イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

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周先生に聞いてみよう!

こんにちは櫻井です。

さてさてブログアップがとっても久しぶりで、読んでいただけるのか心配ですが、

本日は、周先生syu90 子宝相談 についていろいろお聞きしました。

今回も前回の木梨先生と同様、ちょっと長いですが、ためになる話が一杯ですので、是非是非読んでみてくださいね。

 

 

 

 

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Q. それでは周先生、よろしくお願いします。

周: よろしくお願いします。

 

 

Q.   早速ですが、日本の不妊症の現状について、先生のお考えをお聞かせいただけますか。

周:  日本のような先進国ではその発展とともに、ストレスが増えて、生活のリズムも早くなり、睡眠時間が短くなって、女性が仕事にでる機会がふえて、結婚も大分遅くなってるようですね。そんな様々な原因によって、まず不妊という病気ではなくても、体のバランスが崩れることで妊娠しにくくなっているんではないでしょうか。昔の日本なら、結婚したら女性は仕事をやめる。けど今は男性と同じようにバリバリ働いて、キャリアをつんで、生活のリズムもどんどん早くなって、ゆっくりの時間が少ない。それこそ今の日本を包んでいるある意味での『病気』といえるかもしれません。

女性の身体は、本来は20代が一番妊娠し易い。でも昔より今は結婚が大分遅くなっていますね。そして子供を欲しいと思うのは仕事もひと段落した30代しかも後半。卵巣機能は低下してしまっている状態。そうすると早く出来て欲しいと思う余り、治療に対しても焦りが。ホルモン剤を毎周期使ったりして。そのあせりもストレスになることで、悪循環のスパイラルに陥ってるように思えます。

 

 

 

Q.  日本と中国での不妊治療、どういったことがちがいますか?

周:  中国なら、もし妊娠ができないときは、検査はもちろん行います。

そこで大きな病気が無ければ、ほとんどの人は漢方を試します。ホルモン剤は使わないで調経(生理周期を整えること)をしながら妊娠し易い体をつくる。後は、若いうちから妊娠に対する意識が高いように思えます。

日本で漢方薬局に相談にいらっしゃる方の多くは、散々ホルモン剤を使って、人工受精、体外受精までやって駄目で、最後に漢方という方が多い。そうなると体は無理がたたってぼろぼろになっていることが多く、さらに年齢も高いので、なかなか調整しにくいという違いがあります。

もちろん、脳下垂体の問題で、正常値の何百倍などのホルモンが出ている場合は、西洋医学の治療が絶対必要。でもちょっとバランスが崩れている、ストレスの影響があるなどのような状態なら、漢方で体作りをすることで、正常値に戻ることは沢山あります。ストレスや天候などでホルモン値が変わることは病気ではなく、日常的にあるものですから。

病院での検査は必要です。その検査結果をみて、器質的な問題があるなら病院。そうではなくて、数値がそこまで悪くないなら、日常生活を見てみてほしい。早く寝るとかバランスのよい食事を心がけるとか、ストレスをうまく発散する、運動するなど、自分で出来る自然のリズムを取り戻す方法をまずはしっかり実践して、それプラス漢方を考えていただきたいですね。

全体的なバランスを取り戻すことが大事。そうすることで妊娠し易くなります。ホルモン剤も少しの期間であれば私は反対ではありませんが、連続投与は考え物。長く使ってしまうと、なかなか本来の状態に戻らない。本当は人が元々もっている妊娠力を取り戻すことが大事なんですけどね。しばらくして妊娠できない場合はまず病院で卵管の詰まりや子宮の状態、ホルモン値などを検査して、さらに漢方で体質、からだの癖、バランスを調節すると妊娠しやすくなるはずです。

 

 

 

Q. では、子宝に悩む男性、ご主人にメッセージをお願いします。

周: 妊娠は女性だけの問題ではありません。

まず検査でどこが問題かを知ること。検査をしていないと本当の原因がわかりませんからね。不妊治療中のカップルのほぼ半数で男性が原因といわれています。でも大体は女性が一人で相談にいらっしゃいます。できればご主人も相談に一緒にいらして、お話を聞かせて欲しい。奥さんがどういう状態なのか、普段どういったことに気をつければよいのか、どんなことで悩んでいらっしゃるのかを是非一緒に考えて欲しい。女性が治療してバランスも戻ってよくなってるのに、男性は参加してないから、やっぱり妊娠できない。そういったことはほんとに多いです。

