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婦人科のおはなし の記事一覧

血のお話⑤ ホルモンとライフステージ/矢留 江里子

こんにちは!矢留です。

今から2千年前、漢方3大古典のひとつ「黄帝内経」素問には、男性は8年周期、女性は7年周期でからだの節目を迎え、変化していくと記されています。
中医学でいう女性の一生のライフサイクル、そしてその後を五臓六腑でみてみましょう。

7歳  乳歯から永久歯に生えかわる。
14歳 初潮を迎える、生殖能力が充実して妊娠可能な状態になる。
21歳 身長も伸び切り歯が生えそろう、女性として成熟期を迎える
28歳 精神的・肉体的にピークを迎える、生殖能力も充実している。
35歳 肌や髪が少しずつ衰え始める、疲れが取れにくくなることも。
42歳 精神的・肉体的に衰えが見え始める、白髪が目立ち、肌はたるんで色艶もあせてくる。
49歳 体重が増えやすく、筋肉や骨が弱くなる。閉経が近づいてくる。

それ以降緩やかに老化していく。

改めて自分の体と突き合わせてみると…2千年前の女性の体と変わらないような気がしますがいかがですか。

中医学でいう生殖は、五臓でいう「腎」に蓄えられる先天の精(両親から受け継いだ生命力)が生殖機能を促進、維持する、天癸(てんき)をうみだすとし、女性は14歳に天癸が満ち初潮を迎え生殖ができるとされます。
天癸は性ホルモンのような意味合いととらえています。

もうひとつ女子胞といって月経、妊娠、出産に関係が深い器官で、西洋医学でいう子宮や卵巣をあらわします。女子胞は精や血によって栄養され、精から生まれた天癸(てんき)という物質の作用により月経が開始され妊娠することが可能になります。

14歳で身体が大人になり月経が始まり49歳には閉経すると考えるとおよそ35年間、毎月のように月経が来るとすると約420回、出血を繰り返すわけです。

49歳を迎えると今でいう女性ホルモンのバランスが乱れがちになり閉経前後の不定愁訴が起こりやすくなります。

50代「肝」の衰え…肝と関係の深い眼の不調、イライラ、体力の低下が起こりやすくなり

60代「心」の衰え…動悸、息切れ、不眠、慢性疲労が起こりやすくなる
70代「脾」の弱り…食欲不振、胃腸虚弱、便秘や下痢が起こりやすくなる
80代「肺」の弱り…風邪をひきやすく、皮膚の乾燥、咳が起こりやすくなる
90代「腎」の気が減少、低下
100歳になるとすべてが虚となり抜け殻になる
と書かれています。

漢方では「腎」が衰えることで身体は老化すると言われます。
腎とは西洋医学でいうところの腎臓や膀胱などの泌尿器系だけでなく、脳や脊髄、耳、髪の毛、子宮や卵巣などの生殖器などを表すと考えます。
体内の水分代謝や排尿のコントロールなどに深く関係していると考えられていて、身体の土台とも言えるところです。

もうひとつ女性のアンチエイジングで大切なのは「肝」の養生です。
「血」を貯蔵し「疏泄」を司る「肝」は、閉経を迎えたとしても、精神、意識を安定させ、イキイキと過ごすために大切な役割をしていきます。

肝心要(かんじんかなめ)というように、「肝・腎」は重要な臓腑であるということがいえます。
28歳のピークを境に、アンチエイジング対策をして老化速度を抑制し、心も体も素敵に歳を重ねられますように☆

血のおはなし①

血のおはなし②

血のおはなし③エイジング

血のおはなし④ 嬉しいと目がキラキラするのは!?

2021/03/13

血のおはなし④ 嬉しいと目がキラキラするのは!?/矢留 江里子

こんにちは!矢留江里子です。

です!万物が更新し、陽気が上昇↑↑↑。中医学では発散の季節です。
天地にあるあらゆるものが新しく生まれ変わり、生物が活発に動き始めます。草木が芽生え、寒さで冬眠状態だった身体が目覚め体内を巡るエネルギーが高まってきます。
冬の間、じっと閉じ込められていたものがイキイキと跳動し伸びやかに成長をはじめます。

中医学でいう「春」「肝」と関係が深く「肝」が活発に動き始める季節です。
「血」を貯蔵する「肝」は自律神経を司り、目や筋肉、感情や情緒中枢のコントロールなどを司ります。
春はなにか新しいことが始まる予感!陽気に刺激され「肝」の気も登っていきます。

また「肝」の状態は「目」に現れるといいます。
「目」は口ほどに物を言う、という言葉がありますね。
疲れて無気力なときは「目が死んでる」「目に力がない」という表現が当てはまります。
好きなことをしている時、楽しい時、恋をしている時などは、顔全体の表情はもちろんですが「目がキラキラ」と輝き、エネルギーがみなぎる感じを経験したことがあると思います。

