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中医学 の記事一覧

アメリカの漢方やこれからの漢方:9/11雑記。

昼間もずいぶんと涼しくなり、過ごしやすくなりましたね。そろそろエアコンもいらない日も出てきましたが、当店ではどうもお店に熱がこもってしまうようで、まだ使っております。身体に良くないのはわかってても、暑い中汗をかきながら相談するわけにもいきませんからね。
こんにちは、櫻井です。

 

ドコモからもついにiPhone出るようですね。他社と同じく9/20発売だそうですが、多くのアンドロイドユーザーが乗り換えを考えているそうで、いよいよ国内携帯メーカーは窮地に立たされそうですね。頑張ってほしいものですが、あのデザインや操作性の良さの前では、苦戦を強いられるでしょうね。私も、林檎党というわけではないですが、アップルユーザーの1人です。仕事でWin機も使いますが、自宅はマックです。初めはとっつきにくいマックですが、慣れると直感的に使えるようなデザインへのこだわりはさすがジョブスといった感じです。他社もただ指をこまねいているわけではないようですね。個人的にはGoogleの次期機、Nexus5あたりが気になっています。
 
あれだけの独自路線を切り開いていける感覚はなんなんでしょうね。携帯市場はiPhoneの発表と同時に一遍しましたね。あれだけの先鋭的なデザインと機能、発想の力はなんなんでしょうか。ちなみにGoogleもAppleはサンフランシスコ周辺シリコンバレーにある企業ですが、あの辺の気候風土や文化がそうさせるんでしょうか。ヒッピーカルチャーもサンフランシスコが発祥ですし、新しいムーブメントを生み出す何かがあそこにはあるんでしょうね。なんでも吸収してしまう大きな受け皿があるんでしょうか。
ちなみにまったくの余談ですが、シリコンバレーの”シリコン”は半導体の原料の「シリコン」と土地の形状の渓谷を意味するValleyからつきました。一般的に言われている、よく美容整形などでつかわれるのは、正確には「シリコーン」と言われるシリコンから作られる人工高分子化合物の一つですので、なかなか結びつきませんが、原料は同じものです。

 

サンフランシスコでは、東洋医学もアメリカの他地域と比べて認められている感覚がありました。大学の授業でも中医学を学べましたし、鍼灸の基礎理論や、アーユルベーダの授業もありました。鍼灸大学院もありました。あちらでは鍼灸は大学院のマスターコース(修士号)でした。カイロはドクターコース(博士号)です。ちなみに心理学も一応マスターでも働くことはできますが、心理カウンセラーを語る場合はドクターコースです。
アメリカでは代替医療の研究が、日本よりも進んでいます。その理由としては、膨大な医療費の高騰。それと、西洋医学では対応できなくなった症状や病気が増えているということがあげられます。この辺は日本でも同じですね。違うのは、そのための専門機関があり、莫大な予算を研究に費やしているところでしょう。
アメリカではほとんどの漢方薬は、健康食品としていろんなところで買うことが出来ます。中国系移民が多い街では中国人の漢方のお医者さんもたくさんいて、煎じ薬も購入することが出来ます。私が行ったことのある漢方薬屋さんでは、先生は中国で臨床経験のある中医師でした(アメリカでの医師免許はもってないと思います)。中国系のお客さんも多かったですが、その他のアメリカ人も多くきていました。日本人のお客さんもいらっしゃると言っていました。
煎じ薬といっても、殆どが健康食品として取り扱われているので、チャイナタウンにある、乾物屋さんみたいなところでも入手することが出来ますし、アメリカ人の鍼灸師がやっているクリニックや健康食品屋さんでも購入できます。漢方健康食品の錠剤などは安価で手に入りますが、せんじ薬などは診察料込なのか、けっこう高価です。それでも西洋医学では対処できない症状がよくなることから、訪れる方は後を絶たないようでした。漢方のチョイスと効果というのは知識と経験に大きく左右されますので、効く漢方薬屋さんはとても人気ですね。

