イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

ブログ日記BLOG

中医学 の記事一覧

夏の暑さと紫外線で髪が痛んでいませんか。髪は「血の余り」そして「腎」の華。

こんにちは。櫻井です。今日は9月4日、櫛(くし)の日だそうです。くしの日は1978年に制定され、美容週間実行委員会が実施しているそうです。「く(9)し(4)」の語呂に合せ、美容関係者がくしを大切に扱い、また、美容に対する人々の認識を高めてもらう為に制定されたそうです。
 
秋が近くなると、気になるのは髪の毛。昔はこんなに抜け毛多くなかったんだけどなぁ。最近なんだか髪が細くなってきた。白髪も増えてきたし、、、今日は櫛の日にちなんだ、髪の毛の話です。今日は『菅沼栄先生の漢方の知恵袋』から、『髪の養生』のお話を。
 

 
抜け毛や薄毛、髪のトラブルの悩み、そんな時中医学では、「血の不足」、「腎の機能低下」、「ストレス」の三つを疑います。
は西洋医学で考える血液とほぼ同義。中医学では生命活動の基本となる重要な物質とされ、血が充実していて、体内をサラサラとスムーズに流れていることが健やかな状態と考えています。血の主な働きは身体のあらゆる組織や細胞に栄養を運び、老廃物を運び出すこと。この働きによって、目は見えるようになり、足は歩けるようになります。また、血は潤いを多く含み、精神を落ち着ける働きもあるので、心を安定させ、体の潤いを保つことにも大きな役割があります。『中医学では髪のトラブルは心身の不調によって現れると考えています。髪の健康と深く関わるのは、「血」「腎」「肝」。中医学では「髪は毛の余り」とされていて、血が十分にあれば髪にもしっかり栄養が届いて健康な状態が保たれると考えています。そのため、体内の血が不足したり、血流が悪くなったりすると、髪に栄養がいきわたらず、抜け毛や白髪になるのです。』とおっしゃるのは中医学講師の菅沼栄先生。
大量に血を消耗する妊娠・出産をへた女性に白髪が増えたり、髪が細くなったりするのが多く見られるのも、血を大量に消費した後の補給がうまくいってなかったことに原因があるようですね。
また、「髪は腎の華」と言われ、生殖や成長に関わる腎の状態は髪に現れるとされ、腎の弱りは、老化現象による抜け毛や白髪を加速させます。
ストレスは、気の巡りを悪くさせます。気は体内を流れるエネルギーで、血もその流れにのって流れています。気の流れが滞ってしまうことは、血の流れも悪くなり、その結果髪の栄養が不足して、抜け毛や白髪などのトラブルが発生しやすくなります。さらに髪のことで悩むことは、ストレスを強くし、それが更なるストレスとなって、悪循環を作り出してしまうので、厄介です。
 

 
中医学的には、髪のケアはしっかり体の中からケアして上げることが大切です。体質を整える積極的なヘアケアで、いつまでも美しく元気な髪を育てましょう。
血の不足による髪の細りや抜け毛、艶のなさなどは、月経や出産を経験する女性に多いとされています。血の不足は、薄毛、抜け毛、白髪、髪の細り、乾燥、艶の低下などを招きます。その他、疲労感、息切れ、食欲不振、動悸、不眠なども見られることが多く、舌の色は淡く、顔色は白い傾向にあります。血の不足の養生の基本は、脾胃(胃腸)を元気にして、食事をしっかりとり、体内に血をしっかり蓄え、養うことです。睡眠を十分にとる、適度に運動をするなど、生活習慣を整えることも大切です。血を補う食材は干しブドウ、ホウレンソウ、なつめ、鶏肉、人参、卵などがおすすめ。
 
