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中医学 の記事一覧

美しい髪を育てる中医学

こんにちは。店長の櫻井です。今日、4月5日は【ヘアカットの日】だそうです。
1872(明治5)年4月5日に、東京府が女子の断髪禁止令を出した。
前年に散髪、脱刀が許可されたが、これを受けて断髪をする女性が続出したため、
「男性に限って許可した断髪を女性が真似てはならない」とする禁止令を発布した。
当時、女性が断髪することは社会的に容認されないもので、
断髪したがために学校を退学させられたり、親から勘当されることもあったそうである。

この法令に反対する意味で、この日を「ヘアカットの日」としたそうな。なんとまぁ、断髪禁止令とは今からでは考えられない法律ですね。散髪が反社会的行為だなんて想像もつきませんね。断髪はパンクだったんですね。髪を切るという行為一つとっても女性の自由の象徴だったんですね。ということで今日のブログは、「」の事についてお話したいと思います。


Geishas / Geishas / Nationaal Archief


nicole1 / allyaubry

髪の毛の事実

髪の毛は健康な成人で約10万本あると言われています。髪の毛にも寿命があり、一般的に3年から7年ぐらいだそうで、正常な状態でも1日に50本から100本ほどが抜けているそうです。髪の毛は、「毛包」と呼ばれる場所でつくられていて、1日に約0.35mm、1か月で約1cm伸びます。毛包とは、すごくわかりやすく言うと毛穴です。髪の毛は、毛穴の奥深くにある、ある「毛母細胞」が血液からの栄養を得て、細胞分裂を繰り返すことで伸びるのです。髪の毛を抜くと先っちょが白くなってますよね。あれは毛乳頭です。毛母細胞は、毛乳頭から出される様々な物質により分裂をコントロールされています。なので「毛乳頭を刺激」して細胞分裂する物質を出さることが育毛に繋がるのです。
髪のクセは、毛穴の形で決まるそうです。毛穴がひらべったい黒人はもじゃもじゃのアフロになり、楕円形の白人は緩やかなカーブを描くように伸びます。アジア人は比較的丸い毛穴をしているので直毛が多いそうです。髪の毛はとっても丈夫で、たった一本でも100gの重さに耐えられ、頭髪全体なら12tもの重さにも耐えられるそうです。これはアルミニウムの強さに匹敵するそうです(wikipedia参照)。


Jen’s beautiful hair 🙂 / Life Will Find A Way

中医学で考える「髪」

中医学で髪は、「血余(けつよ)」といって、髪は血の余りといわれていて、血に余裕がないと髪が育たないと考えています。中医学の言う「血」とは、単に血液だけなく、それが運ぶ栄養やホルモンなども含まれていて、栄養の循環と老廃物の回収・除去が「血」の役割です。質の良い「血」が潤沢に滞りなく循環していることで、美しい髪がつくられると考えています
それと同時に「髪は腎の華」という言葉もあります。「腎」とは「精(生命力・生殖力の源)」の貯蔵庫です。「」は、状態を表すという言葉で、髪は腎の状態を表すインジケーターということです。
腎に蓄えられている全てのエネルギーの源である「精」は、父母からもらった精(先天の精)に加えて、飲食と呼吸から生まれます(後天の精)。精は生まれた時から徐々に充実して、20代後半から30代にピークを迎えて、30歳を過ぎたあたりから減り始め、徐々に衰えを感じるようになると考えられています。この衰えた状態を「腎虚(じんきょ)」と言います。腎虚とは要するに老化のことです。腎虚は誰にも等しく訪れるものですが、腎の精の充実度により、そのスピードには個人差があります。いつまでも若々しく有りたければ、腎の精をしっかりと補い、腎を強く保つことが大切で、美し髪を保つにも、腎に精が充実していることが大切なんです。