これから世界的に漢方を含む代替医療の研究は進んでいくと思われます。将来なりうる病気を予防して医療費を削減する、自分でできることは自分で行うセルフメディケーションという観点から見ても、漢方の知恵と知識、そして漢方薬は今以上になくてはならないものになっていくのではないでしょうか。この知識と知恵が1人でも多くの方に届くように、接客やこのブログなどを通して情報発信を続けていきたいです。
 
 
 
 
 
最後に漢方薬とは関係ないですが、もう一点。本日9月11日はアメリカ同時多発テロから12年目を迎えます。アメリカがされたことがテロで、アメリカが行ったことはテロではないのか、、などなど、複雑な思いもありますが、こちらでは割愛させていただきます。私は当時アメリカの大学に通っていて、友人の「おい!戦争になってるぞ!」という電話で起こされ眠い目をこすりテレビをつけたところ、ビルの倒壊の粉じんでマンハッタンが煙に包まれていたことを思い出します。
世界がもっと平和になりますように。犠牲者の方々へ、謹んでお悔み申し上げます。

2013/09/11

陰陽と季節の代わり目の眠りの話。

どうも最近睡眠が調子悪い櫻井です。こんにちは。なぜか夜中に目が覚めてしまうんですよね。
二十四節季でいうと夏は今日までなようです(詳しくは中野店のブログを参照してください)。
今日からは秋です。図ったかのように朝の気温が下がったように感じられましたね。
熱さが落ち着くことで眠れるようになるかもしれませんね。
 

 
中医学には、陰と陽という概念があります。白と黒のあのまるい、
勾玉が二つ重なった様なこれ↓です。
 

 
陰陽はふたつの対立した事象や物を代表するもので、同一の事物の中に存在して相互に対立する関係にあります。
陰陽とはなんだか難しい話に聞こえますが、その発生は極めて単純で、太陽の当たるところが陽日の当たらないところが陰というものです。この考えがどんどん発展していって、対立関係にあるすべての事物を陰陽二つに分類しました。陽の代表は火で、陰の代表は水を想像するとわかりやすいかもしれません。火に代表される陽は、明るい、熱い、軽い、活動的、外にある、上昇するもの、エネルギーなどの機能的なもの、機能が亢進するもの、天、昼、春、夏など水に代表される陰は、暗いもの、冷たいもの、重たいもの、落ち着いて静かなもの、下降するもの、物質的なもの、機能が低下しているもの、地、夜、秋、冬などがあります。一般的に陽は+で明るいイメージ、陰は-で暗いイメージがありますが、本来はそのような意味はまったくありません。動きが陽で休息が陰なように、どちらも同じく必要なもので、良い悪いという意味は有りません。
 
陽は、明るい、熱い、軽い、活動的、外にある、上昇するもの、エネルギーなどの機能的なもの、機能が亢進するもの、天、昼、春、夏など
陰は、暗いもの、冷たいもの、重たいもの、落ち着いて静かなもの、下降するもの、物質的なもの、機能が低下しているもの、地、夜、秋、冬など
 
陰陽はそれぞれ単独では存在することが出来ません。相手の存在があって初めて、自分の存在があります。漢方薬を使う時、陰陽のバランスが崩れているからと言って、冷やし過ぎたり、熱し過ぎたりすると、余計にひどくなる場合があるので、常にこの概念を念頭に置く必要があります。同時に、陰陽は対立するもので、お互いがお互いを抑制しています。冷え症の方は陰が強い状態ですので、強い陰に対立できるように、陽を強める漢方を使います。陰の病気には陽を、陽の病気には陰の方法で対策します。そして、陰陽は絶対的な存在ではなく、常に変化します
 