加齢などに伴う腎の弱りでは、ホルモン分泌なども弱く、生殖発育の促進力も低下するので、慢性的な白髪、薄毛、抜け毛などがみられます。加齢は誰にでも訪れる自然なことで、それを止めることはできませんが、腎をしっかり養生することで年齢による髪の悩みは和らげることが出来ます。おすすめの食材としては、くるみ、桑の実、黒ゴマ、松の実、黒豆、山芋、海藻、なまこなどです。足腰を鍛えることもとても重要です。エレベーター、エスカレーターを使わず階段をつかったり、座ってばかりの作業では、1時間に1度は動くようにして、腎に刺激を与えましょう。
 
ストレスからくる髪の影響は、多忙なかたや、イライラしがちな方、落ち込みやすい方などに見られます。ストレスを上手に発散する術が少ないことが多いので、楽しめて体に良いストレス発散方法を見つけましょう。入浴やアロマ、瞑想などはおすすめです。暴飲暴食などで片付けないようにしましょう。こまめに身体を動かすこと、睡眠をしっかりとることなどもとても重要です。ストレスからくる髪のトラブルは、抜け毛、白髪、薄毛など。その他、憂鬱、イライラ、怒りっぽい、頭痛、喉の閉塞感、胸のつまり、お腹の張り、月経不調、月経痛、舌の色が暗いなどがみられます。食材は香りのよいものでストレス発散しましょう。
 

 
日常の養生としては、朝のブラッシングが効果的。馬だってペットのワンちゃんだって、ブラッシングして上げたほうが艶やかで健康な毛を保てるように、人間もブラッシングして血流を良くしてあげることが大切。さらにマッサージすることで、血流を良くし、気の流れもよくなるので、髪の健康にはとてもおすすめです。髪はタンパク質ですので、熱にとても弱いです。ドライヤーやパーマなどは控えめにしましょう。血流が悪くなる脂っこいもの、辛いもの、冷たいものなどは控えるほうが良いでしょう。心と身体を健やかに保つことがいつまでもきれいで艶やかな髪を保つことに繋がります。

2013/09/04

新そば季節。頭スッキリ、疲労回復におすすめ「蕎麦」のお話

先ほど、お店にいきなり9名のロシアの方がご相談に来られスタッフ一同てんてこ舞いでしたが、通訳さんを交え、どうにか9名のご相談を乗り切りました。
こんにちは、櫻井です。ロシアの方々は結構漢方とか、薬草類に親しみを持たれている方が多いような気がします。それともただ当店に来るような方は薬草好きな方がおおいだけなんでしょうかね。まぁ納得して飲んでいただけて、健康になってくれればそれでよいのですが。
 
そろそろ新そばの季節ですね。
そばと言えば岩手のわんこそば、山形の板そば、新潟のへぎそば、長野の戸隠れそば、京都の茶そば、兵庫の出石そば、島根の出雲そば、山口の瓦そばななどの全国津々浦々の名産そばから、引っ越しそばに年越しそば、蕎麦屋の数も数知れず、日本人はほんとにそばが好きですね。
痩せた土地でも良く育つため、全国どこでも食べられる「そば」ですが、私が気になるのは、やっぱり江戸っ子の粋な食べ方。さっと食べて、さっと出る。ワサビはそのままそばにちょっと載せて、濃い口のつゆにちょいづけで、少な目をずずっと一口で食べる。味は薄かろうが、ワサビをつゆにといたり、べちゃべちゃつけるのは野暮な食べ方。蕎麦屋に居座るのもやはり野暮。少ないからって2枚も頼んじゃ野暮の極みってもんだい。とっとと食って、とっとと帰んな!なんて声も聞こえてきそうな、江戸っ子の蕎麦作法。おのぼりさんの私は、どうにも江戸っ子の粋に憧れてしまいます。