natural hair product / Gideon Tsang

美しい髪を保つ

中医学的考えでは、良い食材からつくられた質のよい血が十分にあり、滞りなく流れていることと、腎の精が十分にあることが美しい髪をつくる条件になります。質の良い髪を保つには、まずはよい血を作ることを心がけることが大切です。血を補うレバー、牡蠣、ホウレン草、小松菜、黒豆、棗、桃、小豆、ブドウ、レーズン、プルーン、ブルーベリー、トマト、豚肉などもしっかり食べる事と、腎を補う黒豆、黒米、黒きくらげ、黒胡麻、くるみなども良いでしょう。そして、腎を鍛えて血流を良くするためには、歩くことも忘れてはいけません。腎の精は、夜更かし、過労、ストレス、過度なセックスなどにより消費されてしまいます。
勿論、良い食事から良い血や精をつくりだすには、胃腸が健康な状態でなくてはいけません。髪の毛は胃腸で作られているといっても過言ではありません。胃痛や胸やけ、下痢や軟便などがあれば、まずそこからケアすることが美しい髪をつくることに繋がります。胃腸を良い状態にするには、冷たいものをとらないこと、味の濃いもの、脂っこいもの、チョコレートなどの甘いもの、唐辛子などの刺激の強いものを沢山摂らないようにすることです。そして、現代人はほとんどの人が栄養過多、食べ過ぎの傾向があるので、調子が悪いと感じたら、朝ごはんを減らしてみることです。夜ご飯を食べた後から次の日のお昼前まで、最低でも14~5時間胃腸を休ませることが大切です。それでも調子が悪く、食欲が戻らなければ、お昼も食べないか、温かいスープやお粥など胃腸負担の軽いものを選ぶようにしましょう。


growing_my_natural_color_3 / Idhren

髪の健康はただ、髪によいといわれる食材をとるだけではなく、よい食事をして、良く寝て、適度に運動して、ストレス発散を心がけることが大切です。身体に十分な血が足りていないと、美しい髪は作られません。大量に血を消費する妊娠出産授乳の後、白髪が多くなった、抜け毛が多くなった、艶が無くなったというのはそういうためです。さらに妊娠出産では精も同じく大量に消費されます。美しい髪を保ち、若々しくあるためには、血や精を補うことがとっても大切です。大量に消費された場合は、不調に合わせた漢方薬を使うことで、血を補ったり、胃腸状態を改善したり、精を補ったりして、髪の健康を保つこともできます。特に月経で月に一度「血」を失っている女性や、産前産後はしっかりと血を補うことが大切です。
 


/ rch850

 美しい髪の毛を保つには、食べるものを見直すこと、早く寝ること、適度に運動することが大切です。血流が悪い、血の質がわるい状態では、良い髪はつくられません。血が足りず、乾燥気味で、腎のエネルギーも足りなければ、髪は弱く、生えてもスグ抜けてしまいまし、そのうち生えなくなります。髪は1日に0.3mmしか伸びません。髪は食べたものから作られます。良い食べ物が良い髪に繋がります。美しい髪を保つには、1に食事、2に睡眠、そして3に運動です。健康であることが美しくある事なんです。
 

2014/04/05

低カロリー、高たんぱくでデトックスにもストレスにも良い「たけのこ」のお話

雨後の竹の子とは、雨のあとはぞくぞくとタケノコが生えることから、似たようなものが次々に現れるという表現ですが、中国には「雨後春筍」と言う言葉があり、春の雨は一夜にしてタケノコを育てるという意味で、春は美味しいタケノコが出回るシーズンです。タケノコ、あんなにおいしいのに、食用としているのは日本と中国だけだそうです。世界中には食べられていないタケノコがたくさんあるんですね。収穫したそばからあくが強まってしまうので、食べられないと考えたのでしょうかね。
今日はそんな「タケノコ」のお話をしてみたいと思います。