 
そこで、冒頭の季節と睡眠の話に戻ります。陰陽論では昼は陽気が表に出て活動し、夜は体内の陰に戻って休むと考えられています。陰と陽、どちらが多すぎず、真ん中にあれば、陽は陰にすっぽり隠れてしまえるので、寝つきもすっきり、夜もぐっすり眠れます。私の場合は、陰がちょっと足りていないのかもしれません。確かに陰が不足してるときのサインの、喉も渇きや、寝汗もたまにあります。
そして、今はまさに夏から秋へと、陽から陰への移り変わりの時期。徐々に暑さが落ち着き、寒さが台頭するようになります。明るい時間が短くなり、暗い時間が長くなります。この変化に身体も順応していかなくてはいけません。環境の変化というのは、それがたとえ良いものでも、負荷がかかります。順応するまで、ちょっと不具合が生じることもあります。夜目が覚めてしまうというのは、そうした順応の過程でちょっとバランスを崩しているのかもしれません。
ということで、補陰しつつ心を落ち着ける漢方を今日はのんでみることにします。昨日は、温胆湯しか手元になかったので、とりあえず飲んでみましたが、かんやっぱり眠れはしますが、喉が渇いて目が覚めてしまいます。温胆湯は入眠にはよいのですが、体内を乾かせてしまう働きがあるので、逆効果でした。今日は、酸棗仁湯や甘麥大棗湯を飲んでみます。結果はまたご報告いたしますね~
 

2013/09/06

夏の暑さと紫外線で髪が痛んでいませんか。髪は「血の余り」そして「腎」の華。

こんにちは。櫻井です。今日は9月4日、櫛(くし)の日だそうです。くしの日は1978年に制定され、美容週間実行委員会が実施しているそうです。「く(9)し(4)」の語呂に合せ、美容関係者がくしを大切に扱い、また、美容に対する人々の認識を高めてもらう為に制定されたそうです。
 
秋が近くなると、気になるのは髪の毛。昔はこんなに抜け毛多くなかったんだけどなぁ。最近なんだか髪が細くなってきた。白髪も増えてきたし、、、今日は櫛の日にちなんだ、髪の毛の話です。今日は『菅沼栄先生の漢方の知恵袋』から、『髪の養生』のお話を。
 

 
抜け毛や薄毛、髪のトラブルの悩み、そんな時中医学では、「血の不足」、「腎の機能低下」、「ストレス」の三つを疑います。
は西洋医学で考える血液とほぼ同義。中医学では生命活動の基本となる重要な物質とされ、血が充実していて、体内をサラサラとスムーズに流れていることが健やかな状態と考えています。血の主な働きは身体のあらゆる組織や細胞に栄養を運び、老廃物を運び出すこと。この働きによって、目は見えるようになり、足は歩けるようになります。また、血は潤いを多く含み、精神を落ち着ける働きもあるので、心を安定させ、体の潤いを保つことにも大きな役割があります。『中医学では髪のトラブルは心身の不調によって現れると考えています。髪の健康と深く関わるのは、「血」「腎」「肝」。中医学では「髪は毛の余り」とされていて、血が十分にあれば髪にもしっかり栄養が届いて健康な状態が保たれると考えています。そのため、体内の血が不足したり、血流が悪くなったりすると、髪に栄養がいきわたらず、抜け毛や白髪になるのです。』とおっしゃるのは中医学講師の菅沼栄先生。
大量に血を消耗する妊娠・出産をへた女性に白髪が増えたり、髪が細くなったりするのが多く見られるのも、血を大量に消費した後の補給がうまくいってなかったことに原因があるようですね。
また、「髪は腎の華」と言われ、生殖や成長に関わる腎の状態は髪に現れるとされ、腎の弱りは、老化現象による抜け毛や白髪を加速させます。
ストレスは、気の巡りを悪くさせます。気は体内を流れるエネルギーで、血もその流れにのって流れています。気の流れが滞ってしまうことは、血の流れも悪くなり、その結果髪の栄養が不足して、抜け毛や白髪などのトラブルが発生しやすくなります。さらに髪のことで悩むことは、ストレスを強くし、それが更なるストレスとなって、悪循環を作り出してしまうので、厄介です。
 