よい精神状態のときに目が輝くのは、「肝が順調に機能している」ということを表しています。目の疲れ、目赤、涙目といった症状は、肝の気血をめぐらせる機能が失調していたり、肝に蓄えられるはずの血が不足しているときに出やすい症状です。

出産後に「針をもたすな」と言われるのは、妊娠、出産による「血」の消耗で目が疲れやすくなるため、肝に蓄えられていた血が不足し、目にまで栄養が行き渡らないからだと考えることができます。現代では針仕事、というよりはスマホやテレビを見すぎないように、といったほうがわかりやすいですね。出産後にも授乳、育児と続きますので、出産前から「血虚」の傾向がある人は、補血をするなど養生をしていきましょう。

ちなみに目のトラブルでも、老眼やかすみ目など、加齢による影響が大きい症状は、あわせて「腎」との関係も考える必要があります。腎は、エイジングをコントロールしているともいえる臓器です。
「肝」「腎」肝腎同源といって肝血と腎精をお互いに滋養し転化し合う関係にありますので、そんな時は「肝腎」に栄養と潤いを蓄えるようにしましょう。

「血」を充分に「肝」に貯蔵することで精神状態も安定し、元気に活動できるということがわかります。
皆さまになにか嬉しいことが訪れますように~

血のおはなし①

血のおはなし②

血のおはなし③エイジング

2021/02/03

血のおはなし③ エイジング/矢留 江里子

「血」のおはなし③

アンチエイジングと血

中国では昔、奏の始皇帝や王室などの権力者は健康で長生きし子孫繁栄のため、永遠の命を追い求め、生涯にわたって不老不死の妙薬や法を探し続けたといわれています。
中医学はアンチエイジング医学、未病を防ぎ最後まで自分らしく生ききるための智慧が詰まっているのです。

さてエイジング(aging)は日本語で「加齢」と訳します。
加齢は生まれてから死ぬまでの時間経過で、誰にでも平等に起こるものです。
本当に防ぎたいのは老化(senescence)です。

老化とは、加齢による生理機能の低下で、食事や睡眠、喫煙など生活習慣が影響し、個人差が大きいと感じます。
40代50代になり何十年ぶりに会った同窓会、男女ともに重ねてきた年は一緒のはずなのに!ということありませんか。

老化の原因は体内の酸化(サビ)と糖化(コゲ)です!

リンゴやじゃがいもの皮をむいて放置しておくと茶色くなってしまうのが、酸化(サビ)です。
こんなことが私達の身体の血管や筋肉、骨、脳など中で起こっているかと思うとゾッとしますね。

もう一つの糖化(コゲ)とは、週末糖化産物といってタンパク質と糖が加熱されてできた物質=AGEsです。AGEsは体内で作られるだけでなく食べ物から取り込まれます。
例えばパンに砂糖と卵、牛乳をたっぷり含ませてこんがりとと焼く。
この美味しそうなこんがり・・が糖化、AGEsの発生です。
AGEsが体に溜まってくると、肌のハリ・ツヤが低下、シミ、シワの美容面だけでなく、動脈硬化や骨粗鬆症、白内障など身体全体の健康に影響を及ぼす物質なのです。

同じ加熱でも蒸す、茹でる、煮るなど油を使わない調理法はAGEsの産生を抑えることができるといわれます。

●サビ、コゲを減らす養生
・ストレスを溜めない、よく笑う
・強い日光を浴びすぎない
・甘いもの(特に白砂糖)を食べすぎない
・食事はよく噛んで腹八分目に
・緑黄色野菜を毎日食べよう
など食事、睡眠、過労、ストレス、サビやコゲの原因と対策としてみてください。

中医学的なサビ、コゲ対策
全身の隅々までいきわたり、体内に栄養分を送り届けてくれる血液とそれを支える血管は、人の健康を支える源といえます。
中医学的にも、この血液、血管を健康に保つことが、体も心も元気になる秘訣と言えそうです。

●血流を良くする
血は全身の細胞に酸素と栄養を供給し、二酸化炭素と老廃物を回収する働きがあります。
身体の隅々まで巡ることで、冷えも疲れもなく、元気に動くことができます。
瘀血が進むと血液ドロドロ、血管壁もボロボロになり、特に血を大量に必要とする脳や心臓などに見合うだけの酸素と栄養を供給しづらくなります。
また腎臓、肝臓は解毒を行う臓器です、老廃物の回収にも影響を及ぼします。

大部分は生活習慣や加齢に起因してきます。

●血の質を良くする
血流が良くなるためには血も充実している必要があります。血にはいろいろな情報が詰まっています。中医学でいう「血(けつ)」は全身にえいよう精神、思考、意識をも司る、という考えがあります。血が不足している状態では、イライラや不安、不眠などの原因にもなるのです。
飲食物の栄養を消化吸収し、新血を生み出していかれるよう、胃の働きをよくし、腸内環境を整えることが大切です。

