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中医学 の記事一覧

柿が赤くなれば医者が青くなる「柿」のお話。

今日は10月11日です。今日は「鯛の日」だそうですが、なんと「体育の日が今日だったから」という理由で今日になったようですが、体育の日は変わってしまったので、どうなるんでしょうね。ということで、鯛のお話は無しにして、今日の誕生果である『筆柿』から、『柿』のお話をしたいと思います。
ちなみに鯛(真鯛)は、性味が平性・微温で、甘。胃腸を整え、精を補い、乳汁の分泌を促進し、腎を強めます。貧血、インポテンツ、下痢、ダイエット、美肌、血液の汚れを浄化するのに良いと言われています。その他、脂質が少なく、EPA、DHA、アミノ酸のバランスがとても良い優れた食品です。


Oshogatsu -Japanese New Year 23d 2009.JPG / midorisyu


japanese persimmon / 柿 kaki / [puamelia]

秋の代名詞ともいえる「柿」は、弥生時代以降に中国から渡ってきました。奈良時代の遺跡からも発見され、鎌倉時代頃には、果実の収穫を目的に栽培され、今のものに近い「甘柿」が流通し始めたと言われています。甘柿は日本特有のもので、学名に「Kaki」と入っているほどです。英語では「Persimmon(パーシモン)」と言われていますが、これは厳密には、アメリカ東部原生の柿を言っており、食品として流通しているもののほとんどが日本の「柿」と同じ発音の「Kaki」だそうです。 柿の木は折れやすい木ともされていて、放っておくと自重で折れたりもします。確かに小さいころ近所の神社の境内にあった柿木の柿をとろうとして、枝に手をかけたら見た目には頑丈だったのにパキッと簡単におれて、落下して息が出来なくなったのを覚えています。そのあと石を投げたりしてとろうとしましたが、石があたった枝のかけらが降ってきて目に入って大変でした。


Persimmon (柿) / BONGURI

 

「柿が赤くなれば医者が青くなる」

『柿』を中医学で見てみると、性味は寒で、甘渋。心、肺、胃、大腸に入り、清熱潤肺止渇、解毒のちからがあり、咳、吐血、口渇、口内炎、酒毒、血便、熱性の感染性の下痢などに良いとされています。注意したいのは、陽虚体質で冷えが顕著な場合や、産後、便秘の方、血虚、胃腸が弱い場合は避けたほうが良いとされていますが、栄養学的に見ると、栄養豊富で身体は冷やさないとも言われています。柿の渋みは豊富に含まれるタンニンという成分せいで、下痢を緩和する働きがあるとされているので、逆に便秘には不向きです。熟した柿には、アルコールを分解する酵素が含まれており、二日酔い(酒毒)にもおすすめできます。加えてビタミンCも豊富、その他ビタミンK、ビタミンA(カロテン)、B1、B2、ミネラル(特にカリウム)、食物繊維なども豊富、とくれば確かにお医者さんも困ってしまいます。渋柿から作られる柿渋は昔から、防水加工するために船底に塗られたり、強度を上げるために漆の下地や漁網に使ったり、団扇、和傘などにも使われています。干し柿は渋柿から作られていますが、実は糖度そのものは甘柿より渋柿が高いため、甘柿で干し柿をつくっても渋柿のより甘くならないそうです。
柿の葉はビタミンC、KやB群やミネラル、フラボノイドなどを多く含み血管を強化する働きもあるため、昔から民間薬として、お茶にして飲まれてきました。またその高い殺菌効果と日持ちのよさから、押し寿司を柿の葉で包んだ、「柿の葉寿司」も有名ですね。
さらに、乾燥させた柿のへたは『柿蒂(してい)』と呼ばれる生薬で、柿蒂を主薬とした『柿蒂湯』は咳や嘔吐を止める漢方薬として使われているほか、しゃっくりの改善にも使われる、珍しいお薬です。


干し柿 / Go Imai

柿はビタミン、ミネラル、食物繊維が満点で、栄養価が高いですが、身体を冷やしてしまうので、冷え性や産後、胃腸が弱ってる場合は避けてくださいね。

2013/10/11

寒い季節にぴったり!「お好み焼き」の話。

こんにちは。櫻井です。本日10月10日は、昔は「体育の日」でしたが、2001年からハッピーマンデー制度によって10月の第二月曜に変わっていますので、今年は10月14日が体育の日です。10月10日が体育の日に制定された理由は東京オリンピックの開催日を記念してという理由だそうです。で、今日は体育の日の話ではなく、今日は「お好み焼きの日」だそうなので、お好み焼きの話をしますw なぜ10月10日がお好み焼きの日なのかというと、お好み焼を焼く音「ジュー(10)ジュー(10)」の語呂合せだそうです(オタフクソース談)。
 