 
中医学的には、髪のケアはしっかり体の中からケアして上げることが大切です。体質を整える積極的なヘアケアで、いつまでも美しく元気な髪を育てましょう。
血の不足による髪の細りや抜け毛、艶のなさなどは、月経や出産を経験する女性に多いとされています。血の不足は、薄毛、抜け毛、白髪、髪の細り、乾燥、艶の低下などを招きます。その他、疲労感、息切れ、食欲不振、動悸、不眠なども見られることが多く、舌の色は淡く、顔色は白い傾向にあります。血の不足の養生の基本は、脾胃(胃腸)を元気にして、食事をしっかりとり、体内に血をしっかり蓄え、養うことです。睡眠を十分にとる、適度に運動をするなど、生活習慣を整えることも大切です。血を補う食材は干しブドウ、ホウレンソウ、なつめ、鶏肉、人参、卵などがおすすめ。
 
加齢などに伴う腎の弱りでは、ホルモン分泌なども弱く、生殖発育の促進力も低下するので、慢性的な白髪、薄毛、抜け毛などがみられます。加齢は誰にでも訪れる自然なことで、それを止めることはできませんが、腎をしっかり養生することで年齢による髪の悩みは和らげることが出来ます。おすすめの食材としては、くるみ、桑の実、黒ゴマ、松の実、黒豆、山芋、海藻、なまこなどです。足腰を鍛えることもとても重要です。エレベーター、エスカレーターを使わず階段をつかったり、座ってばかりの作業では、1時間に1度は動くようにして、腎に刺激を与えましょう。
 
ストレスからくる髪の影響は、多忙なかたや、イライラしがちな方、落ち込みやすい方などに見られます。ストレスを上手に発散する術が少ないことが多いので、楽しめて体に良いストレス発散方法を見つけましょう。入浴やアロマ、瞑想などはおすすめです。暴飲暴食などで片付けないようにしましょう。こまめに身体を動かすこと、睡眠をしっかりとることなどもとても重要です。ストレスからくる髪のトラブルは、抜け毛、白髪、薄毛など。その他、憂鬱、イライラ、怒りっぽい、頭痛、喉の閉塞感、胸のつまり、お腹の張り、月経不調、月経痛、舌の色が暗いなどがみられます。食材は香りのよいものでストレス発散しましょう。
 

 
日常の養生としては、朝のブラッシングが効果的。馬だってペットのワンちゃんだって、ブラッシングして上げたほうが艶やかで健康な毛を保てるように、人間もブラッシングして血流を良くしてあげることが大切。さらにマッサージすることで、血流を良くし、気の流れもよくなるので、髪の健康にはとてもおすすめです。髪はタンパク質ですので、熱にとても弱いです。ドライヤーやパーマなどは控えめにしましょう。血流が悪くなる脂っこいもの、辛いもの、冷たいものなどは控えるほうが良いでしょう。心と身体を健やかに保つことがいつまでもきれいで艶やかな髪を保つことに繋がります。

2013/09/04

新そば季節。頭スッキリ、疲労回復におすすめ「蕎麦」のお話

先ほど、お店にいきなり9名のロシアの方がご相談に来られスタッフ一同てんてこ舞いでしたが、通訳さんを交え、どうにか9名のご相談を乗り切りました。
こんにちは、櫻井です。ロシアの方々は結構漢方とか、薬草類に親しみを持たれている方が多いような気がします。それともただ当店に来るような方は薬草好きな方がおおいだけなんでしょうかね。まぁ納得して飲んでいただけて、健康になってくれればそれでよいのですが。
 
そろそろ新そばの季節ですね。
そばと言えば岩手のわんこそば、山形の板そば、新潟のへぎそば、長野の戸隠れそば、京都の茶そば、兵庫の出石そば、島根の出雲そば、山口の瓦そばななどの全国津々浦々の名産そばから、引っ越しそばに年越しそば、蕎麦屋の数も数知れず、日本人はほんとにそばが好きですね。
痩せた土地でも良く育つため、全国どこでも食べられる「そば」ですが、私が気になるのは、やっぱり江戸っ子の粋な食べ方。さっと食べて、さっと出る。ワサビはそのままそばにちょっと載せて、濃い口のつゆにちょいづけで、少な目をずずっと一口で食べる。味は薄かろうが、ワサビをつゆにといたり、べちゃべちゃつけるのは野暮な食べ方。蕎麦屋に居座るのもやはり野暮。少ないからって2枚も頼んじゃ野暮の極みってもんだい。とっとと食って、とっとと帰んな!なんて声も聞こえてきそうな、江戸っ子の蕎麦作法。おのぼりさんの私は、どうにも江戸っ子の粋に憧れてしまいます。


