イスクラ薬局(東京)

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夏に負けるな!肌食養生のお話 その②お肌に良い食べ物のお話

その①では、いかに紫外線がお肌にダメージを与える仕組みや、中医学的に食べると肌トラブルを起こしやすくなる食べ物のお話をしました。後半では、肌の疲れを癒し、秋冬にも肌の疲れを残さないための肌に良い食べ物のお話をしたいと思います。
 

苦瓜(にがうり)

苦瓜は和名、「蔓茘枝(つるれいし)」といって、完熟すると仮種皮が甘くなることや、いぼいぼの外観などが、茘枝(レイシ・ライチのこと)に似ているから、「蔓になる茘枝」ということで「蔓茘枝」という名前が付いたそうです。ちなみに中国語では「苦瓜」と書きます。体にこもった熱をさまして夏バテを解消する夏の代表的な野菜です。暑さで悪化する肌トラブルにも良い食材です。元々は熟れて甘くなった果実を食べるものだったそうですが未成熟の皮が野菜としてもおいしいと言うことで食べられるようになり、ニガウリと呼ばれるようになったんではないでしょうか。 完熟したゴーヤは黄色くなり、その実は真っ赤なんですが、甘くておいしいそうです。見た目は予想を上回るインパクトです。写真を載せたかったのですが見つからなかったので、Googleさんの画像検索リンクを載せておきます。完熟ゴーヤの実⇒http://goo.gl/EX3Fhy
 
 
苦瓜には、大量のビタミンCが含まれており、さらに苦瓜のビタミンCは野菜の中で唯一熱に強いビタミンCなので、脂溶性のビタミンEやβカロチンをしっかり吸収できるように、少量の油でいためて食べるのがおすすめです。その点、ゴーヤチャンプルーは最適ですね。
ビタミンCは言わずと知れた美白ビタミンです。某化粧品会社さんの、シミやそばかすが薄くなると評判の高級美白美容液の主成分は高濃度のビタミンCだそうです。ビタミンCには抗酸化作用による細胞の老化防止作用、シミやそばかすの原因となるメラニン色素を薄くする作用、ぷるぷるお肌を保つコラーゲン合成作用、ニキビやニキビ痕を綺麗にしてくれる抗炎症作用などが確認されています。 ビタミンCの他、ビタミンB1、B2やβカロチン、ビタミンEなどの「食べる日焼け止め」をしっかり含んでいます。また、細胞を元気にしてくれる葉酸、抗酸化酵素など、酵素の活性に重要な必須ミネラルの銅、カリウム、カルシウム、鉄も含まれ、腸を綺麗にしてくれる食物繊維も豊富で、総合的に見ても夏のお肌に是非摂りたい食材です。

Lunch @ 06.10.30 ゴーヤチャンプルー(ちゃんぷるぅ家)

Lunch @ 06.10.30 ゴーヤチャンプルー(ちゃんぷるぅ家) / jetalone

 

中医学的苦瓜

苦瓜は寒性で苦・微甘、心、肺、脾、胃、肝に通じます。中医学的効能は、体にこもった熱を取り暑気あたりを解消してくれて、腫れや毒をなくしてくれ、イライラによる火を消す力を持つとされています。中医学的に見ても、苦瓜には炎症を抑えたり、解毒したり、腫れをなくす作用があるとされており、肌に良い食品であることがうかがえます。注意したいのは、流産、早産を引き起こしやすい食材とされているので妊婦の方は余り多く食べないようにしましょう。

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枝豆(えだまめ)

枝豆は未成熟の大豆です。なんといっても畑の肉ともいわれる大豆ですから、良質なタンパク質が豊富です。さらに糖質や脂質、そしてカルシウム鉄分、疲労回復やお肌をきれいにしてくれるビタミンB1、B2、そして大豆には含まれていないビタミンCも豊富なのも特筆すべき特徴でしょう。ビタミンCとタンパク質はコラーゲンの元を作ってくれるので、他のビタミンとも相まって、枝豆単体で美肌効果も期待できます。葉酸も豊富なので、貧血の気味のかたや妊婦のかたも摂っておきたい食材ですね。 イソフラボンという大豆に含まれているポリフェノールの一種や、そのイソフラボンの一種のダイゼンには、女性ホルモン様作用があるので、更年期特有ののぼせの緩和や、お肌をきれいに保つ作用、骨粗しょう症の予防や改善、そして、がんの抑制作用、免疫機能を高める作用がなどが確認されており、今後の研究に期待です。

Edamame
Edamame / Will Merydith

中医学的枝豆

枝豆は甘味で平性寒熱の偏りがなく、どんな方でも食べられます胃腸の働きを助けて、腸を整え、血やエネルギーを与えてくれて、必要なだけ胃腸を潤し、余分な水分は排出してくれて、膿を排除して毒を消してくれます。中医学的にみても、夏バテや食あたり、下痢やむくみによいなど、とにかく夏にぴったりの食材です。

green soybeans / 枝豆

green soybeans / 枝豆 / Kanko*

モロヘイヤ

エジプトなど高温乾燥地帯でも育つ、生命力の強い野菜。クレオパトラも好んで食べたとか、王様の病気を回復させたとか、何とも頼もしい野菜。「モロヘイヤ」という名前もアラビア語で「王様の食べる野菜」という意味だそうです。 数ある青菜の中でもずば抜けて栄養価が高くβカロチンはホウレンソウの3倍、カルシウムはなんと8倍、お肌によりビタミンB2もレバーよりも豊富に含まれ、ビタミンCもビタミンEも豊富と、紫外線対策もしっかり期待できます。鉄分も豊富で貧血気味の方にもおススメ。冷房で乾燥がちなお肌や喉には是非摂りたい食材です。
 

中医学的モロヘイヤ

モロヘイヤは残念ながら新しい食材のため、中医学的効能効果は私の手元に資料にはありません。ネットを検索すると、その性質は涼性で、甘味、肝・脾・胃に入り、余分な熱をとって暑気あたりを改善し、潤いを生み、消化を助け、血流も良くしてくれるという記述があります。暑いところ、そして乾燥地帯の食べ物なので、熱を取り、潤いを生むという力を持っていることは十分に考えられます。 モロヘイヤはまた、食物繊維が豊富なので便秘の改善には良いですが、冷え症や下痢気味の場合は、葱やニンニクと炒めたり、お味噌汁の具にするなどして食べるようにしましょう。

