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季節のキーワード

花粉症に負けない!


そろそろ花粉がとび始める季節、花粉症の方にとっては、とても辛い季節です。


今年のスギ花粉の飛散時期は昨年と同じくらいの2月の上旬、飛散量も多めと予測されています。
本格的に飛散する前から少量の花粉はすでに飛び始めています。
敏感な方はすでに症状が出始めているのではないでしょうか?
しかし、花粉が飛んでいるのに症状が出ない方もたくさんいます。その違いは何でしょうか?

 

Q: 花粉症はなぜ起こるの?


A: 花粉症は一種のアレルギー反応です


人間には、身体の内部に進入しようとした外部の異物(花粉やウイルス)を撃退する防御反応が備わっています。これが「免疫」というシステムです。

免疫は本来、生体にとってプラスの働きをするはずですが、場合によってマイナスの働きをして病気を起こし私たちを苦しめます。これが「アレルギー」で、花粉症も免疫機能の過剰反応なのです。


①体の中に花粉が入り込む
②花粉を「異物」と認識し「抗体」をつくる
③花粉と接触するたびに「抗体」がどんどん増え鼻や目の粘膜内にある肥満細胞と結合する
④肥満細胞が増えた所に再び花粉が侵入して抗体と結合すると、肥満細胞がヒスタミンなどを放出する

中医学では外部の異物(花粉やウイルス)から身体を守る力を 「衛気」(えき)といいます。「衛気」は体を守るバリアのようなもので、目や鼻・ のどの粘膜や皮膚などに存在し、 外敵の侵入を阻止しています。花粉症、風邪をひきやすい、アレルギー性鼻炎などある人は「衛気不足」(えきぶそく)と考えます。「衛気」が弱いと外部の異物の侵入を簡単に許し、 アレルギー反応を起こして花粉症の諸症状を引き起こしたり、ウイルスに感染して風邪をひいてしまいま す。 これを防ぐにはしっかりとしたバリアを体の周りに巡らせる事です。 このバリア層の中にはIgA*という免疫タンパク質があり、花粉や病原体が粘膜組織に付着することを阻害し、体を守ってくれます。
*IgA:免疫タンパク質の一種で、全抗体の60~70%を占めている。 口腔、呼吸気道や腸管などの粘膜組織に存在する

 

こんな時【玉屏風散】(ぎょくへいふうさんという)漢方薬を服用すると「衛気」を高め、粘膜細胞をきちんと整えて正常なバリア層を形成し、花粉症や風邪が引きやすい体質を改善してくれます。


「体の周りに屏風(バリア)を立て、外敵から身体を守る【】(ぎょく) のように貴重な薬」といった意味をもつ漢方薬です。症状が出始める1~2ヶ月ほど前から飲むと、免疫機能が改善され、アレルギー反応が起こりにくくなります。


「玉屏風散」は『衛益顆粒(えいえきかりゅう)』として販売しております。



 

花粉症などのアレルギー疾患は根本的な体質を改善しないかぎり完治する事は出来ません。

Q: 対処療法って?辛い症状を改善する「対処療法」と体質を改善する「根本療法」を平行して行う事が大切です。


A: 症状が出る時期、まずは辛い症状を緩和させること。


 

ポイントは今現在の症状がどんな状態か見極めることです。

◎表寒証
タイプ: くしゃみ、透明な鼻水がズルズル、または冷えなど
原因: 体が冷えて水分代謝力が低下している
対策: 体を温めて余分な水分を取り除く
代表処方:小青竜湯、麻黄附子細辛湯など

◎表熱証
タイプ: 粘り気のある鼻水、色のついた鼻水、目のかゆみ、充血、喉の痛みなど
原因: 体に熱がこもった状態。表寒証から進むこともある。小青竜湯など温める薬を長く使いすぎでなることも。
対策: 体の熱を覚まし、水分代謝を改善する
代表処方: 天津感冒片、涼解楽、銀翹散、鼻淵丸、香菊花、駆風解毒湯、辛夷清肺湯など

もっとすすむと・・・

◎寒熱狭雑
タイプ:鼻水はさらさらでも、鼻づまりもひどい、目や喉に痒みや痛みがあることも。
表寒証と表熱証の混ざったタイプ。この場合は、症状に応じてバランスを取りながら対処します。

 

 

Q: 根本治療って?


A: 症状が出ない時期に、毎年同じ症状で苦しまないように"体質改善"すること。これがとっても重要な事なのです!


「衛気」に関係のある臓腑の働きを高め、免疫力や抵抗力を調整してアレルギー体質を 改善します。

◎脾気虚(ひききょ)
タイプ: 胃腸が弱い、食欲不振、食後もたれやすい、下痢しやすい、疲れやすいなど
対処: 胃腸機能の改善、水分代謝を高める
代表処方: 補中丸、健胃顆粒など

◎衛気不足(えきふそく)
タイプ: カゼをひきやすい、汗をかきやすい、くしゃみがよくでるなど
対策: 衛気を補い、防衛力を上げる
代表処方: 衛益顆粒など

◎肺腎両虚
タイプ: 体力が無く疲れやすい、息切れ、腰痛、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー体質など。
対策: 抵抗力を上げ、呼吸器系を強める
代表処方: 八仙丸、双料参茸丸など

◎陽虚
タイプ: 冷える、鼻水は薄くてズルズルしている、低体温など
対策: 体を温め、「衛気」と関係の深い「腎」を補います。
代表処方: 双料参茸丸、参茸補血丸、至宝三鞭丸など

症状・体質によってお薬は代わりますので、お近くの薬局でご相談ください。

 

 

Q: 花粉症のシーズンはどう過ごしたらいいの?


A: 以下のことに気をつけて過ごしてください。


スギ花粉画像

・風の強い日、晴れて暖かい日、雨上がりの翌日などは花粉の飛散量が増えるので、外出はできるだけ避ける。
・外出時には、マスク、帽子、めがねカバーやゴーグルなどを着用して花粉を遠ざける。(マスクは、 花粉を通さない目の細かいフイルターのものを)
・帰宅後は、衣服に付いた花粉をしっかり払い落とす。洗顔やうがいをしたり、鼻をかむ。
・脂っこいもの、味の濃い物、甘い物は胃腸に負担をかけるのでなるべく控える。透明な鼻水がたくさん出る場合は、 冷たい飲食物(生野菜や刺身なども)は厳禁です。
・ファーストフードや加工食品の摂りすぎに注意し、栄養バランスのとれた 生活を!
・たばこやお酒、刺激性の強い香辛料などの摂取は控え目に。
・ストレスをうまく発散する。
・過労、睡眠不足を避ける。

 

今年こそ花粉症を克服して、気持ちのいい春を迎えましょう!

 


花粉症,

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