田舎そば 利之 大ざる / k14

 
痩せた土地でも育つそばは、「蕎麦を作ると村が栄える」ともいわれ、蕎麦名所をつくることで、観光客を呼び込む手法がとられてきました。しかしその一方では、「蕎麦自慢はお里が知れる」とも言われ、そばの名地=やせ地とも言われていたようです。その他、落語や歌舞伎、ドラマに歌など様々な文化に取り込まれ、多くの日本人の日常に溶け込んでいったそば。日本人のそば好きは江戸時代には確立されていたようで、江戸時代中期にはすでに「蕎麦全書」なる、今でいう“蕎麦ミシュラン”とでも呼べるような「蕎麦屋ガイドブック」が刊行されていたようです。そばはずっと大人気だったんですね。
蕎麦屋と言えば、東京では御三家と言われる、更科、砂場、藪があります。更科は信州そばの流れをうけるもので、砂場は大阪・上方。藪はもともと江戸と言われています。どれも名高い名店ぞろいですが、一言でその違いを言うと、「薮の辛つゆ」「更科の甘いつゆ」「砂場はその中間」と言われているそうです。どれも味の濃いつゆだったようで、今よりも小ぶりな蕎麦猪口が使われており、そこにちょっとつけてずずっと一気に平らげるのが粋なんだそうですが、江戸以外では味の濃いつゆが主流ではなかったようで、つゆにどっぷり麺を付けてしまうのは、田舎者と考えられていたのかもしれませんね。そば好きはそばの香りで酒が飲めるといいます。そばの香りとのど越しを楽しむためにも、ワサビはつゆにとかずに、つゆはつけすぎず、小さ目を一口でずずっといただきましょう。
 
ところで、ざるそばともりそば。その違いはご存知でしょうか。
元々はそば粉をかいて食べていた「そばかき」が江戸時代初期は主流でした。その後それを細長く切って、器にもり、つゆにつけて食べ出したのが「切りそば」。それが流行り、蕎麦屋が増えたころ、他者との違いをアピールする店が出始めます。その一つ、「伊勢屋」がざるに盛った蕎麦をうりだしたところたちまちブレーク。ほかの蕎麦屋もこぞって真似をしたことから、そばをざるに盛る、「ざるそば」が一般的になりました。しかし、せっかちな江戸っ子の間では、つゆを直接そばにかけてしまう「ぶっかけ」や「かけそば」が流行りました。そこでそれらと区別をつけるために、それまでのつゆにつけて食べる「切そば」を、「もりそば」というようになったそうです。ざるそばはその後明治の時代になっていったん高級志向になり、海苔がトッピングされたようです。
今ではその区別もなくなり、海苔だけが形骸化してのこったようですね。
 

 
蕎麦涼性で身体にこもった余分な熱をとり、頭に上った気を下す力があるとされています。血圧を下げるルチンや糖質を分解するビタミンB1やアミノ酸がバランスよく含まれ、疲労回復や夏バテ予防にもおすすめの食材です。整腸作用もあるとされ、胃腸機能低下や便秘、下痢などにも良いですね。夏そばは6月から8月中旬、秋そばは9月中旬から11月中旬とこれからは秋の新そばの季節ですね。
蕎麦は涼性で身体を冷やす傾向にあるため、これからは温かい蕎麦がおすすめです。最後に栄養分がたくさん溶け込んだ蕎麦湯をいただくこともお忘れなく。
 
 

2013/08/31

カルピスが仏教用語???“醍醐味”って何の味??

こんにちは櫻井です。
一つの疑問を調べていくと、それがどんどん広がりをみせて、思わぬことに突き当ったりすることってありませんか?
 