ベランダのモロヘイヤでスープでも

ベランダのモロヘイヤでスープでも / akiraak2

トマト

トマトの持つあの赤い色素は「リコピン」と呼ばれ、紫外線によって生み出される毒性の強い活性酸素を消去してくれる働きがあります。リコピンの抗酸化作用はβカロチンよりも強力で、紫外線による皮膚がんを強力に抑えこむ力があると考えられています。 その他もちろん、βカロチンやビタミンC、ビタミンEも豊富です。珍しいのがビタミンPと呼ばれる物質で、これはビタミンCの働きを助けて、コーラゲンの合成や毛細血管を丈夫にするなどの力があるとされています。トマトにはこのビタミンPが野菜の中でも最も多く含まれています。

Tomatoes
Tomatoes / The Ewan

中医学的トマト

トマトは微寒で、甘味と酸味を持ち合わせ、胃に通じ、潤いを生んで渇きを収め、胃腸を元気にして消化を促進し、身体にこもった余分な熱を収めて暑気をはらい、毒を解消します。夏バテや熱中症対策にはぜひともとりたい食材ですし、熱が原因の炎症性の肌トラブルにも是非ともとりたい食材です。

Tomatoes

Tomatoes / DeSegura89

鮭(さけ)

鮭の身は赤いですが、実際には白身魚に分類されます。あの赤い色はエサの甲殻類の色素が要因のようで、フラミンゴと同じ原理です。卵が赤いのも赤い餌を食べているからだそうです。この色素はアスタキサンチンといって、某化粧品に配合されていることで有名ですが、強力な抗酸化力をもっておりシミやシワなど肌の老化の原因である紫外線によって発生する酵素からお肌を強力に守ってくれます。さらに鮭にはDHAやEPAなどの脂肪酸が多く含まれています。これらの脂肪酸は動脈硬化、心筋梗塞・脳梗塞、糖尿病などに予防効果が高いと言われ、生活習慣病予防にはもちろん、血流の良さがとても重要なお肌にとっても嬉しい食材です。そのほか、栄養の代謝を促すビタミンB群、骨を強化するビタミンDとカルシウム、抗酸化力の高いビタミンEなども豊富で、亜鉛や銅などの微量ミネラルも含んでいます。

Salmon face

Salmon face / izik

中医学的鮭

鮭は温性で、主に胃腸を温めてくれます。水はけを良くして、むくみを改善したり、「血」の流れを良くして冷えを改善する力があります。エアコンや冷たいもの摂りすぎで過度に内臓が冷えてしまっている今にもってこいの食材ですコラーゲンが大好きなご婦人方には鮭の皮も一緒に食べることをお勧めします

Altlantic Salmon with Lemon-Caper Sauce
Altlantic Salmon with Lemon-Caper Sauce / naotakem

牡蠣(かき)

世界中で元気になる食品として利用され、欧米では紀元前から生で食べられている唯一の水産物が牡蠣です。言わずとしてれた高栄養・高ミネラル・ビタミン食材、牡蠣は天然の栄養サプリメントと言っていいぐらいあらゆるビタミン、ミネラル、アミノ酸などが含まれ、高血圧の予防や肝臓機能を高めてくれるタウリンも豊富に含んでいます。生牡蠣100グラム中には、1日に必要なたんぱく質の2/3、カルシウムは1/3、リンは全量、鉄分、ヨードはなんと1日に必要な量の4倍量含まれるそうです。その割にカロリーは1個約16kcalほどどしかなく、5個でやっと卵一個分だそうです。
その中でも特筆すべきは亜鉛の含有量です。牡蠣はあらゆる食品の中で一番亜鉛の含有量が多い食材です。亜鉛には、細胞分裂や新陳代謝を促進する効果があります。これはもちろんお肌が生まれ変わるときにも、身体の細胞を修復するにも、亜鉛は絶対必要ということ。牡蠣の美肌効果が高いのは亜鉛のおかげかもしれませんね。また、亜鉛は先に述べた通り、活性酸素を分解する酵素を動かす鍵で、亜鉛やその他微量ミネラルが無いと活性酸素分解酵素は働けません。その他、鉄、銅、セレンなども含んでおり、これほど多様な効能を持つ食品はほかにないとも言われており、牡蠣の健康作用を話すだけで、何時間もの講義が出来てしまうぐらいです。
お肌に良い成分は先述の亜鉛、銅、セレン、鉄などのミネラルに加え、豊富なビタミンE、ビタミンB群も含まれています。ビタミンCはちょっと少ないので、レモンをかけて食べると良いですね。
 
亜鉛は様々な酵素やインスリンの構成成分となっており、体にとってとても重要な物質です。そして亜鉛は精子の構成成分の一つでもあるので、男性不妊にもとっても重要です。男性機能というのは、ほかにどれだけ栄養素が豊富にあっても、亜鉛が無くてはダメになってしまいます。しかし日本人の亜鉛摂取量は9mg程度(RDAの推奨量は15mg)と、日本人の多くは潜在的亜鉛欠乏症にあるといわれています。牡蠣の亜鉛含有量は大粒のものだと何と一粒20㎎!低めの吸収率を考えても1個でカバーできてしまう量です。亜鉛はそのままでは吸収しにくいので、クエン酸やビタミンCと一緒に摂ると良いとされています。だから牡蠣に生レモンがおいしいのかもしれません。牡蠣に生レモンは亜鉛に加え、鉄分の吸収率もあげてくれ、おすすめです。

An oyster
An oyster / Bitterjug

中医学的牡蠣

牡蠣の身は温性で、甘味。肝、胆、腎に入り、肌を滋養してきれいにする作用や、血行を良くして身体を温めたり、生理不順や生理痛を改善する作用があると言われている、女性にとってはいいことづくめの食材です。肝機能を強化する効能があり、体力消耗時や疲れにもよいです。