男性も少なくとも一度は検査しましょう。奇形率、量、前立腺、運動率など、悪かったらこちらも調整する必要がありますからね。

 

 

 

Q. これから妊娠を考えている方にアドバイスをお願いします。

周: これから妊娠を考えている方は、まず、自分の生理をチェックしてください。

そして基礎体温をつけましょう。周期が安定しているかどうかだけではなく、生理痛があるかどうか、塊がでるかどうか、量は多いか少ないか、生理の前、後の体調不良など、基礎体温をつけながら、不快感がある時期を記録して、いつ頃どういう問題があるか、あとで見て分かるようにしておけば、漢方の治療にとっても役立ちます。

生理前の頭痛だったり、生理後のどきどきだったり、いつも排卵時にお腹が痛くなるとか、腰が痛くなるとか、それぞれ特有の不快感があると思いますが、以前のこととなると人はなかなか覚えてないものなのでしっかり記録しておきましょう。基礎体温は不快感を記録してある方が役立ちます。どういった問題を直していけばわかりやすくなるので、調節しやすくなります。

 

 

 

Q これから漢方を服用しようと考えている人にアドバイスを。

 

周:  漢方を試そうと考えている
方は
、ある程度の時間が必要ということを理解してください。

漢方は自然のリズムを取り戻す方法なので、まず3ヶ月、3周期を目安に調節するつもりで。すこしのバランスの崩れならば、すぐ効果が出て、すぐ妊娠出来る場合もあります。でも気持ち的にはゆっくり調節することが大事。

後、こまめに相談に来て欲しい。薬を飲めば体は変化します。その変化に合わせて薬も変えていかなくてはいけません。なので、人に薦められた、ネットで評判だったなどで漢方薬を買って、ずっと同じものを飲むというのではなくて、漢方は、ゆがんだバランスを取り戻すのに飲んでいるので、バランスが変われば、漢方薬も変える必要があります。夏、冬などの季節や、ストレス度合いによっても体の状態が変わるので、飲む漢方薬は変わります。漢方の相談にいらっしゃる場合は、是非お時間をとって、普段の生活や困っていることなどをじっくりお聞かせ下さい。

そして、話すことで、相談することだけでもストレスは軽減されると思います。是非お話ください。

 

 

 

Q.   妊娠できたらどんなことに気をつければよいでしょうか?

周: 妊娠しにくい人は流産し易い。

だから、赤ちゃんが出来たらしっかり守る事が大事。漢方には『安胎(あんたい)』といって胎児を守る方法や薬がありますので、是非ご相談下さい。そして、激しい運動はしないこと。特に、妊娠90日目までは完全な安定期ではないので、走ったり、重い荷物を持ったりするのは絶対やめてください。でも、まったく運動しないのも問題なので、散歩やウォーキングぐらいならいいですが、激しい運動はしないでくださいね。重い荷物は腹圧がかかるので、これは絶対止めてくださいね。

便秘があっても、慎重に。下剤は流産につながることもあるので、できれば禁止したほうがいいです。食事は、冷たいものや消化しにくいものは下痢や便秘の原因にもなりますし、止めたほうがいいですね。日本では和食が一番ですよ。

漢方は、不妊治療中の薬はほとんどの場合はお休みしますが、何を飲めばよいか、避けるべきかを必ず相談に来てください。

 

 

 

Q. 最後に先生が中医師(漢方のお医者さん)になったきっかけとはなんでしょうか?

周: 私が高校生のとき、大学受験の前に、祖母が骨折したんです。病院にいったんですが、西洋医学では手術しか出来ないといわれました。しかも祖母は84歳と高齢だったので、手術してみたらどうなるかわからないからサインして欲しいといわれたんです。さらにもし手術に成功しても、後は鎮痛剤を飲むしかないと。老人は骨が弱いですからね。手術でくっつけても、その後が問題なんですよ。

それで困っていたら、知り合いが北京市の郊外で、有名な老中医(中国医師が目指す中医師の中の中医師のような名医)を紹介してくれたんです。その方はわざわざ私のうちまでおばあちゃんを診に来てくれたんです。骨折の患者さんは病院行くのも難しいことを理解してくれていて、それでいらしてくれました。そして、その方の鍼灸治療と漢方の治療だけでなんと治ったんです。骨折箇所を固定して、動かないようにして、マッサージしたり、骨の回復が早まる漢方を飲んで、1ヶ月ほどで治ったんです。

