イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

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春の贈り物「ふきのとう」がもつ「苦味」の意味

こんにちは、店長の櫻井です。先日の大雪は本当にひどいものでした。東京で降り積もった雪が風で舞い視界が悪くなる「地吹雪」に見舞われるとは思ってもみませんでした。下は当日の六本木ミッドタウン前の風景です。信じられますか?これが東京ですよ???今日も解けた雪が凍って転倒してけがをする方が続出しております。都内では、36人も病院に搬送されたそうです。外出時はくれぐれもご注意ください。
 

 
さてさて、そんな猛吹雪も去って、こんどこそ、春に向けて徐々に暖かくなってくることでしょう。そうなると待ち遠しいのは、春の食材。そう、山菜たちです。タラの芽、ふきのとう、うど、わらび、私はこの春の山菜が大好きです。ということで今日は春の山菜の一つ、ふきのとうのお話をしたいと思います。ちなみに今日、2月10日は「ふきのとうの日」だそうです。210でふ(きの)とう というごろ合わせ、だそうです。
 


あ、ふきのとう / chidorian

春は苦味!

「春は苦味、夏は酸味、秋は辛味、冬は脂(あぶら)と合点して食え」これは、明治の医者であり、薬剤師でもあった食養学の始、石塚左玄が書いた「食物養生法」にある言葉です。
中医学にも、味にはそれぞれ力があるというお話をしたことがあります。ざっとおさらいをすると、
酸味には、正常な体液を体内にとどめる作用。出過ぎるものを止める作用。肝に導き、自律神経の働きを整え、ストレスを解消する作用。
甘味には、胃腸の働きを助け、力をつける作用。痛みや緊張を緩和させる作用。
辛味には、肺や呼吸器を強め、発汗を促進する作用、気や血を巡らせ、体の中にある寒けや熱、湿気を発散させる作用。
鹹味(塩からい味)には、硬いものを柔らかくする作用や通便作用があり、腎の働きをよくします。
苦味には、心や循環器を強化し、身体に溜まった余分な熱を冷まし、排泄作用や体内の余分な水分や老廃物を取り除く作用、神経を鎮静させる作用。
 
春には、先のブログでも書きましたが、ともすると活発になりすぎる陽気を鎮め、冬の間に溜めこんだものを排泄する事がとても大切です。そのために、「苦味」をとることが大切です。そしてその苦味は、自然が提供してくれます。それがふきのとうに代表される、春の山菜たちです。
 


れんこん、ふきのとう、たらの芽。 / yoppy

先人の知恵、ふきのとう

冬眠から目覚めた熊は、まず初めにふきのとうなどの山菜を食べると言います。それはきっと春の山菜が持つ苦味を利用し、冬場に溜まった宿便や「毒」を排泄しようとしているのでしょう。私たち人間も春になると、ふきのとうや、タラの芽、うど、ワラビ、つくし、タケノコなど、苦味を持った山菜を昔から食べてきました。私たちは、何千年という時間の中で、経験的に春の山菜の効能を知り、食文化に取り入れてきたのです。
ふきのとうは、キク科フキ族の多年草で、ふきの芽のことです。日本原産、日本に古来からある植物で、最古の野菜ともいわれています。ふきのとうが食用とされてきた歴史は古く、縄文時代にもその痕がみられたそうです。
ふきのとうのあの独特の苦みには、沢山のポリフェノール類が含まれており、胃腸を元気にして働きを整えてくれます。その他、発がん性物質の除去、花粉症の予防の力を持ち合わせており、春には欠かせない食材です。その他、ビタミンB1、B2、E、K、パントテン酸、カリウム、リン、鉄、銅、食物繊維なども多く含んでいます。ふきのとうが持つ解毒の効果は、これらミネラルを多く含んでいることからもわかります。
ふきのとうはふきの芽ですが、βカロチンやビタミンB群、C、E、Kなど、ほとんどのビタミンを、ふきの数倍から十倍以上含んでいるそうです。ふきのとうの持つ香りには、健胃作用のある成分も含まれているそうです。春の胃腸機能改善にふきのとうはピッタリですね。


ふきのとうスタンバイ。 / yukop

美味しいふきのとうを食べる

なるべく小ぶりのも、締りがあって、つぼみが硬く閉じているものを選びましょう。大きいものは苦味が強いです。乾燥しやすいので、ジッパー付きのポリ袋に入れて冷蔵庫へ。なるべく早めに食べましょう。冷凍するときは、灰汁をぬいてから冷凍しましょう。

 


ふきのとう! / chidorian

 