タケノコの栄養

タケノコのあの独特な味わいは、アミノ酸の一種、チロシンによるもの。タケノコを煮ると出てくるあの白い物体がチロシンです。納豆の表面の白いのもチロシンです。チロシンには、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質に作用し、ストレス状況下での気分の改善や認識の改善などを促してくれるという報告があります。
タケノコはとってもヘルシーな低カロリー食品で、尚且つタンパク質を多く含み、ダイエットにはおすすめの食材です。さらに、食物繊維の量は野菜のなかでもトップクラスで、食物繊維が多いイメージの蓮根よりも多く含まれています便秘でお困りの人や、コレステロール過多の人にはもってこいの食材です。食物繊維は、腸の中の老廃物や発がん性物質、前出のコレステロールなどの有害物質を吸着し、排出してくれるので、健康な体作りには欠かせない成分です。
さらにタケノコには、カリウムも多く含まれているので、体内の過剰な塩分の排泄にも一役買ってくれ、高血圧の予防やむくみにも有効です。


たけのこお! / adelie33_Asako

 

中医学から見るタケノコ

タケノコの性質は微寒またはで、味は甘で微苦。痰を除き、気の巡りを改善して、体内にこもった余分な熱をとり、イライラを鎮めます。春は陽気が高まり、イライラしたり、熱がこもって目が赤くなったり、肌や喉、口などに炎症を起こしたり、気の巡りが悪くなり、お腹が張ったりしやすい季節。そんな症状に悩まされているときにはタケノコはおススメの食材です。春は冬にため込んだものを排泄する季節なので、食物繊維豊富でデトックス効果の高いタケノコはそういった面でも適しているといえます。
ただ、寒性で、食物繊維が多いので、胃腸機能が弱っている方、下痢・軟便気味の方、高齢の方、小児や、冷えのあるかたなどには不向きなので、食べても少量にしておきましょう。さらに妊婦は、大量に摂るとタケノコに含まれる渋み成分が胎児に影響を与えてしまう可能性があるので、こちらも控えめにしておきましょう。
 

 

美味しいタケノコを選ぶには

タケノコはとられてから時間がたつごとに急速においしさが低下します。タケノコは鮮度が命です。切り口が瑞々しいものを選ぶようにしましょう。茶色くなっているものは時間がたっています。穂先が緑色になっているものは、地上に出てきてしまっていたものなので、えぐみも強くなっています。穂先がまだ黄色いものを選びましょう。見た目よりもずっしりと思いもののほうが水分が含まれ瑞々しく美味しいタケノコで、根もとのぶつぶつが小さいものは柔らかいです。
 


初タケノコ/フキノトウ / wasabinouta

春の雨は地面を割り、タケノコの芽吹きを助けます。タケノコは余分な熱をとり炎症を抑え、便を良くして、尿を出してくれます。これまた解毒の季節の春にはぴったりの食材。熱を抑える力があり、陽気が暴れやすくなる春には是非食べたい食材ですね。春は陽気が高まり熱がこもりやすくなる季節。さらに様々な環境の変化が訪れる時でもあり、ストレスがたまりやすく、お肌も荒れやすい時期ともいえます。そんなとき、タケノコは、熱をとり去り、溜まった毒素を排泄して、春のトラブルを鎮めてくれます。食物繊維が豊富で、低カロリーで、高たんぱくなので、ダイエットにもぴったりですし、生活習慣病の予防にはとってもおすすめです。独特の風味で、古くから日本の食文化の中に根付いてきた春を代表する食材ですので、是非ご賞味くださいね。

2014/04/04

スーパー免疫食品 「シイタケ」のお話

こんにちは、櫻井です。今日の朝、マッシュルームにHPVウイルスを撃退する作用がある!?―研究結果という記事を見つけて、調べてみました。内容は、マッシュルームから取り出されたAHCC(active hexose correlated compound ;担子菌門のシイタケ属などの菌糸体培養液から培養された植物性多糖体)という成分が免疫機能を強化し、HPVウィルスをやっつけるのを助けてくれるという内容です。HPVウィルスは、子宮頸がんの原因と言われているウィルスです。最近は、子宮頸がんウィルスのことが取りざたされ、抗ウィルス剤の副作用なども問題になっていますが、この研究が進めば、新しい治療法や予防法も確立されるかもしれませんね。
一点気になったところは、上記ウェブ記事、原文の英語の文では、『マッシュルーム』は『茸』という意味で使われているようで、英文の方には、「ある種のキノコ、シイタケ茸もその一つです」と書かれていますので、このブログでは、みなさんご存知の白いマッシュルームではなく、AHCCの原料にもなった、「シイタケ」についてお話したいと思います。