Oysters
Oysters / pelican

いかがでしたでしょうか。お肌によい食材とは余分な熱をこもらせず、ビタミンやミネラルをたっぷり含んだ食材ですが、せっかく良い食材をとっても、それを吸収する胃腸が弱っていては意味がありません。夏場は冷たいものが増えがちですが、胃腸は冷たいものに弱いので、もしアイスクリームやかき氷、冷たいお茶などをとってしまったら、そのあとは熱めのお茶などをとって少しでもバランスを取るように普段から心がけましょう。

肌養生の基本は肌への刺激になる、体に熱がこもる、辛いもの、脂っこいもの、甘いもの、加工食品、ファストフード、スナック菓子などや、胃腸機能を低下させる氷入りの飲み物、アイス、ヨーグルトなどを出来るだけ少なくして、消化に良く、余分な熱をこもらせない、火をとおした野菜たっぷりの和食を基本に食べることです。潤いは飲み物ではなく、食べ物、主に野菜からとることを大事にしてくださいね。

身体をいたわるためには、一にも二にも食養生・生活養生です。体が喜ぶ食事や生活をしましょう。

解毒には野菜が一番です。野菜を、胃腸に負担をかけないように火を通してたっぷり食べましょう
汗をたくさんかく夏は潤いもたくさん消耗します。「潤い」は食べ物を原料にして胃腸でつくられますが、渇くから、暑いからといって冷たいものをたくさん摂りすぎると、胃腸が冷やされてしまい機能低下をおこし、潤いも作られませんし、エネルギーも生まれません。そうすることで秋や冬など乾燥する時期に、身体を自分で守ることができず、呼吸器系のトラブルを起こしたり、肌の乾燥やかゆみがでたりしやすくなります。夏場は温かいものもしっかり食べて、胃腸機能を落とさないことが、一年中潤い、透明感のある肌を保つことに繋がります。

2014/08/25

夏に負けるな!肌食養生のお話 その①紫外線と肌に悪い食べ物のお話

こんにちは。店長の櫻井です。 毎年のことですが、眩しいほど太陽がじりじりと照り付けるくせに、湿度も高い8月過ぎのこの暑さには本当にやられますね。こんな時は海に行って、かき氷でも食べたいところですが、そうは簡単にいかないのが大人のつらいところです。皆様の夏はいかがでしょうか。
 
これだけ暑い日が続くと、お肌への負担も気になってまいります。「夏になると肌トラブルが出やすい!」っという方も多いのでは無いでしょうか。実際に薬局でもアトピーやニキビ、湿疹やあせも等、肌トラブルによる相談はこの時期とても多くなります。強い紫外線、汗による刺激、そしてこの暑さと肌にとってはとてもつらく負担のかかる季節です。しかも、今対策を怠っていると、秋に肌トラブルを起こしてしまいます。
今日は実際にトラブルが起きてしまっている方はもちろん、予防のためにも、そして美肌をキープするためにも大切な活性酸素、紫外線、そしてその対策についてのお話を前半と後半に分けてしてみます。前半は肌にトラブルが起こる仕組みと、避けたい食品類のお話を、後半は肌に疲れを残さないために是非摂りたい食品のお話です。
 

Lifeguards
Lifeguards / Scott Ableman

肌トラブルと活性酸素

夏場の肌トラブルの一番の敵はもちろん紫外線です。紫外線を浴びると肌細胞の中に活性酸素が生まれます。活性酸素は皆さんご存知の通りの悪者です。肌細胞を傷つけ、コラーゲンの分泌を低下させます。肌の弾力性が低下させて、たるみやシワをできやすくします。さらに新陳代謝を低下させ、ニキビや吹き出物、湿疹などを治りくくします。
また、活性酸素の発生以外にも紫外線は肌にとっては良くない作用を持っています。紫外線は、肌が黒くなったり、シミやそばかすの原因となるメラノサイトという細胞を増やしたり、色の濃いメラニン色素を作らせたりします。
 
 
活性酸素というのは、細胞が活動する限り発生する厄介なものです。ちょうど私たちが活動すれば二酸化炭素を発生してしまうようなものです。ただ考えたりして脳が活動するだけでも活性酸素は生まれます。生まれた活性酸素は体内でいろんな悪さをするのですが、活性酸素が増え続けると大変なことになるので、人体にはちゃんと活性酸素から身を守るため、活性酸素を分解する力が備わっています。これが体内に存在する抗酸化酵素です。肌対策で大事になるのがこの抗酸化酵素をどんどん働かせることです。 そこで重要になるのが、ミネラルです。抗酸化酵素は亜鉛セレンなどの微量元素(ミネラル)があって初めて動き出します。ミネラルは人の体の中では作り出せないので、ミネラルを含んだ食品を食べることが、抗酸化酵素を活性化させ、お肌を守る鍵になります。
その他にも体外から摂れるもので、この活性酸素から守ってくれるものがあります。それが、ビタミンCやビタミンE、そしてβカロチンなどの抗酸化物質です。
なので、紫外線による肌へのダメージを最小限に食い止めるには、第一に日焼け止めなどで紫外線をブロックすること第二に活性酸素を分解することの二つが鍵です。日焼け止めを塗る事ももちろん大切ですが、『食べる日焼け止め』と言われる、ビタミンC、ビタミンE、βカロチンなどの抗酸化物質や、活性酸素分解酵素を動かす、必須ミネラルのセレン銅、亜鉛をしっかり食べることが大切です。これらが紫外線により作られる活性酸素をやっつけてくれて、お肌の老化やトラブル悪化に歯止めをかけてくれます。

Peace
Peace / Alyssa L. Miller

 

中医学的肌養生

中医学的に見ると、夏は暑さによる熱が体内にこもりやすく、元々熱がトラブルの原因となっている湿疹やアトピー性皮膚炎、ニキビなどが悪化しやすい環境が整っています。さらにこの暑さは、肌にとってとても重要な質の良い睡眠を奪い、発汗で熱を押さえる潤いを損ない、さらにエアコンで血流を悪くして老廃物の回収も悪くして、肌の状態をさらに悪化させてしまいます。 また、肌を元気に保つには、栄養に富み、サラサラとよどみなく流れる血が十分にあることが大切ですが、高い湿度や気温、そしてそれに伴う冷たい飲食物の増加は胃腸を弱らせ、血の生産能力を著しく低下させます。さらに、汗は血とその源を同じくしているため、発汗が増える夏場は血の消耗も激しくなり、肌にとっては二重にも三重にも苦しい季節です。
また、お肌の状態と食生活に密接な関係があります。下記のものの食べ過ぎには注意しましょう。