自然はそれぞれの季節に合った食材を提供してくれます。そして私たちもそれを長い経験をへて、親から子へ、子から孫へ伝えてきたのです。旬のものは摂らないよりとったほうが良いどころか、健康に暮らすためには、むしろ進んで摂るべき食材です。ふきのとうだけでなく、うど、タラの芽、せり、タケノコ、行者にんにくなどもおすすめです。
最後に石原左玄の食養学から一言 「食は本なり、体は末なり、心はまたその末なり」。心身の病気の原因は食にあり、人の心を清いものにするには血を清浄にすること。そして血を清浄にするには、食物を清浄にすることが大切である。といったそうです。それでは皆様、今日も体に、心においしい食事を食べてくださいね。

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2014/02/10

こんにちは。店長の櫻井です。今日は朝から雪・雪・雪。東京もまっしろけでございます。

雪国育ちの私としては、雪の上を歩く感覚も、道路に溜まる雪も、チェーンを穿いた車の音も、タイヤハウスにこびりついた雪塊も、「あ~こんなんだったなぁ」と懐かしいばかりですが、東京の皆様にとっては、滑るし、公共交通機関に影響は出るしで、迷惑千万なんでしょうねぇ。

こんな日はお家にこもるのが吉です。しかし漢方薬局ではそうも言ってられないので、朝からせっせと無駄な雪かきをして、お客様をお待ちしております。とまぁ、さすがにこんな雪ではお客様はいらっしゃらないんじゃなかろうか?と思っておりますが、ご予約のお客様のキャンセルのお電話が来ないので、きっと来ていただけることでしょう。きっと。。。お店の中を温かくしてお待ちしております。

今日のような寒い雪の降る日は、お家にこもって映画でも見ましょう。筋肉をこわばらせ、血流を悪くし、生命エネルギーの源である腎を痛める「冷え」は、健康にとって大敵です。部屋の中でも防寒をお忘れなく。特に足の裏や足首には、全身に繋がるツボが集中しているので、くるぶし以上を覆う靴下を穿くようにしてくださいね。そしてゆっくりお風呂に浸かりましょう。身体を温めてくれる食材は、エビ、カブ、ネギ、羊肉、ショウガ、山椒、ニラ、黒砂糖、紅茶、もち米、鮭、くるみなどなど。まずは黒砂糖と紅茶に乾燥生姜を入れてポカポカしてみましょう。そして夜はエビやネギ、カブにニラなどを入れた鍋はいかがでしょうか。ジンギスカンや羊肉のしゃぶしゃぶもおすすめです。みなさま、養生なさってくださいね。

2014/02/08

春の養生第二弾 【春は「風」に注意】

立春を過ぎ、あとは春の訪れを待つばかり。とはいうもののまっだまだ寒い日が続きます。こんにちは、店長の櫻井です。明日は去年の成人式並の大雪という予報ですが、どうなるんでしょうね。
さてさて、中医学では、大体2月から4月ぐらいまでを「春の季節」と捉えています。冬や夏の養生があるように、春にも季節に合わせた養生方法があります。それを知るためには、まず春とはどういうものか?というのを中医学してみましょう。


Golden flowers / Takashi(aes256)

春の特徴:陽気が上昇しやすい・肝を痛めやすい

春になると草木や花が芽吹き、生長し、枝葉もぐんぐん伸びていきます。また動物たちも冬眠から目覚め、動き出す季節です。春はあらゆるものを活動的にする季節です。

私たちの体内でも様々な動きが起こり始めます。まず動き始めるのは肝の陽気です。肝の陽気は、生長する木のように、のびやかに動き出すのが好きな陽気です。そのためには、冬場しっかりと陽気を体内に蓄えておくことが大切です。なので、冬場はしっかり防寒して、運動や情緒の変化を極力抑えて、陽気を蓄えておく必要があるんですね。
 


菜の花とミツバチ2 Rape blossoms and honeybee / “KIUKO”

春は肝の季節

肝は、西洋医学でいうところの肝臓の役割もありますが、その他、自律神経中枢神経系など神経の一部の機能血液の循環の調節貯蔵などの機能も持ち合わせています。肝はさらにと関係が深い臓器です。もし肝の陽気が十分でなかったり、のびのびとした活動が妨げらえることがあったら、情緒活動や自律神経系にトラブルを起こしやすくなります。頭痛や目の充血、のぼせ、イライラ、不眠、不安、耳鳴り、パニック、ヒステリー、足がつったり、目がかゆくなったりなども春に多い症状です。