 
お好み焼きと言えば、キャベツ、山芋、豚肉、卵、エビなどが定番ですが、これがこの季節にピッタリな食材ぞろいです。
まず主役のキャベツ(お好み焼きはキャベツが主役です)には胃と腎の働きをよくする力があります。さらに胃腸薬の「キャベジン」でもおなじみのキャベツに多く含まれるビタミンUは、胃粘膜の働きを助け、胃を守ってくれます。さらにビタミンCも豊富でお肌にも良いです。そして次に山芋。山芋は中医学では「山薬(さんやく)」とよばれ、消化吸収を促し、胃腸を丈夫にし、滋養強壮によく使われる生薬です。その他、美容効果にも優れ、生活習慣病の予防にも効果があるとされています。豚肉は、血を増やし、腎を養い精力を付けてくれます。さらに体を潤す作用もあるので、乾燥が気になる秋から冬にかけてはうってつけの食材です。豚肉は牛肉の何倍ものビタミンB1を含み、疲労回復や、末梢神経の働きを正常に保つのにも優れています。はビタミンCと食物繊維以外の栄養成分をすべて含んだほぼ〝完全食品”です。潤いや血を生むので、喉や皮膚の乾燥、精神不安にもおすすめの食材です。また黄身にふくまれるレシチンはコレステロールを溶かす作用があるので、動脈硬化の予防にもぴったりです。エビは、身体を温め、血行を促進します腎を強化する力があり、スタミナをつけてくれます。温める力が比較的強いので、皮膚症状が出ている場合には避けたほうが良いぐらいです。
 
お好み焼き、なんと素晴らしい食べものでしょうか。美味しいお好み焼きを作るコツは、水に溶いた薄力粉(またはお好み焼き粉)は余りたくさん使わないようにして、キャベツをたっぷり入れることです。粉を食べるのではなくて、キャベツを焼いて食べるぐらいの感覚です。キャベツは千切りではなく、5mm角のみじん切りにします。卵は生地に入れず、生地と具を混ぜるときに一枚につき1個入れます。ちなみに私の家では、それらの食材に加えて、みじん切りにした紅ショウガ、イカ、ちくわ、天かす、桜エビなども入れます。基本的に何を入れてもおいしいのがお好み焼きです。最悪、キャベツと豚と粉があれば作れます。さらに我が家では、ソースも自作します。もとから作るわけではありませんが、中濃ソースをベースに、ケチャップ、醤油を適量混ぜたものをお好み焼きの上にたっぷりかけて、青のり、花かつお(大きい削りのほうが美味しいです)、マヨネーズ、一味などをかけて食べます。大阪出身の母と奈良出身の父に育てられた私も、もちろん、これをおかずにご飯が食べられます。たぶんこのソースが決め手で、ごはんにすごく合うんです。これにビールがあれば言うことなしです。一度お試しください。
 
キャベツ
性味: 平性、甘
帰経: 肝、大腸、胃、腎
気虚、気滞、瘀血に
 
豚肉
性味: 平性、甘・鹹
帰経: 脾、胃、腎
陰虚、気虚、血虚に
 
エビ
性味: 温性、甘・鹹
帰経: 肝、腎、脾
陽虚、気虚に
 
山芋
性味: 平性、甘
帰経: 脾、肺、腎
気虚、陰虚に
 

性味: 卵黄・平性、 卵白・涼性、 甘
帰経: 心、腎
卵黄: 陰虚、血虚に
卵白: 陰虚、熱状態に。

2013/10/10

喉を労わる「梨」のお話。

今日はなんの話を書こうかな??っと考えを巡らせる毎日で、通勤時間に読んでいる小説からも「今日のネタ」を探し出そうと躍起になっている櫻井です。どうもこんにちは。
いや~寒いですね。この寒さの中、半袖の人や、短パンの人や、ミニスカートの人や、サンダルの人まで見かけますが、体調を崩さないか心配になります。電車のなかでも結構深いところに邪がありそうな、熱と痰が絡まったような咳がよく聞こえてきます。もしかすると私が気にしすぎてるからそう感じるだけかもしれませんが、冬に備えて冷え対策はしっかりしておいて絶対に損は有りません。放っておくと、カゼをひきやすくなったり、悪化しやすくなったり、治りにくくなったり、春先の花粉症が酷くなったり、あちこちに痛みが出たり、女性では、生理痛が悪化するなんてことにもなりかねません。とにかく「未病先防」が大切です。しっかりガードしましょう。特に冷えの邪気が侵入しやすい、手首、足首、首などをガードすることをお忘れなく。お家でも靴下を穿いてくださいね。
 