甘いもの:チョコレートやケーキなど

油ものや肉類:とんかつ、てんぷらなど

香辛料の多いもの:キムチ、カレーライスなど

加工食品:ポテトチップス、ファストフード、インスタントフード、スナック菓子など

生もの:サラダ、刺身など

冷たいもの:アイスクリーム、ジュース、ビール、かき氷など

その他体質に合わせて:牛乳、コーヒー、アルコール、そばなど

肌トラブルを誘発する「発物」

また中医学では、古来から肌トラブルを発症させる食べ物を「発物(はつもの)」といって注意しています。

☆発物とは、、、
食べると皮膚の症状を発生または悪化させるものとして、古来中国で皮膚病の禁忌となっている食べ物の事。
現代の化学添加物も皮膚病を悪化させる性質があるので発物に属しています。
発物による病気の特徴として、発熱、かゆみ、ただれ、のどの痛み、痰、脹痛(張って痛む)、便秘、下痢などです。

☆発物の例☆

動物性のタンパク質 魚介類、牛肉、羊肉、あひる、カモ肉、牛乳、卵など

野菜・穀物類 ねぎ、たまねぎ、とうがらし、こしょう、セロリ、大豆、そら豆などの一部の豆類、そば、小麦など

くだもの: バナナ、パイナップル、マンゴー、柑橘類、銀杏、パパイヤなど

 
 
 
夏場に起こる肌トラブルを回避し、秋にも肌トラブルを持ちこさないためには、日焼け止めなどで対策するほか、ビタミンC、E、βカロチンやセレン、銅、亜鉛などの微量元素が豊富で、体の余分な熱を取り、胃腸を元気にしてくれる食べ物をしっかりとることが大切です。
 
その②では、お肌を守る食品のお話をします その②へ⇒

2014/08/22

こんな近くに漢方ワールド

暑中お見舞い申し上げます。日本も熱帯地方になったかと思うくらい猛暑が続いております。こんな時にはやっぱり麦味参は効くな~と実感する今日このごろ。こんにちは、木梨です。
この暑さの中できれば涼しい屋内で過ごしたいものです。猛暑から逃れ漢方好きの方に是非オススメしたい場所、港区広尾にある北里大学東洋医学研究所の東洋医学資料展示室です。以前雑誌の一角に紹介されていたのをふいに思い出し先日行ってみました。
研究所の2階に上がってまず目に飛び込んできたのが入り口脇の壁一面に漢方生薬の陳列。見たことない生薬もあってそれだけでテンションアップ⤴
 

 
中に入ると展示室はさほど広くはないですが、壁にはずらり17枚のパネルによって東洋医学の発祥から現代に至るまでの歴史が説明されており
 

 
ガラスケースには遺跡から発掘された竹簡や書物、当時使用されていた医療用具などすべて目を見張るものばかり。
 

 
 
かつて中国医学が日本に伝来し独自に「和漢」として発展した大きな歴史の流れを知りあらためて先人の方たちの偉大なる功績に対し敬意と感謝の気持ちで胸があつくなりました。ワクワクする感動と元気をもらえる場所がこんなに近くにあったとは!しかもうれしいことに入場無料です。
 
 
北里大学東洋医療総合研究所医史学研究部東洋医学資料展示室
〒108-8642 東京都港区白金5丁目9番1号 【アクセス】
[ 開館時間 ]
月~金曜日          10:00~15:00
土曜日(第4土曜日を除く) 10:00~12:00

※但し、祝日、11月5日、12月29日~1月3日は休館

2014/08/05

今が旬の食べ物で食養生をしましょう!

こんにちは。店長の櫻井です。数日カラッとした暑さが気持ち良い日が続きましたが、もう蒸し暑さが戻ってきました。今年は冷夏になるといわれていたのに、そんなのはもう無かったことにされているようで、今年も猛暑の夏が来るそうです。夏の疲れは溜めこまないようにしておかないと、秋冬に体調を崩すことにもなりますので、今からしっかり対策しておきたいですね。
ということで今日は、夏の養生に摂っておきたい、今が旬の食べ物をいろいろ中医学的に調べてきましたので、よろしければ毎日の献立に是非ご活用ください。
 
 

秋葵(おくら/陸蓮根)

オクラは中国語で『秋葵』と書くアオイ科の植物で、日本では『陸蓮根』と書くそうです。オクラは日本語に聞こえますが、アフリカ原産でアメリカに伝わって広まったもので、Okraというのは実は英語。6~9月が旬の夏野菜で、まさに今が食べごろです。薬膳では「消食類」に分類され、消化を助ける食材とされています。
【秋葵】
【性味/帰経】 
涼、辛、苦/肺、肝、胃
【働き】 
健脾消食:胃腸を元気にし、消化を助けて食欲不振を良くする。
潤腸通便:胃腸を潤し、便を出しやすくする。

【禁忌】

胃腸機能低下時や軟便、下痢傾向、冷え症の方は控えましょう。

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DSC05101.JPG / hide10

隠元豆(インゲンマメ)

インゲンマメは成長が早く痛みやすいので、買ってきたら早めにたべるのようにしましょう。これも6~9月、太陽をたっぷり浴びた今の時期が旬の夏野菜です。胃腸に優しく、疲れた胃腸も元気して、体に溜まった余分な水分を排出してくれます。食欲不振や胃もたれなどを感じているときには是非摂りたい食材です。
【隠元豆】
【性味/帰経】
平、甘/脾、胃
【働き】 
健脾利湿:胃腸を元気にして身体の湿気をとり去り、食欲不振、口の中のネバネバ、軟便、下痢、身体の重だるさを改善。
胃腸機能低下で湿が溜り、暑さと重なって口が乾いたり、嘔吐感があったり下痢などを防ぐ。

Green Beans Eastern Market
Green Beans Eastern Market / Mike Licht, NotionsCapital.com