それをみて、医者になりたいとおもいました。医者になっておばあちゃんを助けたいと思ったんです。単純ですね 笑 その老中医の印象がすごく強かったから、西洋医より、中医を選んだんです。

人の病気は原因不明なことが多い。でも中医学はその不明なものにも対応できるんです。そこが中医学、漢方の素晴らしさですね。

私が医者を目指したときは、ただおばあちゃんを自分で助けることができると、また骨折しても私が医者なら家で診てあげられると思ったからですが、今は、沢山の方が健康になったり、赤ちゃんができたりなど、私の家族だけでなく、皆を助けたい。そして、その喜びを共有できることがとっても嬉しいです。

 

 

以上でインタビューを終わります。周先生、お忙しい中、ありがとうござました!

周: ありがとうございました。

 

 

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周先生はとっても優しい。インタビュー中もずっと笑顔で丁寧にお話いただきました。

そのやさしさの根底には、家族を助けたいという愛があったんですね。

その愛が今では病気や体の不調で困っている人すべてに向けられている。そこがすばらしいですね。

 

周先生は毎週木曜日、イスクラ薬局 六本木店でご相談にあったっていただいています。東京で周先生に相談できるのは木曜日の六本木店だけです!

 

周先生のご予約は

03-3478-4382

イスクラ薬局六本木店

まで!

 

 

 

 

周先生 プロフィール

毎週木曜日担当: 周 軍 (しゅう ぐん)

syu90

*不妊症・婦人科・メンタルヘルス*

中国・北京市出身
1983年 中国北京中医薬大学中医学部卒業
1983年 中国北京朝陽中医医院内科医師
1989年 同医院内科講師
1993年 日本中医振興協会、東方しぜん健康センターにて臨床指導
1998年 日本中医薬研究会専任講師、中国中医薬学会会員

日本中医薬研究会専任講師として、中医薬の普及活動に従事

2011/08/25

☆六本木店 スタッフ紹介☆

 
久々の更新となってしまいました。
お久しぶりです。櫻井です。
 
本日は六本木店のすばらしい(w)スタッフをご紹介いたします!
薬局には基本、漢方・西洋問わず、女性のスタッフが多いですね。
なぜ?それは僕にはわかりませんが、相談し易いというのは確かですね。
でも男性にしか聞けない『男の悩み』もありますよね?
そんなときはいつでも私にご相談下さい!
因みに私は経歴上、心理(中医心理・臨床心理)を得意としてますが、
皮膚、疼痛、男性に効く漢方のご相談も多く承っておりますので、
安心してご相談下さい。
 
 
では、紹介させていただきます。
 
 
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櫻井 大典 (店長 登録販売者/英語担当)
火曜日 休み
父が経営する薬局で漢方薬と出会い、漢方相談でのカウンセリングの重要性に気づき渡米。カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校で心理学と代替医療(東洋医学・ストレスマネージメント)を学ぶ。帰国後、某コンサルティング会社で主任コンサルタントを経て、イスクラ中医研修塾へ。北京首都医科大学研修後、イスクラ産業入社。イスクラ薬局新宿店勤務の後、今年春よりイスクラ薬局六本木店店長・漢方カウンセラーとして週5日相談中。趣味は読書とカメラ。ストレス発散にはバイクに乗ること。
お客様の「つらい気持ち」に耳を傾けるカウンセリングを重視し、様々なお悩みの解決のお手伝いをさせていただいております。もし周りの人には伝えられないお悩みをお持ちなら、是非一度当店に足を運んでみてください。“悩み”は人に話すことで少し楽になるはずです。個々の体調・体質を考えたオーダーメードの漢方的アドバイスをしっかりさせていただきます。
 
 
 
木梨 聡子(薬剤師・国際中医相談員)
月・新宿店 / 火~土・六本木店 / 木曜休み
漢方に興味を持ち単身中国北京へと渡り、北京中医薬大学・日中友好医院にて中国伝統医学を学ぶ。1999年よりイスクラ薬局勤務。
“中医学の知恵を生かして心と身体をより健やかに美しく”をモットーに女性の生理不順や子宝相談を主に承っています。ストレス解消には、街をブラブラする、コンサートやお芝居を見に行く、美味しいものを食べるなど。疲れたときは大きな木に抱きつく!これに限ります!!
詳しいインタビューはこちら**木梨先生に聞いてみよう!
 