田舎そば 利之 大ざる / k14

 
痩せた土地でも育つそばは、「蕎麦を作ると村が栄える」ともいわれ、蕎麦名所をつくることで、観光客を呼び込む手法がとられてきました。しかしその一方では、「蕎麦自慢はお里が知れる」とも言われ、そばの名地=やせ地とも言われていたようです。その他、落語や歌舞伎、ドラマに歌など様々な文化に取り込まれ、多くの日本人の日常に溶け込んでいったそば。日本人のそば好きは江戸時代には確立されていたようで、江戸時代中期にはすでに「蕎麦全書」なる、今でいう“蕎麦ミシュラン”とでも呼べるような「蕎麦屋ガイドブック」が刊行されていたようです。そばはずっと大人気だったんですね。
蕎麦屋と言えば、東京では御三家と言われる、更科、砂場、藪があります。更科は信州そばの流れをうけるもので、砂場は大阪・上方。藪はもともと江戸と言われています。どれも名高い名店ぞろいですが、一言でその違いを言うと、「薮の辛つゆ」「更科の甘いつゆ」「砂場はその中間」と言われているそうです。どれも味の濃いつゆだったようで、今よりも小ぶりな蕎麦猪口が使われており、そこにちょっとつけてずずっと一気に平らげるのが粋なんだそうですが、江戸以外では味の濃いつゆが主流ではなかったようで、つゆにどっぷり麺を付けてしまうのは、田舎者と考えられていたのかもしれませんね。そば好きはそばの香りで酒が飲めるといいます。そばの香りとのど越しを楽しむためにも、ワサビはつゆにとかずに、つゆはつけすぎず、小さ目を一口でずずっといただきましょう。
 
ところで、ざるそばともりそば。その違いはご存知でしょうか。
元々はそば粉をかいて食べていた「そばかき」が江戸時代初期は主流でした。その後それを細長く切って、器にもり、つゆにつけて食べ出したのが「切りそば」。それが流行り、蕎麦屋が増えたころ、他者との違いをアピールする店が出始めます。その一つ、「伊勢屋」がざるに盛った蕎麦をうりだしたところたちまちブレーク。ほかの蕎麦屋もこぞって真似をしたことから、そばをざるに盛る、「ざるそば」が一般的になりました。しかし、せっかちな江戸っ子の間では、つゆを直接そばにかけてしまう「ぶっかけ」や「かけそば」が流行りました。そこでそれらと区別をつけるために、それまでのつゆにつけて食べる「切そば」を、「もりそば」というようになったそうです。ざるそばはその後明治の時代になっていったん高級志向になり、海苔がトッピングされたようです。
今ではその区別もなくなり、海苔だけが形骸化してのこったようですね。
 

 
蕎麦涼性で身体にこもった余分な熱をとり、頭に上った気を下す力があるとされています。血圧を下げるルチンや糖質を分解するビタミンB1やアミノ酸がバランスよく含まれ、疲労回復や夏バテ予防にもおすすめの食材です。整腸作用もあるとされ、胃腸機能低下や便秘、下痢などにも良いですね。夏そばは6月から8月中旬、秋そばは9月中旬から11月中旬とこれからは秋の新そばの季節ですね。
蕎麦は涼性で身体を冷やす傾向にあるため、これからは温かい蕎麦がおすすめです。最後に栄養分がたくさん溶け込んだ蕎麦湯をいただくこともお忘れなく。
 
 

2013/08/31

カルピスが仏教用語???“醍醐味”って何の味??

こんにちは櫻井です。
一つの疑問を調べていくと、それがどんどん広がりをみせて、思わぬことに突き当ったりすることってありませんか?
 

 
先日、ふと訪れたお寺の境内に、「身近な仏教用語~カルピス~」と題した紙が置いてありました。
お寺とは似ても似つかない、カルピスの文字。何となく流してしまいそうだったのですが、「え??カルピス??」っと思わず二度見。これは同じ名前のなんか違うものかと思い手に取ってみると、やっぱりあの“カルピス”のお話です。読んでみると、“「カルピス」という商品名は、お経に出てくる「サルピルマンタ(醍醐味)」に由来するそうです。”と書いてあります。いや、まさか。そこで、wikipediaを見てみると、もうちょっと詳しく載っていました。
“「カルシウム」とサンスクリットの「サルピス」(सर्पिस्, sarpis, 漢訳:熟酥(じゅくそ))を合わせたものである。サンスクリット「サルピル・マンダ」(sarpir-maṇḍa, 漢訳:醍醐)を使用し、「サルピス」・「カルピル」とする案もあった。同社では重要なことを決める際には、その道の第一人者を訪ねる「日本一主義」があり、音楽の第一人者の山田に社名について相談したところ、「カルピス」が最も響きが良いということで現行社名・商品名になったという。”
実際には、サルピルマンタではなく、サルピスとカルシウムを合わせた言葉なんですね。それにしても、まさか「カルピス」と仏教がつながるなんて思ってもいなかったのでびっくりです。
 