20080325 菜の花 2 / BONGURI

体の中に「風」が吹く

春になると日差しが強くなり、大地が温められ、空気が上昇します。すると上昇する空気の流れ「風」が生まれます。中医学では、私たちの体の中でも陽気が上昇するにしたがって同じく「風」が起こると考えます。それが「内風(ないふう)」です。
肝はこの「風」を嫌います。もし肝が風に影響されてしまうと、ヒステリックに怒り出したり、イライラしたり、感情的になったり、気分が落ち込んだり、倒れたり、めまいやふらつきが起こったりなどの「風」の病気にかかってしまいます。そんな場合は、目の下が青くなってしまっていたりします。この肝の不調は、胃腸状態にも影響して、食べたばっかりなのに、まだお腹が空いていたり、食欲がわかなかったり、ガスが溜まりやすくなったり、げっぷが出やすくなったり、便秘や下痢を繰り返したりします。


菜の花まつり その2 / suneko

春眠暁を覚えずとは言いますが、春は冬と違って、遅く寝ても朝は早く起きて、活動的になったほうが良いとされています。朝の綺麗な空気で深呼吸して、身体をしっかりと伸ばしましょう。心や情緒にはいつもより気を配り、こまめにストレス発散するように心がけましょう。


菜の花1 Rape blossoms / “KIUKO”

春の食養生は「省酸増甘、以養脾気」

酸味を少な目にして、少し甘いものを増やしましょう。この場合の甘いものは砂糖の甘さではなく、かぼちゃやイモなどの自然な甘みです。甘みは肝の動きによって傷つけられた胃腸を労わってくれます。胃腸機能の低下を感じたら、酸味を控えて、甘みを増やしてください。
そして、春の野菜や果物をたっぷりと食べましょう。春になると体の新陳代謝が盛んになり、溜まった毒素を出そうとします。その働きを助けてくれるのが、苦味のある春の野菜です。フキやタラの芽、ウドやセリ、春たけのこの芽などはとても良いですね。その他、肝を補う力があるアサリ・ハマグリ・シジミ・アワビ・レバー・ほうれん草・にんじんや、陽気を巡らせる力のあるネギ、ショウガ、紫蘇、ミント、春菊、三つ葉や、クコの実、菊花などもよいですよ。
自然のサイクルは本当にうまくできていて、その季節に必要なものを与えてくれます。「自然の恵み」とは本当にうまくいったものです。


20080119 渥美半島菜の花祭り 12 / BONGURI

 
春はなるべく怒らないように、イライラしないように、心を穏やかにするよう心がけましょう。そのためにはこまめにストレス発散しましょう。ストレスの発散方法は運動で少し汗をかくのがとても理にかかなっており、効果的ですが、それぞれの体質・体調・性格に合った方法を見つけておきましょう。人と話すのがストレス発散になる人もいれば、大事な人と同じ時間を過ごすだけで発散になるひ人もいます。買い物や食べ物で発散になる人もいますし、少々のお酒も良いストレス発散になるとおもいます。しかし、ものにあたったり、暴言を吐いたり、他人や自分を傷つけたりする発散方法は間違っています。自分にとってプラスになる発散方法を見つけておくことがとても大切ですよ。
 
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2014/02/07

まだまだ寒いですが、今からしっかり春養生

どうもこんにちは。店長の櫻井です。先日2月4日は立春でしたね。まだまだ寒いですが、ここからは春になるのを待つばかり、、とは言えない気温の低下に皆様ご苦労なさっていると思います。先日は雪も積もりましたしね。。。
 

 

 まだまだ冷えや寒さに注意

外の気温が低くなる「寒さ」は、中医学では「寒邪(かんじゃ)」といって、自然界に存在する6つの発病原因(寒、湿、燥、風、暑、火)の一つとして捉えています。寒邪は陰邪で、陽気を損傷しやすく、性質は凝滞と収引です。わかりやすく説明すると、寒邪とは、陰陽の陰の邪気で、食べ物からエネルギーを造り出したり、身体を温める陽気を作り出したりする機能(「臓腑の気化機能」と言います)を、阻害したり、滞らせたりする種類の邪気です。寒邪に侵されると、冷えや、寒気、悪寒、疲労、防御力の低下、気分が塞いだり、抑鬱やため息、月経の異常などがみられるようになります。
寒邪から身を守るには、とにかく冷やさないようにすること。寒邪は毛穴から侵入してくるので、肌を露出させないことが大切です。加えて、『三暖』を心掛けることです。『三暖』とは、「頭部」、「背部」、「脚部(腰部を含む)」を温めしっかり防寒することです。詳しくはこちら→【温める、そして守る! 大寒の養生法】もご参照ください。
 

 