 
 
 
桑島 宣子(薬剤師・国際中医相談員)
月・六本木 / 火~金・新宿店
当店には様々なお悩みを抱えたお客様がいらっしゃいますので、女性特有のお悩み、美肌、ダイエット、アンチエイジング、更年期から子宝相談など、なんでもご相談させていただいております。趣味はテニスですが、体が硬いのでヨガにチャレンジしたい今日この頃。体の不調には漢方を飲むだけでなく生活全般の養生が大切です。中国には『睡美人』という言葉があるぐらいたっぷりの睡眠は美肌にも子宝にも良いですよ!生活養生、食養生のアドバイスもしっかりさせていただきます。
 
 
 
 
大森 裕子(登録販売者・国際中医相談員・国際薬膳師/中国語担当)
火・六本木店 / 木・新宿店
中国滞在中に各種漢方療法を受けたのをきっかけに、帰国後、北京中医薬大学日本校で薬膳と中医学を学ぶ。2006年よりイスクラ薬局勤務。女性の健康から胃腸のトラブルなど幅広くご相談をうかがっております。少しだけ漢方の助けをかりて体調を改善し、あとは食生活や生活習慣を見直すことで体調を維持していくようお手伝いさせていただきますので、是非ご相談下さい。趣味は寺巡りと昨今流行の断捨離、生理整頓しながらストレス解消しています。
 
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当店では中医学講師によるご相談も承っております(予約制です)。
「私の症状にどの先生が最適?」というかた、
是非下記リンクを参考にしてみてください。
https://www.ikanpo.jp/roppongi/lecturer/
 
 
ご予約・お問い合わせはお電話かメールでどうぞ。
 
イスクラ薬局 六本木店
定休日:日曜・祝日
Tel: 03-3478-4382
Mail: roppongi@iskra.co.jp
HP:    http://ikanpo.jp

2011/05/12

木梨先生に聞いてみよう!(子宝、ベビ待ち、妊活相談)

こんにちは櫻井です。
さてさて本日は、木梨先生kinashi子宝相談 についていろいろお聞きしました。
木梨先生は、日本の薬科大学を卒業後 、単身中国に渡り、北京中医薬大学で本場の漢方を納められた行動力に溢れる先生です。ちょっと長いのですがとてもためになるお話ですので、是非是非参考にしてみてください。
 
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Q.   それでは木梨先生、よろしくお願いします。
木梨. よろしくお願いします。
 
Q.   早速ですが、日本の不妊症の現状について、先生のお考えをお聞かせいただけますか?
 
A.     基本的に子宝でご相談にいらっしゃる方々は、男女とも年齢が高いのが(30代半ば以降)特徴ですね。その30代後半から40代の女性に関して言えば、女性の社会進出に拍車がかかりだした時代の方々なのかな?という印象を受けます。バリバリ仕事をして、キャリアを積んで~ ってしてるうちに妊娠の適齢期を逃してしまった方が多いのかも。そういう方々は押し並べて、ストレスが多いのも特徴。ゆとりある時間がとれないことも多く、疲れも取れないから、そういうことが後回しになっちゃったのかもしれませんね。
そして、その下の世代、つまり20代後半から30代前半の方々は、先輩たちを見ていてちょっと危機感を持った世代。そういう人たちは、ネットや雑誌でいろんな情報を収集しているので皆さんホント知識は豊富。ですが、結局自分はどのタイプかがわからないので相談にこられるという方が多いですね。
 
 
Q.  では、そういった方々が、西洋医学の不妊治療でもなかなか効果が上がらないのはなぜでしょうか?
A.   会話する時間もなく、触れ合う時間もない。毎日毎日忙しく一日が終わってしまっている。子供を持つというのは、古臭いけど、二人の愛の結晶。でも病院の治療が始まると数値だけの問題になってくる。やれ運動率がどうとか、ホルモンの値がどのくらいだとか。それはそれでもちろん大事な判断要素だけど、でもやっぱり二人の関係が上手くいってるところに赤ちゃんは降りてくるのかなと感じています。治療技術、検査技術が発達したことで目に見えるものが重要視され過ぎてしまって、目に見えない“夫婦のつながり”が薄れてきてしまっては本末転倒ではないかな?と。
 
