百菜元気新聞 2月号 旧暦で楽しむ漢方スローライフより
春は風の季節
中医学では、それぞれの季節の特徴を六気「風(ふう)、寒(かん)、暑(しょ)、湿(しつ)、燥(そう)、火(か)」とし、これら六気が過剰になったり不足になったりすると、邪気となり私たちの健康に影響を及ぼすと考えます。
中医学の五行学説では、春は「風(ふう)」の気が活発になる季節とされています。風は軽く、上昇し、変化いしやすいという性質を持ち、この時期は頭痛、鼻づまり、のどの痛みなどの身体の上部に症状が現れやすいのも特徴です。この風にのってやってくる花粉も邪気の一つです。花粉症の人達にとっては悩ましい季節の到来となります。
「衛気(えき)」を充実させる
「季節性アレルギー性鼻炎」とよばれる花粉症は、花粉が喉や鼻、目などの粘膜に付着することによって引き起こされる、くしゃみや鼻づまりなどの症状の事。中医学的にみると、皮膚や粘膜などの体表部を防御する免疫力である「衛気(えき)」が不足している状態を言います。もともと体質が虚弱であったり、ストレスが多い、睡眠不足や偏食などの不規則な生活を送っていたりすると、衛気も不足しがちになります。
食事の面では、胃腸の働きを整える野菜を多めに摂るとよいでしょう。米、粟、ハトムギ、じゃがいも、にんじん、たまねぎ、セロリ、キャベツ、ほうれん草、ごぼう、せり、菜の花、しょうが、ねぎ、ごま、鰆、クコの実、ナツメ、ミント、ジャスミン茶などがお勧めです。
漢方では、衛気を補う黄耆(おうぎ)に、消化機能を高める白朮(びゃくじゅつ)、邪気の侵入を防ぐ防風(ぼうふう)を加えた玉屏風散(ぎょくへいふうさん*販売名『i衛益顆粒顆粒(えいえきかりゅう)』)や薬用人参、麦門冬、五味子配合の『麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)』などが良くつかわれています。
お手軽薬膳レシピ
胃腸の働きを整える野菜がたっぷりのミネストローネ
〈材料・2人分〉
A
- たまねぎ 1/4個
- にんじん 1/4本
- じゃがいも 1/2個
- セロリ 1/4本
- キャベツ 1枚
- ベーコン 2枚
- ブロッコリー 1/4株
- トマトの水煮(缶詰) 200g
- にんにく(みじん切り) 1/2かけ
- オリーブ油 大さじ1/2
- 水 2カップ
- 固形スープの素 1個
- 塩・こしょう 少々
- パルメザンチーズ 適量
〈作り方〉
- Aの材料をそれぞれ1cm角に切る。ブロッコリーは小房に分けて塩ゆでする。
- 鍋にオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たらAを加えて中火で炒める。トマトの水煮を加えて野菜がやわらかくなるまで煮込む。
- ブロッコリーを加え、温まったら塩、こしょうで味を調える。
- 器に盛り付け、パルメザンチーズをかける。
レシピ担当: 鈴木理恵(国際薬膳師、栄養士)