 
今日10月5日の誕生果は新高梨だそうです。梨ではなくて、「新高梨」に限定されている理由はなんなんでしょうね。個人的には梨の中でも新高が一番好きです。あの瑞々しさとシャキッとした歯ごたえがいいですね。どうも洋ナシみたいなふにゃっとしたのは苦手です。
新高は、新潟の梨と、高知の梨を掛け合わせた物なんだそうですが、その新潟の梨は、かつて高知から移入されたものだそうで、実際には高知県の梨と元高知県の梨を掛け合わせたのが「新高」だそうです。新高は今ではいろんなところで栽培されていますが、やはりおいしいのは南国土佐のものという気がします。昔、高知に住んでいた叔母から送られてていた新高のあの甘さとしゃきしゃき感と瑞々しさが懐かしいです。


Nashi 梨 / thedailyenglishshow

新高かな?

もらった梨がでかい! / hirotomo

梨は、中国を原産として、中国や日本、朝鮮半島に自生している「やまなし」を美味しいものに改良したものだそうです。日本で初めて梨が食べられたのは、弥生時代頃とされ、弥生時代の遺跡から食用として食べられた後の種が見つかっているそうです。初めて文献に出てくるのは、『日本書紀』のなかで、持統天皇が梨の栽培を奨励したという記述があるそうです。

梨を中医学的にみてみると

梨の性味は涼性で甘酸。肺を潤し、喉の乾きをいやし、熱をとり去る働きがあります。1600年の後半ごろに書かれた薬草の書物、『本草備要』の中でも梨は、「生で食べると六腑の熱をとり火を通して食べると五臓の陽を滋養される」とあります。酒毒を解消する働きもあるとされているので、二日酔いにも良いでしょう。その他、痰を抑えてくれる働きもあるので、喉の調子がわるい、熱っぽいなどの時は多目に食べることをお勧めします。痰が気になる人は、毎日少しずつ食べると痰が減るとされています。 中国では 『秋梨膏』と言われる喉を潤す飲み物があります。梨に加えて、生姜、はちみつ、金銀花(炎症を抑える)、甘草(炎症を抑える)、ユリ根(潤す)などが入っています。似たようなものはお家でも簡単につくることが出来ます。梨に加えて、棗などを加えてもよいでしょう。
『秋梨膏』(に似たもの)の作りかたは、梨 2、3個、棗 30gやユリ根を小さ目に切って、そこへ生姜10gほどをすってしぼった汁を加えます。絞らずそのまま加えても良いです。氷砂糖はお好みで50gほど。それらを弱火で煮込み水分を飛ばしたところにはちみつを入れます。そのまま食べてもよいですし、薄めて飲んでも良いです。
もっと簡単なのは、梨をミキサーにかけて、どろどろになったものをはちみつ程度の硬さになるぐらいに煮詰めると、梨のシロップが出来上がります。喉の調子が悪い時になめてくださいね。冷え性の方はそこに生姜を加えると良いでしょう。シナモンと一緒に煮ても美味しく食べられます。その他、輪切りにして蒸してはちみつかけて食べるのも簡単で喉に優しくおすすめです。
 
梨は、喉の乾燥が気になるこの季節にピッタリの食材ですが、涼性で身体を冷やすので、そのままたくさん食べると冷えてしまいます。火を通して食べたり、ジャムのようにしたものに生姜を入れたりして活用してください。
 
梨はまだおいしい季節です。自然の恵みをうまく利用しましょう。
 
 

2013/10/05

葛根湯・麻黄湯 間違って使ってませんか?

10月に入ると俄然寒さも増して、カゼやインフルエンザの足音が聞こえる季節となってまいりました。咳や喉の痛みのご相談も増えております。
こんにちは、櫻井です。皆様、養生していますか?