 
そうしてカルピスと仏教の繋がりの謎がとけたところで気になってくるのは、この「サルピス」。漢訳で熟酥(じゅくそ)というらしいですが、「熟酥とは何ぞや?」と言う新たな疑問がわき出てきました。そこで調べてみると、これがまた面白い話にぶちあたります。熟酥を説明するには、なんと、『醍醐味(だいごみ)』の説明から始めないといけません。
醍醐味とは、物事の面白さや味わいなどをさしていいますが、冒頭にも出てきたように、これもまた仏教用語です。仏教の大乗経典『大般涅槃経』(だいはつねはんきょう)の中に、牛乳から生成される、“おいしいもの”として順に、乳→酪→生酥→熟酥→醍醐となり、一番美味しいものとして、『醍醐』になるようです。醍醐味の醍醐とは、カッテージチーズのような乳製品だったことがわかりました。で、醍醐味とは、その最高の醍醐の味のことをさしていて、最高の味という意味だそうです。何とチーズが仏教が定める最高の味なんだそうです。これもびっくりです。ちなみに乳味、酪味、生酥味、熟酥味、醍醐味というのは、仏教の五味だそうです。中医学の五味(酸味、甘味、辛味、苦味、鹹味)とはまた違いますね。
 

 
ここにきてやっと、熟酥(じゅくそ)の話になるのですが、熟酥とは、醍醐の原料となる乳製品のことなんだそうです。これも「とてもおいしい味」として熟酥味(じゅくそみ)と表現されています。熟酥は生酥(しょうそ)という乳製品から作られるのですが、この生酥や熟酥の酥(そ)は、別名、蘇(そ)と書いて、醍醐を作り出す前段階の乳製品です。蘇は平安時代に、税金の代わりとして治められていたほど貴重な品だったそうです。
 
中医学でも牛乳やチーズは血を増やす食材として扱われています。古代中国でも乳牛が飼われていたんですねぇ。当時は高貴な人々の口にしか入らなかった品物だったとおもいますが、平安時代から日本人が乳製品を食べていたということには驚かされました。醍醐や蘇の製造方法は、古代中国から秦氏によって持ち込まれたと考えられています。秦氏の入植によりその名がついたと言われる、神奈川県秦野市には、「からこさんは、中国からおいでになり、 大磯の浜辺から秦野に移住した」という伝説があり、秦氏が定着した土地は“乳牛(ちゅうし)”と呼ばれ、乳牛を飼うことを教えたそうです。そうなると乳製品は平安時代よりも前から日本人に食べられていたことも考えられますね。いや~驚きです。
 
食べ物は奥が深いです。いや、すべての物事には奥深い物語が隠れているんでしょうね。まさかカルピスがこんなところに繋がってくるとは思ってもみませんでした。普段何ともおもっていない事を調べてみると、びっくりするほど面白いことに突き当るものです。お試しあれ。
 

2013/08/29

傷を残さない傷薬 紫雲膏のお話

『紫雲膏(しうんこう)』という軟膏をご存知でしょうか。
紫雲膏の発明者はかの有名な華岡青洲(華岡青洲は世界で初めて全身麻酔で手術を成功させた江戸時代のお医者さんです)。中身は、ごま油、ミツロウ、豚脂、当帰、紫根というとてもシンプルな内容。作り方もごま油を熱した中にミツロウと豚脂を溶かしたなかで、紫根と当帰を煎じただけ。とってもシンプルで材料さえ手に入れば誰でも簡単に作れます。
これがなんともよく効く軟膏で、我が家ではかなり重宝しております。
 