枝豆

枝豆は大豆が熟す前に収穫したもので、生長しきって成熟したものが大豆になり、未熟な状態で収穫されたのが枝豆になります。収穫すると一気に甘さが落ちてしまうので、朝どれの物をその日のうちに食べるのが一番おいしい食べた方です。アルコールを分解する酵素を含み、湿気を取り除く力もあるため、ビールには最適のおつまみですが、中医学の古典には、「食べ過ぎると気が詰まり、痰を生じて体が重くなる」とあるそうなので、食べ過ぎには注意してください。
【枝豆】
【性味/帰経】
平、甘/脾、大腸
【働き】 
健脾寛中:胃腸の機能を助け腸の状態を整える。
益気養血:気血を補う。 潤燥利水:胃腸を潤し、利尿する。
排膿解毒:膿を排除して、毒を消す。

枝豆をもっと詳しく知りたい方はこちら→夏とビールと相性最高!おつまみの定番「枝豆」のすごい話。

Edamame
Edamame / UnitedSoybeanBoard

 

黄瓜(きゅうり・胡瓜)

ヒマラヤ地方原産で、平安時代に日本に伝来したそうです。当時は「下等な瓜」とされてあまり人気が無かったようです。今ではハウス栽培が盛んとなり、一年中手に入りますが、旬は6~8月で、やはり太陽をしっかり浴びた夏の胡瓜はとてもおいしいです。熱を取り、むくみをとる力があり、生でも炒めてもおいしいので、夏にはぴったりの食材です。 冷えが気になる方はショウガや唐辛子と一緒に炒めて食べましょう。
【黄瓜】
【性味/帰経】
寒(涼)、甘/脾、胃、大腸
【働き】 
清熱:体に溜まった余分な熱をとる。
止渇:渇きを止める。
利水:尿を出やすくする。
消腫:熱性の腫れを解消する。
【禁忌】
胃腸機能低下時や軟便、下痢傾向、冷え症の方は控えましょう。

R0011336
R0011336 / duck75

獅子唐辛子(ししとうがらし・ししとう)

獅子唐辛子は成熟すると赤くなりますが、その前の未成熟の青い段階で収穫されたものです。分類的にはナス科の植物です。先端が獅子に似ているので獅子唐辛子と言われているそうです。ハウス栽培が盛んなので一年中手に入りますが、やはりおいしいのは太陽を沢山浴びたこの季節。熱帯アメリカ原産で、メキシコでは、7,000年前の遺跡から唐辛子が出土したという報告もあるほど人類との歴史が古い野菜の一つです。また、全世界の料理に取り込まれ、「唐辛子ほど国境のない野菜はない」とも言われています。胃腸を温めてくれるので、冷たいものの摂取がどうしても増えてしまう夏には是非摂っておきたい食材です。
【唐辛子】
【 性味/帰経】
温(唐辛子は熱)、辛/心・脾
【働き】
温中散寒:お腹を温め、冷えを飛ばしてくれます。
開胃消食:食欲を増し、消化を助けてくれます。

green chillies
green chillies / Dèsirèe Tonus

紫蘇(しそ)

古来から日本に自生していたとされており、平安時代に書かれた現存する日本最古の薬物辞典『本草和名』にも「イヌエ」として載っており、古代から紫蘇は薬草として認知されてきました。紫蘇はその香りにこそ薬効があるとされているので、香りが立ちやすくするために細かく刻んで使いましょう。また、出来るだけ早く使うことも大切で、香りが飛んでしまう加熱も最小限にしましょう。紫蘇や生姜、冥加など香りの良い香味野菜には、気を巡らせモヤモヤとした気分を晴らす効果があるとされています。
【紫蘇】
【性味/帰経】
温、辛/肺、脾
【働き】
発表散寒:肌の表面にこもった寒邪を発汗とともに取り除く。また寒邪による熱や咳などの感冒症状にも効果的。
行気寛中:気の巡りがわるく、胸のモヤモヤ感や吐き気を改善する。
解魚蟹毒:魚介類や甲殻類などの中毒にもよい。

タイトルなし
タイトルなし / titanium22

紫蘇
紫蘇 / snak

冬瓜(とうがん)

冬瓜は他の瓜類と同様に7~10月頃に旬を迎える食材ですが、熟すと皮が厚くなって冬まで貯蔵できることから、「冬瓜」という名前が付いたそうです。冬は野菜が少なくなるので、保存がきく冬瓜は珍重されてきました。身体を冷やす作用を持っているので、乾燥しやすい冬場に食べるなら、必ず加熱し、温熱性のショウガなどと一緒に食べると、潤い補給の良い部分の恩恵を受けることが出来ます。
【冬瓜】
【性味/帰経】
微寒、甘、淡/肺、大腸、膀胱
【働き】 
清熱解毒・利尿:余分な熱をとり去り、体内に溜まった余分な水分を排泄し、むくみや尿量減少を助ける。
生津止渇:潤いを生み、体内や喉の乾きを癒す。

とうがん!
とうがん! / is_kyoto_jp

西紅柿( トマト)

トマトはナス科の植物で、南アメリカ、ペルー・アンデス地方などの乾燥した高地の原産なので、日本のような高温多湿な場所では栽培が難しいとされていましたが、品種改良や栽培の様々な工夫により、今では日本各地で多種多様な品種のトマトが栽培されるようになりました。熱をとりさり、潤いを与え、消化を助けてくれて、手軽に食べられる暑気払い、夏バテ予防の食材です。熱中症予防に岩塩をかけていただきましょう。
【西紅柿】
【性味/帰経】
微寒、甘、酸/肝、脾、胃
【働き】
生津止渇:潤いを生み渇きを止める。イライラや喉の乾きをよくする。
健胃消食:胃腸を元気にして、食欲を戻す。消化不良を改善する。

tomatoes squaredcircle
tomatoes squaredcircle / Muffet

茄子(なす)