 
Q.  中医学(漢方医学)の目から見るとどういったことがいえますか?
A.   今の西洋医学的な不妊治療の手法は、目に見える数値化されたものに重きをおいているので、漢方では目に見えない部分を重要視する必要があると思うんです。中医学には見えない『気』という表現がありますが、これは生命の源、命のエネルギーのことです。赤ちゃんが生まれるということも、目には見えない魂が宿るということです。
「病院の治療をしてるから夫婦生活を持たない」という人もよくいらっしゃいます。
そういう方は、手をつなぐだけでも、一緒にいるだけでもいいので、とにかく触れあって相手の温度を感じてみてください。そうすることで心が穏やかになり、数値に一喜一憂せずに、焦らずゆっくりと治療していくことを受け止められるようになれるはずです。
 
 
Q.  では、不妊治療中の男性にメッセージをお願いします。
A. もっとオープンにお話ししていただけると良いなと思います。確かに男性がこういった悩みを他人に相談することは簡単ではないかもしれません。更に私のように女性に相談するのも勇気のいることだとおもいます。けど、男性も女性も子供が欲しいという気持ちは一緒ですよね?相談に乗れることもたくさんあると思うんです。
現在不妊治療中の男性のなかには、もしかしたら大きな寂しさを感じているかたも多いのではないでしょうか?タイミングとるにしても、ただそのときだけ、コミュニケーションや、ボディタッチもなく、必要なときに精子を提供しますみたいなことで、赤ちゃんをつくるためだけの存在のように感じている方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?そういう気持ちを吐くだけでも楽になるなら、是非是非いらっしゃっていただければよいなとおもっています。
男性はどこで悩みを相談されているんでしょうか?女性のようにいきなりクリニックに行くことも少ないとおもいます。漢方薬局なら、ついでと言ってはなんですが、ご相談に来ていただく敷居は低いんじゃないでしょうか?もっと気軽に相談して欲しいですね。
 
 
Q.  これから妊娠を考えている方にアドバイスをお願いします。
 
A. 睡眠はとっても大事。中医学から見ると睡眠は、陰陽の陰に属します。同じく陰に属する腎精(じんせい)や腎陰(じんいん)など卵子や精子育てる栄養の元を養うには、陰の時間である夜に睡眠をとることが大事。寝る時間が遅くなればなるほど、妊娠するために必要なものを蓄える時間は短くなります。睡眠は、寝る時間の長さよりも寝る時間帯(陰の時間帯PM6時からAM6時)が大切です。その中でも一番大事なのが午後10から午前2時の陰がピークを迎える時間帯に熟睡していることなんです。
それから、なんといっても夫婦間のコミュニケーションです。二人の生活を楽しく送って欲しい。ほとんどの人が忙しすぎるような気がします。仕事が忙しいのはもちろんわかっていますが、優先順位をもう一度考えてみてもいいんじゃないでしょうか?二人の心を大事にして欲しい、二人で話あってほしい。相手に対するいたわりや思いやりを大事にして欲しい。
家族や親戚や社会からのプレッシャーや、治療自体のストレスからどう二人で乗り越えていくか?どうやって立ち向かっていくか?を考えたとき、二人の気持ちにズレが無いことがとても重要になってきます。ズレを生じさせないためには、やはり日ごろの会話を多くもつことであり、触れ合いな
んだとおもいます。そうやって、お互いに近づける努力が必要。病院の治療をうけるか否か、どう向き合っていくのか、男性は、女性の時間的猶予をどううけとめられるか、女性は、男性のプライドやプレッシャーをどう理解してあげられるか。そうするにはやっぱりコミュニケーションが大事なんだとおもいます。薬をのみたい。子供がほしいなどなど。すべては”思い”から出発します。思いを大切にしてみてください。
 