花粉症は【防衛力の弱い人】

そしてこれから春にかけて気になるのは、花粉症ではないでしょうか。花粉は外部からやってきた邪気です。花粉症になりやすい人は、花粉などの邪気に侵されやすい、防衛力の低い人といえます。
花粉症の症状と言えば、鼻水や鼻づまりという鼻の症状。鼻は中医学では、肺ともっとも関係の深い器官です。肺の働きが正常であれば、つまって臭いが解らなくなることもなく、呼吸もしずらくなることは有りません。逆に肺の機能が低下すると、鼻炎や蓄膿症など鼻の不調が起こりやすくなります。さらに、肺は体の防衛機能である「衛気(えき)」を生み、鼻やのど、皮膚などにバリアを張って花粉などの邪気の侵入を防ぐ役割も担っています。肺の機能低下により、衛気の不足が起こると花粉の影響も受けやすくなります
 


pollen / tsuda

鼻水・涙 体内の余分な水分が原因

花粉症の症状である、鼻水や涙のもとになるものは、体内に排泄されずに残ってしまった水分や汚れたドロドロとした不純物などです。余分な水分や不純物がドロドロになって溜まる原因は、普段の生活にあります。冷たいものをとり過ぎたり、精神情緒の不安定さ、働きすぎ、遊びすぎなどが続いて体調を崩すと、食べたものの消化吸収が不十分となり、養分や水分が排泄されず、体内に残ってしまいます。これがあちこちで体の正常な働きを邪魔して、防衛力を低下させてしまいます。花粉症の場合は、花粉がこのドロドロの不要物と結びついて、鼻水や鼻づまり、涙やくしゃみなどを引き起こすのです。
ドロドロの不要物を作らせないようにするには食べたものを栄養の水分に変える脾(消化器系)その水分を熱で気に変換するのが腎(泌尿器系)、それを全身にくまなく送り出す肺(呼吸器系)の三つの臓腑を健全な状態に保つ必要があります。どこかにトラブルがあると、食べたものがうまく気であるエネルギーに変換できず、体内にとどまってしまいます。
 


Pollen from Scots Pine / goforchris

 

あなたは冷えタイプ?熱タイプ?

中医学から見る花粉症の症状は大きく分けて二つ。と症状熱の症状です。冷えの症状の特徴は、くしゃみ、透明で水っぽい鼻水、若干の鼻づまりプラス、冷え、手足の冷え、喉は余り渇かない、渇いても温かいものを飲みたいなどで、熱の症状の特徴は、くしゃみ、白または黄色くて粘っこい鼻水、ひどい鼻づまりプラス眼のかゆみ、赤ら顔、喉が渇いて冷たいものを欲しがるなどです。冷えが特徴の症状の原因は肺と腎が弱っていることが多く、熱の症状の原因は肺と脾に問題が有る場合が多いです。
 
肺と腎が弱い冷え症状タイプは、温かい食事や暖かい服装に心がけ、入浴などの工夫で身体を芯から温め、冷えを改善することを第一に考えましょう。食の養生では、ネギや生姜、三つ葉や大葉、春菊、シナモン、香菜、こぶし(辛夷)茶などがおすすめです。
肺と脾が弱い熱の症状のタイプは、身体の熱を冷まし、目やのどの炎症を和らげる工夫が大切です。食の養生では、熱を冷まし、身体をすっきりさせる食材を選びましょう。ミント、菊花茶、ごぼう、セロリ、クレソン、キュウリ、タケノコなどがおすすめです。
花粉症対策はこちらもご参考ください→冬から始めるのが効果的 花粉症対策


Pollen Laden / peasap

 
春の養生ではもう一つ大切なことに、「風邪(ふうじゃ)」への対策っというのがあります。
イライラや、落ち込み、春に情緒が不安定になるのにも、実は原因があるんです。。
今日は長くなったので、この辺で終わりにして、風邪のお話はまた今度にしましょう。
 
 
日に日に、日照時間も長くなり、徐々に暖かくはなってきますが、まだまだ寒邪が猛威を振るっている今日この頃です。しっかり温め、健康を維持していきたいですね。
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2014/02/06

節分の面白ばなし

こんにちは。店長の櫻井です。

今日は節分ですね。節分とは、「季節を分ける」という意味があるそうです。節分が過ぎると、次は立春。確かに今日は春の様な暖かい一日となりましたが、立春の明日は、また真冬日に戻ってしまうようですよ。


