
生理の量が多い!?
生理が始まるとつらい痛みもさることながら、生理の量が多くてつい漏れていないかおしりを気にしてしまったり、1時間に何度もお手洗いに行かなくてはならなかったり、お手洗いの場所を常に確認しないといけなかったり…などなど「このままお手洗いにずっと腰掛けていたい!」とまでいかなくても、量の多さもまたストレスになることが多いですよね!もちろん内科的な病院があって量が多くなることも大いに考えられますが、病院へ行ってみたものの異常が見つからず、何も手を打てずに毎月ヒヤッとする瞬間に悩まされている方も多いのではないでしょうか?
そんなときは漢方薬の出番かも知れません。
生理の量が多いを中医学的に考えると…
衝任虚寒
月経周期が長い、経血が淡暗色や黒豆汁の様であったり血の塊が混じる、月経時に下腹部が冷えて痛い、温めたり押さえると楽になる、元気がない、顔色が青白い、冷え、うすいおりもの、不妊…などを伴いやすい
これは生理機能をつかさどる「腎」の、全身を温めて巡りを良くする陽気が失われることによりバランスが崩れ身体の中に寒を生じます。この間が子宮にとどまることで血の流れを悪くしてしまう状態です。この場合は身体を温め、寒を散らして血を養えるような漢方薬、例えば、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)や温経湯や芎帰膠艾湯、などを選びます。

肝心陰虚
ほてり、めまい、耳鳴、寝汗、不眠、夢をよく見る、腰膝がだるい、目が乾いて異物感がある、便が硬い…などの症状を伴いやすいこれは漢方でいう「肝」や「腎」で貯えている精血が消耗されることで、身体にうるおいや栄養を与える陰が不足(虚)します。陰虚状態は身体を温める陽気をつなぎとめられず、陽気が膨らむことで熱が生まれ、熱が血中に入ることで血の流れが加熱してしまう状態です。 この場合は肝腎を補って自分で十分な火消しを出来るような漢方、例えば杞菊地黄丸や二至丹などを選びます。


脾気虚
月経後に下腹部痛があり押さえると楽になる、顔色が白い、倦怠感、元気がない、息切れ、汗をかきやすい、食欲がない、下痢、むくみ、白いおりもの…などの症状も伴いやすいこれは食べた物から気血を作って全身に運ぶ「脾」、いわゆる胃腸などの働きが悪くなると、血が脈から漏れないように留めておく力が弱くなり、経血を留めることも出来ず血が溢れでてしまう状態です。この場合は「脾」の力不足を補って、気や血が溢れ出ないような漢方、例えば補中丸や心脾顆粒などを選びます。


また、活血止血作用のある田七人参などを併用する場合があります。
ここで紹介したのはごく1部ですので、漢方薬を試してみたい!という方には是非一度漢方相談をお勧めします。よりお体にあった漢方薬を一緒に試してみませんか?
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