ハウス栽培で一年中見かけるナスの旬も7~9月の夏です。暑熱を冷ます寒性の野菜で、夏バテには良いですが、冷え症の方や妊婦さんは控えたい食材です。「秋茄子は嫁に食わすな」というのは、美味しい秋茄子を嫁に食わしてたまるか!ではなく、寒くなってくる秋に寒性のナスを食べては、体が冷やされ子が出来づらくなってしまうというやさしさから。ちなみにこの「秋」とは旧暦で、今の9月頃を指しています。
【茄子】
【性味/帰経】
寒、甘/脾、胃、大腸
【働き】 
清熱:体にこもった熱をとる。
活血止血:血流の滞りを改善し、出血を防ぐ。
消腫止痛:熱っぽい腫れを止めて痛みを取る。
祛風活絡:風寒の邪気を除き、手足のしびれ、痛みを改善する。
【禁忌】
胃腸機能低下時や軟便、下痢傾向、冷え症の方は控えましょう。

Chinese-Style Eggplant
Chinese-Style Eggplant / Stacy Spensley

 

苦瓜(にがうり)

苦瓜は和名、「蔓茘枝(つるれいし)」といって、完熟すると仮種皮が甘くなることや、いぼいぼの外観などが、茘枝(レイシ・ライチのこと)に似ているから、「蔓になる茘枝」ということで「蔓茘枝」という名前が付いたそうです。ちなみに中国語では「苦瓜」と書きます。体にこもった熱をさまして夏バテを解消する夏の代表的な野菜です。暑さで悪化する肌トラブルにも良い食材です。
【苦瓜】
【性味/帰経】
寒、苦、微甘/心、肺、脾、胃、肝
【働き】
清暑熱:暑気あたりを解消する。
解毒消腫:毒を消し、腫れを無くす。
清肝火:肝の異常な火を消す。イライラの鎮静にもよい。
【禁忌】
苦瓜は流産、早産を引き起こしやすいので妊婦の方は注意が必要です。

s-R0015089
s-R0015089 / eiko_eiko

西胡芦(ズッキーニ)

ズッキーニは見た目から胡瓜などの仲間に思われがちですが、実はメキシコの巨大かぼちゃから作られたと考えられていて、「ツルナシカボチャ」といってかぼちゃの仲間です。日本で普及し始めたのは1980年ごろからとされ、なじみが浅い食材ですが、栽培しやすいので、近年では家庭菜園でも人気の食材です。働きから見ると、余分な熱を取り湿気をとってれるので、瓜類とにています。寒性なのでサラダより加熱して食べるのがおススメです。
【西葫芦】
【性味/帰経】
寒、甘/肺、胃、腎
【働き】 
清熱生津:潤いを生み、余分な熱をとり去る。空咳や喉の渇き、イライラを癒し、痰を切れやすくする。
消腫散結・利尿通淋:傷やしこりを散らし、むくみやお腹の張り、排尿痛などにも効果的。
【禁忌】
胃腸機能低下時や軟便、下痢傾向、冷え症の方は控えましょう。

Zucchini
Zucchini / adactio

無花果(イチジク)

そろそろスーパーにも顔を出すイチジクは夏と秋の2回収穫される果物です。一般的に9~10月に摂れる秋物の方がおいしいとされていますが、薬膳では潤下類に分類される大便を排泄しやすくする食材なので、夏場の便秘にも是非食べていただきたい果物です。乾燥品もまた栄養豊富で、緩く便をだす作用があります。
【無花果】
【性味/帰経】平、甘/小腸、膀胱、大腸
【働き】
健脾益胃・通便:胃腸を元気にして食欲不振を良くする。便通を良くする。
潤肺止咳:肺を潤し咳を止める。痰を出やすくする。
消腫解毒:のどの痛みや腫れ、声枯れにも良い。痔の腫れにも良い。

イチジク(fig)
イチジク(fig) / kanonn

梨(なし)

梨は「生は六腑の熱を冷まし、熟(加熱したもの)は五臓を滋陰する」とあり、渇きや乾燥にとても優れた効果を持つ果物です。夏の潤い不足や秋の乾燥にとてもおススメの果物です。
【梨】
【性味/帰経】
涼、甘、微酸/肺、胃
【働き】
清熱化痰、生津潤燥:余分な熱をとり去り、渇きを癒す。
【禁忌】
胃腸機能低下時や軟便、下痢傾向、冷え症の方は控えましょう。

Kosui nashi
Kosui nashi / kimubert

 

菠蘿(パイナップル)

国内で流通している殆どのパイナップルはフィリピンからの輸入物で、通年供給されていますが、沖縄で採れるものは6~8月の今頃が旬です。石垣島産のものはもう少し早い5月~8月が旬とされています。日本では昔「鳳梨」とよばれていて、昔の日本の影響が色濃く残る台湾では今も鳳梨とよばれています。熱帯アメリカ~ブラジルあたりが原産で、日本には1845年ごろオランダ船により持ち込まれたそうです。甘味は強いですがカロリーは控えめとダイエットをしている方にも嬉しい果物です。タンパク質分酵素を持っているので、肉類や豆類などの消化を助けてくれます。このため、中華料理の酢豚など、肉を柔らかくするために加えられることも多い果物です。
【菠蘿】
【性味/帰経】
平・微寒、甘、微酸/胃、膀胱
【働き】 
清熱通便:余分な熱をとり、便通を良くする。
健脾和胃・消食止瀉:胃腸を元気にして食欲を増進する。消化不良や食べ過ぎによる下痢などを改善する。
消腫祛湿:むくみをとり尿を排出する。痰の多い咳や喘息を改善する。
清熱解暑:熱射病や暑気あたりの予防にもよい。

pineapple
pineapple / yto

葡萄(ぶどう)

ブドウの品種は数多くありますが、マスカット、デラウェアなどはちょうど今が旬の時期です。巨峰、ピオーネはこれからで9月が旬です。ブドウには、その名の通りブドウ糖が豊富で、そのままエネルギーとして活用できるので、夏の疲れにも是非食べたい果物です。寒熱の偏りは有りませんが、糖分が多いので食べ過ぎると熱がこもるので注意が必要です。
【葡萄】
【性味/帰経】
平、甘、酸/肺、脾、肝、腎
【働き】
止渇除煩:渇きを癒し、イライラを抑える。
益気養血:気血を補う。
滋補肝腎:肝と腎を潤い養う。
利尿:尿を出させる。
安胎:胎児を安定させる。

Grepe
Grepe “Fujiminori” (Fujisawa, Kanagawa, Japan) / t-mizo

哈蜜瓜(メロン)