Shiitake Mushrooms / Building Blocks Show

シイタケには冬茹と香信の二つの種類があるそうで、冬茹は寒さが残る春先からゆっくりと成長させられたもので、かさも肉厚でずんぐりとしています。春の終わりから秋にかけて出回るのが香信です。高温多湿の時期に成長するため、生長が早く、かさも薄く大きくなります。一般的に香信よりも冬茹のほうが味が良く、香りも良いとされ、有効成分も多く含まれているようです。


Shiitakes / Janet Hudson

 

 シイタケの栄養と効果

シイタケにはビタミンB群(B1、B2、B3、B5、B6、葉酸)、ビタミンD、炭水化物、ミネラル、食物繊維などたくさんの栄養分やその他、有効成分が含まれています。研究報告がある効能を上げていくと、免疫強化作用、ウィルス抑制作用、アレルギー抑制・調整作用、降圧作用、動脈硬化改善作用、糖尿病改善作用、抗リウマチ作用などが見つかっています。またカロリーは少なく、食物繊維が多いので、便秘の改善やデトックスにもおすすめできますし、ダイエットにも最適です。その中でも冒頭で触れた、抗がん作用に注目が集まっています
シイタケには、強力な抗ウィルス性物質をつくる働きがあることが見つかっています。その一つが、先に出てきたAHCCの正体で、βグルカンと呼ばれる植物性の多糖類です。これが免疫系に作用し、増強させるという効果が確認されています。要するに、ガンやウィルスを攻撃する兵隊を増強してくれるというイメージです。シイタケから抽出された多糖類のレンチナンという成分からは抗がん剤も造られています。レンチナンにはその他、悪玉コレステロールの排出の促進などの効果もあり、高脂血症対策にもよい効果がありそうです。さらにシイタケには、豊富な食物繊維も含まれているので、大腸ガンの原因となる便秘を改善し、さらにβグルカンなどの成分が免疫を増強し、ガンの発生や増殖を抑制するという、まさにガンに対してはもってこいの食品であることがわかってきています。

シイタケは、生のものより、日光に当てて干した方がその栄養分が濃くなるビタミンDが10倍になるという報告あり)という特徴があります。市販のものは、熱風乾燥されていますが、買ってきたら、一度日光に当てると良いでしょう。干したものの方が、カルシウムの吸収や利用を促進する効果が高いとも考えられています。


Shiitake / David Davies

 
シイタケには、フィトステリンというコレステロールの沈着を防ぐ成分や、肌や粘膜の再生に不可欠なビタミンB群血圧を下げる効果や肝臓のコレステロール代謝を促進させるエリタデニンなども含まれ、癌ばかりでなく、生活習慣病の予防などにも効果的です。食物繊維が多く、カロリーも低いので、ダイエットや便秘、肥満防止や美肌対策にもおすすめできます。干しシイタケにすれば多量のビタミンDが骨を強化し、毒素を取り除く手助けもしてくれるので、老化防止にも良いでしょう。

中医学でみるシイタケ

シイタケは平性、または涼性と言われ、気を降ろす効果があるとされ、のぼせやすい方、イライラしやすい方、考えすぎて寝つきが悪いかたなどにおすすめです。その他、夏場の暑気対策にも効果的で余分な熱をとってくれま、胃腸を養い元気をつける効果もあると中医学ではされています。ただ、食物繊維が多いということは、消化はしにくくなるので、胃腸が弱い方や高齢の方、胃腸機能が未発達の小児は多く食べないようにしましょう。