 
先日、ふと訪れたお寺の境内に、「身近な仏教用語~カルピス~」と題した紙が置いてありました。
お寺とは似ても似つかない、カルピスの文字。何となく流してしまいそうだったのですが、「え??カルピス??」っと思わず二度見。これは同じ名前のなんか違うものかと思い手に取ってみると、やっぱりあの“カルピス”のお話です。読んでみると、“「カルピス」という商品名は、お経に出てくる「サルピルマンタ(醍醐味)」に由来するそうです。”と書いてあります。いや、まさか。そこで、wikipediaを見てみると、もうちょっと詳しく載っていました。
“「カルシウム」とサンスクリットの「サルピス」(सर्पिस्, sarpis, 漢訳:熟酥(じゅくそ))を合わせたものである。サンスクリット「サルピル・マンダ」(sarpir-maṇḍa, 漢訳:醍醐)を使用し、「サルピス」・「カルピル」とする案もあった。同社では重要なことを決める際には、その道の第一人者を訪ねる「日本一主義」があり、音楽の第一人者の山田に社名について相談したところ、「カルピス」が最も響きが良いということで現行社名・商品名になったという。”
実際には、サルピルマンタではなく、サルピスとカルシウムを合わせた言葉なんですね。それにしても、まさか「カルピス」と仏教がつながるなんて思ってもいなかったのでびっくりです。
 

 
そうしてカルピスと仏教の繋がりの謎がとけたところで気になってくるのは、この「サルピス」。漢訳で熟酥(じゅくそ)というらしいですが、「熟酥とは何ぞや?」と言う新たな疑問がわき出てきました。そこで調べてみると、これがまた面白い話にぶちあたります。熟酥を説明するには、なんと、『醍醐味(だいごみ)』の説明から始めないといけません。
醍醐味とは、物事の面白さや味わいなどをさしていいますが、冒頭にも出てきたように、これもまた仏教用語です。仏教の大乗経典『大般涅槃経』(だいはつねはんきょう)の中に、牛乳から生成される、“おいしいもの”として順に、乳→酪→生酥→熟酥→醍醐となり、一番美味しいものとして、『醍醐』になるようです。醍醐味の醍醐とは、カッテージチーズのような乳製品だったことがわかりました。で、醍醐味とは、その最高の醍醐の味のことをさしていて、最高の味という意味だそうです。何とチーズが仏教が定める最高の味なんだそうです。これもびっくりです。ちなみに乳味、酪味、生酥味、熟酥味、醍醐味というのは、仏教の五味だそうです。中医学の五味(酸味、甘味、辛味、苦味、鹹味)とはまた違いますね。
 

 
ここにきてやっと、熟酥(じゅくそ)の話になるのですが、熟酥とは、醍醐の原料となる乳製品のことなんだそうです。これも「とてもおいしい味」として熟酥味(じゅくそみ)と表現されています。熟酥は生酥(しょうそ)という乳製品から作られるのですが、この生酥や熟酥の酥(そ)は、別名、蘇(そ)と書いて、醍醐を作り出す前段階の乳製品です。蘇は平安時代に、税金の代わりとして治められていたほど貴重な品だったそうです。
 
中医学でも牛乳やチーズは血を増やす食材として扱われています。古代中国でも乳牛が飼われていたんですねぇ。当時は高貴な人々の口にしか入らなかった品物だったとおもいますが、平安時代から日本人が乳製品を食べていたということには驚かされました。醍醐や蘇の製造方法は、古代中国から秦氏によって持ち込まれたと考えられています。秦氏の入植によりその名がついたと言われる、神奈川県秦野市には、「からこさんは、中国からおいでになり、 大磯の浜辺から秦野に移住した」という伝説があり、秦氏が定着した土地は“乳牛(ちゅうし)”と呼ばれ、乳牛を飼うことを教えたそうです。そうなると乳製品は平安時代よりも前から日本人に食べられていたことも考えられますね。いや~驚きです。
 
食べ物は奥が深いです。いや、すべての物事には奥深い物語が隠れているんでしょうね。まさかカルピスがこんなところに繋がってくるとは思ってもみませんでした。普段何ともおもっていない事を調べてみると、びっくりするほど面白いことに突き当るものです。お試しあれ。
 

2013/08/29

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売