夏バテ、暑気あたりにおススメの果物です。とっても甘いですが、胡瓜(きゅうり)と同じ瓜類の仲間です。エネルギー不足を補うには即効性があり、体力消耗時のスタミナ補給に最適です。そういえば高校のとき、部活でマネージャーがメロンを差し入れてくれたのを思い出しました。私の地元は北海道で、メロンを作っている農家さんが多かったからでしょうね。熱を取る力、潤す力が強く、暑いこの時期にはぜひ摂りたい果物です。寒性なので冷蔵庫で冷やしすぎないようにしましょう。
【哈蜜瓜】
【性味/帰経】
寒、甘/脾、胃、肺
【働き】
止渇除煩:渇きを止めて、イライラを収める。
利尿解暑:溺を出して暑気あたりを良くする。
【禁忌】
寒性で冷やす性質が強いので、胃腸が弱い方や冷え症の方、小児、高齢者、妊婦は控えること。
メロンの詳しいお話はこちら→夏バテ、むくみにはコレ『メロン』のお話

melon / 夕張メロン
melon / 夕張メロン / Kanko*

桃(もも)

桃は古代から「長寿果」や「仙桃」と呼ばれ、長寿に効果があると考えられてきた果物です。桃はこれからお盆前までがおいしい時期です。夏に旬を迎える果物としては珍しく温性で、身体を冷やしません。胃腸を元気にして、便通を良くする桃は、胃腸の弱い方や高齢者、お子様の潤い補給にもおすすめです。果肉が硬めで甘みが強いのは白桃、やわらかく果汁たっぷりが白鳳という種類です。お好みにあわせてどうぞ。
【桃】
【性味/帰経】
温、甘、酸/肺、脾、肝
【働き】 
生津潤腸:体や腸を潤し、便通を良くする。
補脾活血:胃腸を元気にして、血の巡りを良くする。
消積:体内の老廃物を外へ流す。

2891 : Peach!
2891 : Peach! / sakura_chihaya+

鮎(あゆ)

日本を代表する川魚は通年取れますが資源確保の理由から6~10月の漁獲が定められています。一番おいしいとされているのは7月の若鮎。骨まで軟らかく美味とされています。胃腸に優しく、むくみ対策にもよい食材なので、おいしい今の時期に是非食べてください。
【鮎】
【性味】
温、甘
【働き】 
養陰開胃:潤いを補い、食欲を出させる。
利尿消腫:尿量を増やしむくみを取り去る。
催乳:母乳の出を良くする。

鮎
鮎 / yoppy

昆布(こんぶ)

天然ものの昆布のほとんどは北海道で採られています。夏に採取されて、砂利の上に長い昆布を重ならないように敷いて天日干しします。そうすることで旨味成分が凝縮され、最高の昆布が出来上がります。昆布はきちんと包装したうえで密封せずに通気のよいところにおきましょう。降圧降脂作用があるので、高血圧や心臓病、肥満にもおすすめですが、ヨウ素が多く含まれているので、摂りすぎても欠乏しても甲状腺腫が起こりやすくなるので注意が必要です。
【昆布】
【性味/帰経】
寒、鹹/肝、胃、腎
【働き】
消痰軟堅:痰をなくし、固まり、腫瘍、しこりを散らす。睾丸の腫大疼痛などにも用いられる。
行水消腫:むくみや水腫をなくす。血便、脚気にも使われる。
【禁忌】
昆布を余り生のまま食べることは少ないですが、胃腸機能低下時や軟便、下痢傾向、冷え症の方は控えましょう。

 
 

海胆(うに・雲丹)

ウニの旬は産卵期のお盆までと言われいるので、おいしいウニを食べるなら是非今食べましょう。お盆過ぎの産卵期を過ぎるとおいしくなくなってしまいます。ウニの食用部分は生殖巣と呼ばれるもので、肝臓や脳ではありません。海の物共通する、しこりや塊を散らすという作用があります。
【海胆】
【性味/帰経】
平、鹹/心、肺
【働き】
軟堅散結:腫瘍やできもの、しこりを散らす。
制酸止痛:胃痛、胸やけを和らげ、腹痛を癒す。
化痰止咳:痰をとりさり、咳を止める。
【禁忌】
風寒、水溶性の薄い痰の喘息の場合は食べてはいけません。生の多食は控えましょう。

Sea urchin roe
Sea urchin roe / sigusr0

食養生はバランスが大事

暑い夏は涼性、寒性の食べ物を毎日の献立に取り入れて、体にこもった熱を取り去り暑気払いをするのが良いですね。また、夏はどうしても冷たいものを摂る機会が増えてしまいますが、冷たいものや水分を摂りすぎると胃腸が弱り、だるさや疲れなどの症状のほか、秋冬に体調を崩すことにもなりかねないので、寒・涼性の物は加熱する、もしくは温性、熱性の物も少し一緒に摂って、寒熱のバランスを取るようにしてくださいね。

2014/07/31

気圧の変化と体調不良

こんにちは、店長の櫻井です。
先週は、8号が行ったと思ったら、すぐに9号、10号と忙しい日々でした。そうです、台風の話です。「台風がくると調子が悪くなる」と言う方は結構多いようで、Twitterでもとても反応の多いトピックです。台風が来ると頭痛がする、関節が痛い、身体がだるくなってやる気がおきなくなるなど、人によって症状は様々ですが、台風が近づくことで体調不良を起こす方はとても多いようです。
今日は、中医学とはちょっと離れて、気圧の変化と体調不良について考えていきましょう。

Super Typhoon Utor
Super Typhoon Utor / NASA Goddard Photo and Video

台風と低気圧

まず『台風』とは何なのでしょうか。台風とは、北西太平洋や南シナ海で発生する熱帯低気圧で風速17m/s以上のものを指します。で、この『低気圧』が体調とのつながりをお話しするうえで大切なポイントになります。
低気圧を考えるにはまず『気圧』を知らなくてはいけません。
『気圧』とは、空気の重みが作り出す圧力のことです。目には見えない空気にも、実際には重みがあり、これが天高く積みあがっているので、地球上に存在するすべての物質には、この空気の重みによる圧力がかかっています。この空気の重みによる圧力は大気中の空気の圧力なので、『大気圧』と呼ばれています。標準大気圧は高さがゼロの海面で1気圧、 1013.25 hPa(ヘクトパスカル)とされています。気圧は空気が少なくなればなるほど軽くなり低くなるので、地上よりも空気の層が薄い富士山山頂は、計算上0.7気圧になるそうです。これは1気圧に比べて体全体にかかる圧力が0.3気圧少ない低気圧状態と言うことになります。
 

