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季節の薬膳・養生法 の記事一覧

寒い季節にぴったり!「お好み焼き」の話。

こんにちは。櫻井です。本日10月10日は、昔は「体育の日」でしたが、2001年からハッピーマンデー制度によって10月の第二月曜に変わっていますので、今年は10月14日が体育の日です。10月10日が体育の日に制定された理由は東京オリンピックの開催日を記念してという理由だそうです。で、今日は体育の日の話ではなく、今日は「お好み焼きの日」だそうなので、お好み焼きの話をしますw なぜ10月10日がお好み焼きの日なのかというと、お好み焼を焼く音「ジュー(10)ジュー(10)」の語呂合せだそうです(オタフクソース談)。
 

 
お好み焼きと言えば、キャベツ、山芋、豚肉、卵、エビなどが定番ですが、これがこの季節にピッタリな食材ぞろいです。
まず主役のキャベツ(お好み焼きはキャベツが主役です)には胃と腎の働きをよくする力があります。さらに胃腸薬の「キャベジン」でもおなじみのキャベツに多く含まれるビタミンUは、胃粘膜の働きを助け、胃を守ってくれます。さらにビタミンCも豊富でお肌にも良いです。そして次に山芋。山芋は中医学では「山薬(さんやく)」とよばれ、消化吸収を促し、胃腸を丈夫にし、滋養強壮によく使われる生薬です。その他、美容効果にも優れ、生活習慣病の予防にも効果があるとされています。豚肉は、血を増やし、腎を養い精力を付けてくれます。さらに体を潤す作用もあるので、乾燥が気になる秋から冬にかけてはうってつけの食材です。豚肉は牛肉の何倍ものビタミンB1を含み、疲労回復や、末梢神経の働きを正常に保つのにも優れています。はビタミンCと食物繊維以外の栄養成分をすべて含んだほぼ〝完全食品”です。潤いや血を生むので、喉や皮膚の乾燥、精神不安にもおすすめの食材です。また黄身にふくまれるレシチンはコレステロールを溶かす作用があるので、動脈硬化の予防にもぴったりです。エビは、身体を温め、血行を促進します腎を強化する力があり、スタミナをつけてくれます。温める力が比較的強いので、皮膚症状が出ている場合には避けたほうが良いぐらいです。
 
お好み焼き、なんと素晴らしい食べものでしょうか。美味しいお好み焼きを作るコツは、水に溶いた薄力粉(またはお好み焼き粉)は余りたくさん使わないようにして、キャベツをたっぷり入れることです。粉を食べるのではなくて、キャベツを焼いて食べるぐらいの感覚です。キャベツは千切りではなく、5mm角のみじん切りにします。卵は生地に入れず、生地と具を混ぜるときに一枚につき1個入れます。ちなみに私の家では、それらの食材に加えて、みじん切りにした紅ショウガ、イカ、ちくわ、天かす、桜エビなども入れます。基本的に何を入れてもおいしいのがお好み焼きです。最悪、キャベツと豚と粉があれば作れます。さらに我が家では、ソースも自作します。もとから作るわけではありませんが、中濃ソースをベースに、ケチャップ、醤油を適量混ぜたものをお好み焼きの上にたっぷりかけて、青のり、花かつお(大きい削りのほうが美味しいです)、マヨネーズ、一味などをかけて食べます。大阪出身の母と奈良出身の父に育てられた私も、もちろん、これをおかずにご飯が食べられます。たぶんこのソースが決め手で、ごはんにすごく合うんです。これにビールがあれば言うことなしです。一度お試しください。
 