 
Q これから漢方を服用しようと考えている人にアドバイスを。
 
A 子供を授かるというのは、心と身体の状態が偏りなくバランスが良い状態になって初めて授かるもの。そんな時、漢方の経験や知恵は子供が出来易い身体作り大いにプラスになるはずです。
漢方の知恵の中には、男女ともに心身の安定、健康な身体作りには欠かせない要素がたくさんあるので、是非取り入れてチャレンジしていただきたい。身体の変化は日々刻々とかわっています。根気もいりますが、結果は必ずついてくると確信しています。
 
 
Q.   妊娠できたらどんなことに気をつければよいでしょうか?
A.    お腹の赤ちゃんにたくさん話しかけてください。おかあさんはいつも一緒にいるよと教えてあげてください。赤ちゃんはお母さんの心の動きや言葉に敏感に反応します。穏やかな気持ちで楽しい声でたくさん話しかけてあげることで、情緒豊かな子に育つと思います。
 
 
Q.  最後になぜ薬剤師になられたんですか?そしてなぜ漢方の道を選ばれたんですか??
 
A. もともと、私自身、身体が弱くてよく病院に行っていたんです。病院の待合室にいるとき、薬剤部の中にいる女性がすごくかっこよく見えて、「あの中にはいってみたい!」と思ったことがきっかけかな?もう一つは自分の身体のことを診れたらいいなと思ったこと。でも化学薬品では自分の体が良くならないことに気づいて、他の方法を探していたら、たまたま薬剤師会で「漢方医」の先生の講演を聴く機会があり、そこで漢方の“整体観”という概念を伺って大きな衝撃をうけました。整体観とは身体をパーツパーツで分けるのではなく、大きな一つとしてみるという概念です。 大学でも生薬の授業はありましたが、化学的なことしか学ばなかったから。その講演から漢方にすごく興味を持ち始めました。
漢方を勉強したいとおもったんですが、どこから始めてよいのかわからなかったんです。 でも、自分が求めるものに早く近づきたいという思いは強くなるばかりで。そうしたら、C型肝炎を発病してインターフェロン療法を受けていたけど全くよくならなかった姉の夫がある人の勧めで、北京の漢方専門病院に行き受診して出してもらった漢方薬を2ヶ月間服用したところ、劇的な改善がみられたんです。そして、その姉の夫が「また次の診察で北京に行く」というので、中国での治療というのにとても興味がわき、是非本場を見てみたくて同行することにしました。これがはじめての中国でした。 訪れた中国北京広安門病院では、満面の笑みでおじいちゃん先生が、何の検査器具も使わず、手首をつかみ(脈をみて)舌をみて、義兄の話を聞いただけで、難しい処方を書いていた。「たったそれだけで西洋医学が太刀打ちできなかった義兄の病気が回復にむかったのか!?」と二度目の衝撃でした。あの気持ちは今でも忘れられません。「“漢方”っていったいなんなんだろ???」と。それで留学を決意しました。
 
以上でインタビューを終わります。木梨先生、お忙しい中、ありがとうござました!
木梨 ありがとうございました。
 
 
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木梨先生はいつも笑顔でとっても明るい先生。私のわかりにくい質問にも丁寧に時間をかけて説明していただけました。 その上ほんと聴き上手。こちらの意図を上手く汲み取っていただけるので、話しているうちについつい気持ちよくなってきてついつい話しすぎてしまいます。 そういったお人柄が先生を頼りにいらっしゃるお客様が多い理由なんですね。納得です。
 

木梨先生のご相談は、六本木店までご連絡ください。

 

六本木店: 03-3478-4382

https://www.ikanpo.jp/roppongi/

木梨先生プロフィール
kinashi
木梨 聡子 (きなし あきこ)
福岡県出身
薬剤師・国際中医相談員・不妊カウンセラー
1995~98年中国の北京中医薬大学、中日友好医院で中国医学を学ぶ。
好きなこと:温泉旅行、ドライブ、音楽鑑賞
六本木店に週5日勤務。
(木梨先生は木曜日がお休みです)

2011/04/07

★春の養生★

百菜元気新聞 2月号 旧暦で楽しむ漢方スローライフより

 

  春は風の季節

kafun_soft 中医学では、それぞれの季節の特徴を六気「風(ふう)、寒(かん)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)、火(か)」とし、これら六気が過剰になったり不足になったりすると、邪気となり私たちの健康に影響を及ぼすと考えます。