Storms
Storms / Jerry.Raia

 

高気圧と低気圧

空気は熱されて膨張すると体積は増えますが密度が低下するので、比重が軽くなります。熱された空気は周囲の空気よりも軽くなり上へ上へと登っていきます。これが低気圧の正体です。上昇気流により周りの空気を引っ張るので空気が人の体を地面に押し付ける力が弱くなります。低気圧とは文字通り、空気の層が薄く、軽く、気圧が低いところです。
この気圧の変化は主に太陽光により作られます。地球上で太陽に一番近い赤道付近では空気が温まって上昇気流を作り出して気圧が低下しやすい環境が整っています。これが熱帯(赤道付近)で生まれる低気圧、『熱帯低気圧』となり、冒頭の『台風』となるわけです。なので、台風は常に赤道付近で生まれて風にのってやってきます。日本から見ると下から上がってくるんですね。
逆に『高気圧』では、上空で空気が冷やされて重くなり、下降気流が発生します。空気が地表に押し付けられるので気圧が上がった状態が高気圧です。
というのが、低気圧と高気圧のお話です。低気圧は体を押し付ける力が弱いもの、高気圧は体を押し付ける力が強いものという理解は何となくしていただけたでしょうか。
 

Storm Cell Over the Southern Appalachian Mountains
Storm Cell Over the Southern Appalachian Mountains / NASA Goddard Photo and Video

人体は繊細なセンサーの塊

気圧は空気の重みが生み出す圧力ですが、この圧力が変化することで体調に影響を及ぼします。人間の体というのはほんの少しの変化も敏感に感じとることができる、ものすごく繊細なセンサーの塊です。様々な物を作る職人が、仕上がりをチェックするのに最後は指で触って確かめるというのを良く耳にしますが、どんなに正確な機械も人間の感覚の敏感さを超えることは出来ない程、人の身体は微小な違いも感じ取ります。その超敏感センサーの塊である人体にかかる圧力が変化すれば、もちろんその変化を敏感に感じ取り、様々な反応がおこり体調に影響をおよぼすことは用意に想像が付きます。
 

Towson, MD on 695
Towson, MD on 695 / Forsaken Fotos

気圧の変化と体調不良

人の体は今現在の気圧状態に順応しています。この「順応している状態」というのは、「内側から同じ力で押している状態」です。もしこの力が無ければ気圧にまけてぺしゃんこにつぶれてしまいます。
写真の袋入りスナック菓子を御覧ください。破れんばかりにパンパンに膨らんでいます。これは空気の層が薄くなる高所で撮影されたものです。高所では物体にのしかかる空気量が少なくなるので、空気の重み減り、圧力(気圧)が低下したます。そうすると、平地で作られたスナック菓子の袋は平地の気圧に順応されているので、高地に持って行くと、外からかかる力(大気圧)よりも、内側からの圧力の方が勝ってしまい、お菓子の袋は下の写真のように膨らみます。飛行機の中に袋入りのお菓子を持って行っても同じことが起きるので、機会が有れば観察してみてください。

untitled
untitled / holisticmonkey

これが人の体だとどうなるでしょうか。人の体がパンパンに膨れるわけではないですが、体にかかる圧力が弱くなるということは、例えば常に着ているゴム製のスーツを脱いだような状態になります。そうすると抑え込む力から解放されて、体は若干ですが、膨張します。さらに60%以上が水でできている人の体は、その細胞内の水分も外に出ようとしますし、血液の水分も血管から細胞の隙間ににじみ出てきます。これらは体のあちこちで「むくみ」になります。これがもし頭蓋骨の中で起これば、圧力が逃げる場所がないので、周りの細胞を圧迫してしまいます。人によってはその圧迫で頭痛が起きてしまいますし、関節で起これば関節痛になります。これが喉で起これば喉が腫れて気管が圧迫されて喘息っぽくなったりもします。
また、血管が拡張するということは一時的に圧力(血圧)が低下します。急な血圧の低下は、血流の低下を招き、細胞に行き渡る酸素や栄養素が少なくなり、肩こり・頭痛だけでなく、身体のだるさなども引き起こすか可能性があります。そして、血圧が低下すると、人の体はバランスを取ってもとに戻そうと血圧を上げようとするので、自律神経の一つで興奮を司る『交感神経』が介入してきます。そうすると人によってはイライラしたり、神経が過敏になったり、動悸が起きたりするようなこともあります。
逆に高気圧の場合は、身体を外から押す力が高まるので、ちょっとした血管もほんのちょこっとですが、圧迫されるので、血圧も上げられる、一種の興奮状態になります。もしかしたらそれによって、気圧の低下時とは違う頭痛を感じる方もいらっしゃるかもしれません。また、いらいらしたり、そわそわしたり、ドキドキしたりするかたもいらっしゃるかもしれません。
人間の体には「恒常性/ホメオスタシス」といって、身体を常に一定のバランスが取れた状態に保つ機能があり、気圧が変わればその都度順応できるようにできています。高山でも低い土地でも、低気圧も高気圧も時間があれば順応できます。でも台風のように急激な気圧変化にはその調節が追い付きません。
 

Typhoon
Typhoon / Jun Acullador

まとめると、

気圧が低下すると、体に対する外からの力が弱まることで内側から外に向けて力の方が強まり、血管や細胞が膨張して水分が染み出てむくみになったり、圧迫して痛みを起こしたり、だるくさせたりする。さらに下がった血圧を回復させようと自律神経が混乱し、イライラやほてりなども起こりやすくなるっというのが低気圧と体調不良の関係です。
また、低気圧は大体雨を降らせるので、湿度が上がります。これも体調に影響するのですが、長くなったので今日はこの辺で。
 
 

2014/07/23

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売