Shiitake mushrooms and red peppers / matsuyuki

シイタケの旬は、春と秋。春は特に栄養価の高いシイタケが手に入る季節です。春は冬に溜まった余分なものを排泄させるのが良い時期なので、シイタケのデトックス効果はまさにうってつけです。良いシイタケは、肉厚でかさの表面につやがあり、裏がしろく、膜がはっています。干したものも肉厚で、表面のいろは薄茶色のものが良品とされています。ガン予防も、生活習慣病予防も、便秘改善も期待できて、お肌にも良くて低カロリーなんて、素晴らしい食品ですよね。是非皆様も、素晴らしい自然の恵みを楽しんでください。

2014/03/31

栄養豊富で、バランスの取れたダイエット食ってホント??ジャガイモ・新ジャガのお話。

こんにちは。店長の櫻井です。東京近郊は今日も昨日に引き続き穏やかな春の日差しが心地よいお天気で、絶好のお出かけ日和ですね。今日花見に行ったら気持ち良いんでしょうね~。。明日は、雨風ともに強く、一時は傘もさせないぐらいになるかもしれないそうなので、まだ見ぬ桜が散ってしまわないか心配です。
さてさて、今日のブログは、ふきのとうさやえんどう菜の花に続く春のお野菜のお話第4弾、「新ジャガイモ」のお話を書いてみたいと思います。


Potato harvest / Tommy Hemmert Olesen

ジャガイモ

ジャガイモは南米はペルー南部にあるチチカカ湖のほとりが原産だそうです。マチュピチュやクスコの遺跡で有名なインカ帝国では、ジャガイモを主食にしていたようです。1570年ごろにスペイン人によってジャガイモはヨーロッパにもたらされ、日本には江戸時代初期には輸入されていたようですが、普及はしませんでした。
日本にジャガイモが普及するのは、飢饉対策として東北・北海道地方でジャガイモの栽培が奨励されるようになった、江戸後期、18世紀末ごろとされています。ちなみに当時、アイヌの間にもジャガイモは伝わっていたようです。

ジャガイモの収穫期は4月から6月と、9月から10月の年二回。ジャガイモの最大生産地は北海道ですが、北海道のジャガイモと言えば秋が旬。春のこの時期にとれるジャガイモを「新ジャガイモ」(新じゃが)と言いますが、新じゃがは、鹿児島や長崎で、冬に植えられ春に収穫したものです。新じゃがの特徴はなんといっても皮が薄く水分を多く含んでいるので、そのまま食べられること。ジャガイモの栄養は皮と皮のすぐ下に豊富に含まれているので、皮ごと食べることで、栄養を逃さず摂取できます。


USDA Market Potatoes / Mr.TinDC

ジャガイモの加熱しても壊れにくいビタミンC

ジャガイモは、ビタミンCを筆頭に、炭水化物、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群やカリウムなどの栄養素、ペクチンなどの食物繊維、を豊富に含んでいます。その中でもビタミンCの含有量は豊富で、みかんと同じぐらい含まれています。ジャガイモは日持ちがするので、まだ今のようにサプリメントなどない時代には、長期間の航海にでるときのビタミンC欠乏による壊血病を予防のためにたくさん船に積まれていました。ビタミンCは本来熱に弱い栄養素ですので、加熱調理によって失われてしまう部分が多いんですが、ジャガイモに含まれるビタミンCはでんぷんに包まれ守られているので、加熱調理をしてもほとんどのビタミンCが残るそうです。
ビタミンCの力は、抗酸化作用で「細胞の老化」を防ぎ、血管や神経をまもり、コラーゲンの生成も助けてくれます。年齢を重ねるごとにその重要性が増してきます。さらにビタミンCは抗ストレス作用もあると言われ、ストレス環境化では大量に消費されますので、現代のようなストレス社会では、いくらとっても摂りすぎになることはほとんどありません。
そしてこれはビタミンCに限らずいえることですが、栄養素は天然ものが一番です。ものによっては本来の力を発揮できないどころか、身体に対して良くない作用をもってしまうものもあります。ビタミンCも、添加物として取るのではなく、食品から天然ものを摂取しましょう。
ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群は炭水化物や糖質、脂質、アミノ酸の代謝を良くして、神経を安定させてくれる力があります。カリウムには、余分な塩分を排泄してくれる力がありますし、ジャガイモはアルカリ性食品なので、体内の酸性化も防いでくれます。