5年後10年後も健康でいるために、血を充実させ、血管力を強化してサビ、コゲに備え、いつまでも若々しく元気に過ごしましょう。

2020/12/16

月経の小話 /加藤 百合子

こんにちは 加藤百合子です。
今年も終わりに近づいてきました。気温も下がり、手袋をしたくなりますね。
年末からの開始になりますが、婦人のお話を再開したいと思います。
月経は本来毎月のでき事ですので、女性には、いつのまにか体の健康指標みたいになっています。気づかずに生じている事もあれば、悩んでいる方もいらっしゃると思います。
“月経の小話”、について、東洋医学的な観点から幾度かお話していきたいと思います。では、今回のテーマは・・・

○ ○ 月経量 ○ ○

月経の量が今月多いかなと思われたことはありませんか?
また、月経量が今月だけ多くても、以前にも同じことがあると気にされない方もいらっしゃると思います。
そうです。 気にする時は、量の多い月が続いていることが多いです。

いろいろな原因がありますが、
これは、気持ちが落ち着かないことでも生じます。

例えば。。。

  • その月がとても仕事が忙しくて、気持ちが落ちつかなかった
  • 家族や友人の心配事で話を聞いたり、自分も考えさせられた
  • 自分のことをがいろいろ悩やんでしまい、気持ちがふさがることが多かった

    など

    感情の動きと月経の状況は東洋医学的に関連性があると言われています。
    感情の動きが悪い時は、気持ちの気の動きが悪くなるという表現になります。
    元気があると、体はハツラツと動けます。
    これは、気が動いてくれることで、
    必要な成分が行き渡るように血液も流れ、
    各臓器や筋肉が動いてくれます。
    気の動きが悪くなると、血液の流れも悪くなるということです。

    ここからは東洋医学のユニークな考え方だと思いますが、
    血液の流れが悪くなると、
    子宮に入ってくる経脈で血腋の流れが悪くなり、
    流れなくなった分がたまり、
    月経の周期にあふれてしまうのです。

    こういう時の月経は量が多く、かたまりのようなものも出ます。
    中には、ふらふらっと立ちくらみのような症状がある方、
    おなかの痛みや頭痛がつらい方もいると思います。
    今のような冬の初めは手足の冷えが強くなり、
    しもやけを起こす方が見うけられます。
    月経量の多い症状がひどくなれば、
    西洋医学的な原因にも結びつきがみられれるようになります。

    前述のように気持ちだけでも大変なのに、量が多いことで不調があると
    さらに気持ちもつらくなるものです。
    気になると思われる時は、悩まずにどうぞご相談ください。

2020/12/06

血のおはなし②/矢留 江里子

「血」のお話②

生理をデトックス期間と考える

女性は思春期に初経を迎えてから閉経まではおよそ35年間、妊娠、出産、授乳期以外、
ほぼ毎月休むことなく生理を繰り返すことになります。
生理の前は胸が張るし、便秘、過食、むくみ、頭痛など、PMSの症状がひどくなる!
生理になると生理痛、めまい、ふらつきなど不調が耐えない!
月の半分を憂鬱な気分で過ごすとおっしゃる方も少なくないと思います。

生理なんて面倒くさい!憂鬱なんて思っている方!
生理はプチデトックス、って考えてみたらいかがでしょう。

●デトックスに最適期
生理が始まると、体内に溜まった老廃物や毒素を排出し、デトックス効果が高まる時期となります。この時期には身体を冷やさないようにして骨盤内の血流を良くしてあげましょう。
冷たいものの食べすぎ、飲みすぎは控えましょう。
生理痛がある方は温めることで痛みが軽くなることがあります。

生理のあとは髪や肌も潤い、お肌の調子もよく女性の魅力を増す時期といわれます。
排卵までは卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が続くのでデトックス期と考えてもいいでしょう。
精神的にも安定している時期ですから、ダイエットを集中して頑張る方には絶好の期間と言えます。
3食バランスのとれた食事を心がけ、いつもの運動量より多めに身体を動かし、活発に動いてみましょう。

●デトックスに向かない期間
排卵が終わり高温期になると、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、子宮内膜を厚くします。水分、脂肪、血液など代謝も悪くなり、溜め込む時期になるので、体が重だるく便秘、むくみ、過食が起こりやすく、体重が増えやすい期間となります。

イライラ、憂鬱‥PMSの症状に個人差はありますが、心も不安定になる時期です。
リラックス出来るよう軽い運動やストレッチなど、気分転換をして気の巡りを良くするように心がけましょう。

辛い、面倒だと思っていた生理も、考え方を変え、過ごし方を変えてみると憂鬱から解放されるかもしれません。

2020/11/10

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