キャベツ
性味: 平性、甘
帰経: 肝、大腸、胃、腎
気虚、気滞、瘀血に
 
豚肉
性味: 平性、甘・鹹
帰経: 脾、胃、腎
陰虚、気虚、血虚に
 
エビ
性味: 温性、甘・鹹
帰経: 肝、腎、脾
陽虚、気虚に
 
山芋
性味: 平性、甘
帰経: 脾、肺、腎
気虚、陰虚に
 

性味: 卵黄・平性、 卵白・涼性、 甘
帰経: 心、腎
卵黄: 陰虚、血虚に
卵白: 陰虚、熱状態に。

2013/10/10

喉を労わる「梨」のお話。

今日はなんの話を書こうかな??っと考えを巡らせる毎日で、通勤時間に読んでいる小説からも「今日のネタ」を探し出そうと躍起になっている櫻井です。どうもこんにちは。
いや~寒いですね。この寒さの中、半袖の人や、短パンの人や、ミニスカートの人や、サンダルの人まで見かけますが、体調を崩さないか心配になります。電車のなかでも結構深いところに邪がありそうな、熱と痰が絡まったような咳がよく聞こえてきます。もしかすると私が気にしすぎてるからそう感じるだけかもしれませんが、冬に備えて冷え対策はしっかりしておいて絶対に損は有りません。放っておくと、カゼをひきやすくなったり、悪化しやすくなったり、治りにくくなったり、春先の花粉症が酷くなったり、あちこちに痛みが出たり、女性では、生理痛が悪化するなんてことにもなりかねません。とにかく「未病先防」が大切です。しっかりガードしましょう。特に冷えの邪気が侵入しやすい、手首、足首、首などをガードすることをお忘れなく。お家でも靴下を穿いてくださいね。
 

 
今日10月5日の誕生果は新高梨だそうです。梨ではなくて、「新高梨」に限定されている理由はなんなんでしょうね。個人的には梨の中でも新高が一番好きです。あの瑞々しさとシャキッとした歯ごたえがいいですね。どうも洋ナシみたいなふにゃっとしたのは苦手です。
新高は、新潟の梨と、高知の梨を掛け合わせた物なんだそうですが、その新潟の梨は、かつて高知から移入されたものだそうで、実際には高知県の梨と元高知県の梨を掛け合わせたのが「新高」だそうです。新高は今ではいろんなところで栽培されていますが、やはりおいしいのは南国土佐のものという気がします。昔、高知に住んでいた叔母から送られてていた新高のあの甘さとしゃきしゃき感と瑞々しさが懐かしいです。


Nashi 梨 / thedailyenglishshow

新高かな?

もらった梨がでかい! / hirotomo

梨は、中国を原産として、中国や日本、朝鮮半島に自生している「やまなし」を美味しいものに改良したものだそうです。日本で初めて梨が食べられたのは、弥生時代頃とされ、弥生時代の遺跡から食用として食べられた後の種が見つかっているそうです。初めて文献に出てくるのは、『日本書紀』のなかで、持統天皇が梨の栽培を奨励したという記述があるそうです。

梨を中医学的にみてみると

梨の性味は涼性で甘酸。肺を潤し、喉の乾きをいやし、熱をとり去る働きがあります。1600年の後半ごろに書かれた薬草の書物、『本草備要』の中でも梨は、「生で食べると六腑の熱をとり火を通して食べると五臓の陽を滋養される」とあります。酒毒を解消する働きもあるとされているので、二日酔いにも良いでしょう。その他、痰を抑えてくれる働きもあるので、喉の調子がわるい、熱っぽいなどの時は多目に食べることをお勧めします。痰が気になる人は、毎日少しずつ食べると痰が減るとされています。 中国では 『秋梨膏』と言われる喉を潤す飲み物があります。梨に加えて、生姜、はちみつ、金銀花(炎症を抑える)、甘草(炎症を抑える)、ユリ根(潤す)などが入っています。似たようなものはお家でも簡単につくることが出来ます。梨に加えて、棗などを加えてもよいでしょう。
『秋梨膏』(に似たもの)の作りかたは、梨 2、3個、棗 30gやユリ根を小さ目に切って、そこへ生姜10gほどをすってしぼった汁を加えます。絞らずそのまま加えても良いです。氷砂糖はお好みで50gほど。それらを弱火で煮込み水分を飛ばしたところにはちみつを入れます。そのまま食べてもよいですし、薄めて飲んでも良いです。
もっと簡単なのは、梨をミキサーにかけて、どろどろになったものをはちみつ程度の硬さになるぐらいに煮詰めると、梨のシロップが出来上がります。喉の調子が悪い時になめてくださいね。冷え性の方はそこに生姜を加えると良いでしょう。シナモンと一緒に煮ても美味しく食べられます。その他、輪切りにして蒸してはちみつかけて食べるのも簡単で喉に優しくおすすめです。
 
梨は、喉の乾燥が気になるこの季節にピッタリの食材ですが、涼性で身体を冷やすので、そのままたくさん食べると冷えてしまいます。火を通して食べたり、ジャムのようにしたものに生姜を入れたりして活用してください。
 
梨はまだおいしい季節です。自然の恵みをうまく利用しましょう。
 
 