Pork Jowls and Fingerling Potatoes / Ron Dollete

糖質の塊?でも吸収されにくい糖質です

ジャガイモは炭水化物が豊富なので、最近忌み嫌われる「糖質」が豊富ということになるんですが、ジャガイモの糖質は「でんぷん質(多糖類)」が主体で、「糖類(砂糖、ブドウ糖など)」は少ないんです。でんぷんは多糖類といって、砂糖やブドウ糖などの単糖類、二糖類と違い、胃や腸で吸収されにくい糖なので、カロリーが低く太りにくい糖質です。なので、ジャガイモは、意外ですが、ダイエット食としても優秀ですし、栄養バランスも良く、カリウムも豊富なので、糖尿病にもよいとされています。


crash hot potatoes / sleepyneko

中医学から見たジャガイモは、、

ジャガイモは寒性。方向性は降で便通を良くしたり、食べたものをしっかりと腸へ降ろす作用があります。性味は辛、甘なので、「酸味を抑えて甘味を多目に」という春の養生にはぴったりです。陽気を発散してくれる辛味なので、その点でも陽気がこもりやすくなる春にはぴったりです。胃腸を丈夫にして、エネルギー補給する、胃腸を整える、胃の痛みを止めるなどの中医学的効能があるとされています。寒性なので、冷えを感じる方より、ほてりが有ったり、イライラしがちな方、胃酸が多い、胃痛がするなど、熱の症状がある方の方がおすすめです。食べ過ぎはガスを溜まりやすくさせるので、お腹が張っているとき、消化不良気味な方は避けてくださいね。


じゃが芋のガレット / Kakei.R

 
ビタミンCが豊富でお肌や血管を若々しく保ち、ビタミンB群が豊富で、神経のとげとげしさをとってくれて、さらに栄養バランスが良くて、カロリーが少ない、太りにくい食品です。中医学的に見ても、胃腸を元気にして、身体を元気にしてくれます。良いジャガイモは、ふっくらと丸みがあり、凸凹がすくないです。変色しているものは避けましょう。日光に当たると発芽してしまい、暗いところでも湿気の多いところでは発芽してしまいます。風通しのよいところに、新聞に包んでおいておくのが良いでしょう。
 
自然はいつもその時に必要なものを与えてくれます。春は陽気が強まり、イライラしたり、目がかゆくなったり、喉が痛くなりったりすることが多いので、ジャガイモの寒性はそれらを鎮めるのにも役立ちます。冬場に溜まった毒素を吐き出すためにも、ジャガイモは効果的でしょう。
ジャガイモは糖質の塊!なんて目の敵にされているようですが、そんなに悪いものではありません。消化に時間がかかるでんぷん質などの複合多糖類は、胃腸に吸収されずらく太りにくいですよ。栄養も豊富で代謝もよくしてくれるので、是非この時期の新ジャガを食べてみてくださいね。