画像:wikipedia
{この下の文は少し痛いですので、心臓の弱い方は飛ばしてください}
先日、めったに料理をしない私が、仕事だった妻に変わって料理をしていたところ、買ったばかりのめちゃめちゃ切れるスライサーで心地よくキャベツの千切りを作っていたのですが、誤って指先までスライスしてしまって、結構びっくりするぐらい流血しました。いやぁ~本来丸いはずの指先が平になっていたことには焦りました。
 
{ここからどうぞ}
とにかく指先を止血して、その後紫雲膏をべっとりと塗って、絆創膏でしっかりガードしておきました。 1日2回ぐらい絆創膏を張り替えて、そのたびに紫雲膏をべっとり塗って、1週間ほど様子を見ていましたが、なんと、平だった指先が元通りに戻っているではありませんか!指って再生するんですね(笑 びっくりです。もしこれが抗生物質などの良く言われる『傷薬}を塗っただけでは、化膿はしなかったでしょうが、指先は元に戻らず平のままだったでしょう。昔、はさみでこれまたざっくりやった時には、紫雲膏の存在を知らず、抗生物質と絆創膏で治しましたが、こちらは傷跡がはっきり残っています。
 

 
人体が傷を治すとき、ばい菌などの侵入を防ぐためにとにかく早く傷口をふさぐ必要があるので、ゆっくり肌細胞を作りながらという行程は踏めず、繊維芽細胞から出されるコラーゲン様組織で素早くふさいでしまうのですが、この方法は、確かに傷口は早くふさげますが、傷の部分は盛り上がった傷跡として残ってしまいます。紫雲膏を塗ったところでは、急速に傷口をふさぐ必要がなくなるのか、皮膚細胞がゆっくりと再生されると考えられます。それは、紫根と当帰、そして、豚の脂が良く働いてくれているのではないか、と推測しています。
紫雲膏に使われる当帰には、補血活血、止痛という力があり、血を補い、血流を促進し、痛みを止める働きがありますので、血流を良くして、血を補いながら、傷を修復するにはぴったりです。紫根は、むらさきという草で、涼血活血、解毒の力がありますので、当帰と紫根は傷口を早く治す作用や解毒の作用が役立っているのだと思います。当帰や紫根は最近、美肌によいということで様々な化粧品にも配合されていますね。
紫雲膏で着目したいのは、豚の脂です。皮膚移植などでも豚さんの皮膚が使われていたり、臓器移植でも豚の体内で人の臓器を育てるなどの研究が進んだりと、豚と人間は再生医療の分野ではとても近い存在と言え、傷の治療でも豚の脂の力が影響していても不思議は有りません。
 

 
紫雲膏は切り傷ばかりでなく、あかぎれやしもやけ、痔ややけどなどには効果てきめんです!
紫雲膏はとても良い外傷の塗り薬ですが、かゆみがあったり、ジュクジュクしたアトピー性皮膚炎には、むいてないこともあります。血流を良くすることで、かゆみがましたり、ジュクジュクがなかなか取れなかったりします。そういった場合は、亜鉛華軟膏などと混ぜて使ったりすると、ジュクジュクは抑えつつ、傷が残らないようにもできるので、気になる方はご相談ください。
 
一家に一つあると安心の紫雲膏です。

2013/08/26

喉が詰まる!梅核気のお話

甲子園、優勝が決まりましたね。プロ野球は見てませんが、甲子園はたまに見てみると、うっかりハマります。あの熱さ、青春、素晴らしいですね。でも炎天下のなかプレーしている球児たちより、学ランを着てる応援団の体調が気になってしまう、元応援団の櫻井です。こんにちは。本気出せば声は爆音で出ます。
 
どうも昨日の夜から喉に違和感がありまして、カゼかな?とか思い漢方をためしてみるのですが、特にイガイガはなく、こりゃ違うと思い直し、考えていたところ、「あ、、これは梅核気(ばいかくき)かも?」と思い至り、今日は朝から半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を飲んでいます。
 

 

梅核気?半夏厚朴湯?