2013/10/05

アンパンマンとあずきちゃん。 むくみに良い「小豆」のお話

どうもこんばんは、櫻井です。
今日、10月2日は、アンパンマンの放送が始まった日だそうです。初回放送が1988年なので、今年で25年という長寿番組ですね。当初は半年、全24話で終わるはずだったようですが、予想以上の反響があり、継続が決まったようです。(詳しくはこちらwikipediaをご参照ください)アンパンマンは、作者のやなせたかしさんが自身の戦争体験から、何においても耐え難い「飢え」から救いたいという思いから書き始めたそうです。ご本人の言葉を借りると「困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです」ということだそうです。

そんなアンパンマン、なんといってもそのカギは「あんぱん」ですね。これがなければアンパンマンも存在しておりません。
「あんぱん」が生まれたのは、もちろん、この日本。時は明治7年、場所は東京銀座。水戸藩出身の元士族、木村安兵衛が考案した初めての日本人向けのパンです。当時の日本では西洋文化の象徴ともいえる「パン」はまだまだ一般の食べ物としては浸透していませんでした。そこで安兵衛さんは、「日本人にもなじみが深い『あんこ』をパンの中に入れたら売れるんじゃないだろうか?」と考えたわけです。そこで生まれたのが「あんぱん」だったんです。その後、明治8年、ときの天皇、明治天皇が花見のために水戸藩下屋敷に行幸したさい、山岡鉄舟が献上したことにより、「あんぱん」は宮内省御用達となります。そうして、安兵衛さんのパン屋、「木村屋」も全国的に有名になり、あんぱんは大ブレークすることになります。そうです、銀座木村屋のあの「あんぱん」のお話です。あんぱんのブレークにもびっくりですが、明治天皇に献上したのが、勝海舟、高橋泥舟と並び、「幕末の三舟」といわれた「山岡鉄舟」だったことの方が私はびっくりしました。無類の剣豪であり、政治家であり、思想家であった、山岡鉄舟の話は尽きませんが、主役はやはり「あんぱん」です。

Bread with sweet beans / yoshimov


今日のお昼は、木村屋のあんぱんで。 / ysishikawa

と言いつつも、あんぱんの肝は、やっぱり中の餡子。そう、「小豆」です。そうです、今日は小豆のお話をしたかったんです。
小豆の旬は10月~2月。これからがおいしい季節です。秋に収穫し、乾燥させながら保存します。小豆では、十勝の大納言が有名ですが、実は寒さに弱い品種だそうで、収穫高は非常に天候に左右されやすく、投機の世界では「素人は絹と小豆には手を出すな」とまで言われていました。原産地は東アジア。日本で小豆が食用とされていた歴史は古く、なんと縄文遺跡からも発掘されてるほか、「古事記」にも記述があるそうです。
小豆は炭水化物の他、良質の植物性たんぱく質やミネラルが含まれ、薬膳には欠かせない食品です。そのほか、ビタミンA、ビタミンB1、そして抗酸化作用を持つポリフェノールやビタミンC、コレステロールを低下させ、血液さらさらにしてくれるサポニンなどが含まれる栄養食品です。その他、血圧降下、疲労回復、便秘改善、むくみの改善にも役立つとされています。

 

小豆は中医学の生薬としては、赤小豆(せきしょうず)と言います。性味は平性で、甘酸強い利尿作用と解毒作用をもち、むくみの解消に効果的。小豆を使った有名な薬膳に、赤小豆鯉魚湯(せきしょうずりぎょとう)というものがあります。作り方は、えらと内臓をとった鯉を小豆とお酢と水で煮込むというシンプルなもの。精がつき、余分な水分を排泄してくれます。病中の体力低下や腹水などにも使われることがあります。鯉を食べて、スープを飲みます。
一つ注意点があります。薬膳として食す場合や薬効を望む場合は、お砂糖は使ってはいけません!むくみなら塩あじの「煮小豆」で。
これから小豆がおいしい季節です。寒くなってくるとお汁粉やぜんざいなどもいいですが、今日は「あんぱん」を食べながら、様々なストーリーに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

関西風ぜんざい

ぜんざい / tyoro

そうそう、お汁粉やぜんざいで思い出しましたが、お汁粉やぜんざいって地方によって意味が異なりますよね。一般的に砂糖で甘くした小豆の汁に白玉粉で作った団子を入れたものを「お汁粉」、粒あんだと「田舎汁粉」といいますね。ぜんざいは、関西では前者にお餅が入ったもののことを言い、関東では殆ど汁気のない練りあんを餅や栗にかけたもののことをいうようですね。お汁粉は具が入った汁という意味で、ぜんざいは「善哉」とかいて、仏教用語で「喜び祝う」と言う意味だそうです。正月に食べる(神聖なる)お餅が「善哉餅」と呼ばれ、これを小豆汁にいれたものを関西で「ぜんざい」と言われるようになったそうです。まったくもって余談ですがww

