです。私たちも、容姿ばかりを気にせず、今ここにある事に満足し、そして感謝し、食事を楽しく、美味しく食べる生活に目を向けた人生を送っていきたいですね。
 
 
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2014/02/12

春の贈り物「ふきのとう」がもつ「苦味」の意味

こんにちは、店長の櫻井です。先日の大雪は本当にひどいものでした。東京で降り積もった雪が風で舞い視界が悪くなる「地吹雪」に見舞われるとは思ってもみませんでした。下は当日の六本木ミッドタウン前の風景です。信じられますか?これが東京ですよ???今日も解けた雪が凍って転倒してけがをする方が続出しております。都内では、36人も病院に搬送されたそうです。外出時はくれぐれもご注意ください。
 

 
さてさて、そんな猛吹雪も去って、こんどこそ、春に向けて徐々に暖かくなってくることでしょう。そうなると待ち遠しいのは、春の食材。そう、山菜たちです。タラの芽、ふきのとう、うど、わらび、私はこの春の山菜が大好きです。ということで今日は春の山菜の一つ、ふきのとうのお話をしたいと思います。ちなみに今日、2月10日は「ふきのとうの日」だそうです。210でふ(きの)とう というごろ合わせ、だそうです。
 


あ、ふきのとう / chidorian

春は苦味!

「春は苦味、夏は酸味、秋は辛味、冬は脂(あぶら)と合点して食え」これは、明治の医者であり、薬剤師でもあった食養学の始、石塚左玄が書いた「食物養生法」にある言葉です。
中医学にも、味にはそれぞれ力があるというお話をしたことがあります。ざっとおさらいをすると、
酸味には、正常な体液を体内にとどめる作用。出過ぎるものを止める作用。肝に導き、自律神経の働きを整え、ストレスを解消する作用。
甘味には、胃腸の働きを助け、力をつける作用。痛みや緊張を緩和させる作用。
辛味には、肺や呼吸器を強め、発汗を促進する作用、気や血を巡らせ、体の中にある寒けや熱、湿気を発散させる作用。
鹹味(塩からい味)には、硬いものを柔らかくする作用や通便作用があり、腎の働きをよくします。
苦味には、心や循環器を強化し、身体に溜まった余分な熱を冷まし、排泄作用や体内の余分な水分や老廃物を取り除く作用、神経を鎮静させる作用。
 
春には、先のブログでも書きましたが、ともすると活発になりすぎる陽気を鎮め、冬の間に溜めこんだものを排泄する事がとても大切です。そのために、「苦味」をとることが大切です。そしてその苦味は、自然が提供してくれます。それがふきのとうに代表される、春の山菜たちです。
 


れんこん、ふきのとう、たらの芽。 / yoppy

先人の知恵、ふきのとう

冬眠から目覚めた熊は、まず初めにふきのとうなどの山菜を食べると言います。それはきっと春の山菜が持つ苦味を利用し、冬場に溜まった宿便や「毒」を排泄しようとしているのでしょう。私たち人間も春になると、ふきのとうや、タラの芽、うど、ワラビ、つくし、タケノコなど、苦味を持った山菜を昔から食べてきました。私たちは、何千年という時間の中で、経験的に春の山菜の効能を知り、食文化に取り入れてきたのです。
ふきのとうは、キク科フキ族の多年草で、ふきの芽のことです。日本原産、日本に古来からある植物で、最古の野菜ともいわれています。ふきのとうが食用とされてきた歴史は古く、縄文時代にもその痕がみられたそうです。
ふきのとうのあの独特の苦みには、沢山のポリフェノール類が含まれており、胃腸を元気にして働きを整えてくれます。その他、発がん性物質の除去、花粉症の予防の力を持ち合わせており、春には欠かせない食材です。その他、ビタミンB1、B2、E、K、パントテン酸、カリウム、リン、鉄、銅、食物繊維なども多く含んでいます。ふきのとうが持つ解毒の効果は、これらミネラルを多く含んでいることからもわかります。
ふきのとうはふきの芽ですが、βカロチンやビタミンB群、C、E、Kなど、ほとんどのビタミンを、ふきの数倍から十倍以上含んでいるそうです。ふきのとうの持つ香りには、健胃作用のある成分も含まれているそうです。春の胃腸機能改善にふきのとうはピッタリですね。


ふきのとうスタンバイ。 / yukop

美味しいふきのとうを食べる

なるべく小ぶりのも、締りがあって、つぼみが硬く閉じているものを選びましょう。大きいものは苦味が強いです。乾燥しやすいので、ジッパー付きのポリ袋に入れて冷蔵庫へ。なるべく早めに食べましょう。冷凍するときは、灰汁をぬいてから冷凍しましょう。

 


ふきのとう! / chidorian

 

自然はそれぞれの季節に合った食材を提供してくれます。そして私たちもそれを長い経験をへて、親から子へ、子から孫へ伝えてきたのです。旬のものは摂らないよりとったほうが良いどころか、健康に暮らすためには、むしろ進んで摂るべき食材です。ふきのとうだけでなく、うど、タラの芽、せり、タケノコ、行者にんにくなどもおすすめです。
最後に石原左玄の食養学から一言 「食は本なり、体は末なり、心はまたその末なり」。心身の病気の原因は食にあり、人の心を清いものにするには血を清浄にすること。そして血を清浄にするには、食物を清浄にすることが大切である。といったそうです。それでは皆様、今日も体に、心においしい食事を食べてくださいね。