いつだったか、そしてどこだったかも忘れてしまいましたが、「麻黄湯でインフルエンザ予防」というのを見かけました(ような気がします)。漢方薬を魔法の薬のように考えてるのかな?と思いましたが、どうもそうではなく、家族にインフルエンザ患者が出たら、ほかの家族がタミフルを感染予防として飲んでおくみたいな発想で、予防薬として麻黄湯を飲んでおくこと、だったようです。しかし、麻黄湯にはそんな力は有りません。ちなみに麻黄湯とは、、、

【麻黄湯】

組成:麻黄、桂枝、杏仁、炙甘草
効能:辛温解表、止咳平喘
適応:表寒・表実
症状:悪寒・無汗・発熱・脈浮を目標
 
「表寒」とは、“感染症の初期にみられる悪寒(あるいは悪風)・頭痛・身体痛、脈浮などの症候をいい、体表血管の収縮・汗腺の閉塞・筋肉の緊張・ふるえなど、一連の体温の放散抑制と熱産生増大の反射によって生じる反応と考えられる”(神戸中医学研究会 中医処方解説)とあり、「表実」とは、感染症の邪気が体表部で体の生気と戦っている状態です。よって、麻黄湯は、汗をかけず、熱が中にこもってしまった状態で、寒気がするものに対し、発汗させ、病邪を汗とともに除去する目的として使われるべき処方です。適切に使うとすぐに発汗して、熱が下がっていきますが、間違って使うと、発汗過多になって症状を悪化させかねません。とくに、老人、子供、病弱状態(気・血・津液が足りない状態)では使ってはいけないとされています。さらに、発熱が有って汗をかいていない状態でも、口渇、熱感、喉の痛みなどがみられる場合は使ってはいけません。一般的に「麻黄(まおう)」という生薬は強い生薬で、扱いが難しい生薬です。
風にあたると寒気を感じるような場合で、少し汗をかいていて、発熱、頭痛、身体痛、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどがある場合は、「桂枝湯(けいしとう)」や麻黄が入っていない葛根湯の「桂枝加葛根湯(けいしかかっこんとう)」の方がおすすめできます。

「葛根湯」の使い方

「葛根湯はカゼの初期に!」「ひどくなる前に葛根湯!」というように、カゼの初期=葛根湯と覚えているかたは多いと思いますが、これも半分間違っています。確かに感冒の初期に使うお薬ですが、麻黄湯と同じように、麻黄が含まれているので、汗をかいておらず、寒気がするときに使うというのが原則の薬ですが、項背部のこわばりがある場合、寒気がそれほどひどくない場合は葛根湯の方が適しています。なので、葛根湯の正しい使いかたの目安は「カゼの初期で、汗をかけず、なんとなく寒気がして、頭痛、咳、項背部のこわばりがあるもの」です。汗をかいている、のどの痛みや口の渇き、寒気がなく、熱感がある場合などは葛根湯を使うべきではありません。
それ以外のカゼの初期、熱感は有るがかすかな悪寒、熱感、頭痛、喉の痛み、汗をかいていないもしくは汗ばむ、軽度の口の渇き、咳、目の充血などを伴うカゼには銀翹散(ぎんぎょうさん)、天津感冒片(てんしんかんぼうへん)を使うべきです。
 

 
予防と言う面から考えると、基礎実験で抗ウィルス作用が認められている生薬(板藍根、金銀花など)を使った処方を用いるほうが効果的ですが、その場合も用量・用法などは専門家の判断を必要としますので、必ずご相談の上、ご使用ください。
カゼやインフルエンザなどでも、漢方の処方というのは、その症状、個々の体力や体質に沿って行われるべきで、カゼ・インフルエンザとひとくくりでできるものではありません。ましてや麻黄湯でインフルエンザを予防するというのは、中医学の理論からでは考えることが難しいです。やみくもに使用せず、漢方・中医学の経験のある薬局・薬店でご相談の上、ご使用ください。
 
 
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2013/10/04

アンパンマンとあずきちゃん。 むくみに良い「小豆」のお話

どうもこんばんは、櫻井です。
今日、10月2日は、アンパンマンの放送が始まった日だそうです。初回放送が1988年なので、今年で25年という長寿番組ですね。当初は半年、全24話で終わるはずだったようですが、予想以上の反響があり、継続が決まったようです。(詳しくはこちらwikipediaをご参照ください)アンパンマンは、作者のやなせたかしさんが自身の戦争体験から、何においても耐え難い「飢え」から救いたいという思いから書き始めたそうです。ご本人の言葉を借りると「困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです」ということだそうです。