大豆(Daizu) soybeans / T.Hagihara

『恵方巻』の由来

節分の豆まきはどの家庭にも見られましたが、最近は恵方(えほう)を向いて巻き寿司をたべる『恵方巻も全国で見られるようになりましたね。昔は関西近郊を中心に行われていた風習でしたが、いつの間にか全国区になりました。情報のスピードと日本がどんどん小さくなっていることを感じると同時に、コンビニや大手スーパーのビジネス手腕にも驚かされます。

この恵方巻きの由来は諸説あり、どれも定かではないですが、一説によると、江戸時代に大阪商人の旦那衆が花街の遊女に巻きずしを食べさせたお大尽遊びから始まった事とされ、その後しばらく廃れてしまっていましたが、1977年に大阪海苔問屋協同組合が、節分のイベントとして道頓堀で行った「巻きずしの早食い競争」を機に復活を遂げたそうです。要するにこの「恵方を向いて巻き寿司を食べる」というのは、元々はちょっと破廉恥なお遊びで、その後、海苔をもっと多く売りたい海苔問屋主体の販促から広まったもので、クリスマスケーキやバレンタインチョコと一緒ということです。

さらに「恵方巻」という名前も、某数字の書かれたコンビニチェーン店が1998年にこの風習を全国展開する際につけた商品名だそうです。そういえば、うちの両親は奈良と大阪出身ですので、実家では「まるかぶり寿司」と言ってました。「恵方巻き」ではなかったですね。これも販促だったんですねぇ。世間を巻き込み、市場まで生み出したそのパワー。。。すごいです。

奈良に住んでた頃は、玄関先に柊の葉とイワシの頭も飾ってありましたが、それは逆に商品価値がなかったのか、単に魚臭いのが受け入れられなくなったのか、見なくなりましたね。


柊鰯 / Sekikos

 恵方

今年2014年、午年の恵方は、甲(きのえ)(注 2015年は庚。西南西の方角)で、この中国式24方位を西洋式16方位に当てはめると、「東北東やや右」ということになります。『恵方』とは『歳徳神』(としとくじん)という神様がいる方角を指しています。歳徳神は、年の初めに祀る神様で、その年の福徳を司る神様なんだそうです。そして、この神様がいる方角は、その年の十干(じっかん)によって決まります。この文の冒頭の「甲」(きのえ)というのがそれです。十干とは成績の優劣をつけるときに使われていた、甲乙丙丁。アレが「十干」です。十干は全部で10個、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸(こう・おつ・へい・てい・ぼ・き・こう・しん・じん・き)があり、これが年と方角に対応していて、決まるそうですよ。昔は初詣と言えば、この恵方の方角にある社寺に行っていたそうです。


豆まきの由来

節分に豆まきをしたり、柊や鰯の頭を門口に飾るのは、「鬼」を祓うためだとされています。節分の豆まきは元々は「追儺(ついな)」といわれ、中国から伝わった風習で、厄病をもたらす悪い鬼を追い払う儀式でが、なぜ、鬼は節分を選んでやってくるのでしょうか。

これは、中医学でもおなじみの、陰陽五行説から説明されています。

節分とは、季節の変わり目というのは冒頭でお話しましたが、この変わり目とは、陰から陽に、陽から陰に変わる時です。この変化の対立によって邪気が生じ、災いがもたらされます。そしてこの災いを祓うのに、豆を撒いたというのがこの風習の始まりなようです。

ではなぜ『鬼に豆』なのかというと、鬼と言えば金棒を持っていますが、この金棒の金は五行説の「木・火・土・金・水」の金から来ています。そして、五行説で「金」を抑えるのは、「火」の役割です(火剋金 火は金属を熔かす)。炒った大豆というのは、火の性質を持っているとされ、この豆を鬼に向かって撒くことで、鬼をやっつけられるというふうに考えたようです。また撒いた豆から芽が出て、やがて木になります。五行説で「木」は「春」に相応します。豆を撒くことは、「春の気を助け、春を呼ぶ」という意味もあるそうです。

 
節分は豆を撒いて、柊鰯を戸口に飾って、恵方(東北東やや右)を向いて、巻き寿司を食べましょう。ただし、巻き寿司を食べ終わるまでしゃべってはいけませんのでご注意を。子供ころは、お面をつけて鬼の役をやらされていた父や従妹の兄なんかがかわいそうでしょうがなかったのと、本とは鬼じゃないのに外に出ていかされる理不尽さや、はだしのまま玄関に降りる違和感と、どうにもしっくりこないイベントでしたが、まぁそれもこれも小さい時の良い思い出ですから、きっと私も子供が出来たら、やるんでしょうね、鬼。。。豆を撒いて、恵方巻食べて、一杯福を呼び込みましょう!
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2014/02/03

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売