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2014/02/10

春の養生第二弾 【春は「風」に注意】

立春を過ぎ、あとは春の訪れを待つばかり。とはいうもののまっだまだ寒い日が続きます。こんにちは、店長の櫻井です。明日は去年の成人式並の大雪という予報ですが、どうなるんでしょうね。
さてさて、中医学では、大体2月から4月ぐらいまでを「春の季節」と捉えています。冬や夏の養生があるように、春にも季節に合わせた養生方法があります。それを知るためには、まず春とはどういうものか?というのを中医学してみましょう。


Golden flowers / Takashi(aes256)

春の特徴:陽気が上昇しやすい・肝を痛めやすい

春になると草木や花が芽吹き、生長し、枝葉もぐんぐん伸びていきます。また動物たちも冬眠から目覚め、動き出す季節です。春はあらゆるものを活動的にする季節です。

私たちの体内でも様々な動きが起こり始めます。まず動き始めるのは肝の陽気です。肝の陽気は、生長する木のように、のびやかに動き出すのが好きな陽気です。そのためには、冬場しっかりと陽気を体内に蓄えておくことが大切です。なので、冬場はしっかり防寒して、運動や情緒の変化を極力抑えて、陽気を蓄えておく必要があるんですね。
 


菜の花とミツバチ2 Rape blossoms and honeybee / “KIUKO”

春は肝の季節

肝は、西洋医学でいうところの肝臓の役割もありますが、その他、自律神経中枢神経系など神経の一部の機能血液の循環の調節貯蔵などの機能も持ち合わせています。肝はさらにと関係が深い臓器です。もし肝の陽気が十分でなかったり、のびのびとした活動が妨げらえることがあったら、情緒活動や自律神経系にトラブルを起こしやすくなります。頭痛や目の充血、のぼせ、イライラ、不眠、不安、耳鳴り、パニック、ヒステリー、足がつったり、目がかゆくなったりなども春に多い症状です。


20080325 菜の花 2 / BONGURI

体の中に「風」が吹く

春になると日差しが強くなり、大地が温められ、空気が上昇します。すると上昇する空気の流れ「風」が生まれます。中医学では、私たちの体の中でも陽気が上昇するにしたがって同じく「風」が起こると考えます。それが「内風(ないふう)」です。
肝はこの「風」を嫌います。もし肝が風に影響されてしまうと、ヒステリックに怒り出したり、イライラしたり、感情的になったり、気分が落ち込んだり、倒れたり、めまいやふらつきが起こったりなどの「風」の病気にかかってしまいます。そんな場合は、目の下が青くなってしまっていたりします。この肝の不調は、胃腸状態にも影響して、食べたばっかりなのに、まだお腹が空いていたり、食欲がわかなかったり、ガスが溜まりやすくなったり、げっぷが出やすくなったり、便秘や下痢を繰り返したりします。


菜の花まつり その2 / suneko

春眠暁を覚えずとは言いますが、春は冬と違って、遅く寝ても朝は早く起きて、活動的になったほうが良いとされています。朝の綺麗な空気で深呼吸して、身体をしっかりと伸ばしましょう。心や情緒にはいつもより気を配り、こまめにストレス発散するように心がけましょう。


菜の花1 Rape blossoms / “KIUKO”

春の食養生は「省酸増甘、以養脾気」

酸味を少な目にして、少し甘いものを増やしましょう。この場合の甘いものは砂糖の甘さではなく、かぼちゃやイモなどの自然な甘みです。甘みは肝の動きによって傷つけられた胃腸を労わってくれます。胃腸機能の低下を感じたら、酸味を控えて、甘みを増やしてください。
そして、春の野菜や果物をたっぷりと食べましょう。春になると体の新陳代謝が盛んになり、溜まった毒素を出そうとします。その働きを助けてくれるのが、苦味のある春の野菜です。フキやタラの芽、ウドやセリ、春たけのこの芽などはとても良いですね。その他、肝を補う力があるアサリ・ハマグリ・シジミ・アワビ・レバー・ほうれん草・にんじんや、陽気を巡らせる力のあるネギ、ショウガ、紫蘇、ミント、春菊、三つ葉や、クコの実、菊花などもよいですよ。
自然のサイクルは本当にうまくできていて、その季節に必要なものを与えてくれます。「自然の恵み」とは本当にうまくいったものです。


20080119 渥美半島菜の花祭り 12 / BONGURI

 
春はなるべく怒らないように、イライラしないように、心を穏やかにするよう心がけましょう。そのためにはこまめにストレス発散しましょう。ストレスの発散方法は運動で少し汗をかくのがとても理にかかなっており、効果的ですが、それぞれの体質・体調・性格に合った方法を見つけておきましょう。人と話すのがストレス発散になる人もいれば、大事な人と同じ時間を過ごすだけで発散になるひ人もいます。買い物や食べ物で発散になる人もいますし、少々のお酒も良いストレス発散になるとおもいます。しかし、ものにあたったり、暴言を吐いたり、他人や自分を傷つけたりする発散方法は間違っています。自分にとってプラスになる発散方法を見つけておくことがとても大切ですよ。
 
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2014/02/07

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