そんなアンパンマン、なんといってもそのカギは「あんぱん」ですね。これがなければアンパンマンも存在しておりません。
「あんぱん」が生まれたのは、もちろん、この日本。時は明治7年、場所は東京銀座。水戸藩出身の元士族、木村安兵衛が考案した初めての日本人向けのパンです。当時の日本では西洋文化の象徴ともいえる「パン」はまだまだ一般の食べ物としては浸透していませんでした。そこで安兵衛さんは、「日本人にもなじみが深い『あんこ』をパンの中に入れたら売れるんじゃないだろうか?」と考えたわけです。そこで生まれたのが「あんぱん」だったんです。その後、明治8年、ときの天皇、明治天皇が花見のために水戸藩下屋敷に行幸したさい、山岡鉄舟が献上したことにより、「あんぱん」は宮内省御用達となります。そうして、安兵衛さんのパン屋、「木村屋」も全国的に有名になり、あんぱんは大ブレークすることになります。そうです、銀座木村屋のあの「あんぱん」のお話です。あんぱんのブレークにもびっくりですが、明治天皇に献上したのが、勝海舟、高橋泥舟と並び、「幕末の三舟」といわれた「山岡鉄舟」だったことの方が私はびっくりしました。無類の剣豪であり、政治家であり、思想家であった、山岡鉄舟の話は尽きませんが、主役はやはり「あんぱん」です。

Bread with sweet beans / yoshimov


今日のお昼は、木村屋のあんぱんで。 / ysishikawa

と言いつつも、あんぱんの肝は、やっぱり中の餡子。そう、「小豆」です。そうです、今日は小豆のお話をしたかったんです。
小豆の旬は10月~2月。これからがおいしい季節です。秋に収穫し、乾燥させながら保存します。小豆では、十勝の大納言が有名ですが、実は寒さに弱い品種だそうで、収穫高は非常に天候に左右されやすく、投機の世界では「素人は絹と小豆には手を出すな」とまで言われていました。原産地は東アジア。日本で小豆が食用とされていた歴史は古く、なんと縄文遺跡からも発掘されてるほか、「古事記」にも記述があるそうです。
小豆は炭水化物の他、良質の植物性たんぱく質やミネラルが含まれ、薬膳には欠かせない食品です。そのほか、ビタミンA、ビタミンB1、そして抗酸化作用を持つポリフェノールやビタミンC、コレステロールを低下させ、血液さらさらにしてくれるサポニンなどが含まれる栄養食品です。その他、血圧降下、疲労回復、便秘改善、むくみの改善にも役立つとされています。

 

小豆は中医学の生薬としては、赤小豆(せきしょうず)と言います。性味は平性で、甘酸強い利尿作用と解毒作用をもち、むくみの解消に効果的。小豆を使った有名な薬膳に、赤小豆鯉魚湯(せきしょうずりぎょとう)というものがあります。作り方は、えらと内臓をとった鯉を小豆とお酢と水で煮込むというシンプルなもの。精がつき、余分な水分を排泄してくれます。病中の体力低下や腹水などにも使われることがあります。鯉を食べて、スープを飲みます。
一つ注意点があります。薬膳として食す場合や薬効を望む場合は、お砂糖は使ってはいけません!むくみなら塩あじの「煮小豆」で。
これから小豆がおいしい季節です。寒くなってくるとお汁粉やぜんざいなどもいいですが、今日は「あんぱん」を食べながら、様々なストーリーに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

関西風ぜんざい

ぜんざい / tyoro

そうそう、お汁粉やぜんざいで思い出しましたが、お汁粉やぜんざいって地方によって意味が異なりますよね。一般的に砂糖で甘くした小豆の汁に白玉粉で作った団子を入れたものを「お汁粉」、粒あんだと「田舎汁粉」といいますね。ぜんざいは、関西では前者にお餅が入ったもののことを言い、関東では殆ど汁気のない練りあんを餅や栗にかけたもののことをいうようですね。お汁粉は具が入った汁という意味で、ぜんざいは「善哉」とかいて、仏教用語で「喜び祝う」と言う意味だそうです。正月に食べる(神聖なる)お餅が「善哉餅」と呼ばれ、これを小豆汁にいれたものを関西で「ぜんざい」と言われるようになったそうです。まったくもって余談ですがww

関東風ぜんざい


白玉ぜんざい / torumiwa

2013/10/03

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売