中医学の五行学説では、春は「風(ふう)」の気が活発になる季節とされています。風は軽く、上昇し、変化いしやすいという性質を持ち、この時期は頭痛、鼻づまり、のどの痛みなどの身体の上部に症状が現れやすいのも特徴です。この風にのってやってくる花粉も邪気の一つです。花粉症の人達にとっては悩ましい季節の到来となります。

 

 

 

「衛気(えき)」を充実させる

「季節性アレルギー性鼻炎」とよばれる花粉症は、花粉が喉や鼻、目などの粘膜に付着することによって引き起こされる、くしゃみや鼻づまりなどの症状の事。中医学的にみると、皮膚や粘膜などの体表部を防御する免疫力である「衛気(えき)」が不足している状態を言います。もともと体質が虚弱であったり、ストレスが多い、睡眠不足や偏食などの不規則な生活を送っていたりすると、衛気も不足しがちになります。

食事の面では、胃腸の働きを整える野菜を多めに摂るとよいでしょう。米、粟、ハトムギ、じゃがいも、にんじん、たまねぎ、セロリ、キャベツ、ほうれん草、ごぼう、せり、菜の花、しょうが、ねぎ、ごま、鰆、クコの実、ナツメ、ミント、ジャスミン茶などがお勧めです。

漢方では、衛気を補う黄耆(おうぎ)に、消化機能を高める白朮(びゃくじゅつ)、邪気の侵入を防ぐ防風(ぼうふう)を加えた玉屏風散(ぎょくへいふうさん*販売名『i衛益顆粒顆粒(えいえきかりゅう)』)や薬用人参、麦門冬、五味子配合の『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』などが良くつかわれています。

 

 

 

 

お手軽薬膳レシピ

 

minestorone 野菜たっぷりミネストローネ  minestorone

 

胃腸の働きを整える野菜がたっぷりのミネストローネ

〈材料・2人分〉

A

  • たまねぎ     1/4個
  • にんじん     1/4本
  • じゃがいも 1/2個
  • セロリ      1/4本
  • キャベツ   1枚
  • ベーコン   2枚

 

  • ブロッコリー                    1/4株
  • トマトの水煮(缶詰)            200g
  • にんにく(みじん切り)          1/2かけ
  • オリーブ油                      大さじ1/2
  • 水                              2カップ
  • 固形スープの素                 1個
  • 塩・こしょう 少々
  • パルメザンチーズ 適量

 

〈作り方〉

  1. Aの材料をそれぞれ1cm角に切る。ブロッコリーは小房に分けて塩ゆでする。
  2. 鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たらAを加えて中火で炒める。トマトの水煮を加えて野菜がやわらかくなるまで煮込む。
  3. ブロッコリーを加え、温まったら塩、こしょうで味を調える。
  4. 器に盛り付け、パルメザンチーズをかける。

 

レシピ担当: 鈴木理恵(国際薬膳師、栄養士)

2011/03/28

心とカラダの健康は「睡眠」から

こんにちは。櫻井です。

 

地震、皆様のところは大丈夫だってでしょうか。

幸いにも当店は、少し商品が倒れた程度で、被害らしい被害はありませんでした。しかし、今尚被災地やその周辺、そして関東近郊でも不自由な生活を余儀なくされている方々もいらっしゃいます。

 

「頑張れ!」とは軽々しく言えることではございませんが、団結し力を出し合い困難に立ち向かっていくしか新たな道を開くすべは無いこともまた確かです。

 

私どもに出来ることは、今まで通り日々店頭で、そしてインターネットを通じて、お客様のお悩みをお伺いし、その回復にむけたお手伝いをさせていただくことが一番と考えております。

 

 

 

そんな中、今回は、今月のチャイナビュー(当店でおくばりしている小冊子)の中から、菅沼先生の漢方の知枝袋より睡眠についてのお話を掲載したいと思います。

少し長文になりますが、まだまだ余震も続く中、不安な生活を送っていらっしゃる方々に微力ながら中医学の知識と経験をもとに、すこしでも不安を取り除くお手伝いが出来ればと思い掲載いたします。

 

 

それでは、菅沼先生の連載、漢方の知枝袋より、『睡眠の養生』についてのお話です。

 

 

 

 

 

 

ストレスが多く、生活が不規則になりがちな現代社会では、多くの人が不眠の悩みを抱えています。心と身体の健康を維持するためにも、良質な睡眠をとることはとても大切。中医学の養生で"眠りやすい身体づくり”を心がけ、すっきり目覚める快眠生活をめざしましょう。