2014/03/29

「花粉症に良い」と言われる食べ物を検証してみた

今日は暖かいですね。うっかり冬用ジャケット&セーターで出勤してしまったので、どうも周りから浮いている店長櫻井です。こんにちは。雨が降った次の日の晴れの日は、花粉が多いですよね。今年は去年よりもずいぶんと花粉量が少ないのか余りニュースにはなってませんが、つらい症状にお悩みの方はやっぱり多いようで、花粉症のご相談はまだまだ多いです。
私も花粉症で毎年悩まされていましたが、今年は冬場から衛益顆粒(えいえきかりゅう)を1包ずつ飲んで対策していたので、症状は落ち着いています。いや~ほんとに辛くないって幸せですね。花粉症は鼻だけのトラブルではないので、日ごろの生活養生による体質改善がとっても大切です。冬の終わりごろから対策することでずいぶんと春先から始まる花粉症症状を抑えることが出来ますよ。
ネットやテレビでは、「花粉症によい食品」なんて情報をよく見かけます。このさいなので、いろいろ検証してみましょう。
ネットをざっと検索すると、バナナ、納豆、ヨーグルト、ショウガ、レンコンなんていうのが出てきましたので、一つずつ見ていきましょう。っと、その前に花粉症をもう一度中医学でおさらいしましょう。
 

中医学が考える花粉症

中医学で花粉症は、体内を巡り防御している気(エネルギー)が少なく、花粉から体を護れていない状態と考えます。なので、花粉に負けない気が充実した体作りをすることが、花粉症症状を軽減したり治すことに繋がります。気は胃腸で作られます。胃腸は中医学では「脾胃(ひい)」と呼びます。脾胃は、食べ物と空気をもとに身体を護る気、「衛気(えき)」を作り出します。衛気は脾胃でつくられ、肺(呼吸器系、口、鼻、皮膚を含む)により全身に送り出されます。この衛益が体表や粘膜などを巡回することで、外からくる外敵、この場合は花粉です、の侵入を防いでくれています。
なので、食べるもの、脾胃、肺が花粉症対策で強化するべきポイントです。脾胃や肺を弱らせてしまうものは、花粉症状を悪化させると考えることができます。ちなみに、脾胃は、冷たいもの、ドロドロしたもの、多量の甘いものに弱く、肺は、たくさんの辛いもの、乾燥、熱を嫌います。これらを踏まえたうえで、食品を見ていきましょう。
ちなみに、花粉症は西洋医学では、免疫の過剰反応です。外敵(花粉)を追い出そうとする鼻水や涙、くしゃみが過剰に出てしまっている状態です。1の的に対して、総攻撃をかけている状態で、免疫の指揮系統がバカになっている状態です。

 

免疫バランスを改善、アレルギー症状を抑えてくれるバナナ

マウスでの実験段階の話ですが、バナナに含まられる特定の成分が、免疫バランスを改善し、過剰なアレルギー症状を緩和してくれるという報告があるそうです。中医学的に見てみると、バナナは寒性で、甘味です。体内にこもった余分な熱を収め、肺を潤して、腸も潤し、便通をよくする力もあります。これらを見ると、よさそうな感じがしますね。便秘状態は体内に毒素を抱え持っているようなものなので、免疫系の攻撃が強くなる可能性があります。さらに免疫は腸内で教育されているので、腸内環境を良くすることはとても重要です。肺は熱を嫌い、潤いを好むので、その点からみても花粉症にはよさそうです。ただ一点、寒性なので、冷えて水っぽい鼻水がだらだら出るような場合や下痢、軟便など胃腸状態が悪い人は、避けたほうが良いかもしれません。目が真っ赤になったりする熱系の症状には良いでしょう。


バナナ / frontriver

腸を元気に、肌を強くする納豆

納豆はこのブログでも取り上げましたが、美肌効果や保湿効果が高い食品です。腸の中をきれいにしてくれるレシチンを含み、腸内環境を良くしてくれます。ビタミンB群を豊富に含んでおり、粘膜を含めた肌を正常な状態に保ってくれます。中医学的に見ると納豆は、平性または微温で、殆どの人が毎日食べられます。お肌が回復する夜に食べると良いですね。ただ、食物繊維が多く、胃腸が弱く、便秘がちな人は消化能力の高い朝に食べるほうがおススメです。納豆には、潤いを生む作用のほか、解毒や胃腸を元気にして気や血の巡りをよくする力があるとされています。身体を元気にしてくれる食品ですので、これも花粉対策にはお勧めできます。

 

