冬至は養陽が宜しい
冬至は養生学上、特に中高年以降の人々にとって最も重要な節気です。古代から“冬至一陽生”という言葉があり、陰気が冬至に達した時最も盛んになった後衰えはじめ、同時に陽気が芽生え始めます。古人は陽気が芽吹くこの時期の養生修練を非常に重視し、陽気が芽吹くときは農民が苗を育てるが如く、女性が妊娠中であるが如く、注意深いケアと丁寧な養生によってゆっくりと育てていくことが必要です。そのため陽気が体内に充実し、体内の陰陽のバランスが維持できて初めて袪病(病気を治す)延年益寿(長寿)の目的を達することが出来ます。
冬至の節気食材
毎年旧暦の立冬から立春(2021年度は11月7日~2月3日)は“進補(しっかりと補う)”することが一番良い時期です。この時期は滋補、栄養の物を選んで食し、身体を滋養、補益するべきです。しかし注意して頂きたいのは、“進補”はただ単に大量の滋補品を食べればよいということではなく、人によって進補のポイントが違うので、弁証施食が必要です。
紅茶:紅茶は冬に最適な飲み物の一つです。中医学では、紅茶の性味は温/苦甘、身体を補益し、陽気を養い蓄積し、熱を生み出しお腹を温め、冷えに対する抵抗力を増強させます。私は冬に限らず、お腹を温めて胃の働きを良くするシナモン(肉桂)、カルダモン(小豆蔻)、クローブ(丁香)などがミックスされたインドのチャイを朝に頂きます♡お腹は身体の中心なので、お腹が温まると身体全体が温まり、朝からパワー全開で仕事できますよ♡

羊肉:古くから寒さから身を守る食べ物とされ、冬に食べるのが一番とされています。豚肉と比較すると、羊肉はたんぱく質を多く含み、脂肪の量は少なめで、ビタミンB1、B2、B6と鉄、亜鉛、セレンの含有量がとても豊富です。最近ではスーパーでも新鮮で臭みがなく美味しいラム肉が出回るようになりました。中でも薄切り肉はお値段も手ごろで、豚肉牛肉感覚で普段のお料理に使えますよ♡
《本草綱目》には、“羊肉は暖中補虚、補中益気、開胃健身、益腎気、養胆明目できる”と記載されています。

《参考文献:二十四節気順時養生・節気養生薬膳食譜》