関東風ぜんざい


白玉ぜんざい / torumiwa

2013/10/03

胃腸を丈夫にして、元気を補う「さつまいも」

秋・秋・秋と毎度ここで書き続けておりますが、こうも毎日となると本格的な秋を目の前にしてネタ切れにならないか心配です。こんにちは。櫻井です。

秋の味覚といえば、栗、梨、秋刀魚、マツタケ、などなど、思い出されるものは多々あるとは思いますが、私はどうしても「サツマイモ」が外せません。焼き芋屋さんのあの、「いしやぁ~~きいもぉ~~~~」っという声には心踊らされます。「たかがイモ!」と思って勇んで買いに走ると、これが結構イイお値段するんですよね。かわいい娘さんなら焼き芋屋のおっちゃんもおまけしてくれそうなもんですが、私のようなむさくるしいおっさんが行ったところで別段得なことはございません・・・。なので、サツマイモを買ってきて自分で焼きます。たき火が出来たり、薪ストーブがあればベストですが、マンションですのでそんなテンションの上がるものはございません。家で焼くにはオーブンが良いようですが、我が家には残念ながら小さなトースターしかありません。炊飯器でもできるようですが、それだと焼き芋というよりは蒸イモになってしまい、ぱさぱさして、どうも狙った通りの「ねっとり感」が出せません。
 
そこで色々調べてみると、なんと魚焼きグリルで焼く方法があるではないですか!これならしっかり「焼き芋」ができそうなので、早速試してみました。うちのグリルはそんなにでかくないので、まるっこくて太いのは入りません。細身のイモをそのままでもいいのですが、濡らしたペーパータオルでくるんで、その上からアルミホイルでくるみます。こうするとふっくら焼きあがる気がします。そして魚焼きグリルにぶち込んで弱火で待つこと、、、40分。。。長い。。長いですが、サツマイモの甘味は、熱ででんぷんが糖に変わることで生まれる(60度で長時間が理想)ので、じっくりしっかり焼いた方が甘くねっとり焼きあがります。串がスーッと入ればOKです。大きさや火加減によって焼き時間はかわるので、時々串をさしてみてくださいね。


#yakiimo #焼き芋 / fusionata

サツマイモ

サツマイモは中南米原産とされ、ポルトガル人あるいはスペイン人によって東南アジアに導入され、フィリピンから中国をへて、沖縄の宮古島にもたらされ、17世紀の初めごろに九州へ、そして本州へと広がったとされています。
サツマイモは荒地でも育ち、繁殖力も高いことから、飢饉のたびに民を救ってきたようです。江戸時代、薩摩藩はサツマイモを門外不出として、保護していました。農業技術が低い当時においても、薩摩藩は一人の餓死者も出さなかったと言われています。時は太平の世といわれた時代であっても、食量の確保は、国力に大きく影響する大切なものだったので、荒れ地でも育ち、初心者でも失敗しにくいサツマイモは、厳重に保護されていました。そんなサツマイモが各地に伝わった裏には、座礁した薩摩藩の船を救助したことのお礼として伝わったり、密使を送り、文字通り命を張って厳しい監視をかいくぐり持ち帰ったりと、数々の物語があったようです。


焼き芋でーきた!ホクホクでうまい! / y_ogagaga

サツマイモを中医学的に見てみる

サツマイモを中医学的に見てみると、平性で身体を温めたり、冷やしたりする作用がなく、どんな人にもおすすめです。胃腸を丈夫にし、元気を補います。ビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富なので、美肌づくりや、便秘、高血圧が気になる方にもおすすめです。元気がない、食欲がない時には、おかゆにサツマイモを入れても良いですね。おかゆもさつまいもも、胃腸の調子を整え、元気にしてくれます。炊飯器に切ったサツマイモを入れて炊くとサツマイモご飯が簡単に出来上がりますよ。おかゆがつくれる炊飯器なら、サツマイモ粥も入れっぱなしでスイッチ入れるだけで完了です。一点注意したいのは、胃腸を元気にするサツマイモには、食欲を高める成分が含まれていますので、ダイエット中の方や、太り気味の方はお気を付けくださいね。
 
では早速今日の帰りにサツマイモ、買って帰りたいと思います。焼き芋を造ったらまたご報告します。
 
 