 

 

心とカラダの健康は「睡眠」から

寝つきが悪い、よく眠れない、夜中に目が覚める・・・・。こうした 不眠の症状は、ストレスや過労、心の不安定などが大きな原因に。中医学では、その原因を大きく2つのタイプに分けて考えます。一つは精神を安定させる栄養分「血(けつ)」が足りないタイプ。もう一つはストレスが"過剰"なタイプで、いずれも五臓六腑の不調、特に「心(しん)」と「肝(かん)」の不調に深いかかわりがあります。

 

 

これは「心蔵神」「肝蔵魂」といって、五臓の心は精神を、肝は魂を宿している、という中医学の考えによるもの。心は"血を集めて全身に送る"、肝は"血を蔵する"という働きがそれぞれありますが、精神や魂はこの血の栄養分によって安定していると考えるため、ストレスなどが原因で心や肝へ送られる血が減ったり、血の栄養分が不足すると、気持ちが不安定になり不眠の症状が現れるのです。また、気血を生む源である「脾胃(ひい)」(消化器系)の不調は、血を十分に作ることが出来ないため、血不足を招き、不眠の原因となります。

 

もう一つ、過剰なストレスも不眠になりやすいので要注意。強いストレスを受けて上手く発散ができないと、心に熱が発生してイライラや火照りを感じ、なかなか寝付けなくなってしまうのです。

 

この他、早朝に目が覚めてしまう加齢が原因のタイプも。不眠は長く続くと体調を崩す原因にもなります。まずは不眠のタイプと原因を見極めて、症状が重くなる前に改善するよう心がけましょう。

 

 

 

 

イライラ、憂鬱で「寝つきが悪い」タイプ

ストレス過剰で熱がこもり、イライラの原因に

イライラや憂鬱感、身体の火照りなどを感じてなかなか寝付けないのは、不眠の初期に多いタイプ。まずはストレスを上手に発散するよう心がけましょう。

 

また、このタイプは「心」に熱がこもりがちなので、涼性の食材を選んで身体の中から熱を冷ますこともポイントです。

初期の不眠なら、改善もそれほど難しくありません。この段階でなるべく不眠を解消できるよう、積極的に養生しましょう。

 

 

主な症状

・寝つきが悪い ・イライラしやすい ・憂うつ感 ・からだの火照り ・喉が渇く

 

食の養生香りの良いものでストレスを発散し、涼性の食材で清熱を!

キンモクセイの花、ふき、ハマナスの花、蓮根、菊花、苦瓜、ジャスミン、のり、くちなし、わかめ、しそ、セロリ、たけのこ、レタス、ふきのとう

 

よく使われる漢方

加味逍遙散(かみしょうようさん)、酸棗仁湯顆粒(さんそうにんとうかりゅう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 

 

 

 

夜中に目が覚める「眠りが浅い」タイプ

足りない「血」を補って、心と身体を元気に

血は、「心」や「肝」に十分におくられる事により、精神を安定させる働きをします。

しかし、ストレスや胃の不調などが原因で、血が十分に作られなくなると、心・肝の血も不足しがちに。結果、精神を穏やかに保つことができず、不安感やうつ気分などを感じて熟睡しにくくなってしまうのです。

夜中に何度も目が覚める、夢が多いといったこのタイプの不眠は、慢性化している場合が多く、体調も崩しやすくなりがちです。まずはしっかり栄養を取って足りない血を補い、心身の健康を保つことが大切です。

 

 

 

主な症状

・眠りが浅い ・夜中に目が覚める ・夢が多い ・不眠の慢性化 ・不安 ・動悸 ・めまい ・物忘れ ・冷え *生理中や産後、病後、貧血気味の人にも多い不眠です。

 

食の養生甘味のある食材で不足した血を補いましょう。

黒砂糖、赤ワイン(少量)、クコの実、ホットココア、なつめ、リュウガンニク、卵、小麦、ユリ根

 

 

よくつかわれる漢方

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、天王補心丹(てんのうほしんたん)、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)

 

 

 

 

早朝に目が覚める「加齢による不眠」タイプ

「腎」のようじょうで元気な身体づくりを

「心」と「腎
」は“火と水”の関

2011/03/25

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中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売