梅核気とは、喉に異物感を感じるが、実際には何もない症状を言います。西洋医学では咽喉頭異常感症と言われ、内科領域では「ヒステリー球」とも呼ばれています。西洋医学的な対処では、抗鬱剤や、抗不安薬などが使われています。中医学では半夏厚朴湯が良く使われます。
 

中医学では

梅核気がある人の身体の状態を「肝気鬱結証」ととらえ、肝の疏泄作用が失調して、気機が鬱滞したことによって現れた病証と考えています。肝気鬱結証では、梅核気のほか、情緒が不安定になったり、イライラしたり、ため息が増えたり、脇腹や乳房が張ってくるしくなったり、冷えのぼせがみられたり、生理痛や生理不順がみられたりします。
肝気鬱結証を一般的な言葉でいうと「ストレスが溜まった状態」と言い換えられます。
中医学で言う五臓六腑の「肝」には、“疏泄(そせつ)”といって臓腑組織の働きをのびのびと、スムーズにする、あるいは促進する作用があります。疏泄作用のおかげで気・血・津液(潤い)がスムーズに体内を流れ、体の組織や器官は正常に働くことが出来ます。疏泄が失調すると、気血津液の流れが悪くなり、体のあちこちで、詰まったり、とどこったりします。そうすると痛みや張痛と呼ばれる張るような痛みがこったり、何かがつまったような不快感が現れたり、逆に流れ過ぎて血や気が頭に上り。頭痛、赤目、目の痛み、鼻血、吐血から、場合によっては脳出血をお越し、意識不明になることもあります。
肝の疏泄が失調して、胃腸機能低下(または亢進)となると、食べたものをきれいに排泄できなくなり、不必要なドロドロが溜まりますそれが「痰」や「痰飲」とよばれるものです。痰はやっかいなもので、血をどろどろにしたり、胃腸にへばりついて吸収機能を低下させたり、喉にへばりついて咳をおこしたりなど、様々な悪さをします。その痰が喉に停滞したのが梅核気です。梅核気は痰の塊なのです。
 

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)とは

この「痰」をなくす、または溶かすことを中医学では「化痰(かたん)」と言いますが、その薬の代表が「半夏(はんげ)」という生薬です。半夏は燥湿化痰の力をもち、ドロドロとした痰を乾かしてなくす力があります。痰が絡む咳や、痰、胸苦しさなどに使われるほか、痰が原因のめまいや動悸、不眠、悪心などにも使われています。半夏には毒性があるため、それを打ち消す作業を加えて、さらに毒消しの生姜(しょうきょう)と一緒に使われます。半夏をなめてみると、びっくりするぐらい舌がしびれますので、お気を付けください。
半夏厚朴湯はこの半夏を君薬(主薬)とした、化痰利水薬です。悪心・嘔吐、咳、白い色の痰、または喉の閉塞感、梅核気に使われます。
 

 
痰が出来る原因「ストレス過多で気の流れが悪くなり胃腸が弱って、いらないものを排泄できなくなったため」と上で書きました。痰をなくすには痰をなくすお薬が必要ですが、痰が出来ないようにするお薬も同時に必要です。そのためには気の流れをよくして、胃腸の状態を良くするお薬が必要になります。
そこで、半夏厚朴湯に加えて、開気丸を飲むようにしました。開気丸は疏肝機能を回復させ、気の巡りをよくし、脾胃(胃腸)の機能低下を回復させるお薬です。気の流れが悪くなったことによる痛みなども緩和します。
 
 
 
最近どうも知らず知らずのうちにストレスがたまっていたようです。それに加え、食べるものも良くなかったと思います。そう考えると、確かに心当たりはあるので、今日からまた野菜をしっかり食べて、養生生活を始めるようにします。
 
 

2013/08/24

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売