2013/09/27

栄養満点!捨てるところがない「桑」お話

こんにちは。櫻井です。
今日は台風が近づいているせいで、雨がぱらつく一日です。湿度も、この季節には珍しいぐらい高く、イスクラ薬局六本木店内の除湿機も、昨日は一日で満タンになりました。今日も朝排水しましたが、もう5cmぐらい溜まっています。こうなると気になるのは『湿邪(しつじゃ)』の影響。乾燥でやられていた呼吸器系(肺、気道、口、鼻、肌)には優しい「湿」ですが、胃腸は「湿」を嫌うので、水はけが悪い体質の方だと一気に影響を受けてしまい、だるさ、食欲不振、便秘、軟便、頭痛など様々な症状が出てしまう方もいらっしゃると思います。(詳しくはこちら〝台風と体の不調″をご参照ください。)
 
そんな今日、9月26日は、なんと台風襲来の特異日。統計上台風襲来の回数がとても多い日だそうです。1954(昭和29)年の「洞爺丸台風」で青函連絡船・洞爺丸が転覆したのも今日、9月26日。 1958(昭和33)年の「狩野川台風」が伊豆・関東地方に来襲したのもこの日。さらに、1959(昭和34)年、東海地方等に台風15号が来襲し、明治以来最大の被害をだした「伊勢湾台風」もこの日で、被害は全国で死者・行方不明者は5000人を超え、57万戸の家屋が全壊・もしくは半壊したとのことです。そして今日、2013年9月26日には台風20号は本土上陸は有りませんでしたが、最接近した日となりました。歴史は繰り返されるといいますが、地球規模の気候変動もまさにその一つなのかもしれません。
 

 
9月26日の誕生果は桑の実(くわのみ)だそうです。
〝熱帯から温帯に分布するクワ科クワ属の落葉高木を総称して『桑』と呼び、その品種数は100以上に達しています。日本人に馴染みがあるヤマグワ・カラヤマグワ・ログワの3種類は、お蚕さんの飼料として古くから栽培されています。雌雄異株で春に淡黄色の花が咲き、初夏には赤い実をつけて黒紫色に熟します。 日本では切っても切っても、又・又・又・木になるということで桑となったように葉が注目されているのに対し、英語のマルベリー(mulberry)は果実に対してつけられたものです。”だそうです。(株式会社カイレンテクノブリッジ ホームページhttp://www.mulberry.jp/about_mulbe.html参照)
 

画像:wikipedia

桑の実の濃い紫色の小さな粒粒とした果実は甘酸っぱく、ヨーロッパではジャムにして食べられたり、ワインなど同様に発酵させた『桑実酒』も造られています。
中医学で桑の実は、「桑椹子(そうじんし)」と呼る生薬で、生薬の古典、約1800年前に書かれたと言われている、「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にもその薬効が書かれています。性味は寒で、甘。帰経は心、肝、腎に入り、血を補い、潤いを補う力に優れていることから、口渇、便秘、体力の低下、めまい、貧血、目の香住、白髪、耳鳴りなどに用いられています。ちなみに桑の木根の皮も「桑白皮(そうはくひ)」という生薬で、袪痰、消炎、利尿のお薬として使われています。そして若い桑の葉はてんぷらにして美味しく、さらに薬効成分も含まれ、お茶にして飲めば、血糖値の抑制、コレステロールの低下が望めるとされています。さらにさらに、桑の葉を食べた蚕のフンにも同等の効果があるとされ、こちらも漢方では「蚕砂(さんしゃ)」という生薬としてつかわれています。桑はとにかく捨てるところがない植物です。

 桑の実は、とても栄養豊富で、カルシウムではりんごの13倍、鉄は15倍、カリウムは2倍、ビタミンCは10倍カリウムを除いてはにんじんと同等またはそれ以上含まれているとされています。(上記ホームページ参照)
 
桑は、蚕のエサとして日本各地で栽培されており、日本でも昔は馴染みの深い植物でした。桑の実の旬は、残念ながらこの時期ではなく4月~5月の春時期。中医学的にみると、肝に入り、肝の血を増やす力があるとされているので、春先の不眠や自律神経の不調も癒してくれるでしょう。なので、秋も迫るこの時期になぜ「桑の実」が誕生果なのかは、ちょっと疑問ですね。
台風のおかげでいったんは乾燥の影響は落ち着いていますが、これからは潤いの補給、胃腸機能の回復に気を付け、厳しい冬の寒さにしっかり備えていきたいですね。そんな時、もし手に入れば、身体を潤してくれる桑の実はおすすめです。ベリー系は総じて身体を冷やすので、熱を加えたジャムか、飲み過ぎに注意ですが、焼酎につけた「桑の実酒」が良いかもしれませんね。
 
 
 

2013/09/26

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売