乳酸菌と言えばヨーグルト。胃腸が弱い人は注意。

ヨーグルトは、牛乳を乳酸菌で発酵させた物。牛乳自体がそれほど人にとって良いのかは議論の余地が残りますが、ヨーグルトは牛乳より消化しやすく、牛乳が飲めない人でも飲めます。美肌効果や整腸作用、アレルギー症状の軽減など様々な効果があるようです。ヨーグルトなどの発酵食品には、乳酸菌が多く含まれます。乳酸菌は腸内で善玉菌を増やし、悪玉菌を抑制してくれるので、腸内環境を良くするうえでとても大切です。ただ、ヨーグルトは冷蔵庫で冷やされた状態で食べられることが多く、冷たく、ドロドロとした状態が胃腸が弱い人には不向き。タンパク質が多い面から見ても、胃腸負担になりますので、そういった方は、みそや漬物、醤油などの発酵食品から乳酸菌をとるのがおすすめです。あと、乳製品がアレルギーを引き起こしてる可能性もあるので、注意。


Yogurt 364
Yogurt 364 / ljguitar

粘膜の炎症を抑える生姜

ショウガに含まれる「ショウガオール」という成分が粘膜の炎症を緩和してくれるそうです。鼻水がだらだら出るのも、目がかゆいのも、粘膜が炎症を起こしているからです。生姜はこれら症状を改善してくれる可能性があります。中医学では、吐き気には生姜をよく使います。生姜微温で、寒気を追い払い、肺の機能を高め、胃腸を温め、冷えによる吐き気を止めてくれます。肺や胃腸を元気にしてくれるので、花粉症状にはよさそうです。温性で、気を巡らせ、昇らせる性質があるため、目がかゆい、喉が痛い、咳が出るなどの方は避けたほうが良いでしょう。冷えがあり、水っぽい鼻水が出る方にはおすすめです。

 

熱をとり、潤い補給。胃腸や肺も強化する蓮根

蓮根寒性です。味は甘で、脾胃(胃腸系)と、心に主に影響します。肺にこもった熱をとったり、潤いを生んで乾燥をいやしたり、乾燥や「血」にこもった熱などによる肌トラブル、下痢や便秘、胃腸のトラブルに良いとされ、花粉対策にもよさそうです。発熱時や喉の乾燥、顔が赤い、喉が痛い、便秘などがみられる方は多く食べると良いでしょう。皮にも有効成分がたっぷり含まれるので、皮ごとすりおろしたしぼり汁を飲むのもお勧め。蓮根はすぐ色が変わってしまいますが、その色をかえる成分の「タンニン」はポリフェノールの一種なので、抗酸化作用があります抗酸化物質には、血圧を下げたり、炎症を抑える力があるとされています。最近の研究ではアレルギー症状の緩和に良いそうで、花粉症状にはやはりよさそうです。ただ、蓮根は寒性なので、もし生のままたくさん食べると冷えます。水っぽい鼻水だらだらの症状には向いてないでしょう。でも、火を通して食べたり、温性・熱性のものとたべることで寒性が緩和されますよ。

 

 
 
こうやって一つ一つ見てみると、脾胃を元気にしてくれて、肺を潤し元気にしてくれるものが多いので、花粉症対策にはよさそうですね。ただ、症状によっては逆効果になることもあるので、食品が持つ寒熱の性質と、自分の症状を考えて摂取するのが効果的です。もう一つ、一つの食材に頼り続けるのも良いことではありませんので、いろんな食材をまんべんなく食べるようにしましょう。食の基本は、野菜4、コメなどの穀類4、肉類2の割合で、腹八分目の和食です。特に肉類など、胃腸に負担をかけるものを極力少なくして、解毒効果の高い野菜、特に葉野菜を多く摂ることが、花粉症症状をおさえるポイントです。
あと、このブログ、もうちょっと早く書けばよかったな、、っと今更ながら思っております。
でも、ご参考になれば幸いです。。
 
 
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2014/03/28

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売